あいおいニッセイ同和損害保険の評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

あいおいニッセイ同和損害保険 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

あいおいニッセイ同和損害保険について、第16期(2026年3月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。同社は非上場ですが、有価証券報告書を提出しています。

提出会社の従業員の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数12,515人[2,074]
平均年齢44.6歳
平均勤続年数16.4年
平均年間給与7,580,511円
平均年間給与の対前事業年度増減率5.8%

[ ]内は臨時従業員数の年間平均人員(外数)。パートタイマーを含み、派遣社員を除くと注記されています。執行役員及び休職者は含まれていません。

連結会社の状況(同日現在)

セグメント従業員数
国内損害保険事業12,515人[2,074]
海外事業1,599人[19]
その他1,093人[286]
合計15,207人[2,379]

提出会社の従業員はすべて国内損害保険事業

注記に明記されています。海外事業とその他の2,692人は、連結子会社に所属しています。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

労働組合が4つある

有価証券報告書には、労働組合が名称と組合員数まで記載されています。

名称組合員数
あいおいニッセイ同和損害保険労働組合12,243人
全日本損害保険労働組合あいおいニッセイ同和支部6人
全日本損害保険労働組合あいおい外勤支部61人
あいおいニッセイ同和損害保険営業職員労働組合119人

いずれも労使間に特記事項はないと記載されています。

最大の組合は12,243人

提出会社12,515人に対し、**約98%**にあたります。

4つに分かれている理由

有価証券報告書に説明はありません。ただし、外勤・営業職員という区分の組合が別に存在することから、雇用区分ごとに組織されていると考えられます。

転職の観点

労働条件が交渉を経て制度として定まる環境です。組合がない会社では、会社が定める制度に依ります。

区分によって所属する組合が違う可能性

営業職員の組合が別にあるということは、雇用区分によって労働条件の体系が分かれていることを示唆します。

確認したいこと

「募集しているポジションは、どの社員区分にあたりますか」。この質問が、条件を理解する出発点になります。

男女の賃金差異が、役職別・年代別に分解されている

同社の有価証券報告書は、賃金差異を3つの切り口で分解しています。これは開示例の多くない水準です。

全体の数値

会社全労働者正規雇用労働者パート・有期労働者
あいおいニッセイ同和損害保険62.6%65.6%68.5%
あいおいニッセイ同和インシュアランスサービス55.3%59.8%41.8%

基幹社員(転居転勤可)の役職別

役職部長次長課長課長補佐主任担当
差異94.1%98.5%99.8%96.8%93.5%95.6%

正規雇用労働者の年代別

年代20代30代40代50代
差異92.4%66.8%58.7%62.4%

全体62.6%、役職別は93.5〜99.8%

同じ役職・同じ社員区分で比べると、差はほとんどありません。 会社自身も 給与基準上は男女の賃金差異はありません と記載しています。

では、なぜ全体では62.6%になるのか

同報告書は要因を2つ挙げています。

「管理職に占める女性の割合が低いこと」及び「転居転勤を前提に賃金水準を相対的に高く設定している社員区分に占める男性の割合が高いこと」

年代別が示すもの

20代92.4%に対し、40代58.7%。年齢が上がるほど差が開きます。 昇進の速度や社員区分の選択が、年数を経て積み上がると読めます。

改善の取り組みも記載されている

2023年10月に従来の**『全域型』『地域型』の社員区分を統合し、キャリアビジョンやライフイベント等に応じた転居転勤の可否選択の柔軟性を高める制度改定**を実施し、2024年4月より運用を開始しており、差異は縮小傾向にあります。

推移

年度2023年度2024年度2025年度
全労働者55.2%58.6%62.6%
うち正規雇用労働者58.6%62.0%65.6%

3年で7.4ポイント縮小

方向がはっきり読み取れます。

女性管理職25.2%と、男性育休106.3%

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(2026年4月1日現在)

会社割合
あいおいニッセイ同和損害保険25.2%
あいおいニッセイ同和インシュアランスサービス16.3%

管理職は課長職以上、部長職(執行役員を含まず理事を含む)までと定義されています。

目標を達成している

同報告書は、女性管理職比率の引上げ(目標:2025年度末24%、2026年4月1日時点25.2%と達成) と記載しています。

男性労働者の育児休業取得率

年度2023年度2024年度2025年度
取得率97.3%100.0%106.3%

100を超える理由

この指標は「育児休業を取得した者の人数」÷「配偶者が出産した者の人数」で算出されます。年度をまたいで取得すると、分子が分母を上回ります。

KPIが明記されている

2022年度より、男性労働者育児休業に関するKPI「取得率100%、育児休業取得日数暦日28日」を目指して、取得促進に取り組んでおり(後略)

