シンクロ・フードの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
シンクロ・フードは、飲食店の出店・開業・運営を支援するメディアプラットフォームを運営する東証上場企業です。第22期(2025年3月期)の連結売上高は39億5,150万円、経常利益は10億8,637万円。経常利益率は27.5%、自己資本比率は86.9%に達します。これを連結203名で実現している構造が特徴です。一方、提出会社の平均年間給与は5,680千円。高い収益性と給与水準は直結していません。この記事では、有価証券報告書の数値をもとに、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。
203名と2つのセグメント
有価証券報告書(第22期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社シンクロ・フード(Synchro Food Co.,Ltd.) |
| 代表者 | 代表取締役兼執行役員社長兼事業部長 藤代 真一 |
| 本店所在地 | 東京都渋谷区恵比寿南一丁目7番8号 |
| 事業年度 | 第22期(2024年4月1日〜2025年3月31日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード3963) |
| 連結従業員数 | 203名(2025年3月31日現在) |
| 連結子会社 | 株式会社ウィット(1社) |
| 労働組合 | 結成されていない |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 連結 | 提出会社 |
|---|---|---|
| メディアプラットフォーム事業 | 188名 | 188名 |
| M&A仲介事業 | 15名 | 1名 |
| 合計 | 203名 | 189名 |
M&A仲介事業は、ほぼ子会社が担っている
連結15名に対し、提出会社は1名。差の14名は連結子会社の株式会社ウィットに所属しています。同じグループでも、事業ごとに所属する法人が違う構成です。
事業の内容
有価証券報告書には、主力サイトである**「飲食店ドットコム」**を中心として、飲食店の出店・開業者および運営者と、飲食店に関わる各事業者とをつなぐマッチングサービスを提供していると記載されています。
| 事業 | 内容 |
|---|---|
| メディアプラットフォーム事業 | 求人広告の掲載、店舗物件情報の掲載、インターネット調査、ビジネスマッチングに関連するサービス等 |
| M&A仲介事業 | 事業譲渡および株式譲渡等のM&A仲介、飲食店が設備等を残したまま退去する居抜き譲渡のサポート |
「飲食店ドットコム」には、店舗物件の検索、食材仕入先の検索、業務用の厨房備品やキッチン用品のECなど、複数のサービスが並びます。飲食店の開業から運営までを、一つのサイトで支える構成です。
5期の推移
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常利益又は経常損失(△) | 親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△) | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年3月 | 11億8,862万円 | △1億5,644万円 | △1億7,779万円 | 91.7% |
| 2022年3月 | 19億5,834万円 | 4億5,277万円 | 3億3,969万円 | 84.3% |
| 2023年3月 | 29億3,020万円 | 8億7,820万円 | 6億2,836万円 | 82.7% |
| 2024年3月 | 36億264万円 | 10億3,622万円 | 7億417万円 | 84.6% |
| 2025年3月 | 39億5,150万円 | 10億8,637万円 | 6億5,927万円 | 86.9% |
コロナ禍の落ち込みから回復した
第18期(2021年3月期)は売上高11億8,862万円、経常損失1億5,644万円。飲食業界が大きな打撃を受けた時期です。そこから4期で売上は3.3倍になりました。
直近期は増収減益
売上高は36億264万円から39億5,150万円へ9.7%増。一方、純利益は7億417万円から6億5,927万円へ減少しました。自己資本利益率も18.0%から13.7%へ低下しています。
財務は極めて厚い
自己資本比率86.9%。純資産額は42億9,134万円から53億2,611万円へ増加しました。借入に頼らずに事業を運営している構造です。
評判の傾向
年収・評価制度
安定した給与体系という声が見られます。一方、業績の伸びに比べて処遇の改善は緩やかという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
制度面は整備されているという評価が中心です。繁忙期の業務量に言及する声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
飲食業界という特定領域に深く関われる点を評価する声が見られます。業界が限定されるため他分野への応用は意識が必要という指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
少人数で落ち着いた雰囲気という評価が中心です。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
経常利益率27.5%、自己資本比率86.9%。数字だけを見れば、極めて健全な会社です。ところが提出会社の平均年間給与は5,680千円、平均年齢32.9歳。高収益がそのまま給与に回っていない構造は、メディア型ビジネスに共通します。掲載や成約に応じて収益が立つモデルでは、売上が伸びても人員は比例して増えず、その効率が利益率になる。一方、個人の成果が売上に直結しにくいため、報酬に跳ね返る経路も長くなります。転職を検討する方が見るべきは、利益率ではなく**「自分の等級で、成果を出したときにいくらになるか」**です。加えて第22期は増収減益で、自己資本利益率も18.0%から13.7%へ下がりました。何に投資してこうなったのかを面接で聞けば、会社の次の一手が見えます。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 189名 |
| 平均年齢 | 32.9歳 |
| 平均勤続年数 | 4.69年 |
| 平均年間給与 | 5,680千円(賞与および基準外賃金を含む) |
従業員数には契約社員が含まれ、臨時従業員は従業員数の10分の1未満のため記載が省略されている旨が注記されています。
管理職に占める女性労働者の割合は25.71%
上場企業のなかでは高めの水準です。
確認しておきたいこと
- 応募職種・等級の給与レンジ
- 賞与の算定根拠と、直近の支給実績
- 雇用契約を結ぶ法人(提出会社か株式会社ウィットか)
