ユーグレナの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書によると、株式会社ユーグレナの直近期は連結売上高50,370百万円(前期比5.8%増)で過去最高、営業利益3,123百万円(前期比938.1%増)。ところが親会社株主に帰属する当期純損失は805百万円で、最終赤字が残りました。同じ期に希望退職者募集を実施し、連結従業員は104名減っています。提出会社の平均年間給与は7,027千円、平均年齢44歳3ヶ月。この記事では、有価証券報告書からその構造を整理します。
会社概要と「バイオマスの5F」という基本戦略
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社ユーグレナ |
| 本店所在地 | 東京都港区芝五丁目29番11号 |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(2012年12月マザーズ上場/2014年12月市場第一部/2022年4月プライム) |
| 設立 | 2005年8月(東京都港区六本木にて設立) |
| 決算期 | 12月期(第21期は2025年1月1日〜2025年12月31日) |
| 資本金 | 16,373百万円 |
| パーパス | 「人と地球を健康にする」 |
| フィロソフィー | 「Sustainability First」(2020年、創業15周年を機に制定) |
| 連結従業員数 | 793名〔ほか平均臨時雇用249名〕 |
| 提出会社の従業員数 | 171名〔9名〕 |
この記事で扱う数値は、すべて有価証券報告書に記載されたものです。
事業の考え方
有価証券報告書によれば、同社は2005年12月に微細藻類ユーグレナの食品用途屋外大量培養に世界で初めて成功したことを起点としています。基本戦略は「バイオマスの5F」。重量単価が高い順に Food(食料)→ Fine Chemical(高機能素材)→ Feed(飼料)→ Fertilizer(肥料)→ Fuel(燃料) と展開する考え方で、「研究開発や培養技術の蓄積に応じて、付加価値の高い用途から順に事業化」してきたと記載されています。
現在はFood・Fine Chemicalを中心としたヘルスケア領域が主たる事業で、そこからFeed・Fertilizer・Fuelへ展開を進める位置づけです。
セグメント別に見ると、事業の大きさが違う
| セグメント | 売上高(百万円) | 前期比 | セグメント損益(百万円) | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| ヘルスケア事業 | 47,020 | +6.0% | +5,487(前期比85.8%増) | 641名〔227名〕 |
| バイオ燃料事業 | 1,092 | +16.9% | △325(前期は△410) | 19名〔1名〕 |
| その他事業 | - | - | - | 101名〔16名〕 |
| 全社(共通) | - | - | - | 32名〔5名〕 |
売上のほとんどはヘルスケア事業です。社名やパーパスから連想されるバイオ燃料は、売上構成では1,092百万円と、ヘルスケアの43分の1にとどまります(47,020÷1,092から算出)。従業員数でも641名対19名です。
ヘルスケア事業の中身は、有価証券報告書によると自社ブランド「からだにユーグレナ」「CONC」に加え、連結子会社のキューサイグループ(「コラリッチ」等)、2024年に連結子会社化したサティス製薬グループ(OEM)などです。当期の伸長要因として「クリエイティブ改善による広告宣伝投資効率の最適化、ECモール販路の強化、主力製品のリニューアルや価格改定、継続率改善に向けた施策によるLTV向上」が挙げられています。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は7,027千円、平均年齢44歳3ヶ月、平均勤続年数5年8ヶ月です(2025年12月31日現在)。賞与および基準外賃金を含みます。平均年齢44歳3ヶ月は、当メディアが読んできたスタートアップ・グロース領域の企業と比べて高い水準です。対象は提出会社171名で、連結793名のうちキューサイ・サティス製薬など子会社の人員は含まれません。評価制度の詳細は有価証券報告書に記載がありません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
