エニグモの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書には、方向の違う2つの数字が並んでいます。Fashion Platform事業(BUYMA)の販売実績5,373,502千円は前期比△4.6%、Travel Platform事業の906,651千円は前期比+211.8%。そして提出会社の売上高は7,616,747千円(第18期)から5,375,052千円(第22期)へ5期連続で減少しています。株式会社エニグモは2004年設立、会員数約1,201万人のマーケットプレイス「BUYMA」を運営する会社です。この記事では、第22期(2026年1月期)の有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要と、BUYMAという仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社エニグモ |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3665) |
| 設立 | 2004年2月(東京都港区南青山) |
| 決算期 | 1月 |
| 資本金 | 381,903千円 |
| 従業員数 | 連結157名(外、臨時従業員53名)/提出会社119名(2026年1月31日現在) |
| 報告セグメント | Fashion Platform事業/Travel Platform事業/その他 |
| 本社 | 東京都港区赤坂(2025年3月に同区内で移転) |
沿革は、事業の入れ替えを含みます。
| 年月 | 内容 |
|---|---|
| 2004年2月 | ショッピング・コミュニティサイトの運営を目的として設立 |
| 2005年2月 | グローバル・ショッピング・コミュニティ**「BuyMa」のサービス開始** |
| 2005年12月 | 個人ブログの情報発信力を活用した「プレスブログ」を開始(広告事業開始) |
| 2010年11月 | ファッションを主軸としたソーシャル・ショッピング・サイト**「BUYMA」へリニューアル** |
| 2011年8月 | 「BUYMA」関連事業への経営資源集中に伴い、広告事業から撤退 |
| 2012年7月 | 東京証券取引所マザーズ市場に上場 |
| 2015年10月 | GLOBAL版「BUYMA」をリリース |
| 2018年7月 | 「BUYMA TRAVEL」をリリース |
| 2019年4月 | 東京証券取引所市場第一部へ市場変更 |
| 2024年5月 | 株式会社BUYMA TRAVELの株式を取得し、同社およびグアムの子会社群を連結子会社化 |
| 2024年8月 | BUYMA TRAVEL事業を会社分割により株式会社BUYMA TRAVELへ承継 |
| 2025年9月 | 株式会社ゲツラクの株式を取得し連結子会社化 |
広告事業を畳んでBUYMAに集中し、そこから旅行へ広げてきたという流れです。
BUYMAの規模と手数料
有価証券報告書は、BUYMAの規模を数字で示しています(2026年1月現在)。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| パーソナルショッパー(出品者) | 世界185ヵ国で24万人超 |
| 登録ブランド数 | 20,400ブランド以上 |
| 出品数 | 580万品以上 |
| 会員数 | 約1,201万人 |
そして、収益の取り方も明記されています。
| 対象ユーザー | 手数料(消費税込) |
|---|---|
| 購入者 | 決済システム利用料として出品価格の5.50%/あんしんプラス加入料として1.47%(最低293円・オプション) |
| 一般パーソナルショッパー | 成約手数料として出品価格の7.70% |
| プレミアムパーソナルショッパー | 成約手数料として5.50% |
| 法人ショップ | 成約手数料として5.50%〜7.70%(3ヵ月間の取扱高実績により変動) |
**売上高は取引総額ではなく、この手数料の合計です。**会員1,201万人・出品580万品という規模と、連結売上高6,295,864千円という数字が並ぶのは、この構造によります。
有価証券報告書は、パーソナルショッパーが**「出品したアイテムに注文が入ってから買い付けすることが可能であるため、在庫リスクを持たずに取引を行うことができます」**と説明しています。在庫を持たない出品者を24万人集めることで、世界中に散在する在庫を仮想的に統合する——これがこの会社の仕組みです。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第22期・2026年1月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,807,923円、平均年齢37.8歳、平均勤続年数6.1年です。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。男性労働者の育児休業取得率および男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載が省略されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
