セックの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書に、この会社の定義が書かれています。**「当社は、リアルタイムソフトウェアの提供を主体とするリアルタイム技術専門会社です」。**リアルタイム技術とは「時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持ったコンピュータシステムを開発する技術」。株式会社セックは1970年に設立され、翌1971年に高速道路管制システムとロケットエンジン高空性能試験システムを受注したところから始まりました。従業員365人で受注残高は9,065,118千円(前期比44.8%増)。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要と1971年のロケットエンジン試験システム
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社セック(英訳名:Systems Engineering Consultants Co., LTD.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3741) |
| 決算期 | 3月 |
| 従業員数 | 365人(2026年3月31日現在) |
| 報告セグメント | 情報サービス事業の単一セグメント(ビジネスフィールド別に開示) |
| 連結の有無 | 連結財務諸表は作成していない(子会社の重要性が乏しいため) |
| 本店 | 東京都世田谷区用賀四丁目10番1号 |
沿革は、社会インフラと宇宙から始まります。
| 年月 | 内容 |
|---|---|
| 1970年5月 | 東京都渋谷区代々木にて株式会社セックを設立 |
| 1971年3月 | 社会基盤システムBFの最初の案件として**「高速道路管制システム」を受注** |
| 1971年3月 | 宇宙先端システムBFの最初の案件として**「ロケットエンジン高空性能試験システム」を受注** |
| 1979年10月 | エンベデッドソフトウェア(組込みソフトウェア)の最初の案件として「水系テレメータシステム」を受注 |
| 1984年1月 | モバイルネットワークBFの最初の案件として「電力送電網通信回線監視制御システム」を受注 |
| 1989年3月 | 通産省(現・経済産業省)システムインテグレータに登録(1991年2月に認定) |
| 1995年5月 | インターネットBFの最初の案件として「図書館マルチメディアシステム」を受注 |
| 1999年7月 | ワイヤレスBF(現・モバイルネットワークBF)の最初の案件として「携帯電話端末エンベデッドソフトウェア」を受注 |
| 2003年11月 | 社団法人日本ロボット工業会に入会し、ロボットソフトウェアの調査研究活動を本格化 |
| 2004年12月 | ジャスダック証券取引所に株式を上場 |
| 2005年12月 | NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の**「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」に参加し、RT(Robot Technology)ミドルウェアの実装を担当** |
| 2010年7月 | 本社及び渋谷第2オフィスを東京都世田谷区用賀に移転 |
| 2010年11月 | NEDOの「蓄電複合システム化技術開発」の共同研究に参加 |
| 2012年5月 | 機能安全対応RTミドルウェア**「RTMSafety」を発売** |
| 2017年9月 | 東京証券取引所市場第一部に指定 |
| 2022年4月 | 東京証券取引所プライム市場に移行 |
創業から半世紀以上、リアルタイム技術という1つの軸で事業を広げてきた会社です。取得している認証も多く、ISO 9001(1998年)、ISO 14001(2000年)、プライバシーマーク(2001年)、ISMS(2003年)、ISO/IEC 27001(2007年)、ISO 22301(2014年)、JIS Q 15001(2022年)が沿革に並びます。
4つのビジネスフィールド
報告セグメントは単一ですが、有価証券報告書はビジネスフィールド(BF)別に開示しています。
| ビジネスフィールド | 内容 | 直近期の売上高 | 前期比 |
|---|---|---|---|
| 社会基盤システムBF | 高度交通システム、防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど社会公共分野の技術アプリケーション。国・独立行政法人・地方自治体で利用される情報システム | 5,537,118千円 | 111.3% |
| 宇宙先端システムBF | 科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェア、天体望遠鏡の制御、観測データの解析。車両自動走行の研究開発、次世代ロボットに関する研究開発、サービスロボットシステム | 3,158,621千円 | 103.1% |
| インターネットBF | Webシステムの開発。直近期は非接触IC関連の開発が増加、民間企業向けのDX関連開発も増加 | 1,784,436千円 | 133.5% |
| モバイルネットワークBF | 移動体通信事業者向けの基地局システム開発など | 740,031千円 | 80.3% |
| 合計 | 11,220,208千円 | 109.0% |
**社会基盤システムが売上の約49%、宇宙先端システムが約28%**という構成です。あわせて全体の8割弱を占めます。
リアルタイム技術については、有価証券報告書が丁寧に説明しています。
