SCSKの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
SCSKの有価証券報告書には、他のSIerではあまり見ない項目が並びます。「高度プロジェクト・マネージャ人材」の人数を経営指標として管理し、目標値まで公表しているのです。第58期(2026年3月期)の実績は265名、目標は250名以上。プロジェクトマネジメントを軸にキャリアを考えている方にとって、この開示は判断材料になります。この記事では有報の数字をもとに整理します。
連結従業員21,015名、提出会社8,493名
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | SCSK株式会社 |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード9719) |
| 連結従業員数 | 21,015名(臨時従業員2,894名は外数) |
| 提出会社の従業員数 | 8,493名 |
| 平均年齢 | 42歳8か月 |
| 平均勤続年数 | 16年8か月 |
| 平均年間給与 | 7,969千円(対前事業年度増減率1.2%) |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 144% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 84.7% |
数値は有価証券報告書 第58期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。連結財務諸表はIFRSに準拠して作成されています。
人材の種類ごとに目標値が設定されている
有価証券報告書の人的資本の項には、経営指標(非財務)の目標と実績が表で示されています。
| 項目 | 24年3月期実績 | 25年3月期実績 | 26年3月期実績 | 26年3月期目標 |
|---|---|---|---|---|
| コンサル・ビジネスデザイン人材 | 319名 | 523名 | 587名 | 500名以上 |
| 先進技術者育成研修修了者 | 1,745名 | 2,349名 | 3,881名 | 3,000名以上 |
| 高度プロジェクト・マネージャ人材 | 183名 | 219名 | 265名 | 250名以上 |
| デジタルスキル標準教育修了者(連結) | 3,772名 | 11,129名 | 12,694名 | 10,000名 |
いずれも目標を上回っています。とくに高度プロジェクト・マネージャ人材は183名から265名へ、3期で約1.45倍に増えました。
有価証券報告書には、中期経営計画において「先進技術者の育成に加え、コンサルティング機能の拡充や新規事業開発強化を担うコンサル・ビジネスデザイン人材、質の高いプロジェクト遂行とマネジメントができる高度プロジェクト・マネージャ人材の人材確保や育成強化について具体的な経営指標を設定し、取り組みを進めております」と記載されています。
さらに「各人材の育成施策及び人材獲得、競争力を確保するための報酬水準の引き上げに100億円~200億円規模の人財投資を実行しております」とあります。
セグメントは5区分プラスその他
連結従業員21,015名の内訳は、次のとおりです。
| セグメント | 連結従業員数(臨時従業員は外数) | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|
| 産業IT | 6,681名(85名) | 3,397名 |
| 金融IT | 1,608名(-) | 1,522名 |
| ITソリューション | 3,947名(2,766名) | 751名 |
| ITプラットフォーム | 3,804名(12名) | 727名 |
| ITマネジメント | 1,835名(-) | 1,046名 |
| その他 | 3,140名(31名) | 1,050名 |
| 合計 | 21,015名(2,894名) | 8,493名 |
産業ITが最も大きく、連結で6,681名、提出会社で3,397名です。ITソリューションは連結3,947名に対し提出会社751名で、子会社の比重が大きい構成です。
連結子会社には、ネットワンシステムズ株式会社、SCSK Minoriソリューションズ株式会社、株式会社ベリサーブ、SCSKサービスウェア株式会社などがあります。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第58期の提出会社の平均年間給与は7,969千円で、対前事業年度増減率は1.2%です。賞与および基準外賃金を含みます。有報には、報酬水準の引き上げを含む人財投資として100億円~200億円規模を実行していると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には、社員意識調査で「働きやすい会社」および「やりがいのある会社」の両項目にポジティブ回答を行った社員の割合が経営指標として設定されており、2026年3月期の連結実績はそれぞれ86.1%、76.8%と記載されています。
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キャリア・成長機会
コンサル・ビジネスデザイン人材587名、先進技術者育成研修修了者3,881名、高度プロジェクト・マネージャ人材265名、デジタルスキル標準教育修了者12,694名という実績が開示されています。人材戦略会議とDEIB推進委員会が設置され、それぞれ年4回開催されています。
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社風・人間関係
提出会社の平均勤続年数は16年8か月です。労働組合はSCSKユニオン、ベリサーブユニオン、SCSK九州ユニオン、北海道CSK労働組合、SCSKシステムマネジメント労働組合が組織されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
