エス・エム・エスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

エス・エム・エス 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

株式会社エス・エム・エスの2026年3月期は、売上高が過去最高の647億35百万円、営業利益も67億87百万円で増益でした。それでも最終損益は143億17百万円の赤字です。差を生んだのは海外子会社に対する229億57百万円の減損損失でした。この記事では、有価証券報告書と公式情報をもとに同社の事業構造・年収・働き方を整理し、選考で何を準備すべきかまで扱います。

会社概要と4つの事業部門

まず公式の会社概要です。

項目内容
会社名株式会社エス・エム・エス(SMS Co., Ltd.)
上場区分東証プライム(証券コード2175)
設立2003年4月4日
資本金25億5,172万円(2026年3月31日時点)
本社所在地東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー
代表者代表取締役社長 髙畑 正樹
従業員数連結4,660名/単体3,214名(2026年3月31日時点)
事業内容キャリア、介護・障害福祉事業者向けサービス、ヘルスケア、シニアライフ、海外

有価証券報告書には、グループミッションとして「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことが掲げられています。「医療」「介護/障害福祉」「ヘルスケア」「シニアライフ」を事業領域とし、従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。

4つの事業部門でやっていること

有価証券報告書では、事業が次の4部門で開示されています。

事業部門主な事業内容
キャリア分野介護職向け人材紹介・資格取得スクール、看護師向け人材紹介、保育士向け人材紹介、職種横断ダイレクトリクルーティングプラットフォーム等
介護・障害福祉事業者分野介護/障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム等
海外分野メディカルプラットフォーム事業、グローバルキャリア事業等
事業開発分野健康保険組合向け遠隔保健指導サービス、企業向けリモート産業保健サービス、リフォーム事業者情報提供サービス、葬儀社紹介サービス等

キャリア分野はさらに介護キャリアと医療キャリアに細分して開示されています。第23期のキャリア分野の売上高は382億76百万円で、前期の362億11百万円から5.7%増加しました。連結売上高647億35百万円に対して約6割を占める計算になります。

つまり同社の収益の中心は、医療・介護・障害福祉の従事者に対する人材紹介です。ここを理解せずに「ヘルスケアのIT企業」というイメージだけで応募すると、面接で話が噛み合いにくくなります。

介護・障害福祉事業者向けの「カイポケ」

もう1つの柱が、介護/障害福祉事業者向けの経営支援プラットフォームです。有価証券報告書の業績説明では、売上増の要因としてキャリア関連事業と並んで「カイポケ」事業の拡大が挙げられています。

人材紹介が「人を紹介して手数料を得る」モデルであるのに対し、経営支援プラットフォームは「事業者に継続的に使ってもらう」モデルです。収益の立ち方が異なるため、担当する部門によって追う数値も変わります。

評判の傾向

以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。

年収・評価制度

若手の比率が高く、成果に応じて任される範囲が変わるという傾向が語られます。有価証券報告書によると、提出会社の平均年齢は32.8歳、平均勤続年数は4.3年、平均年間給与は5,179千円です。注記には、新規採用(若手層の採用等)により従業員数が増加している影響が平均年間給与の増減率に含まれる旨が記されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

事業の伸びに合わせて業務量が変動するという声が見られます。有価証券報告書によると、提出会社の男性労働者の育児休業取得率は93.0%です。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

事業部門が4つに分かれ、国内の人材紹介からプラットフォーム、海外事業まで幅があるため、部門間の異動が実質的な職種転換になり得るという傾向が挙げられます。連結従業員数は4,660名で、当連結会計年度に132名増加しました。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

数値の管理と改善のサイクルを重視する文化だという傾向が語られます。有価証券報告書には労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

公開されている平均年間給与517万円を、そのまま「この会社は年収が低い」と読むのは早計です。有価証券報告書の注記に、読み方が書いてあります。同社は事業拡大に伴って継続的に新規採用を行っており、若手層の採用で従業員数が増えている。その影響が平均に含まれると明記されたうえで、期中入社者を除く継続雇用者に限定して算出した増加率は開示値より高い水準になる、とまで書かれています。平均年齢32.8歳、平均勤続4.3年という数字と合わせて読むと、この517万円は「若手が多く入ってきている組織の平均」です。中途で入る方の提示額とは別物になります。面接では、平均年収を聞くのではなく、自分が入る等級のレンジと、そこから上がるための評価基準を聞いてください。この会社では、そちらのほうが情報量があります。

数字で見る第23期(2026年3月期)

有価証券報告書の連結経営指標から、直近2期を並べます。

項目第22期(2025年3月期)第23期(2026年3月期)
売上高60,952百万円64,735百万円
経常利益8,357百万円8,721百万円
親会社株主に帰属する当期純利益/純損失6,054百万円△14,317百万円
純資産額47,319百万円26,724百万円
総資産額76,540百万円52,774百万円
自己資本比率61.5%50.2%
従業員数(連結)4,528名4,660名

