アステラス製薬の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

アステラス製薬 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

人数は減り、平均年間給与は8.1%上がっている

アステラス製薬の有価証券報告書(第21期・2026年3月期)を読むと、待遇に関わる2つの数字が逆方向に動いています。

提出会社の従業員数の推移は次のとおりです。

決算年月従業員数
第17期2022年3月3,943人
第18期2023年3月4,867人
第19期2024年3月4,806人
第20期2025年3月4,105人
第21期2026年3月4,081人

第18期の4,867人から、第21期には4,081人まで786人減っています。一方、第21期の平均年間給与は11,315,057円で、対前事業年度増減率は8.1%のプラスです。

人数が減り、1人あたりの給与が上がる。この組み合わせは、組織の構成が変わっていることを示します。転職を検討する立場としては、この平均額をそのまま自分の想定に置き換える前に、その中身を確認しておく必要があります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。

会社概要と事業の構造

項目内容
会社名アステラス製薬株式会社(Astellas Pharma Inc.)
上場区分東京証券取引所プライム市場(証券コード4503)
本社所在地東京都中央区日本橋本町二丁目5番1号
創立1923年4月(山之内薬品商会として大阪市にて)
資本金103,001百万円(2026年3月期)
従業員数連結14,099人/提出会社4,081人 ※2026年3月31日現在
事業内容医薬品の研究開発、製造及び販売(医薬品事業 単一セグメント)
決算期3月

2005年の合併で生まれた会社

有価証券報告書は、1923年4月に山之内薬品商会が創立され、1940年10月に山之内製薬株式会社へ改称、2005年4月に藤沢薬品工業株式会社と合併してアステラス製薬株式会社が発足したと記載しています。同合併に伴い、海外・国内グループ会社を順次再編したとされます。

グループは当社及び連結子会社80社、持分法適用会社6社から構成されており、報告セグメントは医薬品事業の単一となっています。

買収を重ねて研究基盤を作ってきた

沿革を見ると、この会社の成長のかたちが分かります。

新しい技術基盤を、外部の企業ごと取り込んできた会社だと読めます。研究開発の主要拠点は米国に置かれており、アステラス ファーマ グローバル ディベロップメント Inc.(米国)が研究開発機能を担うと記載されています。

直近の業績

第21期(2026年3月期)の連結売上収益は2,139,245百万円で、前期の1,912,323百万円から増加しました。税引前利益は376,587百万円(前期31,237百万円)、当期利益(親会社の所有者に帰属)は291,535百万円(前期50,747百万円)と、大きく回復しています。

評判の傾向

年収・評価制度

水準の高さに言及する声が多く見られます。評価制度が改訂されたことへの言及や、グローバル共通の仕組みで運用されている点に触れる投稿もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

休暇の取りやすさや制度面を評価する声が見られます。一方で、担当領域やプロジェクトの段階によって業務量が変わるという指摘もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

グローバルなポジションへの挑戦機会に言及する声が見られます。組織再編が続いてきたことへの指摘もあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

社風・人間関係

合併と買収を重ねてきた経緯に触れる声が見られます。英語を使う場面についての言及も見られます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

**平均年間給与1,131万5,057円を「入れば得られる金額」と読まないでください。**この数字の母集団は提出会社4,081人、平均年齢42.5歳、平均勤続年数15.4年です。27歳前後で入社して15年在籍している層が中核にいる構成であり、日本の研究開発・生産・営業の基幹人員が含まれます。押さえておきたいのは、その4,081人が第18期の4,867人から786人減っていること、そして同じ期間に平均年間給与が上がり、直近では8.1%増えていることです。人数が減って1人あたりが上がるとき、上位の職務グレードの比率が高まっている可能性があります。有価証券報告書は男女の賃金差異の要因について「男性の方が高い職務グレードに就いている割合が高いこと」と説明しており、この会社が職務グレードで処遇を決めていることが読み取れます。つまり中途で入る場合、平均額ではなく自分がどのグレードにマッピングされるかが金額を決めます。面接では、募集ポジションのグレードと、そのグレードの職務定義を確認してください。

年収・評価制度・福利厚生

有価証券報告書に記載された数字

第21期(2026年3月期)の提出会社の状況は次のとおりです。

項目内容
従業員数4,081人
平均年齢42.5歳
平均勤続年数15.4年
平均年間給与11,315,057円
平均年間給与の対前事業年度増減率8.1%

平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含む総年間賃金を人数で除して算出していると注記されています。

評価と報酬の仕組み

有価証券報告書は、グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に向けた取り組みとして、グローバルでタレントマネジメントのプロセス統合を行っていると記載しています。

そのうえで、2022年度に目標管理と評価制度、報酬・レコグニション制度を改訂し、これまで部門業績を賞与支給金額の算定要素にしていたところを全社業績に変更、2023年度から運用を開始したと明記されています。

