ウィルグループの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
この会社の有価証券報告書には、従業員の状況が3段構えで載っています。提出会社105人、連結9,005人、そして「最大人員会社の状況」として株式会社ウィルオブ・ワークの5,178人。しかも最大人員会社は、全従業員・正社員・正社員派遣の3区分に分けて平均年間給与を開示しています。株式会社ウィルグループは連結子会社44社(国内12社、海外32社)を持つ純粋持株会社で、第20期(2026年3月期)の売上収益は146,856百万円。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要と、2社の合併から始まったグループ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ウィルグループ |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード6089) |
| 設立 | 2006年4月(純粋持株会社として) |
| 決算期 | 3月 |
| 資本金 | 2,222百万円 |
| 従業員数 | 連結9,005人(外、平均臨時雇用者442人)/提出会社105人(2026年3月31日現在) |
| 報告セグメント | 国内Working事業/海外Working事業 |
| 連結子会社 | 44社(国内12社、海外32社) |
| 会計基準 | IFRS会計基準 |
沿革は、大阪で生まれた2つの会社から始まります。
| 年月 | 内容 |
|---|---|
| 1997年1月 | 大阪市北区に株式会社セントメディア(現・株式会社ウィルオブ・ワーク)を設立し、テレマーケティング業を開始 |
| 1997年8月 | 引越やイベント会場の設営等、軽作業の短期請負を主業務として株式会社ビッグエイドを設立 |
| 2000年2月 | セントメディアがビッグエイドを吸収合併し、ファクトリーアウトソーシング事業を開始 |
| 2002年2月 | 一般労働者派遣事業の許可を取得し、コールセンターアウトソーシング事業を開始 |
| 2002年7月 | 家電量販店等の販売員派遣を行うセールスアウトソーシング事業を開始 |
| 2006年4月 | 共同株式移転により株式会社ウィルホールディングス(現・当社)を設立 |
| 2012年6月 | 株式会社ウィルグループへ商号を変更 |
| 2013年12月 | 東京証券取引所市場第二部に上場 |
| 2014年2月 | 海外事業の統括を目的にWILL GROUP Asia Pacific Pte. Ltd.を設立 |
| 2014年12月 | 東京証券取引所市場第一部銘柄に指定 |
| 2015年9月〜 | 国内外でM&Aを継続(クリエイティブバンク、シンガポール・オセアニアの人材会社ほか) |
テレマーケティングと軽作業請負という2つの現場業務から始まり、カテゴリーを増やしながら持株会社化したという流れです。
5つのカテゴリーと、5つのビジネスモデル
有価証券報告書は、国内Working事業を6つの領域に分けて説明しています。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| セールスアウトソーシング | 家電量販店・アパレルショップ等での販売支援。スマートフォン等のモバイルデバイスが中心 |
| コールセンターアウトソーシング | 通信会社・BPO・金融機関向けが中心。自社コールセンターでの請負も |
| ファクトリーアウトソーシング | 製造業の生産過程。比較的景気に左右されにくい食品製造業が中心。外国人雇用支援も |
| 介護ビジネス支援 | 介護施設への人材派遣・紹介。資格取得支援「WILLOFケアアカデミー」を運営 |
| 建設技術者 | 大手ゼネコン・サブコン向けの施工管理技士の派遣・紹介。新卒・未経験の技術社員も派遣 |
| その他 | システムエンジニアの人材派遣・人材紹介 |
ビジネスモデルは5つに整理されています。一般派遣(有期派遣)、正社員派遣(無期派遣)、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援です。有価証券報告書は、それぞれの違いを法的な関係で説明しています。
(業務請負)請負企業が自社の責任と指揮命令のもとで委託企業の業務を遂行し、対価を受領します。委託企業からの指揮命令を受けないことが特徴です。
**派遣は「雇用関係と指揮命令関係が分かれている」、請負は「指揮命令を受けない」。**この違いは、応募者が自分の立場を理解するうえでも効いてきます。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第20期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,859千円、平均年齢40.2歳、平均勤続年数8.8年、対前事業年度増減率は4.1%です。ただし提出会社は純粋持株会社で従業員105人であり、グループ全体(9,005人)とは別の数字です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
労働組合は結成されていないが労使関係は安定している旨が記載されています。多様性指標は提出会社と主要子会社ごとに開示されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