プロジェクトマネジメントを軸にキャリアを考えている方には、この会社の開示を読む価値があります。有価証券報告書に「高度プロジェクト・マネージャ人材」という区分があり、人数と目標が公表されています。26年3月期の実績265名に対し目標250名以上。24年3月期は183名でしたから、3期で82名増やしています。これは何を意味するか。まず、この職種が経営指標として扱われているということです。研修の充実や資格の取得といった話ではなく、人数そのものが取締役会に報告される数字になっています。次に、報酬にもつながっているということです。同じ有報に、人材の育成施策と人材獲得、そして競争力を確保するための報酬水準の引き上げに100億円~200億円規模の人財投資を実行していると書かれています。中途で入る方にとっては、この区分に自分が入れるかどうかが分かれ目になります。面接で「高度プロジェクト・マネージャ人材の認定基準は何か」を聞いてみてください。答えが具体的であるほど、制度として機能していると判断できます。
報酬について確認できること
提出会社の平均年間給与は7,969千円で、対前事業年度増減率は1.2%です。対象は従業員8,493名、平均年齢42歳8か月、平均勤続年数16年8か月。
なお有報の人的資本の項には、平均年間給与について「正社員・専門型正社員・シニア正社員の平均年間給与」との注記があります。
同じ2026年3月期で、他のSIerの提出会社ベースと並べます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| BIPROGY | 8,846,208円 | 46.3歳 | 20.4年 | 4,359人 |
| SCSK | 7,969千円 | 42歳8か月 | 16年8か月 | 8,493名 |
| NSD | 7,510千円 | 39.2歳 | 14.9年 | 3,305名 |
| DTS | 6,587千円 | 39.7歳 | 15.1年 | 3,199名 |
年齢と勤続年数が上がるほど平均値も上がる傾向は、この4社でも共通しています。
男女の賃金の差異については、年齢帯別の内訳が有価証券報告書に開示されています。21~25歳98.7%、26~30歳100.2%、31~35歳94.4%、36~40歳87.8%、41~45歳86.4%、46~50歳84.6%、51~55歳82.5%、56~60歳85.9%、61歳~78.8%。
有報には、30代以降で差が広がる理由として「出産や育児などのライフイベントにより、休業や短時間勤務を選択する女性社員が増え、男女の業務の経験量や質が異なってくることから成長スピードに差が生じ、結果として処遇面に影響を与えている」と説明されています。あわせて「等級、評価、報酬の制度上及び運用上における男女の差は設けておりません」とも記載されています。
参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。
人材戦略が会議体として運営されている
有価証券報告書には、人材戦略に関する会議体とその開催回数が記載されています。
取締役会(2回)では、中期経営計画における経営基盤強化としての人事施策(事業戦略と人材ポートフォリオ、処遇・報酬、Well-Being、DEIB)が議論されました。
人材戦略会議(4回)では、人材戦略に関する取り組み状況報告、新人事制度導入に関する討議、人材ポートフォリオ計画策定に関する討議が行われています。人事分掌役員を議長とし、各事業部門のグループ長と経営企画分掌役員、人材戦略本部で構成されています。
DEIB推進委員会(4回)では、Well-Being調査結果・組織状況結果の共有、Well-Being組織活動の状況と影響要因に関する討議、Well-Beingサポーター活動報告、女性登用に関する取り組み状況が扱われています。
人事制度が経営会議のレベルで継続的に議論されている構造が読み取れます。
なお有報には、新人事制度の導入が討議されていることも記載されています。応募を検討する段階では、制度が変わる可能性を織り込んでおく必要があります。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、プロジェクトマネジメントが職種として定義されています。 高度プロジェクト・マネージャ人材265名という数字が経営指標として開示されています。
第二に、事業領域の幅があります。 産業IT、金融IT、ITソリューション、ITプラットフォーム、ITマネジメントの5セグメント構成です。
第三に、定着率が高い組織です。 提出会社の平均勤続年数は16年8か月。人の入れ替わりが激しい環境とは、仕事の進め方が異なります。
向いている人/向いていない人
向いている人
プロジェクトマネジメントを軸にしたい方
高度プロジェクト・マネージャ人材が経営指標として管理され、人数と目標が公表されています。
長く在籍して専門性を積み上げたい方
提出会社の平均勤続年数は16年8か月です。腰を据えて働く前提の組織です。
制度の運用が可視化された環境を求める方
人材戦略会議とDEIB推進委員会が年4回開催され、内容が有報に記載されています。
向いていない人
短期で年収を大きく上げたい方
提出会社の平均年間給与は7,969千円で、対前事業年度増減率は1.2%です。急激な報酬上昇を前提とする設計ではありません。
制度が固定された環境を望む方
有報には新人事制度の導入が討議されていると記載されています。制度が変わる局面にあります。
エージェントベストの見解
