アイビーシーの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
従業員82名で売上24億、経常利益率23.9%
アイビーシーは、ITシステムの稼働状況や障害の予兆を監視するソフトウェア「System Answer シリーズ」を自社で開発・販売している会社です。有価証券報告書(第23期・2025年9月期)の数字は、いわゆる受託開発型のSIerとは並び方が違います。
第23期の売上高は2,404,511千円(24億45万円)、経常利益は574,648千円(5億7,465万円)です。経常利益率は**23.9%**にあたります。
一方、従業員数は82名です。従業員1人あたりの売上高はおよそ2,932万円になります。人月で工数を売る構造ではこの数字は出ません。ソフトウェアを開発して繰り返し売る事業だからこそ成立する並びです。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。
会社概要と事業の中身
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | アイビーシー株式会社(Internetworking and Broadband Consulting Co.,Ltd.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所スタンダード市場(証券コード3920) |
| 本社所在地 | 東京都中央区新川一丁目8番8号 |
| 設立 | 2002年10月 |
| 資本金 | 447,430千円(2025年9月期) |
| 従業員数 | 82名 ※2025年9月30日現在 |
| 事業内容 | ソフトウェア・サービス関連事業(単一セグメント) |
| 決算期 | 9月 |
何を売っている会社か
有価証券報告書は、創業以来、ITシステムの稼働状況や障害発生の予兆などを監視する情報管理/性能監視ツール「System Answer シリーズ」の開発・販売・サポートを中核に事業を展開してきたと記載しています。
主なサービスとして挙げられているのは次のとおりです。
- System Answer G3(システム情報管理ソフトウェア/2017年7月リリース)
- SAMS(次世代MSPサービス。24時間365日の有人監視体制で安定稼働・障害対応・原因究明・分析サポートを行う)
- LOG on SAMS(統合ログ管理システムのクラウドサービス)
- IBC-PAS(クラウドサービスにおける遅延やアクセス不可の原因特定)
- IBC-SAS(セキュリティ課題に応じたソリューションのワンストップ提供)
- IT障害119レスキュー(障害の切り分けから被疑箇所の洗い出しを24時間365日、無償で提供する緊急障害対応支援)
- Kusabi(ブロックチェーン技術による電子証明システムと独自のデバイスプロビジョニング技術)
2025年6月には新サービス「ITOGUCHI(イトグチ)」を発表し、同年10月から提供を開始したと沿革に記載されています。
3つの販売チャネル
有価証券報告書は販売チャネルを3つに整理しています。
間接販売は、パートナー企業の営業担当者が提案を行い、全国的な営業力を活用する形です。パートナー企業が自社商材と組み合わせて提案することで、単独ではアプローチが難しい業界や地域にも展開できるとされています。
直接販売は、展示会やセミナー、マーケティング活動を通じて関心を持った顧客に自社の営業担当者が直接提案する形です。顧客の課題を直接把握できるため、製品開発や機能拡張にフィードバックを活かしているとされています。
ハイタッチは、パートナー企業の顧客に対して営業担当者と技術担当者が同行・連携して提案する複合型です。
この3分類は、入社後にどんな動き方をするかを想像するうえで有用です。パートナー経由の商流が太い会社では、最終ユーザーとの距離が組織の中の立ち位置によって変わります。
評判の傾向
年収・評価制度
規模の小さい組織であるため、個人の貢献が見えやすいという声が見られます。制度面については、会社の成長段階に応じて整備が進んでいるという受け止めがあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
在宅勤務など柔軟な働き方の制度を評価する声が見られます。一方で、24時間365日の監視サービスを提供している性格上、担当領域によって働き方が変わるという指摘もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
自社製品を扱うため、開発から顧客対応まで関わる範囲が広いという声が見られます。人数が限られるぶん、任される範囲が早い段階で広がるという指摘もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
規模が小さく、部門間の距離が近いという受け止めが見られます。経営との距離についての言及も見られます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
