富士通の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
富士通の有価証券報告書 第126期(2026年3月期)を見ると、連結従業員数は99,203人です。5期前の124,216人から25,013人減っています。同じ期間に売上収益はほぼ横ばいで、親会社の所有者に帰属する当期利益は182,691百万円から449,408百万円へ増えました。この記事では、その構造と待遇を有価証券報告書から整理します。
5期で従業員が25,013人減り、当期利益は過去最高
まず5期の推移です。
| 連結会計年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3,586,839百万円 | 3,713,767百万円 | 3,476,985百万円 | 3,550,116百万円 | 3,502,971百万円 |
| 営業利益 | 219,201百万円 | 335,614百万円 | 149,326百万円 | 265,089百万円 | 348,329百万円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 182,691百万円 | 215,182百万円 | 254,478百万円 | 219,807百万円 | 449,408百万円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 47.7% | 48.6% | 49.9% | 49.8% | 59.6% |
| 親会社所有者帰属持分当期利益率 | 12.0% | 13.5% | 15.2% | 12.6% | 23.9% |
| 従業員数 | 124,216人 | 124,055人 | 123,527人 | 112,743人 | 99,203人 |
売上収益は3,586,839百万円から3,502,971百万円へ、5期でほぼ横ばいです。その一方で営業利益は219,201百万円から348,329百万円へ、親会社の所有者に帰属する当期利益は182,691百万円から449,408百万円へ約2.46倍になりました。前年度の219,807百万円と比べると約2.04倍です。
親会社所有者帰属持分当期利益率は12.0%から23.9%へ、親会社所有者帰属持分比率は47.7%から59.6%へ上がっています。
従業員数の動きが目立ちます。2023年度までは12万人台で推移していましたが、2024年度に112,743人、2025年度に99,203人となりました。2年で24,324人減った計算です。
当年度の13,540人減について、有価証券報告書は理由を記載しています。主として新光電気工業株式会社および富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社の株式を譲渡し、これら2社が連結子会社でなくなったことに加え、欧州地域およびアジアパシフィック地域における構造改革の影響等によるものとされています。
なお2024年度より、主に新光電気工業株式会社およびFDK株式会社により構成される「デバイスソリューション」は非継続事業に分類されています。上表の売上収益・営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額です。
国内の営業利益率21.5%に対し、海外は5.9%
セグメント別の売上収益と調整後営業利益です。有価証券報告書では億円単位で開示されています。
| 区分 | 2024年度 売上収益 | 2025年度 売上収益 | 2024年度 調整後営業利益 | 2025年度 調整後営業利益 | 2025年度 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| サービスソリューション | 22,459億円 | 23,469億円 | 2,899億円 | 3,614億円 | 15.4% |
| うちグローバルソリューション | 5,112億円 | 5,406億円 | 56億円 | 333億円 | 6.2% |
| うちリージョンズ(Japan) | 13,104億円 | 13,668億円 | 2,603億円 | 2,939億円 | 21.5% |
| うちリージョンズ(海外) | 5,897億円 | 5,752億円 | 239億円 | 341億円 | 5.9% |
| ハードウェアソリューション | 11,199億円 | 10,098億円 | 613億円 | 670億円 | 6.6% |
| ユビキタスソリューション | 2,517億円 | 2,298億円 | 313億円 | 388億円 | 16.9% |
| 連結 | 35,501億円 | 35,029億円 | 3,072億円 | 3,905億円 | 11.2% |
調整後営業利益は、営業利益から事業再編、事業構造改革、M&A等に伴う損益ならびに制度変更等による一過性の損益を控除した指標と定義されています。
利益の出どころがはっきり分かれています。リージョンズ(Japan)は売上13,668億円に対し調整後営業利益2,939億円で、利益率21.5%です。連結の調整後営業利益3,905億円のうち、この1区分が2,939億円を占めます。
一方リージョンズ(海外)は売上5,752億円に対し341億円で、利益率5.9%です。前年度の4.1%からは改善しましたが、国内との差は依然として大きい。売上そのものも5,897億円から5,752億円へ約2.5%減っています。
