インテグラルの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

インテグラル 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

PEファンドへの転職を検討する際、最大の障壁は情報の少なさです。ほとんどのファンドは非上場であり、報酬も人員構成も公表されません。インテグラルは例外です。2023年9月に東証グロース市場へ上場しているため、有価証券報告書で平均年間給与も従業員構成も投資手法も確認できます。この記事では、第20期の有価証券報告書で確認できる実数を軸に、この投資会社の実態を整理します。

AUM5,765億円・従業員98人の上場PE

項目内容
会社名インテグラル株式会社(Integral Corporation)
上場区分東京証券取引所グロース市場(証券コード 5842、2023年9月20日上場)
創業2007年9月
本店所在地東京都千代田区丸の内一丁目9番2号
資本金7,634百万円
連結収益13,655百万円(第20期)
連結従業員数98人(2025年12月31日現在)
提出会社の従業員数93人(同上)
提出会社の平均年齢39.5歳
提出会社の平均勤続年数4.9年
提出会社の平均年間給与21,356千円(賞与および基準外賃金を含む)

数値はいずれも第20期(2025年1月1日から2025年12月31日、2026年3月19日提出)の有価証券報告書によります。

AUMが1年で倍増している

有価証券報告書には、目標とする重要な経営指標としてAUM(運用資産残高)等が開示されています。

指標2023年12月期2024年12月期2025年12月期
AUM(運用資産残高)2,250億円2,885億円5,765億円
Fee-Earning AUM1,797億円1,645億円3,789億円
プリンシパル投資のFV327億円381億円435億円
ファンド投資のFV2,244億円2,878億円3,609億円

AUMは2024年12月期の2,885億円から2025年12月期の5,765億円へ、1年でおよそ倍増しています。Fee-Earning AUM(管理報酬の対象となる運用資産)も1,645億円から3,789億円へ拡大しました。

一方、収益と利益は年によって大きく変動します。連結収益は第18期14,082百万円、第19期31,230百万円、第20期13,655百万円。親会社の所有者に帰属する当期利益は7,574百万円、18,106百万円、6,077百万円です。

PEファンドの収益は、投資先の売却(Exit)のタイミングに強く依存します。この変動は事業の性質によるものであり、AUMが着実に伸びていることのほうが継続性を示す指標だと読めます。

従業員数は第16期58人から第20期98人へ、5年で1.7倍になっています。

投資先に常駐する「i-Engine」

有価証券報告書に記載されている同社の特徴のうち、転職を検討する立場で最も重要なのがこれです。

同社は投資先企業に対し、経営上のリソース不足に起因する課題の解決手段として、投資プロフェッショナルを派遣する機能を提供しており、これをi-Engineと呼称しています。

有価証券報告書には次のように記載されています。投資先企業の経営に直接参画するハンズオン型のファンドは珍しくないものの、同社のように役員派遣だけでなく、実務スタッフとして多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを、投資実行後からExitまで投資先企業に常駐させる手法を取るPE投資ファンドは稀であると認識している、というものです。

つまり、投資先に出向いて常駐する働き方が制度として組み込まれています。ファンドのオフィスで分析と交渉をする仕事、という一般的なイメージとは異なります。

プリンシパル投資という仕組み

もうひとつの特徴が、自己資金による投資です。

有価証券報告書によると、PE投資ファンドによる投資は中堅中小企業の経営者から短期間での売却を企図した投資とみられて嫌気されることもあるため、同社はファンド投資(LP投資家から集めた資金による投資)と並行してプリンシパル投資(自己資金による投資)を行っています。

新規投資では、プリンシパル投資部分の投資期間をファンド投資部分より長期に設定し、投資先の経営者やオーナーに対して安定株主としてより長期のコミットメントを示す設計です。

具体的な比率も開示されています。ファンド資金には原則として2%相当のGP出資が含まれ、これに加えてプリンシパル投資として、投資額合計の一定割合(案件ごとに3%以上34%以下、当該ファンドシリーズの全投資先に対するプリンシパル投資の総額は投資総額の20%以下)を自己資金で投資します。

