エムスリーの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

エムスリー 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/11

売上は5期で1.7倍、利益はピークを超えていない

エムスリーは医療従事者向けプラットフォーム「m3.com」を軸に、製薬企業のマーケティング支援から治験、患者向けサービス、海外事業までを手がける会社です。

有価証券報告書(第26期・2026年3月期)を開くと、売上と利益の動きが噛み合っていないことに気づきます。

決算年月売上収益(百万円)税引前当期利益(百万円)親会社所有者帰属当期利益(百万円)
第22期2022年3月208,15996,18763,845
第23期2023年3月230,81874,31849,028
第24期2024年3月238,88368,84045,271
第25期2025年3月284,90064,78540,484
第26期2026年3月351,36376,27649,100

売上収益は5期で約1.7倍(2,081億→3,513億円)になりました。一方、税引前当期利益は第22期の96,187百万円がピークで、第26期の76,276百万円はそこに届いていません。

第26期は前期から利益が回復に転じていますが、この5年間の構造は「規模を伸ばしながら、利益率が下がってきた」と読めます。転職を検討する立場からは、この局面をどう見るかが判断の材料になります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。

会社概要と7つのセグメント

項目内容
会社名エムスリー株式会社(M3, Inc.)
上場区分東京証券取引所上場(証券コード2413)
本社所在地東京都港区赤坂一丁目11番44号
事業内容医療従事者向けプラットフォーム、製薬企業向けマーケティング支援、治験支援、患者向けサービス、海外事業
従業員数連結17,010名/提出会社750名(臨時188名)※2026年3月31日現在
会計基準IFRS

事業は7つに分かれ、規模も伸びも大きく違う

第26期の売上収益をセグメント別に見ると、事業ごとの性格の差が見えてきます。

セグメント売上収益(百万円)前期比
ペイシェントソリューション56,873+159.5%
サイトソリューション54,346+15.6%
キャリアソリューション22,724+8.8%
海外86,905+7.9%
その他エマージング事業群2,116△10.3%
報告セグメント計349,246+23.6%
合計351,363+23.3%

ペイシェントソリューションが前期比159.5%増と突出しています。患者向けの領域が、いまこの会社の成長を牽引していることが分かります。

一方、海外は86,905百万円と金額では最大級ですが、伸びは7.9%です。規模が大きい事業と、伸びている事業が違うという構造になっています。

人員配置は売上構成と一致しない

連結従業員17,010名の内訳です。カッコ内は臨時従業員の年間平均雇用人員数です。

セグメント従業員数(名)
サイトソリューション5,740(1,129)
メディカルプラットフォーム3,407(903)
海外3,065(124)
エビデンスソリューション2,361(127)
ペイシェントソリューション1,208(292)
キャリアソリューション1,061(823)
その他エマージング事業群76(5)
全社(共通)92(10)
合計17,010

人員が最も多いのはサイトソリューション(5,740名) です。治験の実施を支える領域で、現場に人手を要する事業です。売上では2番目ですが、人員では圧倒的に多くなっています。

有価証券報告書には、連結従業員数の増加要因として、メディカルプラットフォームで155名、サイトソリューションで573名増加したことが挙げられています。1年でサイトソリューションだけで573名増えている計算です。

キャリアソリューションは正社員1,061名に対して臨時従業員823名と、臨時の比率が突出しています。事業ごとに人の使い方がまったく違うことが読み取れます。

評判の傾向

年収・評価制度

水準は高いとする声が多く見られます。一方で、成果に対する要求も相応に高いという指摘があります。評価は目標に対する達成度で判断される形が中心とされ、事業部によって指標が異なるという声も見られます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

裁量が大きく、自分で進め方を決められるという声が見られます。その裏返しとして、業務量の管理も自分次第という指摘があります。事業やポジションによって差が大きいという受け止めが目立ちます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

若手にも早い段階で責任のある役割が渡されるという声が見られます。提出会社の平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年6ヶ月という構成とも整合します。新規事業への異動機会に関する言及もあります。

