ファーストリテイリングの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ファーストリテイリングの有価証券報告書 第64期(2025年8月期)を見ると、提出会社の平均年間給与は12,506千円です。ただしこれは従業員1,572人についての数値で、連結従業員数は59,522人です。全体の約2.6%にあたります。売上収益は3,400,539百万円、うち海外ユニクロ事業が1,910,289百万円を占めます。この記事では、その構造を有報から整理します。
5期で売上収益が1.59倍、営業利益は2.27倍
| 回次 | 決算年月 | 売上収益 | 営業利益 | 当期利益(親会社の所有者に帰属) | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第60期 | 2021年8月 | 2,132,992百万円 | 249,011百万円 | 169,847百万円 | 44.5% | 55,589人 |
| 第61期 | 2022年8月 | 2,301,122百万円 | 297,325百万円 | 273,335百万円 | 49.1% | 57,576人 |
| 第62期 | 2023年8月 | 2,766,557百万円 | 381,090百万円 | 296,229百万円 | 55.1% | 59,871人 |
| 第63期 | 2024年8月 | 3,103,836百万円 | 500,904百万円 | 371,999百万円 | 56.2% | 60,454人 |
| 第64期 | 2025年8月 | 3,400,539百万円 | 564,265百万円 | 433,009百万円 | 58.9% | 59,522人 |
国際会計基準(IFRS会計基準)にもとづく数値です。従業員数の外数である平均臨時雇用者数は、第64期が50,468人です。
第60期から第64期で売上収益は約1.59倍、営業利益は約2.27倍になりました。親会社所有者帰属持分比率は44.5%から58.9%へ上がっています。親会社所有者帰属持分当期利益率は20.2%です。
一方で従業員数は第63期の60,454人から第64期の59,522人へ932人減っています。平均臨時雇用者数も52,145人から50,468人へ1,677人減りました。同じ期間に売上収益は約9.6%増えています。人を増やさずに売上を伸ばした期だった、と読めます。
平均年間給与12,506千円は連結59,522人のうち1,572人の数値
有価証券報告書の従業員の状況は、セグメント別に分かれています。2025年8月31日現在の数値です。
| セグメント | 従業員数 | 平均臨時雇用者数(外数) |
|---|---|---|
| 海外ユニクロ事業 | 36,161人 | 18,396人 |
| 国内ユニクロ事業 | 12,116人 | 19,354人 |
| ジーユー事業 | 5,513人 | 12,230人 |
| グローバルブランド事業 | 2,922人 | 418人 |
| その他 | 1,238人 | 55人 |
| 全社(共通) | 1,572人 | 15人 |
| 合計 | 59,522人 | 50,468人 |
従業員数は執行役員、準社員及びアルバイト社員を除く就業人員です。準社員及びアルバイト社員は外数として記載されています。
提出会社である株式会社ファーストリテイリングの従業員数は1,572人で、有報には「当社の従業員はすべて全社(共通)に属しております」と注記されています。平均年齢38歳5ヶ月、平均勤続年数5年9ヶ月、平均年間給与12,506千円です。賞与及び基準外賃金を含みます。
つまり平均年間給与12,506千円は、連結59,522人の平均ではありません。持株会社に所属する1,572人、全体の約2.6%についての数値です。店舗を運営する株式会社ユニクロや株式会社ジーユーは別法人で、有報にこれらの会社の平均年間給与の記載はありません。
平均年齢38歳5ヶ月から平均勤続年数5年9ヶ月を差し引くと、入社時の年齢は約32歳8ヶ月になります。中途入社が相当数を占めている構造がうかがえます。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は12,506千円、従業員1,572人、平均年齢38歳5ヶ月、平均勤続年数5年9ヶ月です。平均勤続年数の算定にあたり、子会社からの転籍者について当該子会社での勤続年数は含めていない、と注記されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。男性の育児休業等取得率は、提出会社75.0%、株式会社ユニクロ69.4%、株式会社ジーユー76.2%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
