アイサンテクノロジーの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント
職位別の平均年収が開示されている
アイサンテクノロジーの有価証券報告書には、職位別の平均年間給与が記載されています。これは開示例の多くない項目です。
職位別平均年間給与(単体)
| 職位 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|
| 管理職 | 9,017千円 | 9,444千円 | 4.7% |
| 非管理職 | 5,498千円 | 6,005千円 | 9.2% |
全体の平均は6,894千円
提出会社の平均年間給与は6,894千円、対前事業年度増減率6.6%。この数字の内訳が、上の表で分かります。
管理職と非管理職の差は3,439千円
9,444千円と6,005千円。約1.57倍です。
伸び率は非管理職のほうが高い
管理職4.7%に対し、非管理職9.2%。差が縮まる方向に動いています。
なぜこの開示が有用か
平均年間給与だけを見ると、自分がどの水準に当てはまるか分かりません。 職位別に分かれていれば、応募するポジションに近い数字が読めます。
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。
有価証券報告書が示す、会社の輪郭
提出会社の従業員の状況(2026年3月31日現在)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 162人(4) |
| 平均年齢 | 41.0歳 |
| 平均勤続年数 | 12.5年 |
| 平均年間給与 | 6,894千円 |
| 平均年間給与の対前事業年度増減率 | 6.6% |
( )内は臨時雇用者数(嘱託社員、パートタイマー)の年間平均人員(外数)です。
セグメント別の従業員数
| セグメント | 連結 | 提出会社 |
|---|---|---|
| 公共 | 101人(10) | 82人(3) |
| モビリティ・DX | 74人(1) | 58人(0) |
| その他 | — | — |
| 全社(共通) | 22人(1) | 22人(1) |
| 合計 | 197人(12) | 162人(4) |
「その他」が「—」
セグメントの区分は残っていますが、人員は配置されていません。
平均入社年齢28.5歳
平均年齢41.0歳と平均勤続12.5年から計算されます。新卒と中途の両方がいる構成が推測されます。
労働組合
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております としています。
毎月25,000円のインフレ手当
有価証券報告書には、賃金の構成が表として記載されています。
| 賃金構成要素 | 目的・金額の設定方法 |
|---|---|
| 基本給(固定賃金・月額) | 労働の対価としての基礎的な賃金 |
| 業績給(変動賃金・月額) | 業績や従業員ごとの評価に応じて支給される賃金 |
| 各種手当(固定賃金・月額) | 役職手当ならびに各種手当(住宅手当など) |
| 賞与(変動賃金) | 業績目標の達成に応じて支給額が変動する賃金 |
月額賃金に変動部分がある
多くの会社では、月々の給与は固定で、変動は賞与に集約されます。同社は月額賃金にも「業績給」という変動部分があります。
インフレ手当
2023年4月より、物価上昇等の生活コスト増加への負担を軽減すべく、契約社員を除く全従業員に対し、毎月25,000円のインフレ手当を支給しております。インフレ手当は経済情勢を分析し、毎年支給継続を判断しております。
年額にすると30万円
25,000円×12か月。**平均年間給与6,894千円の約4.4%**にあたります。
「毎年支給継続を判断」という但し書き
恒久的な制度ではないことが明記されています。年収の見通しを立てるうえで、この点は押さえる価値があります。
契約社員は対象外
雇用区分によって扱いが違います。 応募する区分がどちらかで、条件が変わります。
賃金水準の決め方
同報告書は、外部調査機関の賃金調査データを用いて客観的な比較検証を行い、方針および賃金水準を決定しているとしています。
賞与の決め方
半期ごとの業績向上に対する意識を高めるため予め定めた業績指標の達成率を反映し、平均支給月数を算定し、従業員個々の目標の達成に応じた評価を行い(後略)
測量から自動運転へ、という技術の広がり
有価証券報告書の人材育成の方針には、習得を促進する専門スキルが具体的に挙げられています。
測量技術、開発言語、品質管理、三次元計測、生成AI活用、自動運転車両運用など、事業に必要な専門スキルの習得を促進し、事業成長を支える人材基盤を強化します。
6つのスキルの幅
測量という伝統的な技術から、生成AIの活用、自動運転車両の運用まで。技術の性格が大きく異なるものが並んでいます。
セグメントと重ねて読む
公共101人、モビリティ・DX 74人。前者が測量に近く、後者が自動運転に近い領域と考えられます。
育成の仕組み
新入社員研修、OJT、メンター制度、キャリアアップ研修、職種別専門研修、eラーニング等を通じて、従業員の能力開発とキャリア形成を継続的に支援します。
働き方の制度
フレックスタイム制、テレワーク制度、完全週休二日制、各種休暇制度、育児・介護支援制度等の充実により、安心して長く働ける環境整備を進めます。
「あいち女性輝きカンパニー」認証
同報告書は、この認証のもとで女性が活躍できる組織づくりを進めるとしています。愛知県の認証制度です。
転職の観点
どちらのセグメントに配属されるかで、身につく技術が変わります。 測量の領域と自動運転の領域では、次のキャリアの選択肢も違います。詳しくはメーカーIT部門のキャリアパスで、技術領域による違いを整理しています。
2期分の指標が示す変化
有価証券報告書には、前事業年度と当事業年度の指標が並べて記載されています。
| 指標 | 前事業年度 | 当事業年度 |
|---|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 10.8% | 9.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% | 0.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.3% | 75.3% |