**制度の詳細は有価証券報告書に記載がありません。なお提出会社は男性労働者の育児休業取得率・労働者の男女の賃金の差異について「公表義務の対象ではないため、記載を省略」とされています。連結子会社ではキューサイ株式会社の男性育児休業取得率が100.0%、株式会社サティス製薬も100.0%**と開示されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
事業領域はヘルスケア(食品・化粧品・OEM)、バイオ燃料、アグリにまたがり、海外にもバングラデシュ・マレーシア・ケイマン諸島の関係会社があります。当期はマレーシアの合弁会社への出資比率を5%から15%へ引き上げました。一方で従業員数は連結で104名減っており、組織は拡大局面ではありません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社に労働組合はありません。連結子会社の八重山殖産株式会社には八重山殖産労働組合があり、2025年12月31日現在の組合員数は14人です(「労使関係は安定しております」と記載)。管理職に占める女性労働者の割合は提出会社17.6%、キューサイ株式会社32.3%、株式会社サティス製薬11.1%です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
**「営業利益3,123百万円(前期比938.1%増)」と「親会社株主に帰属する当期純損失805百万円」。この2つが同じ期に並んでいます。ニュースの見出しだけを見て志望動機を作ると、面接で説明できません。**有価証券報告書の連結損益計算書を、下から順に読むと理由が分かります。
| 段階 | 金額(百万円) |
|---|---|
| 経常利益 | 2,365(前期比448.0%増) |
| 特別損失(事業構造改善費用264/減損損失215 等) | △479 |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,889 |
| 法人税等合計 | △1,363 |
| 当期純利益(連結全体) | +526 |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | △1,331 |
| 親会社株主に帰属する当期純損失 | △805 |
**鍵は最後から2行目です。連結全体では526百万円の黒字なのに、そのうち1,331百万円は「非支配株主のもの」。つまり完全子会社ではない会社が稼いだ利益で、ユーグレナの株主の取り分ではありません。**有価証券報告書は「キューサイグループに係る法人税及び非支配株主損益を計上した結果」と明記しています。**この構造の意味は3つあります。**1つ目、**ヘルスケア事業の利益5,487百万円のうち、相当部分がグループの外に配分されている。2つ目、のれん等の償却費2,633百万円がヘルスケア事業に乗っている。過去のM&Aの代金を、いまも毎期償却しているということです。3つ目、だから会社は調整後EBITDA(EBITDA+助成金収入+株式関連報酬)6,938百万円(前期比60.3%増)を「キャッシュ・フロー創出力を示す指標」として前面に出しています。応募者としての読み方は明快です。「黒字化した会社ですか」と聞かれたら、「営業段階では黒字、親会社株主帰属では赤字」**と答えられること。面接で「決算を見ましたか」と問われたときに、ここまで言えるかどうかで印象は変わります。
営業利益10倍と最終赤字が同じ期に並ぶ理由
四半期ごとの推移も開示されています。
| 指標 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 11,935 | 12,618 | 12,532 | 13,283 |
| 調整後EBITDA(百万円) | 1,545 | 1,961 | 1,950 | 1,480 |
| 営業損益(百万円) | 618 | 1,018 | 982 | 504 |
| 経常損益(百万円) | 436 | 736 | 971 | 221 |
通年では黒字ですが、四半期ごとの営業利益には差があります。
利益改善の要因として有価証券報告書が挙げているのは、主力製品の価格改定、工場における生産性改善、広告宣伝投資効率の向上、物流費・販売促進費・販売手数料比率の低減、希望退職者募集に伴う人件費の減少、実証プラントの稼働終了に伴う研究開発費の縮小です。売って伸ばしたというより、コストを削って残した色が濃い期と読めます。
5期の推移を並べると、位置づけがはっきりします。
| 期 | 売上高(百万円) | 経常損益(百万円) | 親会社株主に帰属する当期純損益(百万円) |
|---|---|---|---|
| 第17期(2021年12月・15ヶ月) | 34,420 | △6,354 | △5,038 |
| 第18期(2022年12月) | 44,392 | △2,489 | △2,672 |
| 第19期(2023年12月) | 46,482 | △1,419 | △2,652 |
| 第20期(2024年12月) | 47,618 | +431 | △650 |
| 第21期(2025年12月) | 50,370 | +2,365 | △805 |
経常段階では第20期に黒字転換していますが、親会社株主に帰属する当期純損益は5期連続で赤字です。財務面では自己資本比率42.7%、営業活動によるキャッシュ・フロー5,188百万円、現金及び現金同等物15,903百万円。当期は1株2.00円の配当が実施されています。
希望退職と、従業員104名減