事業はFashion PlatformとTravel Platformの2つが柱です。2024年5月と2025年9月に子会社化を行っており、Travel Platform事業の販売実績は前期比211.8%となっています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
管理職に占める女性労働者の割合は45.8%。連結従業員157名、提出会社119名という規模です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
**この会社を受けるなら、単体の売上推移を必ず見てください。**有価証券報告書の提出会社の経営指標等には、次の数字が並んでいます。
| 決算期 | 提出会社の売上高(千円) | 経常利益(千円) |
|---|---|---|
| 2022年1月 | 7,616,747 | 2,979,078 |
| 2023年1月 | 6,868,805 | 1,143,091 |
| 2024年1月 | 6,203,762 | 1,019,753 |
| 2025年1月 | 5,645,264 | 891,604 |
| 2026年1月 | 5,375,052 | 413,646 |
**売上高は5期連続で減り、5期で29.4%減。経常利益は86.1%減。**一方、連結売上高は6,295,864千円で前期比+6.1%です。**差を作っているのはTravel Platform事業(前期比211.8%)**であり、Fashion Platform事業自体は△4.6%です。つまり「BUYMAが伸びているから応募する」という前提は、直近の数字とは合いません。では悲観すべきかというと、そうとも限りません。自己資本比率は76.6%、純資産11,771,947千円と財務は厚く、縮小に耐えながら次の柱を作っている局面と読めます。この状況の会社が中途採用に求めるのは、「伸びている市場で伸ばした経験」より「落ちている数字を止めた経験」です。面接では3つ確認してください。「Fashion Platformの流通額と手数料率、どちらが動いていますか」「Travel Platformは連結子会社と本体のどちらが主体ですか」「調整後EPSを重要指標に置いている理由は何ですか」。
従業員157名という組織
有価証券報告書の従業員の状況です(2026年1月31日現在)。
| セグメントの名称 | 連結従業員数 |
|---|---|
| Fashion Platform事業 | 103名(22) |
| Travel Platform事業 | 37名(30) |
| その他 | 1名 |
| 全社(共通) | 16名(1) |
| 合計 | 157名(53) |
提出会社の状況は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 119名(外23名) |
| 平均年齢 | 37.8歳 |
| 平均勤続年数 | 6.1年 |
| 平均年間給与 | 6,807,923円 |
**提出会社119名の内訳はFashion Platform事業103名、全社(共通)16名。**つまりBUYMAの運営は本体、旅行は子会社という分担です。Travel Platform事業の従業員37名に対して臨時従業員30名という比率は、現地でのオペレーションを含む事業であることを示しています。
提出会社の従業員数は103名→115名→129名→114名→119名と推移しています。5期で16名増という緩やかな動きです。
管理職に占める女性労働者の割合は45.8%。当メディアが同じ時期に扱った企業(9.8〜46.7%)のなかでは高い側にあたります。なお、男性労働者の育児休業取得率と男女の賃金の差異については、公表義務の対象ではないため記載が省略されています。これは従業員規模によるもので、開示が少ないぶん、働き方の条件は面接で直接確認する必要があるということです。
連結初年度から2期の業績
この会社は第21期(2025年1月期)から連結財務諸表を作成しています。
| 決算期 | 連結売上高(千円) | 経常利益(千円) | 親会社株主に帰属する当期純利益(千円) | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年1月 | 5,928,834 | 693,374 | 433,783 | 78.9% |
| 2026年1月 | 6,295,864 | 43,742 | 326,644 | 76.6% |
**経常利益は693,374千円から43,742千円へ。**一方で親会社株主に帰属する当期純利益は326,644千円が計上されています。経常利益より下の段階で利益が出ている構造であり、詳細は損益計算書の特別損益で確認する必要があります。
キャッシュ・フローは次のとおりです。