書類で見られるのは、担当したプロジェクトの規模ではなく「質の高いプロジェクト遂行」を説明できるかどうかです。有価証券報告書には、高度プロジェクト・マネージャ人材について「質の高いプロジェクト遂行とマネジメントができる」と定義されています。この「質」をどう示すかが分かれ目になります。多くの職務経歴書は、金額、期間、要員数で構成されています。それは規模の証明にはなりますが、質の証明にはなりません。書き足すべきは、想定どおりに進まなかったときの記録です。当初の見積りと実績がどれだけずれたか。ずれた原因をいつ把握し、どう手を打ったか。顧客にいつ、何を伝えたか。振り返りで何を標準に残したか。この4点が書かれた書類は多くありません。とくに最後の「標準に残した」という部分は、組織として再現性を作る動きです。人材ポートフォリオを経営指標として管理している会社では、個人の力量だけでなく組織への還元が評価されます。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募先の法人とセグメントを確かめる
SCSK株式会社のほか、連結子会社としてネットワンシステムズ株式会社、SCSK Minoriソリューションズ株式会社、株式会社ベリサーブ、SCSKサービスウェア株式会社、SCSK九州株式会社、SCSK北海道株式会社などがあります。有価証券報告書には会社別の人的資本指標も開示されています。
またセグメントは産業IT、金融IT、ITソリューション、ITプラットフォーム、ITマネジメントの5区分です。募集がどのセグメントかによって、顧客も扱う技術も変わります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜSIerか」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、事業会社の情報システム部門やコンサルティングファームとの違いをどう捉えているかを説明します。
後者の材料は有報にあります。連結従業員21,015名という規模。5つのセグメント構成。高度プロジェクト・マネージャ人材265名をはじめとする人材ポートフォリオの目標管理。100億円~200億円規模の人財投資。平均勤続年数16年8か月という定着率。社員意識調査のスコア(働きやすい会社86.1%、やりがいのある会社76.8%)。
とくに人材ポートフォリオを経営指標として管理している点は、この会社を選ぶ理由として語りやすい材料です。
職務経歴書で見られるポイント
プロジェクトマネジメントの職種では、規模と質の両方が読まれます。
SIer出身の方は、担当したプロジェクトの規模に加えて、見積りと実績の差、その原因への対処を書きます。
コンサルティング出身の方は、実行フェーズまで関与した経験を書きます。コンサル・ビジネスデザイン人材という区分がある会社です。
事業会社の情報システム部門出身の方は、ベンダーをどう選び、どう管理したかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
SCSK株式会社は東証プライム市場に上場するシステムインテグレーターで、第58期(2026年3月期)の連結従業員数は21,015名(臨時従業員2,894名は外数)、提出会社は8,493名です。提出会社の平均年齢は42歳8か月、平均勤続年数は16年8か月、平均年間給与は7,969千円(前年比1.2%増)。セグメントは産業IT、金融IT、ITソリューション、ITプラットフォーム、ITマネジメントの5区分で、産業ITが連結6,681名と最大です。人的資本の経営指標として、コンサル・ビジネスデザイン人材587名、先進技術者育成研修修了者3,881名、高度プロジェクト・マネージャ人材265名、デジタルスキル標準教育修了者12,694名の実績と目標が公表されており、育成施策と人材獲得、報酬水準の引き上げに100億円~200億円規模の人財投資を実行しているとされています。プロジェクトマネジメントを職種として定義し、人数を経営指標として管理している点が特徴です。
よくある質問
Q. SCSKの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第58期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,969千円で、対前事業年度増減率は1.2%です。賞与および基準外賃金を含み、正社員・専門型正社員・シニア正社員が対象と注記されています。対象は従業員8,493名、平均年齢42歳8か月、平均勤続年数16年8か月。なお同有報には、人材の育成施策と人材獲得、競争力を確保するための報酬水準の引き上げに100億円~200億円規模の人財投資を実行しているとの記載があります。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. プロジェクトマネージャーのキャリアはありますか。
A. 有価証券報告書に「高度プロジェクト・マネージャ人材」という区分があり、人数が経営指標として公表されています。24年3月期183名、25年3月期219名、26年3月期265名で、26年3月期の目標は250名以上でした。中期経営計画において「質の高いプロジェクト遂行とマネジメントができる高度プロジェクト・マネージャ人材の人材確保や育成強化について具体的な経営指標を設定し、取り組みを進めております」と記載されています。認定の基準や処遇への反映については、選考の過程でご確認ください。
Q. 働きやすさに関する開示はありますか。
A. 有価証券報告書には、社員意識調査で「働きやすい会社」および「やりがいのある会社」の両項目にポジティブ回答を行った社員の割合が経営指標として設定されており、2026年3月期の連結実績はそれぞれ86.1%、76.8%と記載されています。また管理職に占める女性労働者の割合12.0%、男性労働者の育児休業取得率144%、男女の賃金の差異84.7%(全労働者)が開示されています。男女の賃金の差異は年齢帯別にも公表されており、21~25歳98.7%から61歳~78.8%まで、年齢が上がるにつれて差が広がる傾向が示されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。