事業は3つに広がっている

有価証券報告書によると、当社グループは当社、連結子会社50社および公正価値で評価している子会社56社により構成されています(2025年12月31日時点)。

報告セグメントは、PE投資事業(収益13,335百万円)と不動産投資事業(収益258百万円)です。不動産投資事業は2024年11月から、グローバルテック・グロース投資事業は2025年3月から開始されています。

PE投資の対象としては、事業承継、非公開化(MBO)、非中核事業のカーブアウトが挙げられています。

公開されている情報から読み取れる傾向

以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の傾向です。上場企業であるため、有価証券報告書の開示内容と併せて整理しています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は21,356千円(従業員93人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.9年)と開示されています。PEファンドの報酬は基本給に加えてファンドの成果に連動する部分で構成されるのが業界の一般的な設計です。有価証券報告書では、キャリードインタレストの最大化を目標とする経営指標のひとつに挙げています。

※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

i-Engineにより投資先企業に常駐する手法を取るため、勤務地が投資先になる期間が発生します。案件のフェーズだけでなく、勤務場所そのものが変わる構造です。

※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

従業員数は5年で58人から98人へ拡大し、PE投資事業に加えて不動産投資事業(2024年11月開始)とグローバルテック・グロース投資事業(2025年3月開始)が立ち上がっています。新しいアセットクラスが増える局面では、役割も生まれます。

※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

経営理念として「Trusted Investor=信頼できる資本家」を掲げ、行動規範として、ハートのある信頼関係を事業すべての基礎とすること、長期的な企業価値の向上を愚直に追求すること、最高の英知を結集し「新しい何か」の創造に挑戦することの3点が示されています。

※公開されている情報および有価証券報告書の開示から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

PEファンドの年収は「表に出ない」と言われますが、この会社は例外です。2023年9月に東証グロース市場へ上場しているため、有価証券報告書に平均年間給与が載ります。第20期の数字は21,356千円。対象は従業員93人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.9年です。同じ書類に、93人の内訳がPE投資事業59人、全社(共通)34人と記載されています。つまり管理部門を含めた93人の平均でこの水準ということです。PEファンドを検討している方は、この数字を基準点として持っておいてください。他の非上場ファンドの提示額を評価するとき、上場PEの開示値という比較対象があるのとないのとでは、判断の精度がまるで違います。転職メディアの推計値ではなく、有価証券報告書に載った実数です。

平均年間給与2,135万円の内訳

上場企業であるため、報酬に関する数値は明確に開示されています。

第20期の有価証券報告書によると、提出会社の従業員数は93人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.9年、平均年間給与は21,356千円です。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。

提出会社93人の内訳は、PE投資事業59人、全社(共通)34人です。全社(共通)は管理部門に所属している従業員とされています。

連結では98人で、PE投資事業59人、不動産投資事業4人、その他事業及び全社(共通)35人という構成です。注記では、取締役も含む投資プロフェッショナルの役職員数はPE投資事業63名、不動産投資事業8名とされています。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。同社の平均年齢はほぼ同じで、平均年間給与は職種平均のおよそ1.9倍です。

なお有価証券報告書では、目標とする重要な経営指標として、AUMの中長期的な拡大、キャリードインタレストの最大化、プリンシパル投資のFV(公正価値)の継続的な成長が挙げられています。キャリードインタレストが経営指標として明示されている点は、報酬の構造を考えるうえで参考になります。

未実現キャリードインタレストも開示されており、2025年12月期は2号ファンドシリーズ10億円、3号ファンドシリーズ165億円、4号ファンドシリーズ176億円です。

丸の内の本店と、投資先という職場

有価証券報告書によると、本店は東京都千代田区丸の内一丁目9番2号です。

ただし勤務地の実態は、本店だけではありません。前述のi-Engineにより、投資プロフェッショナルが投資実行後からExitまで投資先企業に常駐する手法が取られています。