社員同士のレコグニション制度として「Shining Star制度」を導入し、社員同士がお互いに称賛し合える風土を醸成しているとされます。これらの柱を支え、グローバルでの適所適材を実現する基盤として、グローバルで人事システムの統合を進めているとも記載されています。

賞与の算定基準が部門業績から全社業績に変わったという事実は、働き方に直接影響します。自分の部門の成績が良くても、全社の業績が下がれば賞与に反映されます。逆もまた同じです。

女性活躍・育児関連の開示数値

指標数値
経営基幹職に占める女性労働者の割合19.7%
男性労働者の育児休業等取得率72.7%(育児休業等のみでは55.5%)
男女の賃金の差異(全労働者)76.9%
男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者)77.5%
男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者)59.6%

賃金差異について、有価証券報告書は主な要因を「男性の方が高い職務グレードに就いている割合が高いこと」とし、同等の期待役割を持つ職務レベルであれば男女で賃金に差異が生じることはないと説明しています。

労働組合

有価証券報告書は、当社の従業員がアステラス労働組合を構成し、上部団体として医薬化粧品産業労働組合連合会に加盟していると記載しています。2026年3月31日現在における組合員数は2,459名で、労使は健全な関係を構築しているとされます。

提出会社の従業員4,081人に対して組合員2,459名という比率は、経営基幹職以外の層が組合に属している構造を示唆します。

働き方と労働環境

「Employer of Choice」という目標

有価証券報告書は、人的資本への投資について「今日の実行力の強化に加えて、将来の組織をかたちづくる重要な投資」と位置づけ、短期的及び中長期的な視点をもって継続的に実施していると記載しています。目指す姿として「Employer of Choice:現在そして未来の社員に選ばれる会社」が掲げられています。

経営計画の実現に向けて「組織健全性目標」を設定しており、イノベーションの促進、人材の活躍、コラボレーションの浸透を通して意欲的な目標の実現を目指す企業文化を醸成し、実行力を向上させることを目指すとされています。

多様性に関する3つの目標

有価証券報告書は、多様性を確保するために次の3つの目標があると記載しています。

a. 女性のマネジャー職への登用

グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、ジェンダーにかかわらず適所適材の考え方に基づき登用を行っているとされます。日本では女性の活躍推進を優先度の高い課題と位置づけていると明記されています。

b. 外国人、中途採用者のマネジャー職への登用

グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、適切に登用を行っている。このことにより、当社ではグローバルで数多くの外国籍従業員、中途採用者がマネジャー職へ登用されており、今後も継続して取り組んでいくと記載されています。

c. サクセッションプランニングと運用

当社のサクセッションプランニングの特徴として、次の4点が挙げられています。

  1. 完全なグローバル統合プラン
  2. 社内外問わず最適な人材を後継者候補に
  3. 完全な自由競争による人材配置
  4. 毎年の見直しにより常に最適な人材による適所適材を実現

ファンクショナルユニット長クラス以上のポジションについて後継者プランの作成をグローバルで行っているとされています。

キャリア形成の特徴

有価証券報告書に「外国人、中途採用者のマネジャー職への登用」が独立した項目として書かれている点は、転職者にとって重要な情報です。中途採用者が管理職に上がる道筋が、会社の方針として明示されています。

一方で「グローバルレポートラインの体制で設計されたポジション」という表現が繰り返し使われています。日本法人の中だけで完結する組織図ではなく、機能ごとにグローバルの指揮系統が引かれている構造だと読めます。上司が海外にいる、あるいは同じ機能の同僚が複数国に散らばっている働き方が想定されます。

サクセッションプランニングに「社内外問わず最適な人材を後継者候補に」「完全な自由競争による人材配置」と書かれていることも、この会社の人材観を示しています。年次による順番待ちではなく、ポジションごとに候補が競う設計です。

向いている人/向いていない人

向いている人

グローバルな組織で働きたい方

研究開発機能は米国に置かれ、連結子会社は80社に及びます。グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションが前提になっています。