連結従業員数は前連結会計年度末に比べ1,076人増加しています。有価証券報告書は理由を「主に、国内Working事業において、正社員派遣の採用による増加と2025年10月1日付での株式会社HR CAREERの連結子会社化によるもの」と説明しています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合は、株式会社ウィルグループ12.5%、株式会社ウィルオブ・ワーク21.3%、株式会社ウィルオブ・コンストラクション22.9%(2026年4月1日現在)と会社別に開示されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
**この会社の「平均年収」を調べると6,859千円という数字に行き当たりますが、それは105人の持株会社の数字です。**当メディアはこの数か月、有価証券報告書を読むたびに提出会社と連結の乖離を確認してきました。この会社は乖離が極端で、提出会社105人に対し連結は9,005人。比率は1.2%です。ところがこの会社の有価証券報告書は、そこで終わらせずに「最大人員会社の状況」として株式会社ウィルオブ・ワークを開示しています。
| 区分 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 全従業員 | 5,178人 | 31.2歳 | 3.6年 | 3,987千円 | △2.1% |
| 正社員 | 1,065人 | 35.3歳 | 6.4年 | 5,216千円 | +4.2% |
| 正社員派遣 | 4,113人 | 30.2歳 | 2.9年 | 3,618千円 | △3.8% |
**正社員と正社員派遣で、平均年間給与が1,598千円ひらいています。そして人数は正社員派遣が約4倍。ここを混同すると、応募先の給与観がまるごとずれます。応募者がまず確認すべきは「この求人は正社員か、正社員派遣か」の一点です。求人票に「正社員」と書かれていても、雇用形態としての正社員と、正社員派遣(無期雇用派遣)は別物です。有価証券報告書の定義では、正社員派遣は雇用関係が当社、指揮命令関係が派遣先という構造になります。面接では、「この職種は正社員派遣区分ですか」「就業先はどのように決まりますか」**を確認してください。
連結9,005人と、平均年間給与が下がった理由
有価証券報告書の従業員の状況です(2026年3月31日現在)。
| セグメントの名称 | 連結従業員数 |
|---|---|
| 国内Working事業 | 8,420人(外402人) |
| 海外Working事業 | 480人(外34人) |
| その他 | 12人 |
| 全社(共通) | 93人(外6人) |
| 合計 | 9,005人(外442人) |
従業員数の定義には、この業界特有の注記があります。
当社グループ雇用の人材派遣社員及び業務請負社員については、無期雇用の派遣社員等は従業員数に含め、有期雇用の派遣社員等は従業員数及び臨時雇用者数には含めていません。
**無期は入り、有期は入らない。**この定義を知らずに従業員数を読むと、事業規模を取り違えます。
5期の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結従業員数 | 売上収益(百万円) | 税引前利益(百万円) | 親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 5,363人 | 131,080 | 5,293 | 3,286 |
| 2023年3月 | 6,212人 | 143,932 | 5,146 | 3,236 |
| 2024年3月 | 7,004人 | 138,227 | 4,417 | 2,778 |
| 2025年3月 | 7,929人 | 139,705 | 2,177 | 1,155 |
| 2026年3月 | 9,005人 | 146,856 | 3,139 | 2,314 |
**従業員は4期で+3,642人(+67.9%)。**一方、税引前利益は5,293百万円から2,177百万円まで下がり、直近期に3,139百万円へ戻しています。人を増やしながら利益が沈み、戻る途中という局面です。親会社所有者帰属持分比率は21.8%→26.6%→34.0%→34.8%→35.8%と5期連続で上昇しました。
ここで、最大人員会社の注記がもう一段の説明を加えています。
正社員派遣における平均年間給与の対前事業年度増減率は、正社員派遣/請負等の専門職の採用を強化し、当期において当該区分のおよそ35%にあたる1,500名を新規採用したことで従業員構成が変化したことの影響を受けています。
