メディアドゥの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

メディアドゥ 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

メディアドゥは、電子書籍の取次を中核とする東証上場企業です。第27期(2026年2月期)の連結売上高は1,085億37百万円。一方、経常利益は25億48百万円で、**売上高に対する経常利益の比率は約2.3%**にとどまります。この組み合わせは、取次という事業モデルの特徴をそのまま表しています。連結従業員数は507人。売上1,000億円超の企業としては少ない人数です。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。

取次と投資の2本立て

有価証券報告書(第27期)に記載されている内容は、次のとおりです。

項目内容
会社名株式会社メディアドゥ(MEDIA DO Co., Ltd.)
代表者代表取締役社長CEO 藤田 恭嗣
本店所在地東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号
事業年度第27期(2025年3月1日〜2026年2月28日)
上場区分東京証券取引所(証券コード3678)
連結従業員数507人[外書103人](2026年2月28日現在)
グループ構成事業持株会社である当社、子会社15社、関連会社1社

ミッションとセグメント

有価証券報告書には、「著作物を公正利用のもと、出来るだけ広く頒布し著作者に収益を還元するという**『著作物の健全なる創造サイクルの実現』**」をミッションに掲げていることが記載されています。

セグメントは2つです。

セグメント内容従業員数
電子書籍流通事業出版社から電子書籍コンテンツを預かり、電子書店向けに取次を行う。電子書籍配信ソリューションの提供も含む163人[外書73人]
戦略投資事業国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3事業258人[外書20人]
全社(共通)管理部門86人[外書10人]

人数では戦略投資事業のほうが多い

売上の中核は電子書籍流通事業ですが、人員は戦略投資事業の258人が上回ります。第二の収益軸の確立に向けて人を投じている構造が、人員配置から読み取れます。なお第27期からは、SC事業が戦略投資事業の区分に含められる報告セグメントの変更が行われています。

5期の推移

連結の主要な経営指標は、次のとおりです。

決算年月売上高経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△)
2022年2月1,047億22百万円27億83百万円15億76百万円
2023年2月1,016億67百万円22億91百万円10億57百万円
2024年2月940億36百万円19億90百万円△3億19百万円
2025年2月1,019億14百万円23億60百万円13億63百万円
2026年2月1,085億37百万円25億48百万円18億18百万円

2024年2月期に減収と最終赤字を経験している

売上高は1,047億円から940億円まで落ち込み、最終損益は3億19百万円の赤字となりました。その後2期で回復し、第27期は売上1,085億37百万円と5期で最も高い水準に戻っています。

利益率は一貫して低い

経常利益は5期を通じて19億〜27億円の範囲です。売上規模は1,000億円前後で推移しているため、経常利益率は2%前後にとどまります。自己資本比率も31%〜33%台で推移しています。

取次モデルという構造

有価証券報告書には、電子書籍流通事業の内容として、国内出版社をはじめとするコンテンツホルダーから電子書籍コンテンツを預かり、システムを介して電子書店向けに取次を行うことが主業務と記載されています。具体的な業務として、各出版社と各電子書店間の個別契約の仲介、デジタルデータの検証作業、自社システムへの登録、各電子書店への配信、自社運営の電子書店での販売が挙げられています。

取次は、預かった商品を流す事業です。 売上高には流通させた金額が大きく計上される一方、自社の取り分は限られます。これが、売上1,085億円と経常利益25億円という組み合わせの理由です。

売上高の大きさと、稼ぐ力は別であることを理解しておくと、この会社の見え方が変わります。

評判の傾向

年収・評価制度

出版・IT双方の要素を持つ企業として一定の水準という声がある一方、業界水準を大きく上回るものではないという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

リモートを含む柔軟な働き方への言及が見られます。配信スケジュールや繁忙期に負荷が高まるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

出版業界と技術の両方に触れられる点を評価する声が中心です。新規事業への異動機会に言及する意見も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

社風・人間関係

出版文化への思い入れを持つ人が多いという評価が見られます。事業の幅が広がるなかで方針が変わりやすいという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

「売上1,000億円企業」という括りでこの会社を見ると、実態を読み違えます。第27期の連結売上高は1,085億37百万円ですが、経常利益は25億48百万円。経常利益率は約2.3%です。従業員は507人。同じ売上規模のメーカーやSIerとは、事業の性質がまったく違います。理由は取次という構造にあります。預かったコンテンツを流通させる事業では、流した金額が売上高に立つ一方、自社の取り分は薄い。だから少ない人数で大きな売上を扱えるし、同時に利益率は上がりにくい。転職を検討する方にとって、この構造が意味するのはコスト意識の高さです。利益率2%台の事業では、投資判断の基準が厳しくなります。面接では「戦略投資事業の各サービスが、どの段階で採算を問われるか」を聞いてください。第二の収益軸を作る局面にある会社では、その基準が働き方を決めます。

年収の実態

有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。

項目内容
従業員数253人[外書15人]
平均年齢36.2歳
平均勤続年数6.4年
平均年間給与6,109千円

提出会社253人のセグメント内訳は、電子書籍流通事業141人、戦略投資事業35人、全社(共通)77人です。連結507人のうち約半数が提出会社に所属し、残りは子会社15社に分かれています。