中途入社から管理職を目指したい方

有価証券報告書に、外国籍従業員および中途採用者のマネジャー職への登用が明示されています。方針として書かれている企業は多くありません。

新しい技術基盤に関わりたい方

抗体医薬、細胞医療、遺伝子治療、眼科領域と、買収を通じて技術基盤を広げてきた会社です。技術の入れ替わりに関わる機会があります。

向いていない人

国内市場だけを見て働きたい方

連結従業員14,099人に対し提出会社は4,081人です。事業の重心はグローバルにあり、国内完結の働き方を望む方には合いにくい構造です。

部門の成果がそのまま処遇に反映される仕組みを望む方

2022年度の制度改訂により、賞与の算定要素は部門業績から全社業績に変更されています。自部門の成果と賞与が直結する設計ではありません。

エージェントベストの見解

この会社の面接で終盤に問われやすいのは、**「グローバルレポートラインで成果を出した経験があるか」**です。有価証券報告書の人的資本に関する記載には、この表現が繰り返し登場します。日本法人の上長に報告して完結する仕事と、機能ごとに海外の上長に報告する仕事では、必要な力が違います。後者では、時差のある相手に文書で意思決定を求める力が問われます。会議の場で空気を読んで合意する進め方は通用しません。準備としては、職務経歴のなかから「海外の関係者と、文書ベースで意思決定を進めた」場面を1つ選び、何を書き、どこで揉め、どう決着したかを言語化しておいてください。英語力そのものより、この進め方の経験があるかどうかが見られます。**サクセッションプランニングに「完全な自由競争による人材配置」と書く会社です。**入社後もポジションごとに候補が競う前提で、自分の売りを説明できる状態にしておくことをお勧めします。

選考に向けた準備

選考フローの概要

公開されている情報の範囲では、書類選考のうえで複数回の面接に進む流れが一般的とされています。ポジションによっては英語での面接や、実務課題が加わる場合があります。回数や内容は募集職種と時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ製薬なのか」では、この産業の時間軸をどう理解しているかが問われます。研究開発から承認、上市までの期間と、その間に必要な投資の規模。この前提を踏まえずに「人の役に立ちたい」とだけ話すと、産業の理解が浅いと受け取られます。

「なぜこの会社か」では、公開資料から読み取れる特徴に触れます。2005年の藤沢薬品工業との合併で発足したこと、連結子会社80社という構成、抗体医薬から細胞医療・遺伝子治療・眼科領域へと買収で技術基盤を広げてきた経緯、グローバルレポートラインという組織設計。こうした事実にもとづく志望理由は、製品名を挙げるだけの志望動機とは伝わり方が違います。

職務経歴書で見られるポイント

研究開発の経験は、担当したフェーズと領域を明示します。基礎研究なのか、非臨床なのか、臨床開発なのか。疾患領域もあわせて書きます。

海外との協働経験がある場合は、相手の国と役割を具体的に書きます。この会社の組織設計を踏まえると、この経験は直接的な意味を持ちます。

管理職を目指す場合は、人数だけでなくどの意思決定を自分が下したかを書きます。サクセッションプランニングで社内外問わず候補を選ぶ会社では、実績の粒度が問われます。

まとめ

アステラス製薬は、医薬品の研究開発・製造・販売を手がける製薬会社です。東京証券取引所プライム市場に上場し、本社は東京都中央区日本橋本町、決算期は3月です。1923年4月創立の山之内薬品商会を母体とし、2005年4月に藤沢薬品工業との合併で現社名となりました。

第21期(2026年3月期)の連結売上収益は2兆1,392億円、当期利益(親会社の所有者に帰属)は2,915億円です。前期から大きく回復しています。連結従業員数は14,099人で、報告セグメントは医薬品事業の単一です。

提出会社の従業員数は4,081人、平均年間給与1,131万5,057円、平均年齢42.5歳、平均勤続年数15.4年です。平均年間給与の対前事業年度増減率は8.1%のプラスで、一方で提出会社の従業員数は第18期の4,867人から786人減っています。

人的資本の方針として「Employer of Choice」が掲げられ、外国人・中途採用者のマネジャー職への登用が明示されています。サクセッションプランニングは「社内外問わず最適な人材を後継者候補に」「完全な自由競争による人材配置」を特徴とすると記載されています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書(第21期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は11,315,057円(1,131万5,057円)です。従業員数4,081人、平均年齢42.5歳、平均勤続年数15.4年を対象とした数字で、基準外賃金及び賞与を含む総年間賃金を人数で除して算出したものです。対前事業年度増減率は8.1%のプラスです。実際の提示額は職務グレードによって決まるため、募集要項および選考の場でご確認ください。

Q. 中途入社でも管理職になれますか。

A. 有価証券報告書には、多様性確保の目標のひとつとして「外国人、中途採用者のマネジャー職への登用」が挙げられており、グローバルで数多くの外国籍従業員、中途採用者がマネジャー職へ登用されていると記載されています。サクセッションプランニングの特徴としても「社内外問わず最適な人材を後継者候補に」「完全な自由競争による人材配置」が挙げられています。ただし個別のポジションごとに要件が異なるため、詳細は選考の場でご確認ください。

Q. 英語は必要ですか。

A. 有価証券報告書には「グローバルレポートラインの体制で設計されたポジション」という表現が繰り返し登場し、グローバルでタレントマネジメントのプロセス統合や人事システムの統合を進めていると記載されています。研究開発機能の主要拠点も米国に置かれています。ポジションによって求められる水準は異なるため、募集要項で要件をご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)