**平均年間給与が下がったのは、給与を下げたからではなく、入社1年目が1,500名増えたから。**当メディアはこれまで多くの企業で「平均年間給与の増減率」を扱ってきましたが、**減少の理由をここまで具体的に書いている開示は多くありません。**採用を増やせば平均は下がる——この構造を理解しないまま増減率だけを見ると、判断を誤ります。
海外Working事業が売上の約39.8%を占める構造
販売実績はセグメント別に開示されています。
| セグメント | 販売実績(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 国内Working事業 | 88,262 | 106.2% |
| 海外Working事業 | 58,501 | 103.6% |
| その他 | 92 | 58.8% |
| 合計 | 146,856 | 105.1% |
海外Working事業が売上の約39.8%を占めます。有価証券報告書によると、主にオーストラリア・シンガポールが中心で、「比較的景気に左右されにくい政府、自治体等が主な派遣先」と記載されています。連結子会社44社のうち32社が海外という構成も、この比率を裏づけます。
一方で、海外Working事業の従業員数は480人(全体の約5.3%)です。**売上の約4割を、従業員数の約5%が担っているように見えますが、これは生産性の話ではありません。**先ほどの注記のとおり、有期雇用の派遣社員は従業員数に含まれないためです。この会社の数字は、定義を確認せずに割り算をすると読み違えます。
キャッシュ・フローは次のとおりです。
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2024年3月 | 3,828 | △575 | △6,232 |
| 2025年3月 | 1,806 | △695 | △1,233 |
| 2026年3月 | 4,957 | △1,354 | △3,119 |
営業CFは1,806百万円から4,957百万円へ戻り、投資CFの流出は3期連続で拡大しています。総資産は56,552百万円で、のれんが1,690百万円増加。M&Aを続けているグループであることが、財務の動きからも読み取れます。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。
**1つ目は、応募先が持株会社ではなく事業会社であること。**提出会社105人のうち93人が「全社(共通)」=管理部門です。事業に関わる求人の多くは、ウィルオブ・ワークをはじめとする事業会社の所属になります。
**2つ目は、カテゴリー特化の方針であること。**有価証券報告書は「特定の事業領域に特化しそのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています」と明記しています。販売、コールセンター、製造、介護、建設という単位で組織が立っています。
**3つ目は、若い層が多いこと。**最大人員会社の平均年齢は31.2歳、平均勤続年数3.6年。正社員派遣区分に限れば30.2歳・2.9年です。持株会社(40.2歳・8.8年)とは10歳近く違います。
**4つ目は、海外比率が高いこと。**連結子会社44社のうち32社が海外で、売上の約39.8%が海外Working事業です。
向いている人/向いていない人
有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。
向いていると考えられる人
- 現場に近い人材サービスに関心がある人。販売・コールセンター・製造・介護・建設が対象領域です
- 採用と組織づくりを数のスケールで扱いたい人。1年で1,500名を新規採用した区分があります
- 業界特化のキャリアを積みたい人。カテゴリーごとに会社と組織が分かれています
- 海外事業に関わる可能性を求める人。連結子会社44社のうち32社が海外です
向いていない可能性がある人
- 自分の雇用形態や就業先を固定したい人。正社員派遣という区分があり、就業先は案件で決まります
- 平均年間給与の水準だけで会社を選びたい人。持株会社6,859千円と最大人員会社3,987千円は別の数字です
- 労働関連法令の知識を持たずに働きたい人。派遣・請負・紹介で法的な立場が変わります
- 定着した組織で腰を据えたい人。従業員数は4期で67.9%増えています
エージェントベストの見解
**人材サービス企業を受けるとき、当メディアが最初に確認をお願いしているのは「あなたが売る側か、送られる側か」です。**この会社の有価証券報告書は、その2つを明確に分けて書いています。正社員1,065人(平均年間給与5,216千円・平均勤続6.4年)と、正社員派遣4,113人(3,618千円・2.9年)。同じ会社の社員でありながら、勤続年数が2倍以上ちがう。これは待遇の善し悪しではなく、役割の違いです。正社員派遣は技術や資格を活かして就業先で働く職種で、建設技術者領域では「新卒・未経験の技術社員を派遣しています」と明記されています。未経験から現場経験を積む入口として設計されているわけです。一方、営業・キャリアアドバイザー・管理部門は正社員区分に入ります。転職で失敗が起きやすいのは、この2つを求人票の言葉だけで区別しようとしたときです。確認すべきは3つ。1つ目、「雇用区分は正社員ですか、正社員派遣ですか」。2つ目、「就業先が変わるとき、給与や等級はどう扱われますか」。3つ目、「正社員派遣から正社員区分への転換実績はありますか」。有価証券報告書がここまで区分を開示している会社なら、この質問には答えられるはずです。
選考に向けた準備
