ベクトルの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ベクトルは、PR(パブリックリレーションズ)を軸に広告・プレスリリース配信・ダイレクトマーケティングなどを手がける東証上場企業です。第34期(2026年2月期)の連結売上高は637億94百万円、経常利益は91億44百万円。連結従業員数は1,571人ですが、提出会社の従業員は184人にとどまります。事業の実体は子会社群にあり、応募時にはどの法人かの確認が要ります。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
1,571人と184人
有価証券報告書(第34期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ベクトル(VECTOR INC.) |
| 代表者 | 代表取締役社長CEO 西江 肇司 |
| 本店所在地 | 東京都港区赤坂四丁目15番1号 |
| 事業年度 | 第34期(2025年3月1日〜2026年2月28日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード6058) |
| 連結従業員数 | 1,571人(外書548人)(2026年2月28日現在) |
| 提出会社の従業員数 | 184人(外書93人) |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| PR・広告事業 | 1,193人(外書345人) |
| プレスリリース配信事業 | 241人(外書156人) |
| ダイレクトマーケティング事業 | 92人(外書6人) |
| HR事業 | 42人(外書41人) |
| 投資事業 | 3人 |
| 合計 | 1,571人(外書548人) |
PR・広告が約76%
1,193人。事業の中核が明確です。次いでプレスリリース配信事業の241人。
投資事業に3人
わずか3人ですが、事業セグメントとして独立しています。PR会社でありながら投資も行っている構成です。
HR事業の縮小
有価証券報告書には、HR事業の従業員数が前連結会計年度末と比べて142名減少した旨と、その理由が2026年2月28日付で株式会社あしたのチームを連結の範囲から除外したことであると記載されています。
期末日に子会社を外しているという点は、事業ポートフォリオの見直しが進んでいることを示します。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 純資産額 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年2月 | 481億22百万円 | 52億8百万円 | 20億71百万円 | 161億78百万円 |
| 2023年2月 | 552億25百万円 | 66億23百万円 | 31億72百万円 | 157億59百万円 |
| 2024年2月 | 592億12百万円 | 68億71百万円 | 46億84百万円 | 199億75百万円 |
| 2025年2月 | 592億54百万円 | 76億55百万円 | 41億95百万円 | 213億37百万円 |
| 2026年2月 | 637億94百万円 | 91億44百万円 | 51億9百万円 | 271億41百万円 |
売上は5期で1.3倍
481億22百万円から637億94百万円へ。第33期は前期比ほぼ横ばい(592億12百万円→592億54百万円)でしたが、第34期は7.7%の増収に戻りました。
経常利益は5期連続で増加
52億8百万円から91億44百万円へ。売上の伸びを上回るペースで利益が増えています。
純資産も大きく増えた
213億37百万円から271億41百万円へ。第34期の包括利益は63億92百万円で、純利益51億9百万円を上回っています。
評判の傾向
年収・評価制度
成果に応じた評価という声が見られます。一方、グループ会社によって水準に差があるという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
案件の進行に左右されるという声が中心です。PRの仕事はメディアの都合に合わせる場面があるという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
若手から案件を任される点を評価する声が多く見られます。グループ会社が多く、異動の機会があるという言及もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
スピードを重んじる文化という評価が中心です。合う・合わないが分かれるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社を受けるなら、「どの法人に入るのか」を最初に確認してください。連結1,571人に対し、提出会社であるベクトル本体は184人。差の1,387人は子会社に所属しています。PR・広告事業だけで1,193人、プレスリリース配信事業に241人。同じグループでも、扱う商材も顧客も評価指標も違います。 さらに第34期には、HR事業の子会社である株式会社あしたのチームが連結から外れ、142名が減っています。事業ポートフォリオが動く会社であることは、キャリアを考えるうえで重要です。自分が入る事業が、5年後もグループ内にあるとは限らない。面接では「雇用契約を結ぶ法人」と「その法人がグループ内で担う役割」を確認してください。あわせて、グループ会社間の異動実績も聞いておくと、選択肢の広さが見えます。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 184人(外書93人) |
| 平均年齢 | 35.4歳 |
| 平均勤続年数 | 3.2年 |
| 平均年間給与 | 6,584千円 |
この数値は提出会社のもの
連結1,571人のうち184人、つまり約12%の数値です。子会社に所属する1,387人の水準を示すものではありません。転職情報サイトでこの数字を「ベクトルの平均年収」として見た場合、自分が入る法人の水準とは異なる可能性があります。
臨時従業員が93人
提出会社184人に対し、外書で93人。正社員の半数に相当する臨時雇用がいる構成です。
確認しておきたいこと
- 雇用契約を結ぶ法人と、その法人の給与体系
- 応募職種の給与レンジ
- 固定給とインセンティブの比率
- グループ会社間の異動の実績
働き方と、5つの事業
同じグループのなかに、性格の異なる事業が並んでいます。