| 男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 79.6% | 80.0% |
| 男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 84.1% | — |
男性育児休業取得率が50.0%から0.0%へ
大きな変化です。 ただし、この指標は「配偶者が出産した労働者数」を分母に算出されます。
母数が小さいと数値が大きく動く
提出会社は162人です。対象者が数名であれば、1人の取得の有無で0%にも100%にもなります。
賃金差異は改善
全労働者74.3%→75.3%、正規雇用労働者79.6%→80.0%。わずかですが差は縮まっています。
管理職女性比率は低下
10.8%→9.8%。1.0ポイントの低下です。こちらも母数が小さいため、数名の異動で動きます。
転職の観点
小規模な会社の指標は、単年で判断しないほうが実態に近づきます。 2期分が並んでいることで、この読み方ができます。
エージェントベストの見解
職位別の平均年間給与を開示している会社は、有価証券報告書のなかでもごく一部です。アイサンテクノロジーは管理職9,444千円、非管理職6,005千円と分けて記載しています。全体の平均6,894千円だけを見ていると、自分がどの水準に当てはまるか分かりません。応募するポジションが非管理職であれば、参照すべきは6,005千円のほうです。さらに有用なのは、前期からの伸び率が管理職4.7%、非管理職9.2%と分かれている点です。非管理職の伸びが大きい。処遇改善が下の層に厚く配分されていると読めます。中途で入る方にとって、これは入社時の水準に関わります。面接では「非管理職の等級構成と、それぞれのレンジを教えてください」と聞いてください。職位別の数字を出している会社であれば、この質問は自然に受け止められます。
選考で確認しておきたいこと
- 配属されるセグメント(公共か、モビリティ・DXか)
- 雇用区分(正社員か、契約社員か)
- 想定される職位と、その等級のレンジ
- 業績給の割合と、その変動幅
- インフレ手当の継続見通し
- 習得を求められる専門スキル
1つ目は、身につく技術が変わるためです。測量に近い領域と、自動運転に近い領域では、次のキャリアの選択肢が違います。
2つ目は、インフレ手当が契約社員を除く全従業員を対象としているためです。
4つ目は、月額賃金に業績給という変動部分があることを踏まえた確認です。提示された月額のうち、いくらが固定かを確認する価値があります。
5つ目は、有価証券報告書に 毎年支給継続を判断 と明記されているためです。
近い規模の会社はアイエックス・ナレッジの評判・年収・選考対策、年収の構造はSIerの年収相場もあわせてご覧ください。
エージェントベストの見解
毎月25,000円のインフレ手当という開示は、年収の見通しを立てるうえで扱いに注意が要ります。年額にすると30万円、平均年間給与6,894千円の約4.4%にあたります。金額としては小さくありません。しかし有価証券報告書には「インフレ手当は経済情勢を分析し、毎年支給継続を判断しております」と明記されています。恒久的な制度ではないということです。提示された年収にこの手当が含まれている場合、翌年に同じ額とは限りません。これは会社が不誠実だという話ではなく、むしろ条件を明示している点は誠実だと考えます。応募する側がすべきは、提示額の内訳を確認することです。基本給がいくらで、業績給がいくらで、手当がいくらか。同社は月額賃金にも業績給という変動部分があります。固定部分がいくらかを把握しておくと、生活の設計が立てやすくなります。
まとめ
アイサンテクノロジーについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。
- 提出会社は従業員162人(臨時4)、平均年齢41.0歳、平均勤続12.5年、平均年間給与6,894千円(+6.6%)
- 職位別の平均年間給与は管理職9,444千円(+4.7%)、非管理職6,005千円(+9.2%)
- 連結は197人(臨時12)。公共101人、モビリティ・DX 74人、全社22人。「その他」は人員なし
- 賃金は基本給・業績給・各種手当・賞与で構成。月額賃金にも変動部分がある
- 2023年4月より契約社員を除く全従業員に毎月25,000円のインフレ手当。毎年継続を判断
- 賃金水準は外部調査機関の賃金調査データで客観的に比較検証
- 管理職女性は10.8%→9.8%、男性育休取得率は50.0%→0.0%、賃金差異は74.3%→75.3%
- 「あいち女性輝きカンパニー」認証。労働組合は結成されていない
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年間給与6,894千円は、自分にも当てはまりますか。
A. これは提出会社162人の平均です。有価証券報告書には職位別も記載されており、管理職9,444千円、非管理職6,005千円です。応募するポジションに近いほうを参照してください。
Q. インフレ手当は今後も続きますか。
A. 有価証券報告書には、経済情勢を分析し毎年支給継続を判断すると明記されています。恒久的な制度ではありません。契約社員は対象外です。
Q. 男性育児休業取得率0.0%は、取得しにくいということですか。
A. 提出会社162人という母数の小ささを踏まえる必要があります。前事業年度は50.0%でした。この指標は配偶者が出産した労働者数を分母とするため、対象者が数名なら1人の取得の有無で大きく動きます。
Q. 公共とモビリティ・DXでは、何が違いますか。
A. 有価証券報告書からは業務内容までは読み取れません。ただし人材育成の方針には、測量技術から自動運転車両運用まで幅のある専門スキルが挙げられており、領域によって求められる技術が異なると考えられます。
- アイサンテクノロジー株式会社 有価証券報告書 第56期(2026年3月期)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)/プログラマー
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)/システムエンジニア(組込み、IoT)
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。