JR東日本の評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

JR東日本 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

2026年4月、国鉄由来の賃金制度を抜本的に変えた

JR東日本の有価証券報告書には、賃金制度の改定が具体的な金額とともに記載されています。

2026年4月には、社員の意欲を受け止め、役割の遂行を通じた社員の成長を後押しするため、国鉄由来の人事・賃金制度を抜本的に変革し、シンプルでわかりやすい賃金体系に見直しました。 これにより年間の人件費を300億円程度増やし、すべての社員において改正時から65歳までの総収入を増額します。

3つの点が明記されている

①国鉄由来の制度を抜本的に変えたこと。②年間人件費を300億円程度増やすこと。③すべての社員において65歳までの総収入を増額すること。

「すべての社員において」という表現

一部の層に厚く配分する改定ではないことを示します。

「65歳までの総収入」という見方

単年の給与ではなく、生涯にわたる受取額で示されています。定年後の再雇用まで含めた設計と読めます。

この報告書は改定前の期のもの

第39期は2026年3月31日まで。改定は2026年4月です。つまり、記載された平均年間給与8,191,696円は改定前の数字です。

転職の観点

いま入社すると、改定後の制度が適用されます。 有価証券報告書の数字は、改定前の水準を示しています。

確認したいこと

「2026年4月の制度改定で、中途入社者の格付けはどう変わりましたか」。改定を知っていれば、この質問が具体的になります。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

提出会社の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数39,598人
平均年齢39.8歳
平均勤続年数17.1年
平均年間給与8,191,696円
平均年間給与の対前事業年度増減率6.8%

平均年齢等は出向者を除いた数値

同報告書は、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、従業員数から、他社からの出向者数を除いたものについての数値と注記しています。

定年は満60歳

従業員の定年は、満60歳に達する月の末日としているとされています。

提出会社のセグメント別

セグメント従業員数
運輸事業38,879人
流通・サービス事業212人
不動産・ホテル事業383人
その他124人
合計39,598人

運輸事業が約98%

提出会社は、ほぼ鉄道の会社です。

連結会社の状況(同日現在)

セグメント従業員数
運輸事業53,165人〔10,070〕
流通・サービス事業6,310人〔7,660〕
不動産・ホテル事業6,007人〔1,964〕
その他5,141人〔935〕
合計70,623人〔20,629〕

〔 〕内は臨時従業員数(外数)。「エルダー社員」等の定年退職後の再雇用社員を含み、派遣社員及び短時間労働のパート・アルバイトは含めていないと注記されています。

流通・サービス事業は外数のほうが多い

従業員6,310人に対し臨時7,660人。約1.2倍です。

従業員は1,064名増、臨時は1,146名減

正社員が増え、臨時が減っている動きが読み取れます。

労働組合が8つある

有価証券報告書には、労働組合の名称、組合員数、上部組織が記載されています(2026年4月1日現在)。

名称組合員数上部組織
東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)2,847人全日本鉄道労働組合総連合会(JR総連)
JR東日本輸送サービス労働組合(JTSU-E)2,042人日本輸送サービス労働組合連合会(JTSU)
JR東日本労働組合(東日本ユニオン)328人
JR東労働組合(JRひがし労)282人
JR東日本新潟労働組合(JR新潟労組)32人
ジェイアール・イーストユニオン(JREユニオン)28人日本鉄道労働組合連合会(JR連合)
国鉄労働組合東日本本部(国労東日本)26人国鉄労働組合(国労)
国鉄動力車労働組合総連合(動労総連合)5人

組合員数の合計は5,590人

提出会社39,598人に対し、**約14%**にあたります。

組合員数には再雇用社員等を含まないと注記されています。

8つに分かれている背景

国鉄の分割民営化以降の経緯が反映されていると考えられます。有価証券報告書に説明はありません。

労働委員会への申立て

現在、一部の労働組合から、労働委員会に12件(東日本旅客鉄道労働組合1件、JR東日本輸送サービス労働組合6件、国鉄動力車労働組合総連合5件)の不当労働行為事件を申し立てられております。

この記載の位置づけ

有価証券報告書に記載される事実です。件数と申立元の内訳まで開示されています。

転職を考えるうえでの意味

労使関係が複雑な構造にあることを示します。ただし、日々の業務に直接影響するかは、職種や配属によります。

中立保持義務

同報告書は、中立保持義務を遵守しつつ、経営協議会、団体交渉を信義誠実の原則に従い行っております としています。複数の組合がある会社に固有の論点です。

39,598人の会社で、どの職種に入るか

提出会社の98%が運輸事業

鉄道の運行に関わる職種が中心です。ただし、その中身は多岐にわたります。

IT・システムの職種

39,598人という規模の会社では、社内のシステムを支える職種も相当数あります。 有価証券報告書に職種別の内訳はありません。

job tagの水準と比べる

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「システムエンジニア(基盤システム)」の区分は平均年収889万円、平均年齢38.3歳、有効求人倍率2.28。