| 区分 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 連結従業員数 | 793名〔249名〕 | 897名〔271名〕 | △104名 |
| 提出会社の従業員数 | 171名〔9名〕 | 238名〔19名〕 | △67名 |
有価証券報告書は、この減少について「当期の事業構造改革の一環で実施した希望退職制度による一過性の影響によるものであり、恒常的な人材流出を示すものではありません」と、連結・提出会社の双方に同じ注記を付けています。特別損失には事業構造改善費用264百万円が計上されました。
提出会社では238名が171名へ。1年で3割近く減っています。提出会社の内訳は、ヘルスケア91名〔1名〕、バイオ燃料18名〔-〕、その他30名〔3名〕、全社(共通)32名〔5名〕です。なお提出会社単体では、当期も経常損失1,624百万円・当期純損失1,551百万円が計上されています。
バイオ燃料事業はどこまで進んでいるか
売上1,092百万円・従業員19名の事業ですが、有価証券報告書の記載量はヘルスケアに劣りません。要点を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合弁パートナー | Petroliam Nasional Berhad、Enilive S.p.A.(同社を含め「本合弁パートナー」) |
| 建設地 | マレーシア |
| 原料処理能力 | 年間約65万トン |
| バイオ燃料の製造能力 | 最大で日産1万2,500バレル(年産約72.5万KL相当) |
| 稼働開始予定 | 2028年下期迄 |
| 出資比率 | 2024年12月に5%取得 → 2025年7月に15%へ引き上げ |
| 資金コミットメント | 総額約67.5百万ドル(出資・ローン・銀行保証) |
| 資金調達 | 三菱UFJ信託銀行が最大30百万米ドルを出資する優先株出資契約(2025年5月) |
| 自社実証プラント | 2024年1月末に稼働終了 |
政策面の記載もあります。2025年3月に東京都「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に代表企業として採択(パートナー8社と共同)、2025年2月・4月に経済産業省「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択(バングラデシュでのSAF向け原料サプライチェーン構築調査、マレーシアでの微細藻類培養の糖源としてのパーム農業残渣バイオマス活用可能性調査)。
自社で作る段階から、合弁で作る段階へ移ったというのが当期の位置づけです。稼働は2028年下期予定ですから、**いま入社する人にとっては「立ち上げ前の準備期間」**にあたります。
エージェントベストの見解
この会社の面接で終盤に問われやすいのは、「どのセグメントで働くつもりか、正しく理解しているか」です。理由は、社名から想像される事業と、実際に売上と人を抱えている事業が一致していないからです。数字を並べれば明らかです。ヘルスケア事業は売上47,020百万円・従業員641名。バイオ燃料事業は売上1,092百万円・従業員19名。そして提出会社171名のうち、バイオ燃料は18名です。「微細藻類で燃料を作る会社に入りたい」という志望動機を持つ方は多いのですが、実際の求人の大半はヘルスケア側にあります。ヘルスケア側の仕事は、健康食品・化粧品のブランド運営、EC・通販、OEM、生産管理です。広告宣伝投資の効率、LTV、継続率、価格改定。有価証券報告書が業績改善の要因として挙げているのは、まさにこれらの言葉でした。D2C・通販ビジネスの実務だと理解しておくべきです。もう1つ、時間軸の話をします。バイオ燃料の商業プラント稼働は2028年下期迄の予定。自社の実証プラントは2024年1月末に稼働を終了しています。つまり、いまは「作っていない期間」です。この間の業務は、原料調達網の構築、トレーディング、調査事業、パートナー折衝が中心になります。プラントの運転や製造の現場を期待して入ると、ずれます。面接で確認すべきことは3つ。1つ目、「配属はヘルスケアか、バイオ燃料か、コーポレートか」。2つ目、「希望退職の後、その部署の人員体制はどう再設計されたか」。当期に提出会社は238名から171名になっています。3つ目、「調整後EBITDAではなく、自分の部署は何の指標で評価されるか」。**会社が掲げる指標と、現場が追う指標は同じとは限りません。**ここを聞ける応募者は、それだけで印象が変わります。
向いている人/向いていない人
向いている可能性がある人
- 健康食品・化粧品のブランドやD2Cの経験を活かしたい人……ヘルスケア事業が売上47,020百万円と事業の中心です
- M&A後の統合や子会社の運営に関わりたい人……キューサイグループ、サティス製薬グループ等を抱えています
- サステナビリティを事業の軸にしたい人……パーパスは「人と地球を健康にする」、フィロソフィーは「Sustainability First」です
- 長期プロジェクトに腰を据えて取り組みたい人……マレーシアの商業プラント稼働は2028年下期迄の予定です
