ウイングアーク1stの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

ウイングアーク1st 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/11

有価証券報告書の従業員の状況に、こう注記されています。**「平均勤続年数は、旧ウイングアーク1st株式会社を吸収合併した2016年6月以降の勤続年数を記載しております」。**開示されている平均勤続年数6.2年は、それ以前の在籍期間を含んでいません。ウイングアーク1st株式会社は帳票ソフトウェア「SVF」とBIツール「Dr.Sum」を主力とするソフトウェア会社で、第10期(2026年2月期)の売上収益は30,945,574千円、税引前利益は9,087,557千円。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。

会社概要と、2度の非公開化を経た沿革

項目内容
会社名ウイングアーク1st株式会社
上場区分東京証券取引所プライム市場(証券コード4432)
決算期2月
資本金1,247,675千円
従業員数連結1,126人(外、派遣社員66人)/提出会社836人(2026年2月28日現在)
報告セグメントデータエンパワーメント事業の単一セグメント(2つのソリューションに区分)
連結子会社8社/持分法適用会社1社
会計基準IFRS会計基準(提出会社の指標は日本基準)

この会社の沿革は、当メディアが読んだなかでも複雑な部類です。

年月内容
1972年4月東京都北区にて照明器具及び同部品の製造・販売を目的に株式会社ヤマギワ工作所を設立
1993年10月翼システム株式会社の情報企画事業部が、社内ベンチャーの位置づけで発足
1996年12月帳票開発ソフトウェア**「Super Visual Formade(SVF)」をリリース**
2001年5月多次元高速集計検索エンジン**「Dr.Sum」をリリース**
2004年3月株式会社アドバンテッジパートナーズをスポンサーとして、翼システムのソフトウェア事業を譲受け。ウイングアークテクノロジーズ株式会社に商号変更
2010年12月大阪証券取引所JASDAQに上場
2012年2月東京証券取引所市場第二部へ市場変更
2013年5〜9月オリックス株式会社をスポンサーとする株式公開買付けが成立し、上場廃止
2014年3月商号をウイングアーク1st株式会社に変更
2016年4〜6月カーライル・グループの投資ファンドの出資により設立されたWACホールディングス株式会社が全株式を取得し、吸収合併。同日付でウイングアーク1st株式会社に商号変更
2021年3月東京証券取引所市場第一部(現プライム市場)へ上場

**社内ベンチャー → 事業譲渡 → 上場 → 非公開化 → ファンドによる再編 → 再上場。**主力製品SVFは1996年から続いていますが、それを持つ法人の形は何度も変わってきました。冒頭の「2016年6月以降の勤続年数」という注記は、この経緯から生じたものです。

2つのソリューション

報告セグメントは単一ですが、売上収益は2つに区分されています。

ソリューション内容直近期の販売実績前期比
帳票・文書管理ソリューション(BDS)主力の「SVF」(帳票の作成・出力)、「invoiceAgent」(電子文書の保管・管理、改正電子帳簿保存法・インボイス制度に対応)20,255百万円+8.0%
データエンパワーメントソリューション(DE)「Dr.Sum」などBIの領域。データの集計・分析・可視化・意思決定支援10,690百万円+7.5%
合計30,945百万円+7.8%

**帳票側が売上の約65.4%**を占めます。有価証券報告書は、SVFの市場シェアも出典つきで記載しています。

「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは、65.1%(デロイト トーマツ ミック経済研究所「ミックITリポート2021年11月号」2020年度実績)となっております。

また、**「現在では『SVF』での帳票出力の85%はデジタル化されています」**とも記載されています。紙の帳票を出すためのソフトという印象を持たれやすい領域ですが、実態は電子化の基盤に移っているという説明です。

評判の傾向

以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。

年収・評価制度

有価証券報告書(第10期・2026年2月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,613,818円、平均年齢41.0歳、平均勤続年数6.2年です。平均年間給与には賞与および基準外賃金が含まれます。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。男性労働者の育児休業取得率は100.0%です。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

連結従業員数は当連結会計年度中に124名増加しており、主な理由は2025年6月30日付でウイングアークNEX株式会社を連結子会社化したためと記載されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

管理職に占める女性労働者の割合は16.4%。男女の賃金の差異は全労働者78.7%、正規雇用労働者79.7%です。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