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社風・人間関係

数字で議論する文化があるという声が見られます。指示待ちでは進まないという指摘が多く、自律的に動ける人に向くという受け止めが目立ちます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

有価証券報告書の平均年間給与9,759千円という数字を、そのまま自分の想定額として読むのは危うい面があります。この金額は提出会社の従業員750名を対象にしたものです。連結の従業員数は17,010名で、**750名は全体の4.4%**にすぎません。連結には治験の現場を支えるサイトソリューションの5,740名や、海外拠点の3,065名が含まれており、職種も報酬体系も本体とは異なります。応募先が本体なのかグループ会社なのかで、参照すべき水準が変わります。もうひとつ押さえておきたいのが、提出会社の平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年6ヶ月という組み合わせです。若く、在籍期間が短い。中途入社が主軸の構成だと読めます。この数字は「入りやすい」とも「定着しにくい」とも読めるため、面接では中途入社者の在籍年数を直接聞くことをお勧めします。

平均年間給与975万9千円と平均勤続4年6ヶ月

有価証券報告書(第26期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,759千円(975万9千円)です。2026年3月31日現在の従業員数は750名(臨時188名)、平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年6ヶ月とされています。

**平均年間給与の対前事業年度増減率は4.9%**と開示されています。前期から水準が上がっていることが読み取れます。なお平均年間給与には、賞与およびライフプラン支援金等が含まれるとされています。

提出会社750名のセグメント別内訳は、メディカルプラットフォーム658名(臨時178名)、全社(共通)92名(臨時10名)です。本体はメディカルプラットフォームに集中しており、他の事業は子会社側で運営されている構造が読み取れます。

平均年齢34.8歳という水準は、同じ規模の上場企業と比べても若い部類に入ります。平均勤続年数4年6ヶ月とあわせると、中途入社が相当の比率を占める構成だと推測されます。ただし採用区分別の内訳は、有価証券報告書からは読み取れません。

1年でサイトソリューションが573名増えた

働き方は、配属される事業によって大きく変わります。

メディカルプラットフォーム(連結3,407名/本体658名)

医師会員向けサービスと、製薬企業向けのマーケティング支援が中心です。本体の従業員の大半がここに属しており、企画・営業・開発の職種が想定されます。

サイトソリューション(連結5,740名)

治験の実施を支える領域で、連結で最も人員が多い事業です。有価証券報告書によれば、当期に573名増加しています。医療機関に近い場所での業務が想定され、本社勤務の職種とは働き方の性格が異なります。

キャリアソリューション(連結1,061名/臨時823名)

医師や医療従事者の人材紹介を扱う領域です。臨時従業員の比率が突出しており、業務の一部を切り出して運用していることが読み取れます。

海外(連結3,065名)

売上収益86,905百万円と規模が大きい一方、伸びは7.9%です。海外拠点での勤務や、日本から海外事業に関わる職種が想定されます。

ペイシェントソリューション(連結1,208名)

売上が前期比159.5%増と最も伸びている領域です。人員1,208名に対してこの伸びであり、成長に人員が追いついていない可能性があります。採用が活発な領域だと推測されます。

