シャープの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
シャープ株式会社の有価証券報告書 第132期(2026年3月期)を見ると、連結では親会社株主に帰属する当期純利益47,434百万円の黒字で2期連続の黒字です。一方、提出会社の純資産額は△65,843百万円で債務超過の状態が続いています。この記事では、その両面を有報から整理します。
連結は2期連続黒字、提出会社は債務超過
| 年度 | 連結売上高 | 経常利益/損失 | 親会社株主に帰属する当期純利益/損失 | 自己資本比率 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第128期(2022年3月) | 2,495,588百万円 | 114,964百万円 | 73,991百万円 | 23.2% | 47,941人 |
| 第129期(2023年3月) | 2,548,117百万円 | △30,487百万円 | △260,840百万円 | 11.8% | 46,200人 |
| 第130期(2024年3月) | 2,321,921百万円 | △7,084百万円 | △149,980百万円 | 9.0% | 43,445人 |
| 第131期(2025年3月) | 2,160,146百万円 | 17,653百万円 | 36,095百万円 | 10.5% | 40,123人 |
| 第132期(2026年3月) | 1,892,811百万円 | 57,959百万円 | 47,434百万円 | 19.6% | 34,549人 |
数値は有価証券報告書 第132期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。
第129期に260,840百万円、第130期に149,980百万円の当期純損失を出し、第131期から黒字に転じています。自己資本比率も9.0%から19.6%へ戻りました。
ただし売上高は2,548,117百万円(第129期)から1,892,811百万円(第132期)へ、約25.7%減っています。
連結従業員数も47,941人(第128期)から34,549人(第132期)へ、13,392人減りました。約27.9%の減少です。
提出会社は純資産がマイナス
提出会社(シャープ株式会社単体)の数値を見ると、状況が異なります。
| 年度 | 提出会社の売上高 | 当期純利益/損失 | 純資産額 |
|---|---|---|---|
| 第128期(2022年3月) | 563,030百万円 | 81,590百万円 | 128,492百万円 |
| 第129期(2023年3月) | 555,491百万円 | △142,756百万円 | 5,745百万円 |
| 第130期(2024年3月) | 527,291百万円 | △112,098百万円 | △90,801百万円 |
| 第131期(2025年3月) | 539,722百万円 | △36,722百万円 | △146,631百万円 |
| 第132期(2026年3月) | 496,902百万円 | 69,544百万円 | △65,843百万円 |
第130期から提出会社の純資産額はマイナスです。第131期の△146,631百万円から第132期は△65,843百万円へ改善しましたが、依然としてマイナスの状態が続いています。
連結の純資産額は295,284百万円ですから、単体と連結で状況が異なります。子会社が保有する資産や利益が連結には反映されるためです。
ディスプレイ事業の縮小
第132期のセグメント別数値です。
| セグメント | 売上高(計) | セグメント利益/損失 | 前期のセグメント利益/損失 |
|---|---|---|---|
| スマートライフ | 597,998百万円 | 28,456百万円 | 21,973百万円 |
| スマートワークプレイス | 833,822百万円 | 57,597百万円 | 59,679百万円 |
| ディスプレイデバイス | 423,504百万円 | △18,277百万円 | △26,932百万円 |
| その他 | 47,014百万円 | 692百万円 | △7,826百万円 |
| 調整額 | △9,528百万円 | △19,903百万円 | △19,555百万円 |
| 連結 | 1,892,811百万円 | 48,565百万円 | 27,338百万円 |
当事業年度より報告セグメントの区分が変更されています。
ディスプレイデバイスは2期連続の損失です。△26,932百万円から△18,277百万円へ縮小しましたが、赤字が続いています。
提出会社の従業員配置を見ると、事業の状態がより鮮明になります。
| セグメント | 提出会社の従業員数 |
|---|---|
| スマートライフ | 1,720人 |
| スマートワークプレイス | 2,497人 |
| ディスプレイデバイス | 28人 |
| その他・全社(共通) | 1,308人 |
| 合計 | 5,553人 |
ディスプレイデバイスは28人です。売上高423,504百万円の事業に対して、提出会社に所属する人員はこの人数にとどまります。実際の製造は子会社が担う構成です。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は7,818千円(対前事業年度増減率3.8%)です。従業員5,553人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数20.1年。賞与および基準外賃金を含みます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は93.3%(育児目的休暇を含む取得割合)と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
報告セグメントはスマートライフ、スマートワークプレイス、ディスプレイデバイスの3つで、当事業年度より区分が変更されています。スマートワークプレイスにはデジタル複合機、パソコン、スマートフォンが含まれます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