管理職に占める女性労働者の割合は、提出会社21.6%、株式会社ユニクロ33.6%、株式会社ジーユー30.3%、株式会社リンク・セオリー・ジャパン58.5%です。有報の注記によれば、管理職には営業部のブロックリーダー、エリアマネージャー、一定グレード以上の店長、本部の執行役員(取締役除く)、部長、リーダーが含まれます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有報には、提出会社に労働組合はないが連結子会社の一部に労働組合が結成されていること、労使関係は円満に推移しており特記すべき事項はないことが記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与12,506千円は、そのまま受け取ると判断を誤ります。この数値は持株会社である株式会社ファーストリテイリングの従業員1,572人についてのもので、連結59,522人の約2.6%にすぎません。店舗を運営する株式会社ユニクロや株式会社ジーユーは別法人であり、有報にこれらの会社の平均年間給与の記載はありません。応募先の法人がどこかによって、参照すべき数字が変わります。もう1つ見ておきたいのは、提出会社の平均年齢38歳5ヶ月・平均勤続年数5年9ヶ月という組み合わせです。差し引くと入社時の年齢は約32歳8ヶ月になります。新卒で入って長く在籍した人が平均を作っている会社とは、成り立ちが違います。中途で入る方にとっては、この点はむしろ前向きな材料です。確認すべきは、募集ポジションの法人名、等級、そして評価が何に紐づくのかの3点です。
海外ユニクロが売上の56%、中国だけが減っている
第64期のセグメント別の数値です。
| セグメント | 売上収益 | 営業利益 | 前期の売上収益 | 前期の営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| 海外ユニクロ事業 | 1,910,289百万円 | 309,319百万円 | 1,711,833百万円 | 283,412百万円 |
| 国内ユニクロ事業 | 1,026,096百万円 | 184,451百万円 | 932,227百万円 | 155,805百万円 |
| ジーユー事業 | 330,701百万円 | 30,506百万円 | 319,162百万円 | 33,701百万円 |
| グローバルブランド事業 | 131,542百万円 | △950百万円 | 138,837百万円 | 671百万円 |
| 連結合計 | 3,400,539百万円 | 564,265百万円 | 3,103,836百万円 | 500,904百万円 |
営業利益には調整額40,684百万円が含まれるため、報告セグメントの合計とは一致しません。
海外ユニクロ事業が売上収益の約56.2%、国内ユニクロ事業が約30.2%、ジーユー事業が約9.7%、グローバルブランド事業が約3.9%です。
営業利益率を計算すると、国内ユニクロ事業が約18.0%、海外ユニクロ事業が約16.2%、ジーユー事業が約9.2%となります。国内ユニクロ事業の利益率が最も高い水準にあります。グローバルブランド事業は前期の671百万円の営業利益から950百万円の営業損失に転じ、減損損失も2,308百万円計上されています。
地域別の外部顧客への売上収益を見ると、別の動きが見えます。
| 地域 | 第64期 | 第63期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| その他海外 | 1,521,325百万円 | 1,294,533百万円 | +17.5% |
| 日本 | 1,366,172百万円 | 1,266,479百万円 | +7.9% |
| 中国 | 513,040百万円 | 542,823百万円 | △5.5% |
| 合計 | 3,400,539百万円 | 3,103,836百万円 | +9.6% |
中国だけが前期を下回っています。一方でその他海外は約17.5%増えました。
非流動資産の配分も動いています。日本390,366百万円から378,546百万円へ減り、米国は108,319百万円から200,193百万円へ約1.85倍になりました。投資の重心が動いていることが、資産の置き場所に表れています。
グループの法人構成と、応募先がどこになるか
有価証券報告書には、報告セグメントと会社の対応関係が記載されています。
| 会社名 | 報告セグメント |
|---|---|