投資先は事業承継、非公開化、カーブアウトの案件であり、全国に存在します。常駐となれば、その企業のオフィスや工場が日々の職場になります。

この点は、他のPEファンドとの決定的な違いです。ファンドのオフィスで働く時間と、投資先で働く時間の比率が、他社とはまったく異なります。応募前に必ず確認すべき項目です。

3つのアセットクラスが選択肢になる

同社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、常駐が前提の関わり方です。 i-Engineとして、役員派遣だけでなく実務スタッフとして投資先に常駐する手法が公式に説明されています。経営に「関与する」のではなく、経営の中に「入る」仕事です。事業会社やコンサルティングで現場を動かした経験が、そのまま価値になります。

第二に、アセットクラスが増えています。 PE投資事業に加えて、2024年11月に不動産投資事業、2025年3月にグローバルテック・グロース投資事業が開始されました。連結従業員98人のうち不動産投資事業は4人(投資プロフェッショナルは8名)と、立ち上がったばかりの段階です。新しい領域が生まれる局面では、役割を取りにいける余地があります。

第三に、上場企業であることの意味があります。 2023年9月20日に東証グロース市場へ上場しています。株主への説明責任が生じるぶん、経営指標が明確に定義され開示されます。AUM、Fee-Earning AUM、プリンシパル投資のFV、未実現キャリードインタレストといった指標が公表されており、自分の仕事が何に貢献するのかが見えやすい構造です。

向いている人/向いていない人

向いている人

投資先の現場に入りたい方

i-Engineとして、投資実行後からExitまで投資先企業に常駐する手法が公式に説明されています。分析や交渉より、実際に組織を動かすことに手応えを感じる方に接続します。

事業会社やコンサルティングの経験がある方

有価証券報告書には、多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを実務スタッフとして常駐させる旨が記載されています。金融のバックグラウンドだけが評価される構造ではありません。

新しい領域を立ち上げたい方

不動産投資事業とグローバルテック・グロース投資事業が2024年から2025年にかけて開始されたばかりです。人数も限られており、立ち上げに関われる可能性があります。

向いていない人

東京のオフィスで働き続けたい方

投資先への常駐が手法として組み込まれています。勤務地が変わる前提を受け入れられるかが、最初の分かれ目になります。

業績の安定を重視する方

連結収益は第18期14,082百万円、第19期31,230百万円、第20期13,655百万円と大きく変動しています。PEファンドの収益はExitのタイミングに依存する構造であり、これは事業の性質です。

エージェントベストの見解

この会社で最も多いミスマッチは、「PEファンド=丸の内のオフィスで分析と交渉をする仕事」というイメージで応募し、投資先への常駐が前提だと後から知る、というものです。有価証券報告書には、役員派遣だけでなく実務スタッフとして投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで投資先企業に常駐させる手法を取るPE投資ファンドは稀である、と自社で明記しています。つまり同社自身が「これは珍しい手法だ」と認識しているわけです。投資先は事業承継やカーブアウトの案件ですから、地方の中堅企業である可能性も十分あります。数年単位で、その会社の一員として働くことになります。逆に言えば、これほど深く事業に入れるファンドは他にありません。経営を「見る」のではなく「する」経験を積みたい方には、他社では得られない環境です。応募前に確認すべきは、常駐の頻度と期間、そして直近の投資先がどこにあるかです。

上場企業の開示を使った選考準備

選考の前提

同社は東証グロース市場に上場しているため、募集の状況や選考プロセスは採用ページで確認できます。従業員数98人(連結)という規模を踏まえると、募集はポジション単位で出ると考えるのが現実的です。

