フィックスターズの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書によると、株式会社フィックスターズのSolution事業は売上高9,171,343千円に対しセグメント利益3,236,011千円。利益率は約35.3%です。一方、SaaS事業は売上高446,343千円に対しセグメント損失424,065千円。同じ会社のなかに、稼ぐ事業と投資中の事業が並んでいます。スローガンは**「Speed up your AI」**。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要とソフトウェア高速化という専門
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社フィックスターズ |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード3687) |
| 決算期 | 9月 |
| 従業員数 | 連結334人/提出会社279人(2025年9月30日現在) |
| 報告セグメント | Solution事業/SaaS事業 |
有価証券報告書は、この会社の技術的な立ち位置を歴史から説明しています。
1990年代まで半導体業界及びコンピュータ業界においては、「デナード則」や「ムーアの法則」に従い、半導体微細化技術の進歩とともにクロック周波数向上等による高性能化を享受してきました。しかしながら、2000年代半ばには「デナード則」に終焉が訪れ、クロック周波数向上等による高性能化から、マルチコア化等による高性能化へとパラダイムシフトが起こりました。「Cell」はそうしたマルチコア時代を切り拓いたプロセッサであり、当社グループは「Cell」向けのソフトウェア開発を進めることで、マルチコア等の革新的なハードウェアの性能を最大限に引き出すソフトウェア技術を蓄積してきました。
そして現在の位置づけが続きます。
近年においては、「ムーアの法則」の限界がささやかれ、マルチコア化にとどまらないパラダイムシフトが起きようとしています。GPUやFPGAといったアクセラレータの実用化が進み、加えて、特定の処理に特化した専用チップや、量子コンピュータに代表される、従来型コンピュータアーキテクチャとは全く異なる仕組みを採用したコンピュータの研究開発、実用化が進んでいます。当社グループは、これら多種多様なハードウェアの性能を引き出す高度なソフトウェア技術を通じて、先進的な取り組みを行う研究機関、企業様に対し、ソフトウェア高速化やAI開発・活用に対する支援を行っております。
5つの注力分野
有価証券報告書は、注力する産業分野を5つ挙げています。共通するのは「大量データの高速処理が求められる」領域です。
| 分野 | 内容(有価証券報告書の記載から) |
|---|---|
| ①Semiconductor | モバイル機器やデータセンタ等で利用の進むNAND型フラッシュメモリを対象として、ファームウェア及びデバイスドライバの開発。次世代AIチップ向け開発環境基盤の研究開発や開発支援 |
| ②Mobility | 自動車の安全運転を支援する標識認識や歩行者検知警報といった車載機器向けソフトウェア高速化。自動運転の実現を企図した研究開発向けアルゴリズム開発や高速化支援。次世代パーソナルモビリティ関連 |
| ③Industrial | 製造分野の検査装置や自動化制御装置向けのソフトウェア開発。スマートファクトリーやIndustry4.0と呼ばれる製造工程の高度化に向けた開発支援、ハードウェアの提供 |
| ④Life Science | 医療画像診断装置における高精細画像のリアルタイム処理向け開発支援及びハードウェアの提供。ゲノム解析に利用されるシステムの高速化支援。AIを用いた画像診断支援システムの研究開発 |
| ⑤Finance | デリバティブやリスク評価に伴う大量の計算をより短時間・低コストで処理できるアプリケーションシステムやハードウェアの構築及び開発支援。HFTにおいては半導体内部のデータパスレベルでの最適化 |
2つのセグメントは次のとおりです。
| セグメント | 内容 | 売上高 | 前期比 | セグメント利益 |
|---|---|---|---|---|
| Solution事業 | 大量データの高速処理を可能とするソフトウェア開発・高速化サービス及び関連するハードウェア。コンサルティングから最終製品への組込み支援まで一貫したトータルソリューション | 9,171,343千円 | 19.4%増 | 3,236,011千円(31.7%増) |
| SaaS事業 | Solution事業で蓄積した知見が社会により広く活用されることを目指し、複数のサービスをSaaSとして提供 | 446,343千円 | 41.7%増 | △424,065千円(前期は△151,101千円) |
| その他 | CVC事業 | ― | ― | △233,743千円 |
SaaS事業の具体的なサービスも記載されています。量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援プログラム「METIS Eye」、AI開発・運用におけるパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」。