事業の理解
有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。
- 2つのセグメントの規模……国内Working事業88,262百万円(前期比106.2%)、海外Working事業58,501百万円(103.6%)
- 6つの領域……セールス/コールセンター/ファクトリー/介護/建設技術者/その他(SE)
- 5つのビジネスモデル……一般派遣、正社員派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援
- グループの規模……連結子会社44社(国内12社、海外32社)
- 直近の動き……2025年10月1日付で株式会社HR CAREERを連結子会社化
数字の押さえ方
面接で使える数字を挙げます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 売上収益(2026年3月期) | 146,856百万円(前期比105.1%) |
| 税引前利益 | 3,139百万円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2,314百万円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 35.8%(5期連続上昇) |
| 営業CF | 4,957百万円 |
| 連結従業員数 | 9,005人(前期比+1,076人) |
| 提出会社の平均年間給与 | 6,859千円(105人・40.2歳・勤続8.8年) |
| 最大人員会社の平均年間給与 | 全従業員3,987千円/正社員5,216千円/正社員派遣3,618千円 |
質問の準備
- 「この職種の雇用区分は正社員ですか、正社員派遣ですか」
- 「就業先が変わるとき、給与や等級はどのように扱われますか」
- 「正社員派遣から正社員区分への転換実績はどのくらいありますか」
- 「配属先はどのカテゴリー(販売・コールセンター・製造・介護・建設)ですか」
- 「海外Working事業と国内の間で異動する機会はありますか」
まとめ
株式会社ウィルグループは、連結子会社44社を持つ人材サービスの純粋持株会社です。第20期(2026年3月期)の売上収益は146,856百万円、税引前利益3,139百万円、連結従業員9,005人。
有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。
- 事業は国内Working(88,262百万円)と海外Working(58,501百万円)の2セグメント。海外が約39.8%
- 提出会社は105人(うち93人が管理部門)。連結9,005人との比率は1.2%
- 最大人員会社(ウィルオブ・ワーク)を3区分で開示……全従業員3,987千円/正社員5,216千円/正社員派遣3,618千円
- 平均年間給与が下がった理由を「1,500名を新規採用したことで従業員構成が変化」と明記
- 従業員は4期で+67.9%、税引前利益は5,293百万円→2,177百万円→3,139百万円
- 従業員数の定義は「無期雇用の派遣社員等は含め、有期雇用の派遣社員等は含めない」
**雇用形態ごとに数字を分けて開示している会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
有価証券報告書(第20期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,859千円(従業員105人・平均年齢40.2歳・平均勤続年数8.8年)です。ただし提出会社は純粋持株会社です。同じ有価証券報告書には最大人員会社である株式会社ウィルオブ・ワークの数字も開示されており、全従業員3,987千円、正社員5,216千円、正社員派遣3,618千円となっています。応募先の会社と雇用区分によって水準が異なりますので、求人票の想定年収とあわせてご確認ください。
Q. 正社員派遣とはどのような働き方ですか。
有価証券報告書によると、正社員派遣(無期派遣)は「派遣スタッフ(無期派遣)を企業に派遣するビジネスモデル」で、「雇用関係と指揮命令関係が分かれていること、派遣元企業と派遣スタッフの無期雇用契約であることが特徴」と説明されています。建設技術者領域では、経験者に加えて新卒・未経験の技術社員も派遣していると記載されています。就業条件は募集ごとに異なりますので、応募前にご確認ください。
Q. 海外で働く機会はありますか。
有価証券報告書によると、海外Working事業は主にオーストラリア、シンガポールを中心に人材派遣・人材紹介を行っており、販売実績は58,501百万円(全体の約39.8%)です。連結子会社44社のうち32社が海外にあります。海外勤務の可否は募集ごとに異なりますので、選考のなかでご確認ください。
※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。