向いている人/向いていない人

向いている人

数字で議論できる方

売上、利益、会員数、成約数。この会社の事業はいずれも数値で追える構造です。仮説を立てて検証する進め方に手応えを感じる方に合います。

自律的に動ける方

平均勤続年数4年6ヶ月という構成は、指示を待つ時間が長い組織ではないことを示唆します。自分で課題を見つけて動ける方に向きます。

医療領域に関心がある方

顧客は医師、製薬企業、医療機関です。この領域の制度や商習慣を理解しようとする姿勢が、成果に直結します。

向いていない人

役割が明確に定義されていることを求める方

7つのセグメントを持ち、事業ごとに成長段階が違います。範囲が固定された働き方を求める場合、想定と異なる可能性があります。

長期的な在籍を前提に安定を求める方

提出会社の平均勤続年数は4年6ヶ月です。長期在籍が中心の組織とは、キャリアの積み上がり方が異なります。

エージェントベストの見解

面接で差がつくのは、売上と利益が噛み合っていない5年間をどう読むかです。売上収益は第22期の2,081億円から第26期の3,513億円へ1.7倍になった一方、税引前当期利益は第22期の961億円がピークで、第26期は762億円です。数字だけ見れば利益率は下がっています。ただし同じ期間に、ペイシェントソリューションが前期比159.5%増で立ち上がり、サイトソリューションでは1年に573名を増やしています。人と資金を投じている局面だと読めば、利益率の低下は説明がつきます。 面接でこの見立てを自分の言葉で話せると、事業を数字で見る人だと伝わります。逆に「医療×ITの成長企業です」という理解のまま臨むと、他の応募者と差が出ません。有価証券報告書は誰でも読めますが、読んでいる応募者は多くありません。

選考に向けた準備

選考フローの概要

公開されている情報の範囲では、書類選考、複数回の面接、最終面接という流れが一般的とされています。職種によっては課題や適性検査が加わる場合があります。回数や内容は時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜこの業界か」では、医療という領域に関心を持った理由を整理します。個人的な体験を語る方は多いため、そこから踏み込んで、医療の構造的な課題をどう理解しているかまで話せると差が出ます。

「なぜこの会社か」では、7つのセグメントを持つ構造に触れます。ペイシェントソリューションが前期比159.5%増であること、サイトソリューションが連結で最も人員が多いこと。これらは公開資料から読み取れる事実です。

職務経歴書で見られるポイント

数値で追える成果を書きます。何を測り、どう動かしたか。この会社は事業を数字で管理する文化があるとされており、指標と変化幅が書かれた書類は読まれ方が変わります。

医療・製薬領域の経験がある場合は、扱った顧客の種別(医療機関、製薬企業、医師個人)と規模を明示します。領域の知識は入社後に補える部分もありますが、顧客理解は先に持っていると評価されます。

まとめ

エムスリーは医療従事者向けプラットフォームを軸に、7つのセグメントで事業を展開する会社です。東京証券取引所に上場し、IFRSを適用しています。

第26期(2026年3月期)の連結売上収益は351,363百万円で前期比23.3%増、5期で約1.7倍になりました。一方、税引前当期利益は第22期の96,187百万円がピークで、第26期は76,276百万円です。

セグメント別ではペイシェントソリューションが前期比159.5%増と突出し、人員ではサイトソリューションが連結5,740名で最多、当期に573名増加しています。

提出会社の平均年間給与は975万9千円ですが、これは連結17,010名のうち750名を対象とした数字です。平均年齢34.8歳、平均勤続年数4年6ヶ月とあわせて読む必要があります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書(第26期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,759千円(975万9千円)です。賞与およびライフプラン支援金等を含み、対前事業年度増減率は4.9%と開示されています。ただしこれは提出会社の従業員750名を対象とした数字で、連結の従業員数は17,010名です。応募先が本体かグループ会社かで、参照すべき水準が変わります。

Q. 未経験でも転職できますか。

A. 職種と応募先の事業によります。提出会社の平均年齢は34.8歳、平均勤続年数は4年6ヶ月で、中途入社が相当の比率を占める構成だと推測されます。医療領域の知識は入社後に習得する部分もありますが、数値で成果を管理した経験は職種を問わず評価されやすいと考えられます。具体的な要件は募集要項でご確認ください。

Q. 働き方はどのような感じですか。

A. 配属される事業によって大きく異なります。本体の従業員750名は大半がメディカルプラットフォームに属しますが、連結では治験を支えるサイトソリューションが5,740名と最も多く、業務の性格が違います。キャリアソリューションは正社員1,061名に対して臨時従業員823名という構成です。応募する事業を確認したうえで、募集要項と面接で働き方を確認することをお勧めします。

出典

本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)