海外については「米国子会社の**Fixstars Solutions, Inc.**が日本のお客様の米国業務の一翼を担う一方、研究機関等を対象とした高速化案件の拡大に取り組んでおります」と記載されています。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第24期・2025年9月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,908千円、平均年齢36.1歳、平均勤続年数6.0年です。賞与および基準外賃金を含んだ数字です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
有価証券報告書には、当社グループに労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨が記載されています。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は70.0%です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
注力分野はSemiconductor、Mobility、Industrial、Life Science、Financeの5つ。報告セグメントはSolution事業とSaaS事業ですが、「全社を横断して開発及び研究開発を行っており、従業員数を明確に区分できない」旨が記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の平均年齢は36.1歳、平均勤続年数は6.0年。連結従業員数が前年比で14名増加した理由は「事業拡大のため人員採用を積極的に行ったため」と記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
「全社を横断して開発及び研究開発を行っており、従業員数を明確に区分できないため一括して記載しております」。この注記は、働き方をそのまま示しています。多くの会社はセグメント別に従業員数を出しますが、この会社はSolution事業とSaaS事業を分けられないと書いています。当メディアはこの数か月、情報サービス業の有価証券報告書を50社以上読んできました。**セグメント別の人員が「区分できない」と書く会社は少数です。**同じ時期に読んだ企業でも、「同一の従業員が複数の事業に従事することがあるため」という理由で区分を省く例が数社ありました。この会社の場合、区分できない理由は技術が共通しているからだと読めます。Solution事業は顧客のソフトウェアを高速化する受託、SaaS事業はその知見をサービス化したもの。同じ高速化技術を、受託で売るかSaaSで売るかの違いです。応募者にとっての意味は3つあります。1つ目、特定の事業に固定されない可能性がある。****2つ目、5つの注力分野(半導体・モビリティ・産業機器・ライフサイエンス・金融)を横断しうる。****3つ目、評価はセグメント業績ではなく、技術貢献で測られる可能性が高い。ここは確認が要ります。Solution事業のセグメント利益率は約35.3%、SaaS事業は営業損失424,065千円。同じ人が両方に関わるなら、どちらの数字で評価されるのかが曖昧になりえます。面接では3つ聞いてください。1つ目、「配属後、Solution案件とSaaS開発のどちらに時間を使いますか」。2つ目、「評価は案件の採算ですか、技術的な成果ですか」。3つ目、「5つの注力分野のうち、どこに配属される見込みですか」。
提出会社279人の年収791万円
有価証券報告書の従業員の状況です(2025年9月30日現在)。
連結会社の状況
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| Solution事業/SaaS事業 | 310人 |
| 全社(共通) | 24人 |
| 合計 | 334人 |
注記には「報告セグメントは、Solution事業及びSaaS事業に区分しておりますが、全社を横断して開発及び研究開発を行っており、従業員数を明確に区分できないため一括して記載しております」とあります。臨時雇用者は「総数が従業員の100分の10未満のため記載を省略」。
増加の理由も明記されています。「従業員数が当連結会計年度において前年比で14名増加しておりますが、事業拡大のため人員採用を積極的に行ったためであります」。
提出会社の状況
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 279人 |
| 平均年齢 | 36.1歳 |
| 平均勤続年数 | 6.0年 |
| 平均年間給与 | 7,908千円 |
連結334人のうち提出会社は279人で、約83.5%。当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業では、この比率が3.0%から100.0%まで開いていました。
従業員数の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結従業員数 | 売上高(千円) | 1人あたり売上高 |
|---|---|---|---|
| 2021年9月 | 258人 | 5,501,506 | 約2,132万円 |
| 2022年9月 | 263人 | 6,310,732 | 約2,399万円 |
| 2023年9月 | 292人 | 7,038,276 | 約2,410万円 |
| 2024年9月 | 320人 | 7,995,406 | 約2,498万円 |
| 2025年9月 | 334人 | 9,617,686 | 約2,879万円 |
5期で連結は258人→334人(+76人/+29.5%)、売上高は+74.8%。1人あたり売上高は約2,132万円から約2,879万円へ35.0%増えました。