売上高は6.2%増、営業利益は67億87百万円で7.1%増、経常利益は4.4%増と、本業の数値は伸びています。それでも最終損益が143億17百万円の赤字になった理由は、特別損失に計上された減損損失229億57百万円です。

229億57百万円の減損の中身

有価証券報告書の注記によると、減損損失の内訳は次のとおりです。

種類減損損失
のれん8,649百万円
顧客関係資産589百万円
商標権13,041百万円
ソフトウエア(シンガポール等)677百万円
22,957百万円

対象は連結子会社であるMIMSグループののれんおよび無形固定資産です。注記には、同グループの業績が計画を下回る推移となっており、新経営体制のもとで今後の事業計画を見直した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額したと記載されています。回収可能価額は使用価値により測定され、将来キャッシュ・フローを15.0%で割り引いて算定されたとあります。

この件は監査報告書の「監査上の主要な検討事項」にも「MIMSグループに係る固定資産の減損」として取り上げられています。金額的重要性が高く、将来キャッシュ・フローの見積りに経営者の判断を要することが理由として挙げられています。

海外分野は4つの事業部門の1つです。この減損は海外事業に関するものであり、国内のキャリア分野や介護・障害福祉事業者分野の収益力を直接示すものではありません。ただし自己資本比率が61.5%から50.2%へ、純資産が473億円から267億円へ動いた事実は、会社全体の財務に影響しています。

働き方と労働環境

有価証券報告書によると、提出会社の人的資本に関する指標は次のとおりです。

指標数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合19.6%
男性労働者の育児休業取得率93.0%
男女の賃金の差異(全労働者)74.0%
男女の賃金の差異(正規雇用労働者)74.0%
男女の賃金の差異(パート・有期労働者)112.5%

賃金差異の注記には、短時間勤務制度を利用する女性の比率が高いことと、管理職を含む上位の等級における男性の比率が高いことが主要因であり、同一の職種・職務においては性別による賃金の違いが発生しない人事制度である旨が記載されています。

連結会社ベースでは、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は43.2%です。提出会社単体の19.6%と差がありますが、これは連結子会社の構成による差だと考えられます。

キャリア形成の特徴

有価証券報告書によると、提出会社の従業員数は当事業年度に165名増加しています。理由は医療・介護/障害福祉従事者向けキャリアサービスと「カイポケ」等に関連する人員増と記載されています。

事業が伸びている領域に人が配置されている構造です。平均勤続年数4.3年という数字は、入社してからの期間が短い社員の比率が高いことを示します。長く在籍した人が中心の組織ではなく、入れ替わりと拡大が同時に進む組織だと読めます。

こうした環境では、早い段階でマネジメントや新規事業に関わる機会が生まれる一方、体制や役割が固まっていない場面も出てきます。どちらを求めるかで評価が分かれます。

向いている人/向いていない人

向いている人

社会課題と事業の接点で働きたい方

グループミッションに高齢社会の情報インフラ構築が掲げられています。医療・介護・障害福祉という領域は、制度の変化が事業に直結します。

数値で改善を進められる方

人材紹介とプラットフォームのいずれも、成約数や継続率といった数値の管理が仕事の中心になります。

若い組織で早く任されたい方

提出会社の平均年齢は32.8歳、平均勤続年数は4.3年です。年次より役割で任される構造だと考えられます。

向いていない人

制度と役割が固まった環境を求める方

当事業年度に提出会社の従業員が165名増えています。組織が動き続ける環境です。

海外事業の状況を気にせず働きたい方

第23期は海外子会社に関する229億57百万円の減損を計上しました。事業ポートフォリオの見直しが続く可能性があります。

エージェントベストの見解

医療・介護領域の人材紹介に応募される方で、最も多いミスマッチのパターンがあります。「社会貢献性の高い仕事」というイメージで入り、実際に時間の大半を使うのが求職者と施設への電話・面談の調整だと分かって離れていくケースです。この会社の場合、キャリア分野が売上の約6割を占めます。つまり主力事業は人材紹介です。介護職や看護師の求職者と、人手を必要とする施設をつなぐ仕事で、日々のKPIは面談数、紹介数、成約数といった数値になります。社会的な意義は確かにありますが、それは仕事の内容ではなく結果として生まれるものです。応募前に、1日の時間の使い方を面接で具体的に聞いてください。「どの数値を週次で見ますか」と聞くのが早い。ここを確認した方は、入社後のギャップが小さく済みます。

