XTech Venturesの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ベンチャーキャピタルのファンドが大きくなると、普通は投資社数が増えます。ところがXTech Venturesは逆のことを公表しました。2号ファンドの組成完了を告げるお知らせには、1号ファンドに比べてファンド総額は倍以上だが投資社数は若干増加程度に留め、1社あたりのフォローオン投資を増加させる厳選投資を行うと明記されています。最終的な投資先は40〜50社の予定。総額約130億円をこの社数で使うということです。この記事では、公開情報からこの会社で働くことの実態を整理します。
会社概要と2018年1月の設立
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | XTech Ventures株式会社 |
| 上場区分 | 非上場 |
| 設立 | 2018年1月11日 |
| 代表パートナー | 手嶋 浩己、西條 晋一 |
| 所在地 | 東京都中央区八重洲1-5-20 東京建物八重洲さくら通りビル3F |
| URL | https://xtech-ventures.co.jp |
上記は同社が公開したプレスリリースの会社概要に記載されている内容です。代表パートナーが2名という体制が、この会社の特徴の1つです。
投資対象については、公式のお知らせにシード・アーリー段階とあり、初回投資額は2,000万円〜数億円と記載されています。投資領域は限定せず、SaaS、HR Tech、HESaaS、Web3、メタバースなどに積極投資中とされています。
2号ファンド約130億円
同社が2022年5月13日に公開したお知らせによると、2号ファンドの概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ファンド名 | XTech2号投資事業有限責任組合 |
| 総額 | 約130億円(当初予定100億円を上回る) |
| 組成 | 2020年12月 |
| 投資ステージ | シード・アーリー |
| 初回投資額 | 2,000万円〜数億円 |
| 出資者(LP) | 国内主要な事業会社・金融機関に加え、国内・海外の機関投資家等 |
同お知らせには、2020年12月の組成から約1年5か月で23社に投資実行済(2022年5月11日現在)とも記載されています。
1号ファンドについては、2018年から運用中で、新規投資実行フェーズは完了し成長支援期間に移行、すでにExit案件も存在すると記されています。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
同社は非上場のため有価証券報告書を提出しておらず、平均年間給与は公開されていません。ベンチャーキャピタルの報酬は一般に、管理報酬をもとにした固定給と、ファンドの成功報酬(キャリー)の配分で構成されるとされます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
公式サイトのチームページには13名が掲載されています。勤務制度の詳細は公開されていません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
投資職には代表パートナー、パートナー、インベストメントマネージャー、アソシエイトという4段階の職位が置かれています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
コミュニティマネージャー兼広報・PRという役職が置かれ、資金調達相談会などのイベントを継続的に開催しています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
**「厳選投資」を公言するファンドで働くと、何が違うか。**この会社のお知らせには、2号ファンドの方針としてこう書かれています。1号に比べてファンド総額は倍以上だが、投資社数は若干増加程度に留め、1社あたりのフォローオン投資を増加させる。最終的には40〜50社への投資を予定。約130億円を40〜50社で割れば、単純計算で1社あたり2.6億〜3.3億円です。多くのシードファンドが1社あたり数千万円で数百社に投資するのとは、設計が根本的に違います。この方針が働き方に与える影響は3つあります。1つ目、**1件の判断が重くなる。**社数が限られるぶん、1件の投資判断がファンドの成績を左右します。デューデリジェンスは深くなります。2つ目、**投資後の関与が濃くなる。**フォローオンを増やす前提なら、投資先の状況を継続的に把握する必要があります。3つ目、**担当社数が少なくなる。**多数の会社を薄く見る働き方ではありません。応募を検討されるなら、面接で「1人あたり何社を担当していますか」を聞いてください。厳選投資を掲げる会社なら、この数字は他社より小さいはずです。そして数字が小さいほど、1社への関わり方は深くなります。
投資職10名という構成
