大和証券の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
大和証券について調べると、平均年間給与1,793万円という数字に行き当たります。これは有価証券報告書に載っている実数ですが、対象は大和証券ではなく株式会社大和証券グループ本社の494人です。同じ有価証券報告書には、大和証券の数値も別に載っています。この記事では、その2つを並べたうえで、部門ごとの人員構成と待遇の決まり方を整理します。
上場しているのは大和証券ではなくグループ本社
まず法人の関係を確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 上場会社 | 株式会社大和証券グループ本社(東証・名証、証券コード8601) |
| 事業会社 | 大和証券株式会社(有価証券報告書上の最大人員会社) |
| 本店所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 |
| 資本金 | 247,397百万円(提出会社) |
| 連結従業員数 | 14,984人(2026年3月31日現在) |
| 決算期 | 3月 |
有価証券報告書 第89期(2026年3月期)によります。
連結の業績は次のとおりです。
| 回次 | 決算年月 | 営業収益 | 純営業収益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第85期 | 2022年3月 | 619,471百万円 | 502,093百万円 | 135,821百万円 | 94,891百万円 |
| 第86期 | 2023年3月 | 866,090百万円 | 464,226百万円 | 86,930百万円 | 63,875百万円 |
| 第87期 | 2024年3月 | 1,277,482百万円 | 590,910百万円 | 174,587百万円 | 121,557百万円 |
| 第88期 | 2025年3月 | 1,372,014百万円 | 645,990百万円 | 224,716百万円 | 154,368百万円 |
| 第89期 | 2026年3月 | 1,467,983百万円 | 720,427百万円 | 234,510百万円 | 175,281百万円 |
第86期にいったん落ち込んだあと、3期連続で増益です。親会社株主に帰属する当期純利益は63,875百万円から175,281百万円へ、3期で約2.74倍になりました。自己資本利益率は4.6%から10.3%へ上がっています。
総資産額は38,077,646百万円、自己資本比率は4.6%です。証券会社は顧客資産の預かりや金融商品の在庫が資産に計上されるため、事業会社と同じ感覚で自己資本比率を読むことはできません。
連結14,984人の内訳は4区分に分かれている
部門別の従業員数です。
| 部門 | 従業員数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ウェルスマネジメント部門 | 5,877人 | 約39.2% |
| グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門 | 3,282人 | 約21.9% |
| アセットマネジメント部門 | 1,330人 | 約8.9% |
| その他 | 4,495人 | 約30.0% |
| 合計 | 14,984人 | 100.0% |
2026年3月31日現在です。有価証券報告書には、提出会社と大和証券株式会社との兼務者は「その他」に含めていると注記されています。
最も人数が多いのはウェルスマネジメント部門の5,877人です。個人・法人のお客様への資産コンサルティングを担う領域で、連結全体の約4割を占めます。一方、投資銀行業務や市場業務を担うグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は3,282人です。
そして年収の開示は、部門別ではなく法人別に行われています。
| 区分 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 提出会社 大和証券グループ本社 | 494人 | 41.6歳 | 15.2年 | 17,934,308円 | 10.3% |
| 連結 大和証券 | 5,234人 | 38.7歳 | 15.4年 | 14,313,037円 | 5.4% |
いずれも2026年3月31日現在で、総合職における従業員について表示したものです。有価証券報告書には、提出会社の従業員数494名がすべて大和証券株式会社との兼務者であること、総合職以外を含めた大和証券株式会社の従業員数は連結子会社の中で最も多く連結会社の従業員数の半数を超えるため同社が最大人員会社に該当すること、提出会社の平均勤続年数は大和証券株式会社等での勤続年数を通算していることが注記されています。
エージェントベストの見解
「大和証券の平均年収1,793万円」という数字を持って相談に来られる方が一定数います。有価証券報告書に載っている実数ではありますが、対象は株式会社大和証券グループ本社の494人です。同じ表の下の行が大和証券株式会社で、5,234人・14,313,037円。差は約362万円あります。さらに読むべきは注記のほうです。この494人は全員が大和証券株式会社との兼務者で、平均勤続年数も大和証券等での勤続を通算した数値。つまり持株会社に転籍した層が別枠で開示されている、という構造です。加えて、どちらの数字も「総合職」に限った集計で、総合職以外を含めた大和証券株式会社の従業員数は連結14,984人の半数を超えると注記されています。応募先が事業会社の総合職なら、見るべきは1,431万円の行です。1,793万円のほうを基準に交渉の想定を組み立てると、話が噛み合いません。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
有価証券報告書には、報酬についてPay for Performanceの考えに基づき、成果や実績をもとに競争力のある処遇制度を整備し、パフォーマンスに応じた報酬となるよう毎年見直しを行っていると記載されています。2022年度以降5年連続で処遇改善を行っており、過去5年間の累計では25%以上引き上げたとされています。