シャープ労働組合等が組織されており、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に所属しています。連結従業員数は34,549人で、5期前の47,941人から13,392人減っています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社を検討するなら、連結と単体の両方を見てください。連結では第132期に当期純利益47,434百万円、自己資本比率19.6%で、2期連続の黒字です。数字だけ見れば回復しています。ところが提出会社の純資産額は△65,843百万円。第130期から3期続けてマイナスです。単体が債務超過のまま連結が黒字という状態は、グループ会社が利益と資産を持っていることを意味します。もう1つ見ておきたいのが規模の縮小です。連結売上高は第129期の2,548,117百万円から第132期の1,892,811百万円へ約25.7%減、連結従業員は47,941人から34,549人へ13,392人減っています。利益が戻ったのは、事業を絞ったからでもあります。応募を検討する立場では、配属予定の事業が伸ばす側か絞る側かを確認してください。ディスプレイデバイスは2期連続の損失で、提出会社の所属人員は28人です。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は7,818千円です。対前事業年度増減率は3.8%。従業員数5,553人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数20.1年です。
他のメーカーと並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社キーエンス | 21,783,259円 | 35.0歳 | 11.3年 | 3,306人 |
| 株式会社アドバンテスト | 10,977千円 | 45.68歳 | 20.16年 | 2,033人 |
| オムロン株式会社 | 8,882千円 | 44.5歳 | 14.8年 | 3,855人 |
| コニカミノルタ株式会社 | 8,441,281円 | 46.4歳 | 20.7年 | 3,888人 |
| シャープ株式会社 | 7,818千円 | 44.5歳 | 20.1年 | 5,553人 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
平均勤続年数20.1年は長い部類にあたります。平均年齢44.5歳との差は約24年で、新卒から在籍する層が中心と読み取れます。
なお提出会社の管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は4.7%、労働者の男女の賃金の額の差異は全労働者80.4%(正規雇用労働者79.2%)と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
3つのセグメントの中身
有報によると、報告セグメントは次の3つです。当事業年度より区分が変更されています。
スマートライフ — Smart Appliances & Solutions事業とTVシステム事業等で構成されます。前者には冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の白物家電、後者にはテレビ等が含まれます。
スマートワークプレイス — スマートビジネスソリューション事業、PC事業、通信事業で構成されます。それぞれデジタル複合機、パソコン、スマートフォンが含まれます。
ディスプレイデバイス — ディスプレイモジュール等が含まれます。
第132期の事業別の外部顧客への売上高は次のとおりです。
| 事業 | 売上高 |
|---|---|
| スマートビジネスソリューション事業 | 430,908百万円 |
| ディスプレイデバイス事業 | 419,126百万円 |
| Smart Appliances & Solutions事業 | 366,787百万円 |
| PC事業 | 280,706百万円 |
| TVシステム事業 | 162,262百万円 |
| 通信事業 | 120,655百万円 |
| その他 | 112,364百万円 |
| 合計 | 1,892,811百万円 |
最大はデジタル複合機を含むスマートビジネスソリューション事業の430,908百万円です。次いでディスプレイデバイス事業の419,126百万円。
セグメント利益で見ると、スマートワークプレイスが57,597百万円で最大です。デジタル複合機、パソコン、スマートフォンを含むこのセグメントが、いまの利益の柱にあたります。
家電で知られる会社ですが、スマートライフ(白物家電とテレビ)のセグメント利益は28,456百万円で、スマートワークプレイスの約半分です。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、2期連続で黒字です。 第131期36,095百万円、第132期47,434百万円。自己資本比率も9.0%から19.6%へ戻りました。
第二に、規模を縮小してきました。 連結売上高は5期で約25.7%減、連結従業員は13,392人減っています。
第三に、単体は債務超過が続いています。 提出会社の純資産額は第130期から3期連続でマイナスです。
向いている人/向いていない人
向いている人
複合機やパソコンの領域に専門性がある方
スマートワークプレイスはセグメント利益57,597百万円で、いまの利益の柱です。
立て直しの局面に関わりたい方
第129期に260,840百万円の当期純損失を出し、第131期から黒字に転じた途中にあります。
長く働き続けたい方
提出会社の平均勤続年数は20.1年です。
向いていない人
財務の安定を最優先する方
提出会社の純資産額は△65,843百万円で、第130期から3期連続のマイナスです。連結の自己資本比率も19.6%にとどまります。
事業や組織の継続を前提にしたい方
連結従業員は5期で13,392人減り、ディスプレイデバイスは2期連続の損失です。提出会社のディスプレイデバイス所属人員は28人です。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「この会社を家電メーカーと捉えていないか」です。有報のセグメント表を見れば、いまの姿が分かります。セグメント利益はスマートワークプレイスが57,597百万円で最大。この区分にはデジタル複合機、パソコン、スマートフォンが入ります。白物家電とテレビを含むスマートライフは28,456百万円で、その約半分です。ディスプレイデバイスは△18,277百万円の損失。テレビや液晶のイメージで志望動機を組み立てると、いまの事業とずれます。準備としてお伝えしているのは、自分の経験を法人向けの文脈で語れるようにしておくことです。複合機もパソコンも、買うのは個人ではなく企業です。導入の判断は誰がして、どこで決まるのか。そこに関わった経験があれば前に出してください。もう1つ、財務の状態を知ったうえで応募していることも伝わったほうがよいです。提出会社は3期連続で純資産がマイナスです。この事実に触れられる人は多くありません。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
