セルシスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

セルシス 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

セルシスは、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」を開発する東証上場企業です。第13期(2024年12月期)の連結売上高は82億495万円、経常利益は22億7,931万円経常利益率は27.8%に達します。これを支えているのは連結従業員253名という組織です。一方、提出会社の平均年間給与は5,818,611円。高い利益率と給与水準は直結していません。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。

2つの事業と253名

有価証券報告書(第13期)に記載されている内容は、次のとおりです。

項目内容
会社名株式会社セルシス(CELSYS, Inc.)
代表者代表取締役社長 成島 啓
本店所在地東京都新宿区西新宿四丁目15番7号
事業年度第13期(2024年1月1日〜2024年12月31日)
上場区分東京証券取引所(証券コード3663)
連結従業員数253名〔外書27名〕(2024年12月31日現在)
労働組合結成されていない

セグメント別の人員配置

セグメント従業員数
コンテンツ制作ソリューション事業207名〔外書23名〕
コンテンツ流通ソリューション事業46名〔外書4名〕
合計253名〔外書27名〕

8割超が主力事業に

コンテンツ制作ソリューション事業が207名で、全体の約81.8%を占めます。この事業が「CLIP STUDIO PAINT」シリーズを担っています。

事業の構造

有価証券報告書には、コンテンツ制作ソリューション事業について、「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの企画から開発までをセルシス社内で行っていると記載されています。販売経路は、自社が運営するWebサイト「CLIP STUDIO」でのダウンロード販売、PC流通業者および小売業者を通じた販売、使用許諾での提供など複数です。

コンテンツ流通ソリューション事業は、グラフィック技術の研究開発成果をもとにしたソフトウェアやサービスノウハウをソリューションとして提供する事業です。

事業の整理が進んだ経緯

有価証券報告書には、次の経緯も記載されています。

事業を絞り込んできた会社であることが、この記載から読み取れます。

5期の推移

連結の主要な経営指標は、次のとおりです。

決算年月売上高経常利益親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△)従業員数
2020年12月63億7,380万円7億4,766万円△4億7,540万円272名
2021年12月68億9,080万円14億1,943万円12億2,256万円260名
2022年12月75億4,317万円16億535万円10億4,791万円278名
2023年12月80億9,109万円14億452万円6億2,642万円237名
2024年12月82億495万円22億7,931万円13億9,989万円253名

売上は5期連続で増加

63億7,380万円から82億495万円へ。ただし第13期の伸びは前期比1.4%程度で、増収ペースは鈍っています。

利益は大きく回復した

経常利益は第12期の14億452万円から22億7,931万円へ。約1.6倍です。自己資本利益率も8.5%から23.6%へ改善しました。

営業キャッシュ・フローは37億3,284万円

第13期の営業活動によるキャッシュ・フローは37億3,284万円で、5期で最も高い水準です。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは△23億616万円。純資産額は第11期の82億2,479万円から54億1,879万円へ減少しており、自己資本比率も80.3%から63.4%へ低下しています。

評判の傾向

年収・評価制度

安定した給与体系という声が見られます。一方、業績の伸びに比べて処遇の改善は緩やかという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

リリース前の負荷を除けば落ち着いているという評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

クリエイター向けツールの開発に関われる点を評価する声が多く見られます。製品が固定されているため技術の幅は意識的に広げる必要があるという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

社風・人間関係

ものづくりに関心を持つ人が多く、落ち着いた雰囲気という評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

「利益率27.8%の会社なら年収も高いはず」という前提で応募すると、面接で提示額を聞いたときに落差を感じます。有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は5,818,611円、平均年齢37.5歳。経常利益22億7,931万円という数字と並べると、意外に映るかもしれません。ただ、これは構造の問題です。パッケージソフトウェアは、一度作った製品を多数の利用者に販売するモデルで、売上が伸びても人員は比例して増えません。253名という組織で82億円を売る効率の高さが、そのまま利益率になっている。裏返せば、個人の成果が売上に直結しにくく、報酬に跳ね返る経路も長いということです。転職を検討する方は、利益率ではなく等級ごとのレンジを確認してください。あわせて「賞与が会社業績にどの程度連動するか」も聞いておくと、実額の振れ幅が見えます。

年収の実態

有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。

項目内容
従業員数207名〔外書23名〕
平均年齢37.5歳
平均勤続年数6.1年
平均年間給与5,818,611円(賞与および基準外賃金を含む)

平均勤続年数は、当社グループでの勤続年数を通算した数値である旨が注記されています。

男女に関する指標

有価証券報告書には、提出会社について次の数値が記載されています。管理職に占める女性労働者の割合36.4%、男性労働者の育児休業取得率25%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で76.3%(正規雇用労働者76.5%、パート・有期労働者151.5%)。