自然現象は、突然発生したり、集中したり、どんな順序で発生するかが予測できず、また、再現性もありません。このような事象に対して、迅速に対応し、24時間連続で動き、再現性がない事象であってもトラブルを解析できなければならない、高度な信頼性が求められるシステムがリアルタイムシステムです。
具体的な処理として「割り込み処理」「優先処理」「並行処理」の3つが挙げられ、それぞれスマートフォンを例に解説されています(電話の着信や緊急地震速報の受信が割り込み処理にあたる、など)。
スローガンは**「社会の安全と発展のために」**。有価証券報告書は、この言葉とBFの対応まで書いています。
創業からの約20年間は**「社会の安全=社会インフラ」として社会基盤システムBF、「社会の発展=夢の追求」として宇宙先端システムBF**を中心に事業を行ってまいりました。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第56期・2026年3月期)によると、平均年間給与は7,253千円、平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.2年、対前事業年度増減率は7.0%です。給与その他の給付の額及び内容は、業界水準を参考にし、職務内容、役割、能力、経験ならびに業績や成果等を総合的に勘案して決定する旨が記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
有価証券報告書には、労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。男性労働者の育児休業取得率は100.0%です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
事業はリアルタイム技術を軸に4つのビジネスフィールド(社会基盤システム、宇宙先端システム、インターネット、モバイルネットワーク)に分かれています。重点テーマとして「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」が挙げられています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.2年。注記には男女別の内訳として、男性39.9歳・勤続14.3年、女性34.6歳・勤続7.3年と開示されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
**この会社は、男女の賃金差異の注記に「男女別の平均年齢と平均勤続年数」を書いています。**当メディアはこの数か月、情報サービス業の有価証券報告書を50社以上読んできました。賃金差異の理由を「管理職比率の差」「若手女性の増加」と説明する会社は多いのですが、**具体的な年齢と勤続年数を数字で出す会社はほとんどありません。**この会社の記載は次のとおりです。
| 項目 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 平均年齢 | 39.9歳 | 34.6歳 |
| 平均勤続年数 | 14.3年 | 7.3年 |
全体の平均年齢39.0歳・平均勤続13.2年に対して、**女性は5.3歳若く、勤続は7.0年短い。**そして賃金差異は全労働者77.2%、正規雇用労働者81.0%です。この2つを並べると、差異の大部分が年次構成で説明できることが見えます。有価証券報告書自身も「近年の女性採用比率の引上げにより、女性社員における若年層の構成比が高まっていること」を要因として挙げています。応募者にとって意味があるのは、ここから読める「採用の変化」です。女性の平均勤続が7.3年ということは、直近7〜8年で女性採用を増やしてきたということ。裏を返せば、同じ年次の男女で比べたときの差は、全体の数字ほど大きくない可能性がある。面接では2つ聞いてください。1つ目、「新卒の女性比率は直近3年でどう変わりましたか」。2つ目、「同一等級内での男女の賃金差はありますか」。差異の数字だけで判断せず、その分解を聞くのが正確です。
従業員365人の年収725万円と受注残高90億円
有価証券報告書の従業員の状況です(2026年3月31日現在)。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 365人 |
| 平均年齢 | 39.0歳 |
| 平均勤続年数 | 13.2年 |
| 平均年間給与 | 7,253千円 |
| 対前事業年度増減率 | 7.0% |
注記には「セグメント情報を記載していないため、セグメント別の従業員数は記載しておりません」「従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く)であり、臨時従業員数は従業員の総数の100分の10未満であるため記載を省略しております」とあります。正社員中心の構成であることが読み取れます。
平均勤続年数13.2年は、当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業(2.2年〜21.6年)のなかで長い部類です。平均年齢39.0歳に対して13.2年ですから、26歳前後で入社した人が長く在籍している構造になります。
従業員数の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 従業員数 | 売上高(千円) | 1人あたり売上高 |
|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 318人 | 6,560,259 | 約2,063万円 |
| 2023年3月 | 332人 | 7,488,985 | 約2,256万円 |
| 2024年3月 | 347人 | 8,534,531 | 約2,460万円 |
| 2025年3月 | 351人 | 10,295,370 | 約2,933万円 |
| 2026年3月 | 365人 | 11,220,208 | 約3,074万円 |