公式サイトのチームページに掲載されている氏名を数えると、次の構成になります。
投資職(10名)
| 役職 | 氏名 |
|---|---|
| 代表パートナー | 西條 晋一、手嶋 浩己 |
| パートナー | 藤本 崇 |
| インベストメントマネージャー | 荻野 公平、工藤 渚沙、鈴木 かおり(Chief of Staff兼務)、山木 陸生 |
| アソシエイト | 猪原 裕太、桑江 竜威、高野 峻 |
コーポレート(2名)
| 役職 | 氏名 |
|---|---|
| シニアコントローラー | 佐野 敦 |
| アソシエイトコントローラー | 大野 哲之進 |
その他(1名)
コミュニティマネージャー兼広報・PR……岩﨑 日菜子
この構成から3つのことが読めます。
**1つ目は、投資職が組織の大半を占めることです。**13名中10名が投資職。当メディアがこれまで扱ってきたベンチャーキャピタルでは、投資職より投資以外の職種のほうが多い構成が繰り返し見られました。この会社は逆です。
**2つ目は、若手層の厚さです。**インベストメントマネージャー4名、アソシエイト3名で計7名。代表パートナー2名とパートナー1名の上に対して、下の層が7名います。キャリアの入口があり、その上に段階がある構造です。
**3つ目は、管理部門の小ささです。**コーポレートは2名。いずれもコントローラー職で、ファンドの管理と経理を担う役割だと考えられます。13名の組織としては絞られた体制です。
厳選投資という方針と、この人員構成は整合します。投資社数を絞り、1社あたりを厚くする。そのために投資職に人を寄せる。組織の設計が方針を映しています。
「2億円イベント」というソーシングの仕組み
同社が2025年12月18日に公開したプレスリリースには、独自の取り組みが記載されています。
**1Day資金調達相談会「2億円イベント」**です。第4回の開催が2026年3月1日(日)9:30-17:00に決まったことが発表されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 応募条件 | XTech Venturesの運用ファンドから2億円以上の出資を希望する方。出資時期の目安は2026年3月〜5月。調達ラウンド、リード/フォローは問わない |
| 当日の面談 | 最大6社を招き、1社あたり45分間 |
| 募集期間 | 2025年12月19日〜2026年1月7日 |
| 選考期間 | 2026年1月8日〜1月22日 |
| 選考結果通知 | 2026年1月23日 |
| 事前デューデリジェンス期間 | 2026年1月26日〜3月1日 |
過去の実績については、これまで3回開催し、実際に複数社に出資オファーおよび投資実行をしていると記載されています。事例として、株式会社リーディングマークが2億円超の投資を受け、最終的に総額で16億円以上の資金調達につながったことが挙げられています。
この仕組みが示すのは、ソーシングを制度として設計しているということです。一般にベンチャーキャピタルの案件は、紹介や人的ネットワークを通じて持ち込まれます。それに加えて、公募の形で門戸を開き、選考と事前デューデリジェンスを経て1日で面談する。
働く側から見ると、この取り組みには業務が伴います。募集の告知、応募の受付、選考、事前デューデリジェンス、当日の運営。コミュニティマネージャー兼広報・PRという役職が置かれているのは、こうした活動を支えるためだと読めます。
また応募条件が「2億円以上の出資を希望する方」である点も、厳選投資の方針と一致します。少額の案件を広く集めるのではなく、最初から一定規模の投資を前提に募集している構造です。
領域を絞らないという選択
同社のお知らせには、投資領域について限定せずと記載されています。そのうえでSaaS、HR Tech、HESaaS、Web3、メタバースなどに積極投資中とされています。
領域を絞るファンドと絞らないファンドでは、求められる力が変わります。
絞るファンドでは、その領域の知識の深さが競争力になります。同じ業界の会社を多数見ているため、比較の視点を投資先に提供できます。
絞らないファンドでは、業界をまたいで事業と経営者を評価する力が問われます。特定分野の専門家であることより、どんな事業でも構造を掴めることが価値になります。
同社は後者を選んでいます。ただし挙げられている領域を見ると、SaaS、HR Tech、Web3、メタバースといずれもソフトウェア・デジタル寄りです。完全に無限定というより、テクノロジー領域の中で幅広く、という理解が実態に近いと考えられます。
なお同社は「シード・アーリー段階」を対象とし、初回投資額は2,000万円〜数億円としています。この段階では事業がまだ固まっていないことが多く、判断材料は経営者と構想が中心になります。領域の知識より、人を見る力が効く局面です。