男女に関する指標は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 70.0% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 88.2% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 87.2% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 100.0% |
男女の賃金の差異88.2%は、当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業(多くは65〜85%)のなかでは差が小さい部類です。注記には「労働者の人数については、労働時間を年換算して算出しております」と記載されています。
なお、連結子会社については「『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律』及び『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております」とのことです。
5期で売上74.8%増、自己資本比率83.6%
有価証券報告書の連結経営指標等の推移(第20期〜第24期)です。
| 決算期 | 売上高(千円) | 経常利益(千円) | 当期純利益(千円) | 連結従業員数 | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年9月 | 5,501,506 | 960,077 | 543,173 | 258人 | 15.6% | 47.8% |
| 2022年9月 | 6,310,732 | 1,690,053 | 1,082,575 | 263人 | 27.2% | 54.1% |
| 2023年9月 | 7,038,276 | 2,076,548 | 1,447,878 | 292人 | 28.8% | 68.9% |
| 2024年9月 | 7,995,406 | 2,305,635 | 1,494,133 | 320人 | 24.2% | 77.1% |
| 2025年9月 | 9,617,686 | 2,581,516 | 1,945,356 | 334人 | 26.0% | 83.6% |
※当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益
- 売上高……5,501,506千円→9,617,686千円(+74.8%)
- 経常利益……960,077千円→2,581,516千円(+168.9%)
- 当期純利益……543,173千円→1,945,356千円(+258.1%)
**利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っています。経常利益率は約17.5%から約26.8%**へ、9.3ポイント改善しました。
ROEは15.6%→27.2%→28.8%→24.2%→26.0%。しかも自己資本比率は47.8%→83.6%と大きく上昇しています。当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ企業のなかには、自己資本比率の低下がROEを押し上げていた例もありましたが、この会社は分母が厚くなりながらROEを20%台後半で保っています。
直近期の実績は次のとおりです。
主力のSolution事業では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発や高速化案件、半導体メーカー向けソフトウェア開発案件が長期安定して継続しております。その他においても、高速化サービスに対する旺盛な需要を背景に、日本国内の製造業向け案件を中心として安定的な収益を獲得しております。
SaaS事業については、投資段階であることが明記されています。
各SaaS事業において、将来の収益獲得に向けて積極的な投資・開発を行っております。この結果、売上高は446,343千円(前連結会計年度比41.7%増)、セグメント損失(営業損失)は424,065千円(前連結会計年度はセグメント損失(営業損失)151,101千円)となりました。
損失は前期の151,101千円から424,065千円へ拡大しています。売上は41.7%増えていますが、投資のほうが先行している形です。
その他(CVC事業)についても記載があります。「保有株式の評価減を行い、売上原価として営業投資有価証券評価損232,459千円を計上しております」。
キャッシュ・フローは堅調です。営業CFは864,574千円→1,978,609千円、現金及び現金同等物は4,681,200千円→5,178,150千円。財務CFは5期すべてマイナス(△1,043,624千円〜△1,310,491千円)です。
稼ぐ事業と投資する事業
この会社の直近期のセグメント別実績を並べると、構造がはっきりします。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | セグメント利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Solution事業 | 9,171,343千円 | 約95.4% | 3,236,011千円 | 約35.3% |
| SaaS事業 | 446,343千円 | 約4.6% | △424,065千円 | ― |
| その他(CVC) | ― | ― | △233,743千円 | ― |