| 決算期 | 営業CF(千円) | 投資CF(千円) | 財務CF(千円) |
|---|---|---|---|
| 2025年1月 | 269,886 | △1,410,878 | △298,053 |
| 2026年1月 | 209,995 | △1,264,243 | △557,135 |
2期連続で、営業CFを大きく上回る投資CFの流出が起きています。現金及び現金同等物の期末残高は9,087,543千円から7,490,447千円へ減少しました。子会社化(2024年5月のBUYMA TRAVEL、2025年2月のFormalTrans LLC、2025年9月のゲツラク)が続いた時期と重なります。
経営指標としては、次の定義が明記されています。
当社グループは継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高及び調整後EPSを重要指標としております。 ※調整後EPS=(親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却費+無形資産償却費+M&A関連一時費用+その他非現金支出項目)÷ 期中平均株式数
のれん償却費やM&A関連一時費用を足し戻す指標を掲げていること自体が、この会社がM&Aを前提に事業を組み立てていることを示しています。
なお、提出会社の1株当たり配当額は10.00円から30.00円へ増え、配当性向は168.3%となっています。株主総利回りは51.1%(第18期)から38.6%(第22期)へ推移しました(同期間の配当込みTOPIXは107.0%→222.5%)。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。
**1つ目は、組織が小さいこと。**連結157名、提出会社119名。1人あたりの担当範囲は広くなります。
**2つ目は、事業が2本柱に移りつつあること。**Fashion Platformが5,373,502千円、Travel Platformが906,651千円。規模はまだ6対1ですが、伸び率は逆転しています。
**3つ目は、CtoCプラットフォームであること。**24万人超のパーソナルショッパーと会員1,201万人をつなぐ運営が仕事の中心です。有価証券報告書は「パーソナルショッパーを獲得し教育するパーソナルショッパーリレーション」「検索エンジンで上位表示させるスペシャリストを擁したSEO体制」といった機能を挙げています。
**4つ目は、財務が厚いこと。**自己資本比率76.6%、純資産11,771,947千円。投資を続けられる基盤があります。
向いている人/向いていない人
有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。
向いていると考えられる人
- CtoCマーケットプレイスの運営に関心がある人。出品者24万人・会員1,201万人の規模です
- 少人数で広い範囲を担当したい人。連結157名の組織です
- 越境・海外在住者との取引に関心がある人。パーソナルショッパーは主に海外在住の日本人です
- 新しい柱の立ち上げに関わりたい人。Travel Platform事業が前期比211.8%です
向いていない可能性がある人
- 伸びている主力事業で成果を出したい人。Fashion Platformの販売実績は前期比△4.6%です
- 分業された組織で専門特化したい人。提出会社は119名です
- 開示の多い環境で条件を確認したい人。育休取得率・賃金差異は公表義務対象外で省略されています
- 短期の業績連動を期待する人。直近期の経常利益は43,742千円です
エージェントベストの見解
**この会社の面接で強いのは、「手数料モデルを理解している人」です。**有価証券報告書には手数料率が明記されています。**購入者から決済システム利用料5.50%、パーソナルショッパーから成約手数料7.70%(プレミアムは5.50%、法人ショップは5.50〜7.70%)。**ここから、売上を動かす要素が3つに分解できます。①取引の件数、②1件あたりの単価、③どの区分の出品者が売っているかです。3つ目が効くのは、プレミアムパーソナルショッパーや法人ショップの成約手数料が一般より低いためで、**同じ流通額でも出品者の構成が変われば売上が変わります。当メディアが見てきたマーケットプレイス企業の選考では、「流通額を伸ばします」で止まる回答が最も多い。この会社なら、「どの区分の出品者を、どう増やすか」**まで語れると差がつきます。有価証券報告書に「パーソナルショッパーを獲得し教育するパーソナルショッパーリレーション」という機能名が出てくることも押さえておきたい点です。**出品者は従業員でも取引先でもなく、教育の対象として書かれている。この関係性をどう設計するかが、事業の中身そのものです。面接では「プレミアムパーソナルショッパーの認定基準はどのように運用していますか」**と聞いてみてください。事業の理解度が伝わる質問になります。
選考に向けた準備
事業の理解
有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。