同じ記載のなかで、平均年間給与が2021年度の1,220万円から2025年度の1,793万円へ、4年間で47%増加したことが示されています。1,793万円は提出会社の数値と一致します。
評価体系については、入社年次に関わらず、より高い役割や責任あるポジションへの挑戦意欲を喚起する評価体系を目指すと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
男性労働者の育児休業等取得率は93.2%と記載されています。残業時間は開示されていません。
社員に占める女性の割合は40.5%(2025年度末、提出会社およびすべての国内連結子会社)です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
教育投資については、従業員一人当たりの教育投資にかかわる費用を2020年度比で25%以上引き上げたと記載されています。
具体的な仕組みも複数挙げられています。全社員を対象としたオンライン動画学習プラットフォームの導入、資格取得支援として試験対策講座受講料や受験料の補助、デジタル技術を活用してビジネス変革を担う人材の育成を目的とした認定制度、全社員を対象に生成AIの活用等のデジタルスキル向上を図る取り組みです。
資格については、2026年3月末時点のCFP資格取得者数が1,775名で、金融業界において最多水準と記載されています。
異動については、自身の希望するキャリアや職場環境に対する考えを人事部門に直接伝えることができる自己申告制度と、グループ内の様々な業務に自ら応募して異動を実現するグループ内公募制度が挙げられています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
女性管理職比率は連結で22.0%です。有価証券報告書には、サステナビリティKPIとして定めた「2026年度までに女性管理職比率を20%以上(連結)」という目標を達成したこと、取り組みを始めた2005年度末時点では2.7%だったことが記載されています。
法人別の内訳も開示されています。
| 法人 | 管理職に占める女性労働者の割合 |
|---|---|
| 大和証券ビジネスセンター | 30.4% |
| 大和証券 | 24.9% |
| 大和アセットマネジメント | 20.5% |
| 大和証券グループ本社 | 19.9% |
| 大和総研 | 15.6% |
| 大和総研インフォメーションシステムズ | 9.0% |
| 連結(提出会社およびすべての国内連結子会社) | 22.0% |
いずれも2025年度末の数値です。大和証券では2009年度以降の基幹職への転向者が累計1,211名と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア採用は年間採用766名のうち26.9%
有価証券報告書には、2025年度の年間採用人数766名のうちキャリア採用が26.9%を占めると記載されています。キャリア採用は、正社員としての就業経験があり、同グループが事業を行っている業界への知見や特定の職種での勤務経験のある方を募集する採用形態と定義されています。
定着に向けた施策として、入社式、メンター制度、キャリア入社社員間の交流チャネルの整備、部門長を含む懇親会等のオンボーディング施策を実施していると記載があります。
新卒採用については、大和証券の通年採用において応募者が作成する「自分史」を活用し、価値観や行動特性を多面的に把握したうえで、現場の部室店長を含む複数の視点による選考を行うとされています。応募者が関心のある部門・社員を選択して面談できる制度や、高度な専門性を発揮する人材を評価する人事制度も挙げられています。
新卒とキャリアで選考の設計が異なるため、公開情報だけで自分の選考フローを断定することはできません。最新の募集要項は公式の採用サイトでご確認ください。
向いている人/向いていない人
向いている人
個人・法人の資産コンサルティングに軸足を置きたい方
ウェルスマネジメント部門は5,877人で、連結14,984人の約39.2%を占めます。人数の面では中核の領域です。
成果に応じた処遇の見直しが毎年入る環境に向く方
Pay for Performanceの考えに基づき、パフォーマンスに応じた報酬となるよう毎年見直しを行うと記載されています。2022年度以降5年連続で処遇改善が行われました。
学び直しの機会を制度として使いたい方
教育投資は2020年度比で25%以上引き上げられ、オンライン学習基盤や資格取得支援、デジタル人材の認定制度が整備されています。CFP資格取得者数は1,775名です。
向いていない人
投資銀行業務だけに絞って考えている方
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門は3,282人で、連結の約21.9%です。ウェルスマネジメント部門の5,877人とは規模が異なります。
法人ごとの待遇差を確認せずに応募したい方
平均年間給与は法人別に開示され、グループ本社494人が17,934,308円、大和証券5,234人が14,313,037円です。応募先の法人で前提が変わります。
エージェントベストの見解
この会社で目立つミスマッチは、「証券会社に入る」と「大和証券のどの部門に入る」を分けずに応募してしまうことです。有価証券報告書の部門別従業員数を見てください。ウェルスマネジメント部門5,877人、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門3,282人、アセットマネジメント部門1,330人、その他4,495人。人数の重心はウェルスマネジメントにあります。ところが転職市場で語られる証券会社のイメージは、投資銀行業務や市場業務に寄りがちです。両者は日々の時間の使い方も、評価される成果も別物です。応募前に確認すべきは、求人がどの部門のどのポジションかという1点。そのうえで、面接では「なぜウェルスマネジメントか」「なぜIBか」を部門の言葉で語れるようにしておいてください。部門名まで踏み込めていない志望動機は、どの部門の面接官が聞いても薄く響きます。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