**Solution事業の利益率35.3%**は、当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業のなかで高い側です。受託開発中心の会社が6.7〜12.1%、自社パッケージを持つ会社が24.7〜32.0%という分布でしたから、受託でありながら自社製品を超える利益率を出していることになります。
理由は事業の性格から読めます。有価証券報告書によると、Solution事業は「顧客製品の開発フェーズに合わせて、コンサルティングから最終製品への組込み支援まで、一貫したトータルソリューションサービス」を提供します。
研究開発フェーズにおいては、顧客課題に最適な技術仕様の策定支援や、最新論文や技術動向に即した解決手法の提案を行っております。研究開発フェーズから製品開発フェーズへの橋渡しとして、顧客の考案したアルゴリズムの実装、要求性能を加味したアルゴリズムの改善等を提供しております。加えて製品開発フェーズにおいては、ハードウェアの計算資源を最大限に活用できるよう、ソフトウェア最適化やアルゴリズムの改良を提供しております。
「最新論文や技術動向に即した解決手法の提案」から入る受託です。人月で売る型ではないことが、利益率に表れていると考えられます。
加えてハードウェアも扱います。「各フェーズにおいて計算資源として使用するGPUやFPGAボード等のハードウェアについて、当社グループのソフトウェア開発に関する知見を活かして、お客様の要件に応じて最適なハードウェアの選定・提供を行っており、ソフトウェアとハードウェアの両面からお客様のビジネスを支援しております」。
SaaS事業は、その知見の転用です。「Solution事業で蓄積した知見が社会により広く活用されることを目指し、複数のサービスをSaaSとして提供しております」。
グループ会社では、株式会社Fixstars Autonomous Technologiesが連結売上高の10%を超えており、主要な損益情報が開示されています。売上高1,144,387千円、経常利益281,830千円(利益率約24.6%)、当期純利益190,028千円。
一方で、整理も進んでいます。株式会社Drone Autopilot Labは2025年7月31日付で解散を決議し2025年11月に清算結了、株式会社Siderは2025年2月に清算結了しています。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。
**1つ目は、技術が横断していること。**セグメント別に従業員数を「明確に区分できない」と明記されています。
**2つ目は、5つの分野に注力していること。**半導体、モビリティ、産業機器、ライフサイエンス、金融。いずれも「大量データの高速処理が求められる」領域です。
**3つ目は、人が増えていること。**連結従業員は5期で+76人。直近期の+14名は「事業拡大のため人員採用を積極的に行ったため」と記載されています。
**4つ目は、SaaSが投資段階であること。**売上446,343千円に対しセグメント損失424,065千円。損失は前期から拡大しています。
向いている人/向いていない人
有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。
向いていると考えられる人
- ソフトウェア高速化・最適化を専門にしたい人。GPU、FPGA、専用チップ、量子コンピュータが対象です
- 研究に近い領域で働きたい人。「最新論文や技術動向に即した解決手法の提案」から入る仕事です
- 自動運転・半導体・医療画像・ゲノム解析・HFTといった先端領域に関心がある人
- 高い収益性と厚い財務のもとで働きたい人。Solution事業の利益率約35.3%、自己資本比率83.6%です
向いていない可能性がある人
- 大規模な組織で分業したい人。連結334人という規模です
- 業務システムの開発に携わりたい人。この会社の対象は高速化と最適化です
- 事業が明確に分かれた環境を望む人。セグメント別に従業員数を区分できないと記載されています
- 短期で成果が数字に出る仕事を求める人。SaaS事業は投資段階で損失が拡大しています
エージェントベストの見解
**「Solution事業の利益率35.3%」。受託でこの水準に達している理由は、有価証券報告書の記述から読み取れます。**当メディアはこの数か月、情報サービス業の有価証券報告書を50社以上読んできました。そこで確立したのは、経常利益率は事業の型でほぼ決まるという読み方です。受託開発中心は6.7〜12.1%、自社パッケージを持つ会社は24.7〜32.0%、自社製品に集中する会社は44%台に届く例もありました。**この会社のSolution事業は受託でありながら35.3%。**分布の常識から外れています。理由は3つ読めます。1つ目、入口が「提案」であること。「最新論文や技術動向に即した解決手法の提案」から始まる仕事は、要件が決まった開発を請け負うのとは値段の付き方が違います。2つ目、対象が「性能」であること。高速化には成果が数字で出ます。何倍速くなったかが価値として測れる仕事です。3つ目、扱う対象が難しいこと。GPU、FPGA、専用チップ、量子コンピュータ。代替できる会社が少ないほど、価格競争になりにくい。応募者にとっての意味は、求められるスキルの水準が高いということです。同時に、平均年間給与7,908千円(平均年齢36.1歳)という水準はそれを反映しています。当メディアが同じ時期に読んだ企業の平均年間給与は4,724千円〜16,500,050円に分布しており、平均年齢36.1歳で791万円は上位にあたります。面接では3つ聞いてください。1つ目、「案件の入口は提案からですか、要件が決まった状態からですか」。2つ目、「高速化の成果は、何倍という指標で顧客と合意しますか」。3つ目、「入社後に扱うハードウェアは何ですか」。技術の難易度がそのまま利益率になっている会社では、自分がどの技術を担当するかが最も重要です。
選考に向けた準備