- セグメント別の販売実績……Fashion Platform 5,373,502千円(△4.6%)、Travel Platform 906,651千円(+211.8%)
- BUYMAの規模……世界185ヵ国・パーソナルショッパー24万人超・出品580万品以上・会員約1,201万人
- 手数料構造……購入者5.50%+オプション1.47%、パーソナルショッパー5.50〜7.70%
- ビジネスモデルの5つの特徴……旬で豊富な品揃え/価格の適正性/在庫の効率化/スケーラビリティ/パーソナルショッパー
- 市場規模……国内の衣類・服装雑貨等市場は2024年で約11.9兆円、うちEC市場規模は2.7兆円
数字の押さえ方
面接で使える数字を挙げます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結売上高(2026年1月期) | 6,295,864千円(前期比+6.1%) |
| 経常利益 | 43,742千円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 326,644千円 |
| 自己資本比率 | 76.6% |
| 提出会社の売上高 | 5,375,052千円(5期連続減少) |
| 連結従業員数 | 157名(提出会社119名) |
| 平均年間給与 | 6,807,923円(平均年齢37.8歳・平均勤続6.1年) |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 45.8% |
質問の準備
- 「Fashion Platformの流通額と手数料率、動いているのはどちらですか」
- 「プレミアムパーソナルショッパーの認定基準はどのように運用していますか」
- 「Travel Platform事業は連結子会社と本体のどちらが主体ですか」
- 「調整後EPSを重要指標に置いている理由を教えてください」
- 「この職種は、パーソナルショッパー側と購入者側のどちらに向き合いますか」
まとめ
株式会社エニグモは、2004年設立のマーケットプレイス運営会社です。第22期(2026年1月期)の連結売上高は6,295,864千円、経常利益43,742千円、連結従業員157名。
有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。
- 事業はFashion Platform(BUYMA・5,373,502千円/△4.6%)とTravel Platform(906,651千円/+211.8%)
- 提出会社の売上高は5期連続減少(7,616,747千円→5,375,052千円、△29.4%)、経常利益は△86.1%
- BUYMAは世界185ヵ国・パーソナルショッパー24万人超・会員約1,201万人
- 売上は取引総額ではなく手数料収入(購入者5.50%、パーソナルショッパー5.50〜7.70%)
- 連結157名・提出会社119名の組織。管理職に占める女性労働者の割合45.8%
- 自己資本比率76.6%。2期連続で営業CFを上回る投資CFの流出
- 重要指標は売上高と調整後EPS(のれん償却費・M&A関連一時費用等を足し戻す)
**厚い財務を背景に、主力の縮小と新事業の立ち上げが同時進行している会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
有価証券報告書(第22期・2026年1月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,807,923円です。平均年齢37.8歳、平均勤続年数6.1年という条件つきの数字であり、賞与および基準外賃金を含みます。提出会社の従業員は119名で、連結157名の一部です。個人の年収は職務・評価によって異なりますので、求人票の想定年収とあわせてご確認ください。
Q. BUYMAの売上はどのように発生するのですか。
有価証券報告書によると、「BUYMA」で取引されたアイテムの価格に応じて、購入者から決済システム利用料(出品価格の5.50%)とあんしんプラス加入料(同1.47%、最低利用料金293円、オプション)、パーソナルショッパーから成約手数料(一般7.70%、プレミアム5.50%、法人ショップ5.50〜7.70%)を受領し、利用手数料収入として売上高に計上しています。
Q. 旅行事業はどのような位置づけですか。
有価証券報告書によると、Travel Platform事業の販売実績は906,651千円で前期比211.8%です。2024年5月に株式会社BUYMA TRAVEL(およびMMS Guam Corporation等の子会社群)を連結子会社化し、同年8月にBUYMA TRAVEL事業を会社分割により同社へ承継しています。2025年2月にはFormalTrans LLCの持分を取得し連結子会社化した旨も記載されています。
※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。