有価証券報告書によると、投資プロフェッショナルの役職員数はPE投資事業63名、不動産投資事業8名です。組織の規模感を把握したうえで応募することになります。

志望動機で問われること

「なぜPEか」と「なぜインテグラルか」の2段で組み立てます。

後者について、この会社は差別化の材料が明確です。i-Engineによる常駐型ハンズオン支援。ファンド投資と並行するプリンシパル投資(案件ごとに3%以上34%以下)。2023年9月の東証グロース市場上場。AUMが2024年12月期2,885億円から2025年12月期5,765億円へ拡大していること。不動産投資事業とグローバルテック・グロース投資事業の立ち上げ。いずれも有価証券報告書で確認できる事実です。

特にi-Engineとプリンシパル投資は、この会社を選ぶ理由として最も語りやすい材料です。なぜ常駐する形の支援に価値を感じるのか、なぜ自己資金を入れる姿勢を評価するのかを、自分の経験に紐づけて説明できると説得力が出ます。

職務経歴書で見られるポイント

常駐して実務を担う手法である以上、書類でも「現場で動かした経験」が読まれます。

事業会社出身の方は、組織を動かした経験を前面に出します。業務プロセスを変えた、管理会計を導入した、営業体制を組み替えた、現場の抵抗がある中で施策を定着させた、といった経験は、i-Engineの実務と直接つながります。

コンサルティング出身の方は、提言だけでなく実行まで関与した案件を具体的に書きます。常駐して実装した経験があれば、それは最も強い材料になります。

投資銀行やFAS出身の方は、ディールの工程に加えて、投資後の関与に接続する経験を示す構成にします。財務モデリングの技術は前提として必要ですが、それだけでは差が付きません。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

インテグラルは、2007年9月創業、2023年9月20日に東証グロース市場へ上場した独立系のプライベートエクイティ投資会社です。第20期(2025年12月期)の有価証券報告書によると、連結従業員数98人、提出会社93人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.9年、平均年間給与は21,356千円です。AUMは2024年12月期の2,885億円から2025年12月期の5,765億円へ拡大しました。特徴は2点あり、ひとつは投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで投資先企業に常駐させるi-Engine、もうひとつはファンド投資と並行して自己資金を投じるプリンシパル投資です。事業はPE投資に加えて、2024年11月に不動産投資事業、2025年3月にグローバルテック・グロース投資事業が開始されています。応募にあたっては、常駐という働き方を受け入れられるかが最初の判断軸になります。

よくある質問

Q. インテグラルの年収はどのくらいですか。

A. 第20期(2025年12月期)の有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は21,356千円です。賞与および基準外賃金を含んだ金額で、対象は従業員93人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.9年です。93人の内訳はPE投資事業59人、全社(共通)34人で、全社(共通)は管理部門に所属する従業員とされています。PEファンドで平均年間給与が公式に開示されるのは、上場している同社のような例に限られます。実際の提示額は入社時の職位によって決まるため、選考の過程でご確認ください。

Q. 投資先に常駐すると聞きましたが本当ですか。

A. 有価証券報告書に明記されています。同社は投資先企業の経営リソース不足に起因する課題の解決手段として、投資プロフェッショナルを派遣する機能を提供しており、これをi-Engineと呼称しています。役員派遣だけでなく、実務スタッフとして多様なバックグラウンドを持つ投資プロフェッショナルを投資実行後からExitまで投資先企業に常駐させる手法であり、同社はこうした手法を取るPE投資ファンドは稀であると認識している旨を記載しています。常駐の頻度や期間は案件によって異なると考えられるため、選考の場でご確認ください。

Q. プリンシパル投資とは何ですか。

A. 有価証券報告書によると、LP投資家から集めたファンド資金による投資(ファンド投資)と並行して、同社グループの自己資金で投資先企業に投資する仕組みです。PE投資ファンドによる投資が中堅中小企業の経営者から短期間での売却を企図した投資とみられて嫌気されることがあるため、プリンシパル投資部分の投資期間をファンド投資部分より長期に設定し、安定株主としてより長期のコミットメントを示す狙いが説明されています。金額は案件ごとに投資額合計の3%以上34%以下、ファンドシリーズ全体では投資総額の20%以下とされています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)