事業の理解
有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。
- 2セグメントの規模……Solution事業9,171,343千円(セグメント利益3,236,011千円)、SaaS事業446,343千円(同△424,065千円)
- 5つの注力分野……Semiconductor、Mobility、Industrial、Life Science、Finance
- SaaS製品……量子コンピューティングクラウド「Fixstars Amplify」、乳がんAI画像診断支援プログラム「METIS Eye」、AI開発・運用のパフォーマンスエンジニアリングプラットフォーム「Fixstars AIBooster」
- 技術対象……GPU、FPGA等のアクセラレータ、特定処理に特化した専用チップ、量子コンピュータ
- グループ……株式会社Fixstars Autonomous Technologies(売上1,144,387千円・経常利益281,830千円)、Fixstars Solutions, Inc.(米国)
数字の押さえ方
面接で使える数字を挙げます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結売上高(2025年9月期) | 9,617,686千円(前連結会計年度比20.3%増) |
| 営業利益 | 2,578,202千円(同11.9%増) |
| 経常利益/経常利益率 | 2,581,516千円/約26.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,945,356千円(同30.2%増) |
| ROE | 26.0% |
| 自己資本比率 | 83.6%(5期で47.8%→83.6%) |
| 連結従業員数 | 334人(前年比+14人) |
| 提出会社の平均年間給与 | 7,908千円(279人・36.1歳・勤続6.0年) |
| 1人あたり売上高 | 約2,879万円(5期で35.0%増) |
質問の準備
- 「配属後、Solution案件とSaaS開発のどちらに時間を使いますか」
- 「評価は案件の採算ですか、技術的な成果ですか」
- 「5つの注力分野のうち、どこに配属される見込みですか」
- 「案件の入口は提案からですか、要件が決まった状態からですか」
- 「入社後に扱うハードウェア(GPU/FPGA/専用チップ等)は何ですか」
まとめ
株式会社フィックスターズは、「Speed up your AI」を掲げ、多種多様なハードウェアの性能を引き出すソフトウェア高速化を専門とする会社です。連結従業員334人で売上高9,617,686千円、経常利益2,581,516千円という規模にあります。
有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。
- Solution事業の利益率は約35.3%(売上9,171,343千円/セグメント利益3,236,011千円)。受託としては例外的な水準
- SaaS事業は投資段階(売上446,343千円/セグメント損失424,065千円、損失は前期から拡大)
- 5期で売上+74.8%に対し経常利益+168.9%。経常利益率は約17.5%→約26.8%
- 自己資本比率は47.8%→83.6%と大きく上昇、ROEは24.2%〜28.8%を維持
- セグメント別に従業員数を「明確に区分できない」(全社を横断して開発及び研究開発を行っているため)
- 注力分野は**半導体、モビリティ(自動運転)、産業機器、ライフサイエンス、金融(HFT)**の5つ
- 男女の賃金の差異は88.2%(全労働者)と、同時期に読んだ企業のなかでは差が小さい部類
- 連結従業員の+14名は「事業拡大のため人員採用を積極的に行ったため」
**技術の難易度がそのまま利益率になっている会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
有価証券報告書(第24期・2025年9月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,908千円です。平均年齢36.1歳、平均勤続年数6.0年という条件つきの数字で、賞与および基準外賃金を含みます。個人の年収は職種・等級・評価によって異なりますので、求人票の想定年収とあわせてご確認ください。
Q. 決算期はいつですか。
同社の決算期は9月です。直近の有価証券報告書は第24期(2024年10月1日〜2025年9月30日)で提出されています。本記事の数値はこの期のものです。3月決算の企業と比較する際は、対象期間の違いにご留意ください。
Q. どんな技術を扱いますか。
有価証券報告書によると、同社は「GPUやFPGAといったアクセラレータ」「特定の処理に特化した専用チップ」「量子コンピュータに代表される、従来型コンピュータアーキテクチャとは全く異なる仕組みを採用したコンピュータ」といった多種多様なハードウェアの性能を引き出すソフトウェア技術を強みとしています。注力分野はSemiconductor(NAND型フラッシュメモリのファームウェア等)、Mobility(自動運転のアルゴリズム開発等)、Industrial、Life Science(医療画像・ゲノム解析)、Finance(HFT等)の5つです。
※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。