従業員は5期で+47人(+14.8%)、売上高は+71.0%。1人あたり売上高は約2,063万円から約3,074万円へ49.0%増えました。当メディアが同じ時期に扱った企業のなかでも高い伸びです。
男女に関する指標は、次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 77.2% |
| 男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 81.0% |
| 男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 58.5% |
差異の要因については、注記に説明があります。
労働者の男女の賃金の額の差異の要因としては、近年の女性採用比率の引上げにより、女性社員における若年層の構成比が高まっていることが挙げられます。この結果、平均年齢および平均勤続年数に差異が生じております(平均年齢:男性39.9歳、女性34.6歳、平均勤続年数:男性14.3年、女性7.3年)。また、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合が相対的に低いことも影響しております。
給与の考え方も記載されています。
給与その他の給付の額及び内容は、業界水準を参考にし、職務内容、役割、能力、経験並びに業績や成果等を総合的に勘案して決定しており、当社の事業価値の向上に貢献する人材が適切に評価される仕組みとしております。
受注残高9,065百万円という積み上がり
この会社の有価証券報告書で目を引くのは、受注の状況です。
| ビジネスフィールド | 受注高(千円) | 前期比 | 受注残高(千円) | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| モバイルネットワーク | 889,954 | 102.7% | 328,710 | 183.9% |
| インターネット | 1,809,846 | 125.4% | 454,972 | 105.9% |
| 社会基盤システム | 7,950,455 | 145.0% | 7,246,883 | 149.9% |
| 宇宙先端システム | 3,373,504 | 112.6% | 1,034,551 | 126.2% |
| 合計 | 14,023,760 | 130.0% | 9,065,118 | 144.8% |
**受注高14,023,760千円に対して、売上高は11,220,208千円。**差額が受注残高として積み上がり、前期比44.8%増の9,065,118千円になりました。売上高の約81%にあたります。
とくに**社会基盤システムBFの受注残高7,246,883千円(前期比49.9%増)**が全体の8割を占めます。有価証券報告書には「医療分野や環境分野の開発、司法分野をはじめとした官公庁向けの開発が大幅に増加した」と記載されています。
一方で、モバイルネットワークBFは売上高が前期比80.3%と減少しており、「減少傾向が継続し」と明記されています。ただし受注残高は183.9%と増えており、縮小しながら底を打つ動きとも読めます。
ROE5期連続上昇と連結を作らない経営
有価証券報告書の主要な経営指標等の推移(第52期〜第56期)です。
| 決算期 | 売上高(千円) | 経常利益(千円) | 当期純利益(千円) | 従業員数 | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 6,560,259 | 1,107,058 | 780,299 | 318人 | 11.4% | 84.2% |
| 2023年3月 | 7,488,985 | 1,278,655 | 878,831 | 332人 | 12.0% | 82.8% |
| 2024年3月 | 8,534,531 | 1,547,922 | 1,105,316 | 347人 | 13.8% | 83.1% |
| 2025年3月 | 10,295,370 | 1,893,682 | 1,344,002 | 351人 | 15.2% | 79.2% |
| 2026年3月 | 11,220,208 | 2,062,700 | 1,509,473 | 365人 | 15.4% | 82.9% |
- 売上高……6,560,259千円→11,220,208千円(+71.0%)
- 経常利益……1,107,058千円→2,062,700千円(+86.3%)
- 当期純利益……780,299千円→1,509,473千円(+93.4%)
5期連続で増収増益、しかもROEは11.4%→12.0%→13.8%→15.2%→15.4%と5期連続で上昇しています。当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業では、ROEが5期連続で上がり続ける例は多くありません。
直近期の経常利益率は18.4%。受託開発中心の会社が6.7〜12.1%という分布のなかでは高い側です。自社パッケージを持つ会社ほどではありませんが、先端領域の受託でこの水準という位置づけになります。
自己資本比率は79.2〜84.2%で推移し、直近期は82.9%。**配当性向は5期すべて40.0〜41.7%**と、ほぼ一定に保たれています。
もう1つ、この会社の特徴があります。連結財務諸表を作成していません。
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第5条第2項により、当社では、子会社の資産、売上高、損益、利益剰余金及びキャッシュ・フローその他の項目から見て、当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する合理的な判断を誤らせない程度に重要性が乏しいものとして、連結財務諸表は作成しておりません。
その割合も開示されています。
| 基準 | 割合 |