働き方とキャリア形成の特徴
同社でのキャリアを考えるうえで軸になるのは、厳選投資という方針です。
約130億円のファンドで最終的に40〜50社。1社あたりの金額が大きく、フォローオンも前提にする。この設計は、担当する会社の数を絞り、1社への関与を深くします。
もう1つの軸は、職位の階層です。代表パートナー、パートナー、インベストメントマネージャー、アソシエイト。4段階が公式サイトに掲載されており、インベストメントマネージャー4名とアソシエイト3名という若手層が実在します。キャリアの入口が組織として存在するということです。
3つ目の軸は、ソーシングへの投資です。「2億円イベント」を過去3回開催し、第4回も予定されています。案件を待つのではなく、仕組みで集めに行く。この活動に関わる業務が発生します。
4つ目の軸は、ファンドの局面です。1号ファンドは新規投資実行フェーズを完了し成長支援期間に移行、2号ファンドは2020年12月組成。組成からの年数を考えると、既存投資先の支援とフォローオンが業務の中心になっている可能性があります。応募時には最新の状況を確認したいところです。
なお報酬、正確な従業員数、勤務制度は公開されていません。
向いている人/向いていない人
向いている人
1社に深く関わりたい方
厳選投資の方針を掲げ、最終的な投資先は40〜50社の予定とされています。
若手からベンチャーキャピタルのキャリアを始めたい方
インベストメントマネージャー4名、アソシエイト3名という若手層が公式サイトに掲載されています。
領域を限定せずテクノロジー全般を見たい方
投資領域は限定せず、SaaS、HR Tech、Web3、メタバースなどが挙げられています。
向いていない人
多数の会社を広く見たい方
投資社数を絞り、1社あたりのフォローオンを増やす方針が明記されています。
公開情報で年収水準を確認してから応募したい方
非上場のため有価証券報告書がなく、平均年間給与は公開されていません。
エージェントベストの見解
ベンチャーキャピタルの求人で、**「どうやって案件を見つけているか」を必ず聞いてください。**この会社は、その答えを公開情報から読み取れる珍しい例です。1Day資金調達相談会「2億円イベント」。応募条件は2億円以上の出資を希望すること。募集期間が約3週間、選考期間が約2週間、事前デューデリジェンスが約5週間、そして当日は最大6社に1社45分。過去3回開催し、投資実行に至った例もある。**ここまで工程が公開されているソーシングの仕組みは、他社ではあまり見ません。なぜこれが応募者にとって重要か。ベンチャーキャピタルの成果は、良い案件に出会えるかで大きく決まるからです。紹介と人脈に頼る会社では、その人脈を持つ人だけが案件を持ち込めます。新しく入った人が独自の案件を出せるようになるまでに時間がかかる。一方、仕組みで集める会社なら、入社直後から流れてくる案件に関われます。つまり立ち上がりの速さが違う。**面接では「入社1年目の人が担当する案件は、どこから来ますか」と聞いてください。答えが「自分で見つけてくる」なのか「イベントや既存の流れから配分される」なのかで、最初の1年の過ごし方が変わります。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
XTech Ventures株式会社は非上場のベンチャーキャピタルです。同社が公開したプレスリリースの会社概要によると、設立は2018年1月11日、代表パートナーは手嶋浩己氏と西條晋一氏、所在地は東京都中央区八重洲1-5-20 東京建物八重洲さくら通りビル3Fです。
2022年5月13日のお知らせによると、XTech2号投資事業有限責任組合は総額約130億円(2020年12月組成)で、投資ステージはシード・アーリー、初回投資額は2,000万円〜数億円。投資社数は若干増加程度に留め、1社あたりのフォローオン投資を増加させる厳選投資を行い、最終的には40〜50社への投資を予定するとされています。同時点で23社に投資実行済です。
公式サイトのチームページには13名が掲載されており、投資職10名、コーポレート2名、コミュニティマネージャー兼広報・PR 1名という構成です。
**平均年間給与、正確な従業員数、勤務制度は公開されていません。**また上記の数値は発表時点のものであり、現在の状況は変わっている可能性があります。
志望動機で問われること
「なぜベンチャーキャピタルか」と「なぜXTech Venturesか」の2段で組み立てます。
前者については、多数の会社に薄く関わりたいのか、少数に深く関わりたいのかを整理します。この会社は後者の方針を明示しています。
後者の材料は公開情報にあります。2018年1月11日に設立され、代表パートナー2名体制であること。2号ファンドが約130億円で、投資社数を絞る厳選投資の方針を掲げること。最終的な投資先を40〜50社と予定していること。投資領域を限定せず、SaaS、HR Tech、Web3、メタバースなどに投資していること。「2億円イベント」というソーシングの仕組みを継続していること。