**PR・広告事業(1,193人)**は、顧客企業の広報・宣伝を支援します。メディアとの関係構築と、企画の提案が中心です。
**プレスリリース配信事業(241人)**は、プラットフォーム型の事業です。個別の案件対応というより、仕組みで多数の利用者を支える性格を持ちます。
**ダイレクトマーケティング事業(92人)**は、商品の企画・販売に近い領域と考えられます。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 応募ポジションが属するセグメントと法人
- そのセグメントで使われている主要な指標
- 顧客対応の時間帯(メディア対応がある場合)
- リモートと出社の運用
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、情報を届ける設計の経験です。PRは広告と違い、メディアに取り上げてもらう形をとります。費用を払えば載るわけではないため、企画そのものの価値が問われます。
この経験は、事業会社の広報部門、他のPR会社、広告代理店、メディア企業などで評価されます。プレスリリース配信事業に関われば、プラットフォーム運営の経験が加わり、SaaS企業への接続も見えてきます。
一方、グループ会社が多く事業の入れ替えもあるため、所属する法人が変わる可能性があります。長期のキャリアを考える際は、この点を前提に置く必要があります。
向いている人/向いていない人
情報の伝わり方を設計したい人
PRが事業の中核です。何をどう伝えれば人が動くかに関心がある方に向きます。
スピード感のある環境で働きたい人
案件の回転が速い領域です。次々に動くことを前向きに捉えられる方に合います。
幅広い業界に触れたい人
顧客は多様な業界の企業です。特定の業界に閉じずに経験を積みたい方に機会があります。
安定した組織構成を求める人
第34期にHR事業の子会社が連結から外れています。グループの構成が動く前提で考える必要があります。
成果指標から距離を置きたい人
案件の獲得と進行が収益に直結します。数値目標のもとで働くことに負担を感じる方には合いにくい構造です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「取り上げられなかったときに何をするか」です。PRの仕事では、企画を持ち込んでもメディアが扱ってくれないことが日常的にあります。広告と違い、枠を買えば載るという仕組みではないからです。ここで「粘り強く提案します」とだけ答えると、評価は伸びません。見られているのは、なぜ扱われなかったのかを分析して、切り口を変えられるかです。時期が悪かったのか、そのメディアの読者に合わなかったのか、そもそもニュース性がなかったのか。原因によって次の打ち手はまったく違います。準備としては、自分が過去に「提案が通らなかった経験」を1つ選び、原因の分析と次に変えた行動をセットで語れるようにしておくことをおすすめします。
5期の増益が続いている構造
経常利益は52億8百万円(第30期)から91億44百万円(第34期)へ、5期連続で増加しています。
売上の伸びを上回る利益成長
売上高は481億22百万円から637億94百万円へ32.6%増。一方、経常利益は75.6%増。利益率が改善し続けていることになります。
第33期の踊り場
売上高は592億12百万円(第32期)から592億54百万円(第33期)へほぼ横ばいでした。それでも経常利益は68億71百万円から76億55百万円へ11.4%増。売上が伸びない期でも利益を伸ばしています。
純資産の増加
161億78百万円(第30期)から271億41百万円(第34期)へ。第34期の包括利益63億92百万円は純利益51億9百万円を上回っており、保有資産の評価も寄与していると考えられます。
確認しておきたいこと
面接では「利益率が上がっている要因」を聞いてください。単価の改善なのか、コスト構造の見直しなのか、事業構成の変化なのか。答えの具体性で、経営の説明力が分かります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては企画の提案や適性検査が含まれる場合があるとされますが、内容と回数は応募先の法人・ポジション・時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜPR・広告の領域か」と「なぜこの会社(法人)か」を分けます。後者では、連結1,571人と提出会社184人という構造を理解したうえで応募していることが伝わると強くなります。5つの事業セグメントのどこに関わりたいかを明示できると、なお良くなります。
職務経歴書で見られる点
広報・PRの経験があれば、担当した案件と掲載・露出の実績を数字で書きます。営業経験があれば、担当社数と受注率を明記してください。**「話題になった」ではなく「どの媒体に、どう取り上げられ、その結果どうなったか」**まで書けているかで、書類の見え方が変わります。
まとめ
ベクトルについて、有価証券報告書(第34期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード6058)。第34期の連結売上高は637億94百万円、経常利益は91億44百万円、純利益は51億9百万円
- 経常利益は5期連続で増加(52億8百万円→91億44百万円)。売上高は481億22百万円から637億94百万円へ
- 連結従業員数は1,571人(外書548人)。PR・広告事業1,193人、プレスリリース配信事業241人、ダイレクトマーケティング事業92人、HR事業42人、投資事業3人
- 提出会社の従業員は184人(外書93人)で、連結の約12%。平均年齢35.4歳、平均勤続年数3.2年、平均年間給与6,584千円
- HR事業は2026年2月28日付で株式会社あしたのチームを連結の範囲から除外し、前連結会計年度末から142名減少
- 純資産額は213億37百万円から271億41百万円へ増加
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収658万円というのは、どの範囲の数字ですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社(ベクトル本体)の従業員184人の平均年間給与です。連結1,571人のうち約12%にあたり、子会社に所属する1,387人の水準を示すものではありません。雇用契約を結ぶ法人を確認することをおすすめします。
Q. どの事業に配属されますか。
A. 連結1,571人のうちPR・広告事業が1,193人で最大です。次いでプレスリリース配信事業241人、ダイレクトマーケティング事業92人、HR事業42人、投資事業3人という構成です。応募ポジションがどのセグメント・どの法人に属するかを確認することをおすすめします。
Q. 業績は伸びていますか。
A. 経常利益は5期連続で増加し、第34期は91億44百万円です。売上高も637億94百万円で前期比7.7%増となりました。ただし第33期は売上高がほぼ横ばいだった期があります。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。