- 配属予定がメディアプラットフォーム事業かM&A仲介事業か
3点目と4点目は連動します。M&A仲介事業は連結15名のうち14名が子会社所属という構成のため、応募先によって所属法人が変わる可能性があります。
働き方と、2つの異なる事業
**メディアプラットフォーム事業(188名)**は、サイトを通じて飲食店と各事業者をつなぐ事業です。掲載件数や成約数といった指標で動き、プロダクトの改善と営業が両輪になります。
**M&A仲介事業(15名)**は、事業譲渡・株式譲渡の仲介と居抜き譲渡のサポートです。1件あたりの金額が大きく、案件の期間も長いという点で、メディア事業とは性格が異なります。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 応募ポジションが属するセグメントと、その法人
- そのセグメントで使われている主要な指標
- 飲食店への訪問・商談の頻度
- リモートと出社の運用
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、飲食業界の開業・運営に関する構造的な知識です。物件、内装、厨房機器、仕入れ、人材、そして退店。飲食店のライフサイクル全体に関わるサービスを持つため、業界の流れを一通り見られます。
この経験は、飲食業界向けのSaaS企業、外食チェーンの本部、店舗開発を行う不動産企業、飲食業界を顧客とする金融機関などで評価されます。M&A仲介事業に関われば、小規模なM&Aの実務経験が加わります。
一方、業界が飲食に特化している点は意識しておく必要があります。他業界へ移る場合、移植できるのは「メディア運営の方法論」や「マッチングの設計」といった部分になります。
向いている人/向いていない人
飲食業界に関心がある人
事業のすべてが飲食業界に向いています。この業界の課題に関心を持てる方に向きます。
メディアで課題を解きたい人
主力は「飲食店ドットコム」というサイトです。情報を集めて流通させる仕事に価値を感じる方に合います。
小規模M&Aに関わりたい人
居抜き譲渡を含むM&A仲介事業があります。中小規模の事業承継に関心がある方に接点があります。
急成長を求める人
第22期は増収減益で、自己資本利益率も低下しました。右肩上がりの拡大局面を前提にしたい方には、状況が異なります。
高収益と高年収を同一視している人
経常利益率27.5%に対し、提出会社の平均年間給与は5,680千円です。事業の収益性と個人の報酬は別に見る必要があります。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「飲食店の経営者が何に困っているか」を具体的に語れるかです。この会社の顧客は、個人経営から中小チェーンまでの飲食店です。多くは人手が足りず、時間もない。だからサービスが便利でも、そもそも使う余裕がないという壁があります。ここを理解せずに「便利な機能を作りたい」と語ると、現場を知らないと受け取られます。準備としては、実際に飲食店の経営者や店長に話を聞く、あるいは自分が飲食業で働いた経験を掘り下げることをおすすめします。開業のとき何に一番時間がかかったか、人が辞めたときどう埋めたか。 こうした具体を1つ持って面接に臨む方は、他の応募者と明確に差がつきます。
増収減益の中身を分解する
第22期は売上高が9.7%増える一方、純利益は7億417万円から6億5,927万円へ減りました。
経常利益は増えている
10億3,622万円から10億8,637万円へ。経常段階までは増益です。純利益だけが減少しました。
自己資本利益率の低下
18.0%から13.7%へ。純利益が減り、純資産が42億9,134万円から53億2,611万円へ増えたため、比率としては大きく下がっています。
純資産の増加
自己資本比率は84.6%から86.9%へ。資本を厚くしながら事業を回している状態です。
転職者にとっての意味
財務に余裕がある会社では、短期の利益を削ってでも投資できます。いま何に投じているかが、今後の事業の方向を示します。
確認しておきたいこと
「直近1年で新しく始めた取り組み」を聞いてください。メディア側なのかM&A仲介側なのかで、伸ばそうとしている領域が見えます。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題が課される場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜ飲食業界か」と「なぜ支援する側か」を分けます。飲食店で働くのではなく、外から支える立場を選ぶ理由が問われます。メディアという手段で業界全体に働きかけたい、という説明ができると筋が通ります。
職務経歴書で見られる点
メディア運営の経験があれば、担当したサイトの利用者数と収益の推移を数字で書きます。営業経験があれば、担当社数と継続率を明記してください。飲食業界での勤務経験がある方は、必ず記載してください。 現場を知っていることは、この会社では明確な強みになります。
まとめ
シンクロ・フードについて、有価証券報告書(第22期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード3963)。第22期の連結売上高は39億5,150万円、経常利益は10億8,637万円で経常利益率は27.5%
- 第18期(2021年3月期)は売上高11億8,862万円・経常損失1億5,644万円。そこから4期で売上は3.3倍
- 第22期は増収減益。純利益は7億417万円から6億5,927万円へ、自己資本利益率は18.0%から13.7%へ低下
- 自己資本比率は86.9%、純資産額は53億2,611万円
- 連結従業員数は203名。メディアプラットフォーム事業188名、M&A仲介事業15名
- M&A仲介事業は連結15名のうち提出会社が1名で、残りは連結子会社の株式会社ウィットに所属
- 提出会社は189名、平均年齢32.9歳、平均勤続年数4.69年、平均年間給与5,680千円
- 管理職に占める女性労働者の割合は25.71%
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は5,680千円です。対象は189名で、平均年齢32.9歳・平均勤続年数4.69年という構成です。経常利益率27.5%という収益性と個人の報酬は直結しないため、応募職種のレンジを面接で確認することをおすすめします。
Q. 業績は伸びていますか。
A. 売上高は第18期の11億8,862万円から第22期の39億5,150万円へ3.3倍に伸びました。ただし第22期は増収減益で、純利益は6億5,927万円と前期から減少しています。
Q. M&Aの仕事に関われますか。
A. M&A仲介事業の連結従業員数は15名で、うち提出会社に所属するのは1名です。残りは連結子会社の株式会社ウィットに所属しています。応募先の法人とあわせて確認することをおすすめします。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。