ラクーンホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書によると、株式会社ラクーンホールディングスの直近期(第30期・2026年4月期)は売上高6,574,265千円(前期比7.8%増)。連結従業員数は243人です。一方で、同社が運営するBtoBサイト「スーパーデリバリー」の流通額は30,986,292千円、決済代行「Paid」の取扱高は60,477,308千円、売掛保証「URIHO」の保証残高は76,434,205千円。243人で、これだけの商流を扱っている会社です。この記事では、その構造を有価証券報告書から整理します。
243人で扱う商流の大きさ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ラクーンホールディングス(RACCOON HOLDINGS, Inc.) |
| 代表者 | 代表取締役社長 小方 功 |
| 本店所在地 | 東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目14番14号 |
| 上場区分 | 東証プライム(2006年4月マザーズ上場、2016年3月市場第一部、2022年4月プライム移行) |
| 決算期 | 4月期(第30期は2025年5月1日〜2026年4月30日) |
| 経営理念 | 「企業活動を効率化し便利にする」 |
| 連結従業員数 | 243人〔ほか臨時雇用者4人〕 |
| 子会社 | 2社(ラクーンコマース、ラクーンフィナンシャル) |
この記事で扱う数値は、すべて有価証券報告書に記載されたものです。
事業の規模を示す3つの指標
| 指標 | 当期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 「スーパーデリバリー」流通額 | 30,986,292千円 | +12.0% |
| 「Paid」取扱高(全体) | 60,477,308千円 | +12.5% |
| 「URIHO」保証残高(期末) | 76,434,205千円 | +21.3% |
顧客基盤は約60万社と記載されています。中小零細企業という他社にはない企業層の顧客を多数保有していることを、同社は自らの強みとして挙げています。
2つのセグメントの稼ぎ方
EC事業(スーパーデリバリー)
アパレル・雑貨のメーカーが出展し、中小規模の小売店が仕入れるショッピングモール型のBtoBサイトです。国内向けサイトと海外向けサイト(SD export)があります。
収益は流通額に応じたシステム利用料(出展企業から)と、会員小売店の月会費で構成されます。当期の売上種類別内訳は次のとおりです。
| 売上種類 | 金額(千円) | 前期比 |
|---|---|---|
| システム利用料売上 | 3,476,236 | +12.1% |
| 会員小売店向け売上(会費) | 173,674 | △13.7% |
| 出展企業向け売上(基本料等) | 220,683 | △5.4% |
| その他 | 29,332 | +5.1% |
売上の89%がシステム利用料、つまり流通額に連動する収益です。
フィナンシャル事業(Paid・URIHO)
「Paid」は請求書発行から代金回収までを代行する決済代行、「URIHO」は売掛金が未回収になった際に代わりに支払う売掛保証です。
| サービス | 売上高(千円) | 前期比 |
|---|---|---|
| URIHO | 1,563,903 | +13.6% |
| Paid | 1,110,435 | +15.6% |
「URIHO」は**業界初の「定額制・保証かけ放題」**を掲げ、月会費制でプランごとに保証枠を設定する仕組みです。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は6,700,009円、平均年齢34.4歳、平均勤続年数7.6年(対前年増減率△0.1%)。同社は子会社2社の数値も開示しており、**ラクーンコマースは6,364,804円(平均35.4歳・勤続9.5年・+5.4%)、ラクーンフィナンシャルは6,968,201円(平均36.0歳・勤続8.5年・+4.8%)**です。給与決定については「職務・職責及び個人の能力・成果の評価を反映した競争力ある処遇水準の維持を志向」と記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
**提出会社の男性労働者の育児休業取得率は75.0%**です。労働時間や休暇制度の具体的な数値の記載はありません。臨時雇用者は年間平均4人で、正社員中心の構成になっています。
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キャリア・成長機会
有価証券報告書は課題として「開発リソースの増強」を挙げ、「根幹となるシステムを構築する開発体制が追い付かない側面があり、事業成長のボトルネックとなっております」と明記しています。中期経営計画でも「開発人員の増強及び開発生産性の向上」を人材面の重点施策としています。採用の重心が開発職にあることが読み取れます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