報告セグメントはスマートライフ、スマートワークプレイス、ディスプレイデバイスの3つで、当事業年度より区分が変更されています。過去の資料と名称が異なる場合があります。
提出会社の従業員配置はスマートライフ1,720人、スマートワークプレイス2,497人、ディスプレイデバイス28人、その他・全社1,308人です。ディスプレイデバイスの製造は子会社が担う構成です。
また有報には多数の連結子会社が記載されています。シャープエネルギーソリューション、シャープマーケティングジャパン、シャープディスプレイマニュファクチャリング、Dynabook、シャープディスプレイテクノロジーなどです。応募先が提出会社かグループ会社かも確認する項目です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの領域か」と「なぜシャープか」の2段で組み立てます。
前者については、志望するセグメントを明確にします。白物家電・テレビ、複合機・PC・スマートフォン、ディスプレイでは相手も必要な経験も異なります。
後者の材料は有報にあります。第129期に260,840百万円の当期純損失を出し、第131期から2期連続で黒字に転じたこと。自己資本比率が9.0%から19.6%へ戻ったこと。売上高が5期で約25.7%減り、連結従業員が13,392人減ったこと。セグメント利益ではスマートワークプレイスが57,597百万円で最大であること。提出会社の純資産額が3期連続でマイナスであること。
回復の中身が事業の縮小を伴っていることに触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
メーカーの中途採用では、技術の深さと、製品として成立させた経験が読まれます。
複合機やオフィス機器の経験がある方は、担当した製品と、法人顧客の導入プロセスに関わった内容を書きます。スマートビジネスソリューション事業は売上高430,908百万円で最大の事業です。
PC・スマートフォンの経験がある方は、担当した製品と、企画から量産までのどこを担ったかを書きます。
ディスプレイ・材料の経験がある方は、扱った技術と、歩留まりやコストの改善に関わった内容を書きます。ただしこの事業は2期連続の損失である点を踏まえてください。
営業・マーケティングの経験がある方は、担当したチャネルと、シェアや粗利率をどう動かしたかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
シャープ株式会社は東証プライム市場に上場するメーカーで、第132期(2026年3月期)の連結売上高は1,892,811百万円、経常利益57,959百万円、親会社株主に帰属する当期純利益47,434百万円、自己資本比率19.6%、ROE 21.9%、連結従業員数34,549人です。第129期に260,840百万円、第130期に149,980百万円の当期純損失を出したあと、第131期から2期連続の黒字となりました。ただし連結売上高は5期で約25.7%減、連結従業員は13,392人減っています。提出会社の純資産額は△65,843百万円で、第130期から3期連続のマイナスです。セグメント別ではスマートワークプレイス(デジタル複合機、パソコン、スマートフォン)が売上高833,822百万円・セグメント利益57,597百万円で最大、スマートライフ(白物家電、テレビ)が597,998百万円・28,456百万円、ディスプレイデバイスが423,504百万円・△18,277百万円です。提出会社の従業員数は5,553人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数20.1年、平均年間給与7,818千円(増減率3.8%)です。
よくある質問
Q. シャープの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第132期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,818千円(対前事業年度増減率3.8%、従業員5,553人、平均年齢44.5歳、平均勤続年数20.1年)です。賞与および基準外賃金を含みます。他のメーカーと比べると、オムロン8,882千円(44.5歳)、コニカミノルタ8,441,281円(46.4歳)より低い水準です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 業績は回復したのですか。
A. 連結では第131期に36,095百万円、第132期に47,434百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、2期連続の黒字です。自己資本比率も第130期の9.0%から19.6%へ戻りました。ただし連結売上高は第129期の2,548,117百万円から第132期の1,892,811百万円へ約25.7%減り、連結従業員数も47,941人(第128期)から34,549人へ13,392人減っています。また提出会社(単体)の純資産額は△65,843百万円で、第130期から3期連続のマイナスです。
Q. どの事業が中心ですか。
A. 第132期のセグメント利益はスマートワークプレイス57,597百万円、スマートライフ28,456百万円、ディスプレイデバイス△18,277百万円です。スマートワークプレイスにはデジタル複合機、パソコン、スマートフォンが含まれ、いまの利益の柱にあたります。事業別の外部顧客への売上高では、スマートビジネスソリューション事業(デジタル複合機等)が430,908百万円で最大、次いでディスプレイデバイス事業419,126百万円、Smart Appliances & Solutions事業(白物家電)366,787百万円、PC事業280,706百万円、TVシステム事業162,262百万円、通信事業120,655百万円です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。