同社の水準

提出会社の平均年間給与は8,191,696円。基盤システムの区分(889万円)をやや下回ります。

ただし母集団が違う

39,598人のうち98%は運輸事業です。IT職の水準を示す数字ではありません。

転職の観点

大規模な組織では、平均値が自分に当てはまらないことが多くなります。 職種別の水準は面接で確認する必要があります。

確認したいこと

「募集している職種の等級と、その報酬レンジを教えてください」。2026年4月に賃金体系が変わっているため、この質問はとくに意味を持ちます。

勤務地

運輸事業は路線に沿って拠点が広がります。 転勤の可能性は、応募の段階で確認する価値があります。

定年と再雇用

定年は満60歳。一方、賃金制度の改定は65歳までの総収入を対象としています。再雇用を含めた設計が読み取れます。

エージェントベストの見解

「年間の人件費を300億円程度増やし、すべての社員において改正時から65歳までの総収入を増額します」。有価証券報告書で、賃上げの規模をここまで具体的に書く会社は多くありません。しかも「単年の給与」ではなく「65歳までの総収入」という示し方をしています。これは読み方が要ります。単年の年収が大きく上がるとは限らないからです。定年後の再雇用期間を含めた生涯の受取額で増える、という設計もあり得ます。中途で入る方が確認すべきは、自分に適用される部分です。改正時から65歳まで、という表現は在籍者を念頭に置いています。これから入る人の格付けがどうなるかは別の話です。面接では「2026年4月の制度改定で、中途入社者の初期格付けはどう決まりますか」と聞いてください。制度が変わった直後は、この確認が欠かせません。

選考で確認しておきたいこと

  1. 雇用契約の相手方(提出会社か、連結子会社か)
  2. 募集職種の等級と、報酬レンジ
  3. 2026年4月の制度改定で中途入社者の格付けがどう変わったか
  4. 勤務地と、転勤の可能性
  5. 配属される事業(運輸/流通・サービス/不動産・ホテル)
  6. 所属することになる労働組合

1つ目は、**連結70,623人に対し提出会社39,598人(約56%)**であるためです。流通・サービス事業は連結6,310人に対し提出会社212人と、ほぼ子会社側にあります。

3つ目が、いまの時期にはとくに重要です。国鉄由来の人事・賃金制度が抜本的に変わったばかりです。

5つ目は、提出会社の98%が運輸事業であることを踏まえた確認です。

近い構造の会社はJR東海の評判・年収・選考対策、技術者としてのキャリアはユーザー系SIerのキャリアパスもあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

労働組合が8つあり、労働委員会に12件の不当労働行為事件を申し立てられている。有価証券報告書にこう書かれていると、身構える方もいるかもしれません。冷静に読むと、いくつか分かることがあります。まず、組合員数の合計は5,590人で、提出会社39,598人の約14%です。組合の規模は大きくありません。次に、申立ての内訳まで開示されています。東日本旅客鉄道労働組合1件、JR東日本輸送サービス労働組合6件、国鉄動力車労働組合総連合5件。そして会社は「中立保持義務を遵守しつつ、経営協議会、団体交渉を信義誠実の原則に従い行っております」としています。複数組合がある会社では、どの組合にも中立でなければならないという法的な要請があります。これは制度上の構造であって、日々の業務に直接影響するかは職種と配属によります。面接では「所属することになる組合はありますか」と聞いておく程度で十分です。

まとめ

JR東日本について、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与8,191,696円は、改定後の数字ですか。

A. いいえ。第39期(2026年3月期)の数字であり、賃金制度の改定は2026年4月です。改定前の水準を示しています。

Q. 人件費300億円増は、自分の年収にどう反映されますか。

A. 有価証券報告書には「すべての社員において改正時から65歳までの総収入を増額」と記載されています。単年の年収ではなく生涯の受取額で示されている点に注意が要ります。

Q. 労働組合が8つあるのは、働くうえで影響しますか。

A. 組合員数の合計は5,590人で提出会社の約14%です。会社は中立保持義務を遵守しつつ団体交渉を行うとしています。影響の度合いは職種と配属によります。

Q. IT職の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書に職種別の内訳はありません。提出会社39,598人のうち約98%は運輸事業であり、平均年間給与はIT職の水準を示すものではありません。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事のタグ

事業会社・SIerの他の企業

事業会社・SIerの企業一覧を見る →

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)