SIerからこの会社を検討する方が入社後にずれやすいのは、「開発の仕事の中身」が想像と違うという点です。受託開発では、顧客ごとに要件を聞いて作るのが仕事になります。自社プロダクトの会社では、目の前の1社の要望をそのまま実装すると製品が壊れます。従業員82名で売上24億400万円、経常利益率23.9%という数字が成立しているのは、同じソフトウェアを繰り返し売れているからです。この構造を維持するために、「どの要望を製品に入れないか」を決める仕事が常に発生します。面接では「顧客から出た要望を断った経験」を聞かれる可能性があります。ここで「顧客の要望にすべて応えてきた」と答えると、受託の思考のまま来た人だと受け取られます。要望を集めた話ではなく、優先順位をつけて削った話を用意してください。
年収・評価制度・福利厚生
有価証券報告書に記載された数字
第23期(2025年9月期)の提出会社の状況は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 82名 |
| 平均年齢 | 37.4歳 |
| 平均勤続年数 | 6.7年 |
| 平均年間給与 | 6,551千円 |
平均年間給与には賞与及び基準外賃金が含まれます。従業員数は就業人員で、他社への出向者を除いた数字です。
平均年齢37.4歳、平均勤続年数6.7年という組み合わせは、30歳前後で入社した層が中核にいることを示します。新卒中心の会社であれば平均勤続年数はもっと長くなります。中途入社が組織の中で一定の位置を占めていると読める構成です。
従業員数は5期連続で増えている
主要な経営指標等の推移を見ると、提出会社の従業員数は第19期72名、第20期74名、第21期77名、第22期80名、第23期82名と推移しています。急拡大ではないものの、着実に増えています。
売上高は第20期に1,387,388千円まで落ち込んだあと、第21期1,750,808千円、第22期2,091,026千円、第23期2,404,511千円と3期連続で伸びています。有価証券報告書は、2025年にSystem Answer G3の価格改定を実施し、物価高騰や人件費上昇など外部環境の変化に対応した収益構造の強化を図ったと記載しています。
社内環境の整備
有価証券報告書は社内環境整備として、在宅勤務制度、育児・介護休業制度、短時間勤務制度など柔軟な働き方を支える制度を整備していると記載しています。特別な事情を抱える従業員に対しては就業支援の一環として手当制度を設けているとされ、従業員のライフプラン支援として給与のベースアップも実施したと明記されています。
なお、常時雇用する労働者数の関係から、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異については、女性活躍推進法および育児・介護休業法の公表義務の対象企業ではないため記載を省略している、とされています。この3指標が開示されていない点は、他社と比較する際の前提として押さえておく必要があります。
エンゲージメントを指標に置いた社内環境
サステナビリティの重要課題に人材が入っている
有価証券報告書のサステナビリティに関する記載では、重要課題ごとに指標とリスクが整理されています。人材に関わるものは次の2つです。
| 重要課題 | 指標 | リスク |
|---|---|---|
| 社内環境整備の充実 | 施策対応件数 | 人材流出、採用難 |
| 従業員エンゲージメント向上 | エンゲージメントスコア | モチベーション低下、マネジメント力低下 |
対策としては、経営・従業員視点及び他社事例を踏まえた施策立案・実行、エンゲージメント診断結果とES委員会による施策支援・実行が挙げられています。2025年9月期はペーパーレス化の推進、子育て支援、従業員エンゲージメント向上を重点テーマとして取り組んだとされています。
エンゲージメントスコアを指標として設定し、ES委員会という体制まで置いている点は、82名という規模の会社としては踏み込んだ運用です。
連結子会社がなくなった意味
第22期に連結子会社であった株式会社サンデーアーツの事業譲渡に伴い、連結財務諸表における同社の重要性が乏しくなったことから連結の範囲から除外され、連結対象子会社が存在しなくなったため、第23期より連結財務諸表を作成していないと注記されています。
過去には子会社を持っていた時期もありました。2012年にシンガポール法人を子会社化(2024年10月に清算)、2016年にiBeed株式会社を設立・完全子会社化(2018年にiChain株式会社へ商号変更、2020年に全株式譲渡)といった経緯が沿革に記載されています。事業の広げ方を試したうえで、本業に絞り込んできた会社だと読めます。
単一セグメントの会社でキャリアをどう積むか
82名という規模では、役割の境界が大企業ほど明確には引かれません。開発、サポート、営業のいずれの職種でも、隣接する領域に関わる場面が出てきます。
事業が単一セグメントである点も特徴です。有価証券報告書は、当社の事業セグメントがソフトウェア・サービス関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載は行っていないと記しています。事業の分散がないぶん、製品の競争力がそのまま組織の状況に反映される構造です。
関連会社としてNSD-DXテクノロジー株式会社(議決権所有割合16.2%、AI・IoT等先端技術活用の研究開発及び実証実験支援)が挙げられており、役員の派遣を行っているとされています。
向いている人/向いていない人
向いている人
自社製品に長く関わりたい方
System Answer シリーズは2008年12月の初代リリース以来、機能拡張を重ねてきた製品です。一つのプロダクトを育てる働き方を望む方には合います。
関わる範囲の広さを求める方
従業員82名という規模では、担当領域の境界が緩やかになります。開発だけ、営業だけという区切りを望まない方に向きます。