|---|---|
| 資産基準 | 0.44% |
| 売上高基準 | 0.00% |
| 利益基準 | 0.09% |
| 利益剰余金基準 | 0.23% |
実質的に単体1社の会社です。当メディアが同じ時期に扱った企業では、純粋持株会社と7社の子会社という構成の会社(提出会社比率3.9%)もあれば、この会社のように連結すら作らない会社もありました。応募者にとっては、有価証券報告書の数字がそのまま応募先の数字であるという点で、読みやすい部類にあたります。
キャッシュ・フローには変動があります。
| 決算期 | 営業CF(千円) | 投資CF(千円) | 財務CF(千円) |
|---|---|---|---|
| 2024年3月 | 384,074 | △139,180 | △352,991 |
| 2025年3月 | △250,488 | △40,965 | △445,434 |
| 2026年3月 | 1,697,892 | △46,883 | △561,115 |
第55期に営業CFが△250,488千円となり、第56期に1,697,892千円へ戻りました。有価証券報告書によると、第56期は「税引前当期純利益2,062百万円・棚卸資産の減少376百万円による増加」が主な要因です。受注が先行して仕掛品が積み上がった期と、それが売上に変わった期の差と読めます。
宇宙とロボットという領域
この会社の特徴は、宇宙先端システムBFにあります。有価証券報告書の記載は次のとおりです。
科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェアや、天体望遠鏡の制御、観測データの解析などの宇宙関連システムと、車両自動走行の研究開発や、次世代ロボットに関する研究開発、サービスロボットシステム、各種研究機関向けの技術アプリケーションなどの先端システムを開発している分野です。
沿革を追うと、この領域への関与が段階的に深まってきたことがわかります。
| 年 | 内容 |
|---|---|
| 1971年 | ロケットエンジン高空性能試験システムを受注(宇宙先端システムBFの最初の案件) |
| 2003年 | 社団法人日本ロボット工業会に入会し、ロボットソフトウェアの調査研究活動を本格化 |
| 2005年 | NEDO「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」に参加し、RTミドルウェアの実装を担当 |
| 2010年 | NEDO「蓄電複合システム化技術開発」の共同研究に参加 |
| 2012年 | 機能安全対応RTミドルウェア**「RTMSafety」を発売** |
国のプロジェクトで共通基盤の実装を担当し、その成果を製品化するという流れが読み取れます。直近期の宇宙先端システムBFは「車両自動走行の研究開発案件が堅調であることに加え、宇宙天文分野の開発が増加」と記載され、売上高3,158,621千円(前期比103.1%)でした。
重点テーマも記載されています。「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。
**1つ目は、単体1社の組織であること。**連結財務諸表を作成していないため、有価証券報告書の数字がそのまま従業員365人の会社の数字です。
**2つ目は、勤続が長いこと。**平均勤続年数13.2年(男性14.3年、女性7.3年)。従業員数は5期で318人→365人と着実に増えており、採用と定着の両方が動いている構造です。
**3つ目は、領域が明確に分かれていること。**4つのBFのうち、社会基盤システムが約49%、宇宙先端システムが約28%。有価証券報告書には「当社は単一セグメントであるため、ビジネスフィールド別に記載しております」とあり、受注・生産・販売のすべてがBF別に開示されています。どの領域が伸びているかを、応募者が数字で確認できる開示です。
**4つ目は、拠点が少ないこと。**本社(東京都世田谷区用賀)と大阪事業所(2023年4月に大阪市北区曽根崎新地へ移転)が沿革に記載されています。
向いている人/向いていない人
有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。
向いていると考えられる人
- 宇宙・ロボット・自動走行といった領域に関心がある人。宇宙先端システムBFが売上の約28%を占めます
- 高い信頼性が求められるシステムに取り組みたい人。有価証券報告書は「24時間連続で動き、再現性がない事象であってもトラブルを解析できなければならない」と定義しています
- 公共性の高い案件に関わりたい人。社会基盤システムBFは高度交通システム、防衛関連、医療、環境エネルギー、官公庁向けが対象です
- 1社にとどまって専門性を深めたい人。平均勤続年数13.2年です
向いていない可能性がある人
- 大規模な組織で多様なキャリアパスを求める人。従業員365人の単体企業です
- 自社パッケージの企画・販売に携わりたい人。RTMSafetyなど製品もありますが、中心は受託開発です
- 全国各地への異動を経験したい人。拠点は本社と大阪事業所です
- 短期間で組織が大きく変わる環境を求める人。5期の従業員増は+47人です
エージェントベストの見解