労働組合は結成されていません(「労使関係は円滑に推移しております」と記載)。提出会社の管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は0.0%。一方で**労働者の男女の賃金の差異は全労働者87.1%、正規雇用労働者89.6%**と、開示企業のなかでは差が小さい部類に入ります。従業員のみを対象とした株式所有制度(J-ESOP)も導入されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の数字で最初に目に留まるのは、年収ではなく勤続年数です。
| 会社 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|---|
| 提出会社(持株会社) | 105人 | 34.4歳 | 7.6年 | 6,700,009円 |
| ラクーンコマース | 74人 | 35.4歳 | 9.5年 | 6,364,804円 |
| ラクーンフィナンシャル | 62人 | 36.0歳 | 8.5年 | 6,968,201円 |
**平均年齢35.4歳で勤続9.5年。**逆算すると、26歳前後で入って辞めていない人が多いという構造です。当メディアが同時期に読んだ成長企業では平均勤続3〜4年が珍しくないなかで、この水準は明確に長い。**意味は2つあります。**1つ目、中途で入ると、周囲は自分より社歴が長い。業務知識と社内文脈の蓄積が厚く、キャッチアップの負荷は高めと見ておくべきです。2つ目、ポジションが空きにくい。提出会社の管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は0.0%という開示も、管理職の椅子の総数が少ない(提出会社105人)ことと無関係ではありません。一方で、年収の伸びは会社によって差があります。提出会社は△0.1%、ラクーンコマースは+5.4%、ラクーンフィナンシャルは+4.8%。事業会社側のほうが処遇改善の動きが出ている期でした。面接では2つ聞いてください。1つ目、「このポジションの前任者は何年在籍していましたか」。2つ目、「入社後3年の等級イメージを教えてください」。定着率の高い会社では、この2つの答えでキャリアの現実味が測れます。
経常利益だけが減った理由
当期の損益には特徴があります。
| 項目 | 金額(千円) | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 6,574,265 | +7.8% |
| 売上総利益 | 5,470,811 | +10.8% |
| 営業利益 | 1,320,744 | +5.3% |
| 経常利益 | 1,240,042 | △11.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 804,224 | △3.9% |
| 調整後EBITDA | 1,592,798 | +10.6% |
営業利益は増えているのに、経常利益は11.3%減っています。当期は転換社債型新株予約権付社債2,000,000千円を発行し、財務活動によるキャッシュ・フローが518,518千円の増加に転じました。同時に自己株式の取得に648,921千円を支出しています。その結果、自己資本比率は27.3%から21.6%へ低下しました。
費用面では、第4四半期に「実証実験」を実施しています。有価証券報告書は「2027年4月期以降の顧客基盤拡大に向けたプロモーション投資の実証実験として、EC事業、フィナンシャル事業の双方で投資額を増額し、その結果を検証」と記載。国内の新規会員登録数は前四半期比40.9%増、海外も同17.3%増という結果でした。
エージェントベストの見解
面接の後半で問われやすいのは、この1点です。「中期経営計画の数字を、どう作るか」。有価証券報告書には、2026年6月11日に公表した中期経営計画(2027年4月期〜2029年4月期)の目標が明記されています。最終年度の2029年4月期に売上高10,300百万円、営業利益2,000百万円、営業利益率19.4%、ROE 25.0%。当期の実績は売上高6,574百万円、営業利益1,320百万円ですから、3年で売上1.57倍、営業利益1.51倍という計画です。これは既存事業の自然成長だけでは届きにくい水準です。だからこそ、有価証券報告書には打ち手が並んでいます。「ラクーンBtoBネットワーク」構想(各サービスの顧客をグループ共通顧客と捉え直し、利用実績に応じた与信付与でクロスセルを誘発)、株式会社アドバンテッジパートナーズとの事業提携契約(2025年11月28日付)、第4四半期のプロモーション実証実験、そして転換社債2,000,000千円による資金調達。この4つは、同じ絵の部品です。準備としては、「約60万社の顧客基盤をどう回収するか」を自分の言葉で語れるようにしておくこと。EC事業の会員小売店に、Paidの掛売与信とURIHOの保証をどう乗せるのか。ここに自分の経験(データ活用、与信、マーケティング、開発のどれでも)を接続できるかが分岐点になります。逆に、「スーパーデリバリーが好きです」だけで終わると弱い。この会社は、ECの会社からBtoBの金融・データの会社へ重心を移そうとしているように読めます。