- 官公庁の政策・補助事業と接点のある仕事をしたい人……東京都・経済産業省の事業に採択されています
向いていない可能性がある人
- 最終利益の黒字を前提にしたい人……親会社株主に帰属する当期純損益は5期連続で赤字です
- 組織が拡大する局面を望む人……当期は希望退職により連結104名減、提出会社67名減です
- バイオ燃料の製造現場で働きたい人……自社の実証プラントは2024年1月末に稼働を終了しています
- 若い平均年齢の組織を好む人……提出会社の平均年齢は44歳3ヶ月です
- 単一事業に集中したい人……ヘルスケア・バイオ燃料・その他(アグリ等)の3セグメント構成です
選考前に整理しておくこと
公開情報の範囲では、選考プロセスの詳細は有価証券報告書に記載がありません。以下は開示情報から準備しておくとよい論点です。選考フローや面接内容は時期により変動しますので、最新の募集要項は公式採用ページでご確認ください。
1. セグメントごとの規模差を前提に話す
ヘルスケア47,020百万円に対しバイオ燃料1,092百万円。この差を踏まえた志望動機かどうかは、面接ですぐ分かります。
2. 「調整後EBITDA」という指標を理解する
同社はEBITDA+助成金収入+株式関連報酬として算出した**調整後EBITDA 6,938百万円(前期比60.3%増)**を、キャッシュ・フロー創出力の指標として開示しています。なぜ営業利益ではなくこの指標なのかを自分の言葉で説明できると、事業理解が伝わります。
3. 事業構造改革の後に何をするかを考える
当期の利益改善は、価格改定・生産性改善・費用構造の見直し・希望退職によるものです。**削って残した利益の次に、どこで伸ばすのか。**この問いに自分の仮説を持って臨むと、話が具体化します。
まとめ
- 株式会社ユーグレナは2005年8月設立、東証プライム市場上場、本店は東京都港区芝。パーパスは「人と地球を健康にする」、基本戦略は「バイオマスの5F」です
- 直近期(第21期・2025年12月期)は**連結売上高50,370百万円(前期比5.8%増)で過去最高、営業利益3,123百万円(同938.1%増)、経常利益2,365百万円(同448.0%増)**です
- 一方で親会社株主に帰属する当期純損失は805百万円。連結全体の当期純利益526百万円に対し、非支配株主に帰属する当期純利益が1,331百万円あるためです
- セグメントはヘルスケア47,020百万円(従業員641名)、バイオ燃料1,092百万円(同19名)。売上・人員ともヘルスケアが中心です
- 提出会社の平均年間給与は7,027千円、平均年齢44歳3ヶ月、平均勤続年数5年8ヶ月。従業員は提出会社171名、連結793名です
- 希望退職制度により連結104名減・提出会社67名減。特別損失に事業構造改善費用264百万円が計上されています
よくある質問
Q. ユーグレナの平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は7,027千円、平均年齢44歳3ヶ月、平均勤続年数5年8ヶ月です(2025年12月31日現在)。賞与および基準外賃金を含みます。対象は提出会社171名で、連結793名のうちキューサイ株式会社・株式会社サティス製薬などの子会社人員は含まれません。子会社を含めた水準は開示されていないため、応募先がどの法人かを確認する必要があります。
Q. 黒字の会社ですか、赤字の会社ですか?
A. 段階によって答えが変わります。第21期は営業利益3,123百万円、経常利益2,365百万円と黒字ですが、親会社株主に帰属する当期純損失は805百万円です。連結全体の当期純利益526百万円のうち1,331百万円が非支配株主に帰属するため、親会社株主の取り分がマイナスになる構造です。有価証券報告書は「キューサイグループに係る法人税及び非支配株主損益を計上した結果」と説明しています。親会社株主に帰属する当期純損益は5期連続で赤字です。
Q. バイオ燃料の仕事に就けますか?
A. 事業としては存在しますが、規模は限られます。バイオ燃料事業の売上高は1,092百万円、従業員は連結19名(提出会社では18名)です。売上47,020百万円・従業員641名のヘルスケア事業と比べると、採用の中心はヘルスケア側と考えるのが自然です。バイオ燃料では、マレーシアで原料処理能力年間約65万トン・最大日産1万2,500バレルの商業プラントを合弁で建設中で、稼働開始は2028年下期迄の予定。自社の実証プラントは2024年1月末に稼働を終了しており、現在は原料調達網の構築やトレーディング、調査事業が中心と記載されています。
※本記事は、株式会社ユーグレナの有価証券報告書(第21期)をもとに構成しています。数値は当該報告書に記載された時点のものです。本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。募集要項や選考プロセスは変更される場合がありますので、応募前に各社の公式サイトでご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。