| 株式会社ファーストリテイリング(当社) | その他 |
| 株式会社ユニクロ | 国内ユニクロ事業 |
| 株式会社ジーユー | ジーユー事業 |
| 迅銷(中国)商貿有限公司ほか | 海外ユニクロ事業 |
| 株式会社リンク・セオリー・ジャパン、株式会社プラステ、Theory LLC | グローバルブランド事業 |
株式会社ユニクロは山口県山口市に所在し、資本金1,000,000千円、議決権の所有割合は100.0%と記載されています。海外ユニクロ事業には、韓国のFRL Korea Co., Ltd.(議決権の所有割合51.0%)、タイのUNIQLO (THAILAND) COMPANY LIMITED(同75.0%)のように、完全子会社ではない法人も含まれます。
セグメント別の従業員数を見ると、海外ユニクロ事業が36,161人で最多です。連結59,522人の約60.8%が海外ユニクロ事業に属しています。国内ユニクロ事業は12,116人ですが、平均臨時雇用者数19,354人が外数として記載されており、こちらは臨時雇用者のほうが多い構成になっています。
同じグループの中でも、所属する法人とセグメントによって仕事の前提が変わります。応募の際は、求人がどの法人のものかを確認してください。
向いている人/向いていない人
向いている人
海外市場を主戦場にしたい方
海外ユニクロ事業は売上収益1,910,289百万円で全体の約56.2%、従業員36,161人で連結の約60.8%を占めます。
中途入社が前提の環境で経験を活かしたい方
提出会社の平均年齢は38歳5ヶ月、平均勤続年数は5年9ヶ月です。
利益率の維持と成長を同時に求められる環境に向く方
第64期は従業員数を932人減らしながら売上収益を約9.6%伸ばしています。
向いていない人
単一ブランドの事業に集中したい方
グループには国内ユニクロ、海外ユニクロ、ジーユー、グローバルブランドの4事業があり、法人も分かれています。
在籍年数に応じた処遇の積み上げを重視する方
提出会社の平均勤続年数は5年9ヶ月です。長期在籍を前提とした人員構成にはなっていません。
エージェントベストの見解
この会社を受ける方は、同じ小売の大手と並行して検討しているケースが多く見られます。判断が割れるのは「海外比率をどう評価するか」の一点です。ファーストリテイリングは売上収益3,400,539百万円のうち海外ユニクロ事業が1,910,289百万円、連結従業員59,522人のうち36,161人が海外ユニクロ事業に属します。国内の店舗網を主戦場とする小売各社とは、そもそも土俵が違います。ここを魅力と取るか、負荷と取るかで結論が変わります。比較の軸として提案しているのは、地域別の伸び方です。第64期は日本が約7.9%増、その他海外が約17.5%増だった一方、中国は約5.5%減りました。米国の非流動資産は108,319百万円から200,193百万円へ約1.85倍になっています。伸びている地域と資産を厚くしている地域を見れば、これから人が要る場所も見当がつきます。面接では「どの地域のどの機能に自分が入るか」まで踏み込んで話せると、志望度の伝わり方が変わります。募集の有無と勤務地は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
応募先の法人を確認してください。株式会社ファーストリテイリング(従業員1,572人)、株式会社ユニクロ、株式会社ジーユーは別法人です。有報に平均年間給与が記載されているのは提出会社のみです。
決算期は8月です。他社と業績を比較するときは対象期間がずれる点に注意してください。
セグメントを確認してください。国内ユニクロ、海外ユニクロ、ジーユー、グローバルブランドでは、規模も利益率も人員構成も違います。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜアパレル小売か」と「なぜファーストリテイリングか」の2段で組み立てます。
前者については、企画・生産・物流・店舗・ECのどこに関わりたいのかを具体化します。同じ会社の中でも、扱う数字がまったく違います。
後者の材料は有報にあります。5期で売上収益が約1.59倍、営業利益が約2.27倍になったこと。第64期に従業員を932人減らしながら売上収益を約9.6%伸ばしたこと。海外ユニクロ事業が売上の約56.2%を占めること。中国が約5.5%減った一方でその他海外が約17.5%増えたこと。米国の非流動資産が約1.85倍になったこと。棚卸資産が474,460百万円から510,958百万円へ増えていること。
「人を増やさずに伸ばした期だった」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