**「平均勤続年数6.2年」を、そのまま定着率の指標として読まないでください。この会社の有価証券報告書には、注記4としてこう書かれています。「平均勤続年数は、旧ウイングアーク1st株式会社を吸収合併した2016年6月以降の勤続年数を記載しております」。**つまり2016年6月より前から働いている社員も、勤続年数のカウントはそこから始まっています。**2026年2月末時点で、この起点から数えられる最大値は約9.7年。**平均6.2年という数字は、上限が9.7年しかない分布の平均です。当メディアはこの数か月、情報サービス業の有価証券報告書を数十社読み、平均勤続年数2.2年〜21.6年という幅を見てきました。**この会社の6.2年は、他社の6.2年と同じ意味ではありません。**では何を見るか。**平均年齢41.0歳です。当メディアが扱ったSaaS・ソフトウェア企業では33〜37歳台が多く、41.0歳は高い側にあたります。勤続の起点がリセットされているのに平均年齢が41.0歳ということは、社歴の長い層が相当数いると読むのが自然です。面接では、「2016年より前から在籍している方の割合はどのくらいですか」「中途入社の方が入る主なポジションはどこですか」**を確認してください。

従業員1,126人と平均年間給与7,613,818円

有価証券報告書の従業員の状況です(2026年2月28日現在)。

項目数値
連結従業員数1,126人(外、派遣社員66人)
提出会社の従業員数836人(外、派遣社員66人)
平均年齢41.0歳
平均勤続年数6.2年(2016年6月以降)
平均年間給与7,613,818円

**提出会社836人は連結1,126人の74.2%。**残りは連結子会社8社に所属しています。当連結会計年度中の124名増は、主にウイングアークNEX株式会社の連結子会社化によるものと注記されています。

従業員数と売上収益の推移は次のとおりです。

決算期連結従業員数売上収益(千円)1人あたり売上収益
2022年2月717人19,833,201約2,766万円
2023年2月799人22,349,081約2,797万円
2024年2月881人25,752,957約2,923万円
2025年2月1,002人28,708,071約2,865万円
2026年2月1,126人30,945,574約2,748万円

**5期で従業員は+409人(+57.0%)、売上収益は+56.0%。**1人あたり売上収益はほぼ横ばいから直近2期でやや低下しています。人員の増加ペースに売上が追いついている状態で、急激な生産性の変化は起きていません。

男女に関する指標は次のとおりです。

項目数値
管理職に占める女性労働者の割合16.4%
男性労働者の育児休業取得率100.0%
男女の賃金の差異(全労働者)78.7%
男女の賃金の差異(正規雇用労働者)79.7%
男女の賃金の差異(パート・有期労働者)67.7%

差異の説明は具体的です。

正規雇用労働者については、男女同一の賃金制度を適用しており、同等級内においては共通の処遇を行っているため大きな差異はありません。全体的に女性に対し男性の方が上位級に属する割合が高いこと等が男女の賃金差の要因となっております。

等級制度が明示されていること、そして差異の要因を等級構成に求めていることが読み取れます。パート・有期については「男性は上位級に属していた社員の定年後再雇用者がほとんど」という説明も添えられています。

税引前利益率29.4%と配当性向88.47%

有価証券報告書の主要な経営指標等の推移(連結・第6期〜第10期)です。

決算期売上収益(千円)税引前利益(千円)親会社の所有者に帰属する当期利益(千円)親会社所有者帰属持分比率
2022年2月19,833,2015,910,0364,352,81651.84%
2023年2月22,349,0815,860,4944,401,03655.18%
2024年2月25,752,9577,304,8375,411,41959.25%
2025年2月28,708,0718,253,9955,929,54761.07%
2026年2月30,945,5749,087,5576,500,15863.95%

**直近期の税引前利益率は29.4%。**当メディアが同じ時期に扱った情報サービス企業の経常利益率は6.7〜18.4%が中心でしたから、この水準は明確に高い側です。売上収益は5期連続増、税引前利益も第7期を除いて増え続けています。親会社所有者帰属持分比率は51.84%から63.95%へと5期連続で上昇しました。

キャッシュ・フローの形も特徴的です。

決算期営業CF(千円)投資CF(千円)財務CF(千円)
2024年2月7,840,027△1,600,906△4,462,403
2025年2月8,196,244△1,657,070△4,802,193
2026年2月7,197,999△2,895,020△5,792,035

**営業CFで稼ぎ、投資と財務で出ていく形が5期続いています。**提出会社の配当性向を見ると、その中身が見えます。

決算期1株当たり配当額配当性向
2022年2月42.60円66.98%
2023年2月43.10円68.51%
2024年2月78.70円80.88%
2025年2月104.00円99.44%
2026年2月104.00円88.47%