「連結財務諸表は作成しておりません」という一文は、応募者にとって朗報です。当メディアはこの数か月、有価証券報告書を読むたびに「提出会社と連結のどちらの数字か」を確認してきました。理由は単純で、提出会社比率が低い会社では、有価証券報告書の平均年間給与が応募先の給与とは限らないからです。同じ時期に扱った企業では、この比率が3.0%(純粋持株会社15人)から98.7%(子会社1社のみ)まで開いていました。この会社にはその問題が構造的に存在しません。連結すら作らず、子会社の売上高基準は0.00%。平均年間給与7,253千円、平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.2年が、そのまま365人の会社の実態です。そのうえで、この会社の数字は素直に読めます。5期連続の増収増益、ROE 11.4%→15.4%と5期連続上昇、1人あたり売上高+49.0%、そして受注残高9,065,118千円(売上高の約81%)。人を14.8%増やして売上を71.0%伸ばしたという構造で、1人あたりの生産性が上がり続けています。ただしこれは裏を返せば、1人あたりの負荷も上がりうるということです。面接では3つ聞いてください。1つ目、「受注残高9,065百万円を実行するための増員計画はどうなっていますか」。2つ目、「配属候補のBFはどれで、その領域の受注残高はどのくらいですか」。3つ目、「BF間の異動実績はどのくらいありますか」。BFごとに受注残高が開示されている会社なら、この質問には答えられるはずです。
選考に向けた準備
事業の理解
有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。
- 4つのBFの規模……社会基盤システム5,537,118千円、宇宙先端システム3,158,621千円、インターネット1,784,436千円、モバイルネットワーク740,031千円
- 伸びている領域……インターネットBFが前期比133.5%(非接触IC関連とDX関連)、社会基盤システムBFが111.3%(医療・環境・司法をはじめとした官公庁向け)
- 縮小している領域……モバイルネットワークBFは前期比80.3%で「減少傾向が継続」と記載
- リアルタイム技術の定義……「時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持ったコンピュータシステムを開発する技術」。割り込み処理・優先処理・並行処理という3つの特有な処理
数字の押さえ方
面接で使える数字を挙げます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 売上高(2026年3月期) | 11,220,208千円(前期比9.0%増) |
| 営業利益 | 1,879百万円(同4.8%増) |
| 経常利益/経常利益率 | 2,062,700千円/18.4% |
| ROE | 15.4%(5期連続上昇) |
| 自己資本比率 | 82.9% |
| 受注高/受注残高 | 14,023,760千円/9,065,118千円(前期比44.8%増) |
| 従業員数 | 365人 |
| 平均年間給与 | 7,253千円(増減率7.0%) |
| 1人あたり売上高 | 約3,074万円 |
質問の準備
- 「受注残高9,065百万円を実行するための増員計画はどうなっていますか」
- 「配属候補のBFはどれで、その領域の受注残高はどのくらいですか」
- 「BF間の異動実績はどのくらいありますか」
- 「宇宙先端システムBFでは、衛星・探査機の組込みと自動走行・ロボットのどちらが人員として多いですか」
- 「モバイルネットワークBFの縮小に伴い、そこにいた技術者はどう再配置されましたか」
まとめ
株式会社セックは、1970年設立のリアルタイム技術専門会社です。従業員365人の単体企業(連結財務諸表を作成していない)で、売上高11,220,208千円、経常利益2,062,700千円、ROE15.4%を出しています。
有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。
- 事業は4つのビジネスフィールド。社会基盤システムが約49%、宇宙先端システムが約28%
- 5期連続で増収増益、ROEは11.4%→15.4%と5期連続上昇
- 従業員は5期で318人→365人(+14.8%)、売上高は+71.0%。1人あたり売上高は+49.0%
- 受注残高9,065,118千円(前期比44.8%増)。売上高の約81%にあたる
- 連結財務諸表を作成していない(子会社の売上高基準0.00%)。有価証券報告書の数字がそのまま応募先の数字
- 平均年間給与7,253千円、平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.2年
- 賃金差異の注記に男女別の平均年齢・勤続年数(男性39.9歳/14.3年、女性34.6歳/7.3年)を開示
**専門領域を絞り、1社で深く積み上げてきた会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
有価証券報告書(第56期・2026年3月期)によると、平均年間給与は7,253千円、対前事業年度増減率は7.0%です。平均年齢39.0歳、平均勤続年数13.2年という条件つきの数字であり、賞与および基準外賃金を含みます。個人の年収は職務内容・役割・能力・経験・業績によって異なりますので、求人票の想定年収とあわせてご確認ください。
Q. 宇宙関連の仕事に携われますか。
有価証券報告書によると、宇宙先端システムBFの売上高は3,158,621千円で全社の約28%を占めます。対象として「科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェア」「天体望遠鏡の制御、観測データの解析」に加え、「車両自動走行の研究開発」「次世代ロボットに関する研究開発」「サービスロボットシステム」が記載されています。配属は選考のなかで決まりますので、希望と実際の配置についてはご確認ください。
Q. グループ会社はありますか。
有価証券報告書によると、同社は連結財務諸表を作成していません。子会社の重要性が乏しいためで、資産基準0.44%、売上高基準0.00%、利益基準0.09%、利益剰余金基準0.23%と開示されています。沿革には1989年に設立した株式会社セック・インターナショナルを2000年に吸収合併した旨が記載されています。
※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。