小売・アパレルの中途採用では、担当した単位と、その単位で動かした数値が読まれます。
店舗運営・エリアマネジメントの経験がある方は、担当店舗数と売上規模、人時生産性や在庫回転をどう動かしたかを書きます。
商品企画・MDの経験がある方は、担当カテゴリーの販売数量と、値下げ率や消化率をどう改善したかを書きます。棚卸資産510,958百万円という規模の会社では、この経験の価値が高くなります。
生産・調達の経験がある方は、担当した生産国と発注規模、リードタイムや品質不良率の改善幅を書きます。
EC・デジタルの経験がある方は、扱った流通総額と、転換率や再購入率をどう動かしたかを書きます。
海外拠点での勤務経験がある方は、赴任先と担当機能、現地で意思決定した内容を書きます。海外ユニクロ事業が売上の約56.2%を占める以上、この経験は読まれます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ファーストリテイリングは東証プライム市場に上場する持株会社で、有価証券報告書 第64期(2025年8月期)の売上収益は3,400,539百万円、営業利益564,265百万円、当期利益(親会社の所有者に帰属)433,009百万円、親会社所有者帰属持分比率58.9%、連結従業員数59,522人(平均臨時雇用者数50,468人は外数)です。セグメント別では海外ユニクロ事業1,910,289百万円(営業利益309,319百万円)、国内ユニクロ事業1,026,096百万円(同184,451百万円)、ジーユー事業330,701百万円(同30,506百万円)、グローバルブランド事業131,542百万円(同950百万円の営業損失)。地域別では日本1,366,172百万円、中国513,040百万円、その他海外1,521,325百万円で、中国のみ前期比約5.5%減です。提出会社の従業員数は1,572人(連結の約2.6%)、平均年齢38歳5ヶ月、平均勤続年数5年9ヶ月、平均年間給与12,506千円で、株式会社ユニクロや株式会社ジーユーの水準は有報に記載がありません。
よくある質問
Q. ファーストリテイリングの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第64期(2025年8月期)によると、提出会社の平均年間給与は12,506千円(従業員1,572人、平均年齢38歳5ヶ月、平均勤続年数5年9ヶ月)です。賞与及び基準外賃金を含みます。ただしこの数値は持株会社である株式会社ファーストリテイリングに所属する1,572人についてのもので、連結従業員数59,522人の約2.6%にあたります。店舗を運営する株式会社ユニクロや株式会社ジーユーは別法人で、有報にこれらの会社の平均年間給与の記載はありません。応募先の法人とポジションによって水準は変わるため、実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 海外で働く機会はありますか。
A. 有価証券報告書によると、海外ユニクロ事業の従業員数は36,161人(平均臨時雇用者数18,396人は外数)で、連結59,522人の約60.8%を占めます。売上収益も1,910,289百万円で全体の約56.2%です。関係会社には迅銷(中国)商貿有限公司、FRL Korea Co., Ltd.、UNIQLO (THAILAND) COMPANY LIMITED、UNIQLO EUROPE LTD、UNIQLO VIETNAM Co., Ltd.、UNIQLO INDIA PRIVATE LIMITEDなどが記載されています。ただし個々の職種で海外勤務がどの程度あるかは募集ポジションによるため、公式の採用ページでご確認ください。
Q. 業績はどのように推移していますか。
A. 第60期(2021年8月期)から第64期(2025年8月期)にかけて、売上収益は2,132,992百万円から3,400,539百万円へ約1.59倍、営業利益は249,011百万円から564,265百万円へ約2.27倍になりました。親会社所有者帰属持分比率は44.5%から58.9%へ上がり、親会社所有者帰属持分当期利益率は第64期で20.2%です。第64期は従業員数が60,454人から59,522人へ932人、平均臨時雇用者数が52,145人から50,468人へ1,677人減る一方、売上収益は約9.6%増えています。地域別では中国のみが前期比約5.5%減で、その他海外は約17.5%増でした。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。