向いている可能性がある人/慎重に検討したい人
向いている可能性がある人
- 少人数で大きな商流を動かす環境に惹かれる人……連結243人でPaid取扱高604億円を扱っています
- BtoBの与信・決済に関心がある人……URIHOの保証残高は764億円です
- 腰を据えて働きたい人……子会社の平均勤続年数は8.5〜9.5年です
- 越境ECに関わりたい人……SD exportの海外流通額は前期比6.6%増です
- 開発体制の立ち上げに貢献したい人……開発リソースの増強が課題として明記されています
慎重に検討したい人
- 短期での管理職登用を望む人……提出会社105人、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は0.0%です
- 社歴の浅い同僚が多い環境を好む人……平均勤続年数は7.6〜9.5年です
- 財務の保守性を最優先する人……自己資本比率は27.3%から21.6%へ低下しています
- 大規模組織のリソースを使いたい人……連結従業員は243人です
- 売上規模の大きさを重視する人……当期の売上高は6,574,265千円です
選考に向けて整理しておきたい3点
1. 流通額と売上の関係を説明する
EC事業の売上の89%は流通額に連動するシステム利用料です。流通額30,986,292千円に対して売上3,899,926千円。この比率が何で決まるかを理解しているかどうかで、事業理解の深さが伝わります。
2. フィナンシャル事業の与信を語る
「URIHO」も「Paid」も、未回収リスクを自社で引き受けるモデルです。有価証券報告書は「当社の与信審査の適切なコントロールにより売上原価率は低い水準を継続」と記載しています。リスクを取って利益を出す事業である点を押さえておくとよいでしょう。
3. 中期経営計画の数字を自分で分解しておく
**2029年4月期に売上10,300百万円・営業利益2,000百万円。**EC・Paid・URIHOのどこがいくら伸びる想定かを自分なりに置いてみると、面接での質問の質が変わります。
まとめ
- 株式会社ラクーンホールディングスは東証プライム上場、4月決算の持株会社。代表取締役社長は小方功氏、経営理念は「企業活動を効率化し便利にする」です
- 第30期は売上高6,574,265千円(前期比7.8%増)、売上総利益5,470,811千円(同10.8%増)、営業利益1,320,744千円(同5.3%増)、経常利益1,240,042千円(同11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益804,224千円(同3.9%減)
- セグメント別はEC事業3,899,926千円(+9.5%)、フィナンシャル事業2,674,339千円(+5.5%)。「スーパーデリバリー」の流通額は**30,986,292千円(+12.0%)**です
- 連結従業員243人〔臨時4人〕。提出会社105人・平均年齢34.4歳・平均勤続年数7.6年・平均年間給与6,700,009円。ラクーンコマースは平均勤続9.5年、ラクーンフィナンシャルは同8.5年です
- 中期経営計画(2027年4月期〜2029年4月期)では、**最終年度に売上高10,300百万円・営業利益2,000百万円・ROE 25.0%**を掲げています
よくある質問
Q. ラクーンホールディングスの平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は6,700,009円、平均年齢34.4歳、平均勤続年数7.6年です(2026年4月30日現在)。同社は子会社の数値も開示しており、ラクーンコマース6,364,804円、ラクーンフィナンシャル6,968,201円。提出会社は持株会社であるため、応募先の会社によって水準が異なります。募集要項の提示レンジをあわせてご確認ください。
Q. どんなサービスを運営していますか?
A. EC事業では、アパレル・雑貨のBtoBサイト「スーパーデリバリー」(国内向けと海外向けのSD export)を運営しています。フィナンシャル事業では、売掛保証サービス「URIHO」と決済代行サービス「Paid」を提供。各サービスの合計顧客数は約60万社と記載されています。
Q. 業績は伸びていますか?
A. 直近期は売上高が前期比7.8%増、営業利益が同5.3%増、調整後EBITDAが同10.6%増です。一方で経常利益は11.3%減、当期純利益は3.9%減となっています。当期は転換社債型新株予約権付社債2,000,000千円を発行し、第4四半期に顧客基盤拡大のためのプロモーション実証実験を実施しました。中期経営計画では2029年4月期に売上高10,300百万円を目標としています。
※本記事は、株式会社ラクーンホールディングスの有価証券報告書(第30期)および公式サイトをもとに構成しています。数値は当該報告書に記載された時点のものです。募集要項や制度は変更される場合がありますので、応募前に公式採用ページを必ずご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。