上場会社は株式会社大和証券グループ本社で、証券会社としての事業は大和証券株式会社が担っています。グループには大和アセットマネジメント、大和総研、大和総研インフォメーションシステムズ、大和証券ビジネスセンター等があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。
年収は法人別に開示されています。グループ本社494人が17,934,308円、大和証券5,234人が14,313,037円。いずれも総合職ベースです。
決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ証券会社か」と「なぜ大和証券か」の2段で組み立てます。
前者については、ウェルスマネジメント、アセットマネジメント、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキングのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。親会社株主に帰属する当期純利益が第86期の63,875百万円から第89期の175,281百万円へ3期で約2.74倍になったこと。純営業収益が720,427百万円であること。連結14,984人のうちウェルスマネジメント部門が5,877人を占めること。2022年度以降5年連続で処遇改善を行い、過去5年累計で25%以上引き上げたこと。女性管理職比率が連結22.0%でKPIを達成したこと。
部門別の人員構成に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
証券会社の中途採用では、担当した顧客層・商品と、そこで動かした数値が読まれます。
リテール営業の経験がある方は、担当した顧客数と預かり資産の規模、提案した商品の種類、残高をどれだけ動かしたかを書きます。
法人営業・投資銀行業務の経験がある方は、担当した業種と案件の規模、起案から実行までのどこを担ったかを書きます。
市場業務の経験がある方は、扱った商品と、リスク管理の枠組みのなかで自分が判断した範囲を書きます。
アセットマネジメントの経験がある方は、運用または商品開発のどちらを担い、対象資産と規模がどうだったかを書きます。
コーポレート部門の経験がある方は、担当した機能と、社内の意思決定にどう関わったかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
大和証券は、東証・名証に上場する株式会社大和証券グループ本社の中核会社です。有価証券報告書 第89期(2026年3月期)によると、連結の営業収益は1,467,983百万円、純営業収益720,427百万円、経常利益234,510百万円、親会社株主に帰属する当期純利益175,281百万円、総資産額38,077,646百万円、連結従業員数14,984人です。当期純利益は第86期の63,875百万円から3期で約2.74倍になりました。部門別の従業員数はウェルスマネジメント部門5,877人、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門3,282人、アセットマネジメント部門1,330人、その他4,495人です。平均年間給与は法人別に開示され、提出会社(大和証券グループ本社)494人が17,934,308円・平均年齢41.6歳、大和証券5,234人が14,313,037円・平均年齢38.7歳です。2025年度の年間採用人数766名のうちキャリア採用は26.9%を占めます。
よくある質問
Q. 大和証券の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第89期(2026年3月期)によると、大和証券株式会社の総合職5,234人の平均年間給与は14,313,037円、平均年齢38.7歳、平均勤続年数15.4年、対前事業年度増減率は5.4%です。よく引用される17,934,308円は提出会社である株式会社大和証券グループ本社494人の数値で、この494人はすべて大和証券株式会社との兼務者と注記されています。どちらも総合職に限った集計で、総合職以外を含めた大和証券株式会社の従業員数は連結14,984人の半数を超えるとされています。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 中途採用の割合はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書には、2025年度の年間採用人数766名のうちキャリア採用が26.9%を占めると記載されています。キャリア採用は、正社員としての就業経験があり、同グループが事業を行っている業界への知見や特定の職種での勤務経験のある方を募集する採用形態と定義されています。定着施策として、入社式、メンター制度、キャリア入社社員間の交流チャネルの整備、部門長を含む懇親会等のオンボーディング施策が挙げられています。募集職種と選考プロセスは時期により変動しますので、公式の採用ページでご確認ください。
Q. 女性の働きやすさはどうですか。
A. 有価証券報告書によると、女性管理職比率は連結(提出会社およびすべての国内連結子会社)で22.0%です。サステナビリティKPIとして定めた「2026年度までに女性管理職比率を20%以上(連結)」という目標を達成したこと、取り組みを始めた2005年度末は2.7%だったことが記載されています。法人別では大和証券ビジネスセンター30.4%、大和証券24.9%、大和アセットマネジメント20.5%、大和証券グループ本社19.9%、大和総研15.6%、大和総研インフォメーションシステムズ9.0%です。社員に占める女性の割合は40.5%、男性労働者の育児休業等取得率は93.2%と記載されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。