なお平均勤続年数は、同社が吸収合併した会社での勤続年数を通算した数値である旨が注記されています。

男女の賃金差異と育休取得率

有価証券報告書には、提出会社について次の数値が記載されています。管理職に占める女性労働者の割合34.0%、男性労働者の育児休業取得率100.0%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で70.5%(正規雇用労働者69.7%、パート・有期労働者43.9%)。賃金制度は男女に共通であり、差異は等級・年齢構成の相違によるものと注記されています。

管理職の女性比率34.0%は高い水準です。上場企業の平均と比べて、この数値は判断材料になります。

確認しておきたいこと

  1. 応募職種の給与レンジと等級の定義
  2. 賞与の算定根拠と、直近の支給実績
  3. 配属予定が電子書籍流通事業か戦略投資事業か
  4. 子会社への出向・転籍の可能性

働き方と、15社のグループ構成

子会社15社、関連会社1社という構成です。連結507人がこの数の会社に分かれているため、1社あたりの人数は限られます。国際事業、IP・ソリューション事業、SC事業と領域も広く、会社ごとに文化や働き方が異なる可能性があります。

確認しておきたいのは、次の点です。

4点目は、電子書籍流通事業に関わる場合に重要です。取次は、出版社と電子書店の両方を相手にする仕事です。契約仲介やデータ検証といった実務が業務内容として明記されており、調整の比重が高くなる可能性があります。

キャリアの積み上がり方

同社で積み上がるのは、コンテンツ流通の仕組みに関する知識です。著作権、契約、データ形式、配信システム。出版という産業の商習慣と、デジタル配信の技術が交わる領域は、経験できる場所が限られます。

この経験は、出版社のデジタル部門、電子書店を運営する企業、コンテンツを扱うプラットフォーム事業者などで評価されます。権利処理と流通の両方を理解している人材は、コンテンツ業界では希少です。

一方、戦略投資事業に配属された場合は、新規事業の立ち上げ経験が中心になります。電子書籍流通事業とは、求められる動き方が異なります。 どちらに配属されるかで、5年後の職務経歴書の中身が変わる点は認識しておく必要があります。

向いている人/向いていない人

出版・コンテンツ産業に関心がある人

「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに掲げています。この領域に関心を持てる方に向きます。

仕組みで課題を解く人

取次は、多数の出版社と電子書店の間を仲介する仕事です。個別対応ではなく仕組みで解こうとする方に合います。

新規事業に関わりたい人

戦略投資事業に258人を配置しています。第二の収益軸を作る局面に関わりたい方には機会があります。

高い利益率の事業で働きたい人

経常利益率は2%前後です。厚い利益から投資の自由度を得たい方には、事業構造が異なります。

担当領域を固定したい人

子会社15社を含む幅広い事業構成で、報告セグメントの変更も行われています。役割の固定を望む方には、変化が生じやすい環境です。

エージェントベストの見解

この会社の面接で意外に効くのが、利益構造を理解しているかどうかです。出版やコンテンツが好きで応募する方は多く、その熱量自体は歓迎されます。ただ、終盤で聞かれるのは「この事業のどこで利益が出ているか分かりますか」という趣旨の問いです。売上1,085億円・経常利益25億円という数字を前提に話ができる人と、「電子書籍市場は伸びています」で止まる人では、評価が分かれます。準備としては、有価証券報告書の主要な経営指標を見て、2024年2月期に減収・最終赤字を経験し、そこから2期で回復した経緯まで押さえておくことです。そのうえで「自分は電子書籍流通事業の効率化に貢献したいのか、戦略投資事業で新しい収益を作りたいのか」を選んで語る。どちらを選ぶかは自由ですが、選ばずに両方を語ると志望が薄く聞こえます。

選考に向けた準備

選考フローについて

公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題が課される場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。

志望動機の組み立て

「なぜコンテンツ産業か」と「なぜ取次という立場か」を分けます。出版社でも電子書店でもなく、その間に立つ事業を選ぶ理由が問われます。両者をつなぐ仕組みに価値を見出していることが伝わると、動機が具体的になります。

職務経歴書で見られる点

コンテンツ・出版業界の経験があれば、扱った権利処理の範囲と取引社数を書きます。エンジニアであれば、扱ったデータ量、配信の規模、システム連携の相手先数を数字で書いてください。事業開発の経験がある方は、立ち上げた事業の採算がどうなったかまで書けると、戦略投資事業との接点が伝わります。

まとめ

メディアドゥについて、有価証券報告書(第27期)から確認できる点を整理します。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 売上1,000億円を超える大企業ですか。

A. 第27期の連結売上高は1,085億37百万円ですが、経常利益は25億48百万円、連結従業員数は507人です。取次という事業モデルでは流通させた金額が売上高に計上されるため、売上規模と組織規模・利益水準は比例しません。

Q. 平均年収はいくらですか。

A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は6,109千円です。対象は253人で、平均年齢36.2歳・平均勤続年数6.4年という構成です。連結507人のうち残りは子会社15社に所属しているため、応募先の法人と職種のレンジを確認することをおすすめします。

Q. 新規事業に関われますか。

A. 戦略投資事業には258人が配置されており、国際事業、IP・ソリューション事業、SC事業の3つで構成されています。ただし配属は募集ポジションによるため、応募時に確認することをおすすめします。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)