選考に向けた準備

選考フローの考え方

同社は採用総合サイトのほか、キャリア事業とエンジニアの採用特設サイトを設けています。選考ステップは職種によって異なり、公開情報の範囲では書類選考を経て複数回の面接が設定される形が一般的とされていますが、時期やポジションにより変動します。最新の内容は公式の採用サイトでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ医療・介護領域か」と「なぜエス・エム・エスか」の2段で組み立てます。

前者については、この領域のどの課題に関わりたいのかを具体化します。従事者の人手不足、事業者の経営効率、利用者側の情報の非対称性と、課題は分かれています。「高齢化社会の役に立ちたい」だけでは、どの立場から関わるのかが伝わりません。

後者の材料は有価証券報告書にあります。事業が4部門に分かれていること。キャリア分野が売上の約6割を占めること。介護・障害福祉事業者向けの経営支援プラットフォームが伸びていること。海外分野で229億57百万円の減損を計上し、新経営体制のもとで事業計画を見直したこと。

減損の事実に触れるかどうかは判断が分かれますが、事業ポートフォリオの現在地を理解していることは、志望度の高さとして受け取られます。

職務経歴書で見られるポイント

人材サービスとプラットフォームを併せ持つ会社の中途採用では、担当した領域と動かした数値が読まれます。

人材紹介の経験がある方は、担当した職種と求職者数、年間の成約件数、単価、リピート率を書きます。医療・介護領域の経験があれば具体的に書きます。

法人営業の経験がある方は、担当した業種と顧客規模、受注件数と継続率を書きます。中小事業者を数多く担当した経験は、介護事業者向けの領域で評価されます。

プロダクトマネジメントの経験がある方は、担当プロダクトの利用者規模と、動かした指標を書きます。

エンジニアリングの経験がある方は、扱ったシステムの規模と、可用性やデータ処理の面で何を改善したかを書きます。

新規事業の経験がある方は、立ち上げた事業の規模と、どこまで数字を伸ばしたかを書きます。事業開発分野には遠隔保健指導や葬儀社紹介など、性格の異なるサービスが並んでいます。

いずれの場合も、置かれていた状況、選んだ打ち手、動いた数値の3点を短く添えます。

まとめ

株式会社エス・エム・エスは東証プライム上場(証券コード2175)、2003年4月設立、本社は東京都港区芝公園、連結従業員数4,660名(2026年3月31日時点)の会社です。第23期の連結売上高は647億35百万円で前期比6.2%増、営業利益は67億87百万円で同7.1%増と本業は伸びましたが、海外子会社MIMSグループに関する229億57百万円の減損損失により、親会社株主に帰属する当期純損失は143億17百万円となりました。自己資本比率は61.5%から50.2%へ低下しています。事業はキャリア、介護・障害福祉事業者、海外、事業開発の4部門で、キャリア分野が売上の約6割を占めます。提出会社の平均年間給与は5,179千円、平均年齢32.8歳、平均勤続4.3年で、若手の採用増が平均に影響していることが有価証券報告書に明記されています。

よくある質問

Q. エス・エム・エスの年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書(第23期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は5,179千円、平均年齢32.8歳、平均勤続年数4.3年、従業員数3,214名です。賞与および基準外賃金を含みます。注記には、事業拡大に伴う継続的かつ積極的な新規採用(若手層の採用等)により従業員数が増加している影響が対前事業年度増減率に含まれること、期中入社者を除く継続雇用者に限定して算出した場合の増加率は開示値より高い水準になることが記されています。若手が多く入っている組織の平均であるため、中途入社者への提示額とは前提が異なります。

Q. 最終赤字ということは業績が悪いのですか。

A. 第23期の連結売上高は647億35百万円で前期比6.2%増と過去最高、営業利益は67億87百万円で同7.1%増、経常利益は87億21百万円で同4.4%増でした。本業の数値は伸びています。最終損益が143億17百万円の赤字となったのは、連結子会社であるMIMSグループののれん・無形固定資産について229億57百万円の減損損失を特別損失に計上したためです。内訳は商標権130億41百万円、のれん86億49百万円などです。減損は過去に取得した資産の帳簿価額を引き下げる会計処理であり、当期の現金が出ていくものではありません。ただし純資産は473億円から267億円へ減少しています。

Q. 未経験の業界からでも応募できますか。

A. 同社は採用総合サイトに加えて、キャリア事業とエンジニアの採用特設サイトを設けており、職種ごとに募集が公開されています。要件は募集ごとに異なるため、公式の採用サイトでご確認ください。事業がキャリア、介護・障害福祉事業者、海外、事業開発の4部門に分かれているため、志望する部門を絞って応募理由を組み立てることをおすすめします。とくにキャリア分野は売上の約6割を占める主力事業で、医療・介護領域の人材紹介が業務の中心になります。日々追う数値の内容を面接で確認しておくと、入社後の認識のずれを避けやすくなります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)