**配当性向は5期とも66%を超え、第9期は99.44%。**利益の大半を配当に回す方針が続いています。株主総利回りは248.5%(同期間の配当込みTOPIXは230.6%)です。

なお、主な相手先別の販売実績として日本電気株式会社が2,060百万円(総販売実績の6.66%)と開示されています。特定顧客への依存度は高くない構造です。

働き方とキャリア形成の特徴

有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。

**1つ目は、製品が長寿命であること。**SVFは1996年、Dr.Sumは2001年のリリースで、いまも主力です。新規プロダクトを立ち上げる仕事より、長く使われている基盤を進化させる仕事が中心になります。

**2つ目は、収益性が高いこと。**税引前利益率29.4%。投資判断に余裕がある一方、配当性向88.47%という数字は、稼いだ利益の使い道の優先順位も示しています。

**3つ目は、平均年齢が高めであること。**41.0歳。SaaS企業で多い33〜37歳台とは層が違います。

**4つ目は、法制度と密接であること。**invoiceAgentは改正電子帳簿保存法(2022年1月施行)とインボイス制度(2023年10月導入)への対応が明記されています。制度改正がそのまま需要になる領域です。

向いている人/向いていない人

有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。

向いていると考えられる人

向いていない可能性がある人

エージェントベストの見解

**この会社を受ける方に、当メディアがいつもお伝えしているのは「シェア65.1%の意味」です。**帳票運用製品の市場でSVFは65.1%(2020年度実績)。**すでに勝っている市場で、次の成長をどこから取るのかが、この会社の事業課題です。**数字はそれを示しています。帳票・文書管理20,255百万円(+8.0%)に対し、データエンパワーメント10,690百万円(+7.5%)。規模の大きい既存領域のほうが伸び率でも上回っており、「新領域が既存を追い抜く」という単純な構図にはなっていません。さらに配当性向は5期とも66%超、直近2期は88.47%と99.44%。利益の多くを株主還元に配分する方針です。ここから面接で問われうる論点が見えます。「シェアの高い製品で、あなたなら何を伸ばしますか」という質問は、この会社の構造上とても出やすい。準備すべきは、置き換え需要(既存顧客の更新・クラウド移行)と、新規需要(法制度対応・海外・NEX社の連結)を分けて語ることです。「まだシェアが取れていない35%を取りにいきます」だけでは、既存顧客の維持コストを見落としているように聞こえます。確認したい質問は3つ。「SVF Cloudへの移行はどの程度進んでいますか」「ウイングアークNEXの連結で何が変わりましたか」「配当性向が高い中で、開発投資はどう確保していますか」

選考に向けた準備

事業の理解

有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。

数字の押さえ方

面接で使える数字を挙げます。

項目数値
売上収益(2026年2月期)30,945,574千円(前期比+7.8%)
税引前利益/税引前利益率9,087,557千円/29.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益6,500,158千円
親会社所有者帰属持分比率63.95%(5期連続上昇)
営業CF7,197,999千円
連結従業員数1,126人(提出会社836人)
平均年間給与7,613,818円(平均年齢41.0歳)
配当性向88.47%

質問の準備

まとめ

ウイングアーク1st株式会社は、帳票ソフトウェア「SVF」とBI「Dr.Sum」を主力とするソフトウェア会社です。第10期(2026年2月期)の売上収益は30,945,574千円、税引前利益9,087,557千円、連結従業員1,126人。

有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。

**古い製品を高い収益性で運び続けている会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。

よくある質問

Q. 平均年収はどのくらいですか。

有価証券報告書(第10期・2026年2月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,613,818円です。平均年齢41.0歳、平均勤続年数6.2年という条件つきの数字であり、賞与および基準外賃金を含みます。なお平均勤続年数は、旧ウイングアーク1st株式会社を吸収合併した2016年6月以降の期間で算出されている旨が注記されています。個人の年収は等級・職務・評価によって異なりますので、求人票の想定年収とあわせてご確認ください。

Q. どのような製品を扱っていますか。

有価証券報告書によると、帳票・文書管理ソリューションとして「SVF」「SVF Cloud」「invoiceAgent」、データエンパワーメントソリューションとして「Dr.Sum」などを提供しています。SVFは1996年12月、Dr.Sumは2001年5月のリリースです。invoiceAgentは改正電子帳簿保存法およびインボイス制度に対応していると記載されています。

Q. 海外に拠点はありますか。

有価証券報告書の帳票・文書管理ソリューションの主な連結会社として、文雅科信息技術(大連)有限公司、文雅科信息技術(上海)有限公司、WINGARC SINGAPORE PTE. LTD.が挙げられています。連結子会社は8社、持分法適用会社は1社です。海外拠点での勤務機会については、募集ごとに条件が異なりますのでご確認ください。


※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)