ディップの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ディップは、求人情報サービス「バイトル」などを運営する東証上場企業です。第28期(2025年2月期)の連結売上高は563億8,619万円、経常利益は132億5,761万円。経常利益率は23.5%、自己資本利益率は23.8%に達します。一方、提出会社の平均年間給与は5,246千円、平均年齢は30.3歳。高い収益性と給与水準が直結していない典型例です。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
2,530人、2つのセグメント
有価証券報告書(第28期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ディップ株式会社(dip Corporation) |
| 代表者 | 代表取締役社長兼CEO 冨田 英揮 |
| 本店所在地 | 東京都港区六本木三丁目2番1号 |
| 事業年度 | 第28期(2024年3月1日〜2025年2月28日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード2379) |
| 連結従業員数 | 2,530人(外書318人)(2025年2月28日現在) |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| 人材サービス事業 | 1,727人(外書180人) |
| DX事業 | 209人(外書18人) |
| 全社(共通・管理部門等) | 594人(外書120人) |
| 合計 | 2,530人(外書318人) |
人材サービス事業が約68%
1,727人。DX事業の209人と比べると、8倍以上の規模です。主力は依然として人材サービスであることが、人員配置から明確に読み取れます。
連結と提出会社が同数
有価証券報告書では、連結従業員数と提出会社の従業員数がいずれも2,530人(外書318人)と記載されています。事業の実体は提出会社に集中している構成です。
なお関係会社には、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「DIP Labor Force Solution 投資事業有限責任組合」が記載されています。当社を有限責任組合員、SBIインベストメント株式会社を無限責任組合員として2020年3月2日付で組成されたもので、特定子会社に該当します。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年2月 | 324億9,476万円 | 65億104万円 | 6億767万円 | 2.0% |
| 2022年2月 | 395億1,529万円 | 53億2,090万円 | 34億8,740万円 | 11.1% |
| 2023年2月 | 493億5,569万円 | 115億9,908万円 | 79億3,551万円 | 22.7% |
| 2024年2月 | 537億8,230万円 | 126億1,896万円 | 90億5,069万円 | 23.5% |
| 2025年2月 | 563億8,619万円 | 132億5,761万円 | 89億5,125万円 | 23.8% |
5期連続の増収
324億9,476万円から563億8,619万円へ。第28期は前期比4.8%の増収です。
利益は大きく回復した
第24期(2021年2月期)の純利益は6億767万円まで落ち込みましたが、第26期以降は79億〜90億円台で推移しています。新型コロナウイルスの影響から回復した推移と読めます。
自己資本比率は71.0%
第24期の84.4%から低下しているものの、高い水準を維持しています。純資産額は第27期の397億835万円から362億3,597万円へ減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは164億5,389万円です。
評判の傾向
年収・評価制度
インセンティブを含めた設計という声が見られます。一方、基本給の水準や昇給のペースに言及する指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
制度は整備されているという評価が中心です。営業目標に応じて業務量が変わるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
若手から営業の実務を任される点を評価する声が多く見られます。職種転換の機会は限られるという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
目標達成を重んじる文化という評価が中心です。人によって合う・合わないが分かれるという声も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
この会社の数字は、並べて見ると構造がはっきりします。経常利益率23.5%、自己資本利益率23.8%、自己資本比率71.0%。財務指標だけを見れば、優良企業の典型です。ところが提出会社の平均年間給与は5,246千円、平均年齢30.3歳、平均勤続年数5.6年。2,530人の大半が20代後半から30代前半の営業職という構成であり、平均値はその層の水準を映しています。ここを取り違えると期待が外れます。転職を検討する方が確認すべきは、**「その年齢層で、成果を出した人がいくらになるか」**です。平均5,246千円という数字は、成果の分布を平らにならしたあとの姿にすぎません。面接では、同じ職種・同じ年次の給与レンジの上限と下限、そしてインセンティブが年収に占める割合を聞いてください。この会社では、平均より分布のほうが意味を持ちます。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 2,530人(外書318人) |
| 平均年齢 | 30.3歳 |
| 平均勤続年数 | 5.6年 |
| 平均年間給与 | 5,246千円 |
平均年齢30.3歳・平均勤続年数5.6年
新卒で入社して数年という層が組織の中心にあることを示します。若い組織が、高い収益性を生んでいる構造です。
確認しておきたいこと
- 応募職種の給与レンジ(上限と下限)
- 固定給とインセンティブの比率
- 目標の設定単位(月次・四半期)と、達成率の分布
- 人材サービス事業とDX事業で、報酬設計が異なるか
4点目は、この会社に特有の論点です。1,727人と209人では、事業の成熟度も評価の仕方も異なる可能性があります。
働き方と、営業中心の組織
連結2,530人のうち、人材サービス事業に1,727人が配置されています。求人広告を扱う営業組織が事業の中核です。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 担当エリアと、訪問の頻度