日数まで目標にしている

取得率だけでなく、28日という期間が目標に含まれています。取得率だけを追うと、1日だけの取得でも数値は上がります。

取り組みの中身

同報告書は、育児休業の意義を理解する研修、上司への働きかけ、社内ポータルと手続きマニュアルの刷新に加え、**休業者が所属する職場の業務を障がい者雇用社員がサポートする制度「みなチャレ」**を挙げています。

エージェントベストの見解

男女の賃金差異を役職別・年代別まで分解して開示している会社は、有価証券報告書のなかでもごく一部です。あいおいニッセイ同和損害保険の全労働者の差異は62.6%。この数字だけを見れば大きな差に見えます。しかし基幹社員(転居転勤可)の役職別で見ると93.5〜99.8%で、同じ役職ならほとんど差がありません。では何が全体の差を生んでいるのか。会社自身が、管理職に占める女性の割合が低いことと、転居転勤を前提に賃金水準を高く設定している社員区分に男性が多いことを挙げています。ここまで説明されていると、応募する側の質問が変わります。「私が応募するのはどの社員区分ですか」「その区分は転居転勤の可否をどう選べますか」。2023年10月に社員区分を統合したという記載もあります。制度が変わった直後は、運用の実態を聞く価値がとくに高くなります。

選考で確認しておきたいこと

  1. 募集ポジションの社員区分(基幹社員か、その他の区分か)
  2. 転居転勤の可否選択の運用実態
  3. 雇用契約の相手方(提出会社か、連結子会社か)
  4. 配属される領域(国内損害保険か、それ以外か)
  5. 等級の上がり方と、中途入社時の格付け
  6. 所属することになる労働組合

1つ目と2つ目が、この会社では最も条件を左右します。転居転勤を前提とする区分は、賃金水準が相対的に高く設定されていると有価証券報告書に明記されています。

3つ目は、連結15,207人に対し提出会社12,515人であることを踏まえた確認です。差の2,692人は海外事業とその他に属します。

4つ目については、提出会社の従業員はすべて国内損害保険事業に属すると注記されています。

年収の構造は金融ITの年収相場、キャリアの筋道は金融ITのキャリアパスもあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

男性育児休業の目標に「取得日数暦日28日」という期間が含まれている点に注目してください。取得率だけをKPIにすると、1日だけの取得でも数値は上がります。実際、取得率が高いのに実質的な休業が短い、という状況は起こり得ます。同社は2022年度から「取得率100%、育児休業取得日数暦日28日」の両方を目標に掲げ、取得率は97.3%→100.0%→106.3%と推移しています。さらに、休業者の職場の業務を障がい者雇用社員がサポートする「みなチャレ」という制度まで記載されています。取得を促すだけでなく、抜けた穴をどう埋めるかまで設計されている。育児休業の取得を想定している方には、この構造が実務的な情報になります。面接では「取得日数の平均は何日ですか」と聞いてください。率ではなく日数を聞くと、実態がつかめます。

まとめ

あいおいニッセイ同和損害保険について、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 非上場なのに有価証券報告書があるのはなぜですか。

A. 有価証券報告書の提出義務は上場の有無だけで決まるものではありません。同社は第16期の有価証券報告書をEDINETに提出しており、従業員数や賃金に関する開示を確認できます。

Q. 平均年間給与7,580,511円は、どの範囲の平均ですか。

A. 提出会社12,515人の平均です。連結15,207人の平均ではありません。執行役員と休職者は含まれず、臨時従業員2,074人も外数です。

Q. 男女の賃金差異62.6%は大きくないですか。

A. 全労働者の数値です。同じ有価証券報告書に、基幹社員(転居転勤可)の役職別差異が93.5〜99.8%と記載されています。会社は要因を、管理職に占める女性の割合と社員区分の構成によるものと説明しています。

Q. 男性育児休業取得率が106.3%というのは誤りですか。

A. 誤りではありません。育児休業を取得した者の人数を、配偶者が出産した者の人数で割って算出するため、年度をまたいで取得すると100を超えます。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)