「1社に深く入る投資で、自分は何を持ち込めるのか」に考えを持って臨むと、面接での会話が具体的になります。
職務経歴書で見られるポイント
ベンチャーキャピタルの中途採用では、担った役割と、動かした金額・人・事業が読まれます。
投資・金融の経験がある方は、関与した案件の規模とステージ、担った工程(ソーシング、デューデリジェンス、投資実行、投資後支援、エグジット)を書きます。1件あたりの金額が大きい会社ですので、億単位の案件を扱った経験があれば明記してください。
SaaS・HR Techの経験がある方は、扱ったプロダクトの規模と改善した指標を書きます。積極投資領域として挙げられています。
起業・スタートアップでの事業立ち上げ経験がある方は、事業の内容と規模、資金調達の実績を書きます。シード・アーリー段階を対象とする会社では、この経験が読まれます。
事業会社で経営企画・新規事業を担った経験がある方は、担当した事業の規模と、実行した施策、動いた数値を書きます。
イベント運営・コミュニティ運営の経験がある方は、規模と成果を書きます。同社はコミュニティマネージャー職を置き、資金調達相談会を継続開催しています。
ファンド管理・経理の経験がある方は、扱ったファンドの規模と担当した業務を書きます。コントローラー職が2名置かれています。
いずれの場合も、置かれていた状況、選んだ打ち手、動いた数値の3点を短く添えます。
まとめ
XTech Ventures株式会社は、2018年1月11日に設立された非上場のベンチャーキャピタルです。代表パートナーは手嶋浩己氏と西條晋一氏、所在地は東京都中央区八重洲。同社が2022年5月13日に公開したお知らせによると、XTech2号投資事業有限責任組合は総額約130億円(2020年12月組成、当初予定100億円を上回る)で、投資ステージはシード・アーリー、初回投資額は2,000万円〜数億円です。特徴的なのは投資方針で、1号ファンドに比べてファンド総額は倍以上だが投資社数は若干増加程度に留め、1社あたりのフォローオン投資を増加させる「厳選投資」を掲げ、最終的な投資先は40〜50社の予定とされています。公式サイトのチームページに掲載されているのは13名で、うち投資職が10名(代表パートナー2、パートナー1、インベストメントマネージャー4、アソシエイト3)。当メディアが扱ってきたベンチャーキャピタルでは投資職より投資以外の職種が多い構成が続いていましたが、この会社は投資職に人が寄っています。加えて1Day資金調達相談会「2億円イベント」を過去3回開催し、第4回を2026年3月1日に予定するなど、ソーシングを仕組みとして設計している点も特徴です。
よくある質問
Q. XTech Venturesの年収はどのくらいですか。
A. 同社は非上場のため有価証券報告書を提出しておらず、平均年間給与は公開されていません。ベンチャーキャピタルの報酬は一般に、ファンドの運用資産に対する管理報酬をもとにした固定給と、ファンドが成功した場合の成功報酬(キャリー)の配分で構成されるとされますが、配分の考え方は各社で異なり公開されないのが通常です。応募される場合は、求人票の想定年収を出発点に、面接で固定報酬の水準とキャリーの有無・配分の考え方を確認することをおすすめします。なお同社の投資職には代表パートナー、パートナー、インベストメントマネージャー、アソシエイトという4段階の職位があり、職位によって報酬の構造が異なる可能性があります。
Q. 「厳選投資」とはどういう方針ですか。
A. 同社が2022年5月13日に公開したお知らせに記載されている方針です。2号ファンド(約130億円)は1号ファンドに比べて総額が倍以上になったものの、投資社数は若干増加程度に留め、1社あたりのフォローオン投資を増加させるとされています。最終的には40〜50社への投資を予定するとも記載されています。多数の会社に少額ずつ投資するのではなく、社数を絞って1社あたりを厚くする設計です。働く側から見ると、担当する会社の数が少なくなり、1社への関与が深くなる構造だと考えられます。
Q. 「2億円イベント」とは何ですか。
A. 同社が開催する1Day資金調達相談会です。2025年12月18日のプレスリリースによると、第4回は2026年3月1日(日)9:30-17:00に開催され、XTech Venturesの運用ファンドから2億円以上の出資を希望する会社を対象に募集し、最大6社を当日の面談に招く(1社あたり45分間)とされています。募集期間は2025年12月19日〜2026年1月7日、選考期間は2026年1月8日〜1月22日、選考結果通知は1月23日、事前デューデリジェンス期間は1月26日〜3月1日です。これまで3回開催し、実際に複数社に出資オファーおよび投資実行をしていると記載されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。