財務が安定した会社を選びたい方
第23期の自己資本比率は60.8%、経常利益率は23.9%です。規模は大きくありませんが、収益構造は安定しています。
向いていない人
大規模組織のリソースを前提に働きたい方
82名の会社では、専門部署が担ってくれる範囲が限られます。自分で調べて自分で決める場面が増えます。
幅広い技術領域を横断したい方
単一セグメントの会社です。IT運用監視という領域の外に出る機会は、事業の性格上多くありません。
エージェントベストの見解
この会社を検討する方は、大手SIerと自社プロダクトベンダーを並行して見ているケースが多く見られます。判断が割れるのは、報酬の額ではなく「5年後に何ができるようになっているか」の見立てです。大手SIerでは、大規模案件のマネジメント経験と、社内外の関係者を動かす力が積み上がります。自社プロダクトの会社では、製品の仕様を決めた経験と、市場からのフィードバックを設計に反映した経験が積み上がります。**後者は転職市場で説明しやすい一方、扱える製品領域が限定されます。**アイビーシーの場合、IT運用監視という領域に事業が集中しています。この領域の知見を深めることが自分のキャリアの方向と一致しているかを、応募前に整理しておくことをお勧めします。一致していれば、82名という規模はむしろ関与の深さという利点に変わります。
選考に向けた準備
選考フローの概要
公開されている情報の範囲では、書類選考のうえで面接に進む流れが一般的とされています。技術職では経験を確認する面談が加わる場合があります。回数や内容は職種と時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜIT運用監視なのか」では、この領域の価値をどう捉えているかが問われます。有価証券報告書はミッションとして「IT障害をゼロにする」、ビジョンとして「信頼と技術で、社会と共に成長する」を掲げていると記載しています。障害が起きてから対応する仕事ではなく、予兆を捉える仕事だという位置づけです。この違いを言葉にできるかどうかが分かれ目になります。
「なぜこの会社か」では、公開資料から読み取れる特徴に触れます。従業員82名という規模、単一セグメントであること、3つの販売チャネルの使い分け、2025年のSystem Answer G3価格改定、2025年10月提供開始のITOGUCHI。こうした事実にもとづく志望理由は、製品名を並べただけの志望動機とは伝わり方が違います。
職務経歴書で見られるポイント
インフラ運用の経験がある場合は、監視の対象と規模を具体的に書きます。何台の機器を、どんな指標で、どのツールで見ていたのか。ツール名だけでなく、どの指標をなぜ選んだかまで書けると読み手に伝わります。
障害対応の経験は、復旧までの時間ではなく再発防止のために何を変えたかを書きます。この会社の製品が予兆の検知を扱っている以上、事後対応より予防の発想が評価されやすいと考えられます。
まとめ
アイビーシーは、IT運用監視ソフトウェア「System Answer シリーズ」を自社開発・販売する会社です。東京証券取引所スタンダード市場に上場し、本社は東京都中央区新川、決算期は9月です。
第23期(2025年9月期)の売上高は24億400万円、経常利益は5億7,465万円で、経常利益率は23.9%です。自己資本比率は60.8%です。第22期のサンデーアーツ事業譲渡により連結対象子会社が存在しなくなったため、第23期からは連結財務諸表を作成していません。
提出会社の従業員数は82名、平均年間給与655万1千円、平均年齢37.4歳、平均勤続年数6.7年です。従業員1人あたりの売上高はおよそ2,932万円にあたり、受託開発型の会社とは事業構造が異なります。
在宅勤務制度、育児・介護休業制度、短時間勤務制度が整備され、給与のベースアップも実施したと記載されています。エンゲージメントスコアを指標として設定し、ES委員会による施策支援を行っているとされます。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書(第23期・2025年9月期)によると、提出会社の平均年間給与は6,551千円(655万1千円)です。従業員数82名、平均年齢37.4歳、平均勤続年数6.7年を対象とした数字で、賞与及び基準外賃金を含みます。有価証券報告書には従業員のライフプラン支援として給与のベースアップを実施したとの記載もあります。実際の提示額は募集要項でご確認ください。
Q. 未経験からでも応募できますか。
A. 公開されている情報の範囲では、募集職種ごとに求める経験が異なるとされています。自社製品を開発・販売する会社であり、単一セグメントで事業を展開しているため、IT運用やインフラ領域の経験があると入社後の立ち上がりが早いと考えられます。募集要件は公式の募集要項でご確認ください。
Q. 働き方はどのような環境ですか。
A. 有価証券報告書によると、在宅勤務制度、育児・介護休業制度、短時間勤務制度など柔軟な働き方を支える制度が整備されています。特別な事情を抱える従業員への手当制度も設けられているとされます。一方で、24時間365日の有人監視体制によるサービス(SAMS)を提供しているため、担当領域によって働き方は変わります。配属予定の部門の実態は選考の場で確認することをお勧めします。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。