正規雇用労働者の賃金差異の主な要因として、管理職に占める女性労働者の割合の低さおよび時短勤務者に占める女性労働者の割合の高さが注記されています。管理職の女性比率36.4%は、上場企業のなかでは高い水準です。

確認しておきたいこと

  1. 応募職種・等級の給与レンジ
  2. 賞与の算定根拠(会社業績・個人評価の比重)
  3. 昇格の判断基準と、標準的な期間
  4. 開発職と事業推進職で報酬設計が異なるか

働き方と、製品を絞った組織

同社は、UI/UX事業の譲渡と子会社の清算を経て、事業を絞り込んできました。253名という規模で2つのセグメントを運営する構成は、その結果です。

確認しておきたいのは、次の点です。

1点目は重要です。207名と46名では、組織の性格が違います。 主力製品を担う側と、ソリューションとして提供する側では、顧客も評価指標も異なります。

キャリアの積み上がり方

同社で積み上がるのは、クリエイター向けソフトウェアの開発・運営経験です。描画の性能、デバイスへの対応、多言語展開。この領域の知見は、他のクリエイティブツール企業やゲーム・アニメ関連企業で評価されます。

「CLIP STUDIO PAINT」はWebtoonやアニメーション制作にも対応しており、コンテンツ産業の制作工程に関する知識が同時に身につきます。これはツールの開発だけでなく、産業構造の理解として資産になります。

一方で、製品が定まっているため、扱う技術領域は絞られます。クラウドやデータ基盤といった分野の経験は、意識的に取りにいく必要があります。

向いている人/向いていない人

クリエイターの道具を作りたい人

「CLIP STUDIO PAINT」シリーズの企画から開発までを社内で行っています。作り手の体験に関心がある方に向きます。

製品を長く磨きたい人

事業を絞り込んできた会社です。1つの製品を継続的に改善する働き方に価値を感じる方に合います。

コンテンツ産業に関心がある人

イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーションが対象領域です。この産業の変化を追いたい方には接点があります。

急成長する事業に関わりたい人

第13期の増収率は前期比1.4%程度です。売上が急拡大する局面を求める方には、状況が異なります。

高い利益率がそのまま報酬になると考える人

経常利益率27.8%に対し、提出会社の平均年間給与は5,818,611円です。事業の収益性と個人の報酬は別に見る必要があります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「ユーザーをどれだけ具体的に想像できるか」です。この会社の製品を使うのは、イラストやマンガを描く人たちです。仕事として描く人もいれば、趣味の人もいる。使う端末もPC、タブレット、スマートフォンと幅があります。ここで「クリエイター」と一括りにして語ると、理解が浅いと受け取られます。評価されるのは、特定の使い手を具体的に描写できることです。たとえば「同人誌の締切前に、iPadで描いていて、レイヤーが増えると動作が重くなる人」といった粒度で語れるかどうか。準備としては、実際に製品を使ってみたうえで、自分が不便に感じた点を1つ挙げられるようにしておくことをおすすめします。使わずに応募する人と、使って課題を語れる人では、伝わり方がまったく違います。

選考に向けた準備

選考フローについて

公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。技術職では課題や技術面談が含まれる場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。

志望動機の組み立て

「なぜクリエイティブツールか」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、事業を絞り込んできた経緯を踏まえた説明ができると理解の深さが伝わります。UI/UX事業の譲渡や子会社の清算は有価証券報告書に記載された事実であり、調べたうえで応募していることが伝わります。

職務経歴書で見られる点

エンジニアであれば、扱ったプラットフォーム(Windows/macOS/iOS/Android)、描画やパフォーマンスの改善実績を具体的に書きます。プロダクト側であれば、担当した機能とその利用状況の変化を数値で示してください。海外向けの経験がある方は、対象地域と言語を明記すると接点が伝わります。

まとめ

セルシスについて、有価証券報告書(第13期)から確認できる点を整理します。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年収はいくらですか。

A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は5,818,611円です。対象は207名で、平均年齢37.5歳・平均勤続年数6.1年という構成です。経常利益率27.8%という収益性と個人の報酬は直結しないため、等級ごとのレンジを面接で確認することをおすすめします。

Q. 業績は伸びていますか。

A. 売上高は5期連続で増加していますが、第13期の伸びは前期比1.4%程度です。一方で経常利益は14億452万円から22億7,931万円へ大きく回復しました。

Q. どんな職種がありますか。

A. 連結253名のうち、コンテンツ制作ソリューション事業に207名、コンテンツ流通ソリューション事業に46名が配置されています。企画から開発までを社内で行っているため開発職の比重が高いと考えられますが、募集の状況は時期によって変わるため、最新の募集要項をご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)