- 新規開拓と既存顧客対応の比率
- 目標の管理サイクルと、その運用
- DX事業への異動の実績
4点目は、キャリアを考えるうえで重要です。DX事業は209人と小規模であり、人材サービス事業からの異動が現実的な選択肢として運用されているかは、事前に確認する価値があります。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、中小企業を含む幅広い事業所に対する法人営業の経験です。求人広告は、採用に課題を抱える事業所の状況を聞き出し、掲載の形を提案する仕事です。短期間で多数の商談を重ねるため、経験の量が早く積み上がるという特徴があります。
この経験は、他の人材サービス企業、SaaS企業の法人営業、事業会社の営業部門などで評価されます。DX事業に関わった場合は、AIやDXの提案経験が加わります。
一方で、職種の幅は意識して広げる必要があります。人材サービス事業が組織の約68%を占める構成では、営業以外の職務に移る機会は限られる可能性があります。
向いている人/向いていない人
法人営業で成果を出したい人
人材サービス事業に1,727人を配置しています。営業として数字を追うことに前向きな方に向きます。
若いうちに裁量を持ちたい人
提出会社の平均年齢は30.3歳です。年次に関係なく担当を任される環境を求める方に合います。
採用の現場に関心がある人
顧客は採用に課題を抱える事業所です。労働市場の実態に関心を持てる方に機会があります。
目標管理から距離を置きたい人
営業組織が中核の会社です。数値目標のもとで働くことに負担を感じる方には合いにくい構造です。
高収益がそのまま報酬になると考える人
経常利益率23.5%に対し、提出会社の平均年間給与は5,246千円です。事業の収益性と個人の報酬は別に見る必要があります。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「断られたあとに何をしたか」です。求人広告の営業は、提案しても掲載に至らないことが日常的にあります。採用の必要がない時期もあれば、予算がない事業所もある。ここで「粘り強く通いました」とだけ答えると、評価は伸びません。見られているのは、断られた理由を分類して、次の打ち手を変えた経験があるかです。時期の問題なのか、条件の問題なのか、そもそも人材の要件が現実的でないのか。原因によって対応はまったく違います。準備としては、過去に失注した案件を1つ選び、原因の分析と、その後に変えた行動をセットで語れるようにしておくことをおすすめします。成功事例より、失注の分析のほうが営業職の面接では効きます。
コロナ禍からの回復という5期
この会社の5期の推移は、アルバイト市場そのものの動きを映しています。
第24期(2021年2月期)の落ち込み
売上高324億9,476万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益は6億767万円。経常利益65億104万円に対して純利益がこの水準にとどまっており、自己資本利益率は2.0%まで下がりました。飲食・小売の求人需要が大きく落ち込んだ時期と重なります。
第26期以降の回復
純利益は79億3,551万円(第26期)、90億5,069万円(第27期)、89億5,125万円(第28期)。3期にわたって高い水準を維持しています。自己資本利益率も22.7%、23.5%、23.8%と安定しました。
直近期は増収ペースが緩んだ
第27期から第28期の増収率は4.8%。第25期→第26期の24.9%と比べると、伸びは落ち着いています。回復局面から、通常の成長局面へ移ったと読むのが自然です。
確認しておきたいこと
面接では「今後の成長を、既存事業とDX事業のどちらで作る方針か」を聞いてください。人材サービス事業の増収が緩やかになるなかで、209人のDX事業にどれだけ賭けるのかは、入社後のキャリアの選択肢に関わります。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては適性検査やロールプレイングが含まれる場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜ人材サービスか」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、人材サービス事業とDX事業という2つの柱をどう捉えているかが問われます。人員構成では前者が約68%を占める事実を踏まえた説明ができると、理解の深さが伝わります。
職務経歴書で見られる点
営業経験があれば、担当社数、新規開拓件数、受注率、継続率を数字で書きます。**「訪問件数」だけでなく「そこから何件が成約したか」**まで書けているかで、書類の見え方が変わります。無形商材の経験があれば、その旨を明記してください。
まとめ
ディップについて、有価証券報告書(第28期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード2379)。第28期の連結売上高は563億8,619万円、経常利益は132億5,761万円
- 経常利益率は23.5%、自己資本利益率は23.8%、自己資本比率は71.0%
- 売上高は5期連続で増加(324億9,476万円→563億8,619万円)
- 連結従業員数は2,530人(外書318人)。人材サービス事業1,727人、DX事業209人、全社594人
- 提出会社は2,530人、平均年齢30.3歳、平均勤続年数5.6年、平均年間給与5,246千円
- 第24期(2021年2月期)の純利益は6億767万円まで落ち込んだが、第26期以降は79億〜90億円台で推移
- CVCファンド「DIP Labor Force Solution 投資事業有限責任組合」を2020年3月2日付で組成
- 営業活動によるキャッシュ・フローは164億5,389万円
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は5,246千円です。対象は2,530人で、平均年齢30.3歳・平均勤続年数5.6年という構成です。若い層が中心の組織であり、成果による分布があるため、応募職種のレンジの上限と下限を面接で確認することをおすすめします。
Q. DX事業に関われますか。
A. DX事業の従業員数は209人で、連結2,530人の約8%です。人材サービス事業の1,727人と比べると規模は小さくなっています。異動の実績を含めて、面接で確認することをおすすめします。
Q. 業績は安定していますか。
A. 売上高は5期連続で増加し、第28期は563億8,619万円です。経常利益も132億5,761万円と5期で最も高い水準です。ただし第24期(2021年2月期)には純利益が6億767万円まで落ち込んだ期があります。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。