成長の中身についても記載があります。事業成長とポートフォリオ変革の要と位置付けられている「Uvance」は、2025年度の売上収益が7,093億円で前年度の4,828億円から47%伸長し、受注は7,275億円で33%の増加。サービスソリューション全体に占めるUvanceの売上構成比は21%から30%に拡大したとされています。モダナイゼーションビジネスは売上収益3,921億円で32%の伸長、受注高3,992億円です。
サービスソリューションの国内受注残高は2025年度末で1兆1,270億円と記載されています。
エージェントベストの見解
「グローバルに働きたい」という理由で富士通を志望される方に、面接前に一度見ていただきたい数字があります。第126期のリージョンズ(Japan)は売上13,668億円・調整後営業利益2,939億円で利益率21.5%。対してリージョンズ(海外)は売上5,752億円・341億円で5.9%です。連結の調整後営業利益3,905億円のうち2,939億円、およそ4分の3が国内から出ています。しかも海外の売上は5,897億円から5,752億円へ約2.5%減り、従業員の減少理由には欧州地域およびアジアパシフィック地域における構造改革が挙げられています。海外事業が縮んでいるという話ではなく、利益率は4.1%から5.9%へ改善しました。ただし「海外で伸ばす会社」という前提で志望動機を組むと、いま社内で進んでいる話とずれます。国内の高採算をどう維持・拡大するか、海外の採算をどう引き上げるか。どちらの問いに自分が答えられるのかを決めてから面接に臨んでください。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は10,122,665円です。従業員数32,224人、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年、平均年間給与の対前事業年度増減率は9.0%の増加。2026年3月31日現在の数値です。
報酬の考え方も記載されています。労働市場における競争力を重視した報酬設計を基本方針とし、各人が担う職務・ポジションの価値に基づきマーケットベンチマークを踏まえた水準を設定するとされています。2023年4月にはグローバル企業を対象としたベンチマーク結果を踏まえ、従業員の年収ベースの報酬額を平均7%引き上げたと記載があります。
制度としては、一定以上の職責を担う幹部社員を対象とした株式報酬制度、高度な専門性を有する従業員を対象に報酬を加算する「高度専門職系人材処遇制度」、受注獲得等の営業成績に対して責任を持つ社員を対象とした「セールスインセンティブ制度」が挙げられています。高度専門職系人材処遇制度の適用領域は、サイバーセキュリティ、AI、データサイエンティスト、重点オファリング(SAP、Salesforce、ServiceNow、社内弁護士)等と注記されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
男性労働者の育児休業取得率は94.1%です。残業時間は開示されていません。
従業員持株会制度については、奨励金の適用方法や上限率引き上げ等を行った結果、加入率が65%(前年度比33%増)まで向上したと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有価証券報告書には、ジョブ型人材マネジメントをグローバルに展開していること、各事業戦略に基づき組織・ポジション・役割を明確化したうえで、職務および成果責任に応じて人材を配置・評価・処遇することが記載されています。
社員一人ひとりのキャリアオーナーシップの向上を重要な柱と位置付け、自律的なキャリア選択を支援するとの記載もあります。リスキリングや人材の流動化を通じて事業構造変革への適応力を高めるとされています。
2026年度からは新卒採用においても、入社後に担うジョブや職責をベースとした採用形態へ移行しました。これまでは学歴に基づく一律の初任給で処遇していたが、今後はジョブや職責の高さに基づき処遇を行うと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
管理職に占める女性労働者の割合は13.1%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者79.2%、正規雇用労働者78.2%、パート・有期労働者81.4%と記載されています。
差異の理由についても注記があります。同一労働の賃金に差はなく、ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差によるものとされています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
連結99,203人に対し提出会社32,224人
セグメント別の従業員数です。
| 区分 | 連結会社 | 提出会社 | 差 |
|---|---|---|---|
| サービスソリューション | 73,100人 | 23,083人 | 50,017人 |
| ハードウェアソリューション | 15,303人 | 1,007人 | 14,296人 |
| ユビキタスソリューション | 291人 | 85人 | 206人 |
| 消去・全社 | 10,509人 | 8,049人 | 2,460人 |
| 合計 | 99,203人 | 32,224人 | 66,979人 |
2026年3月31日現在です。連結には平均臨時雇用人員8,405人が外数として記載されています。
提出会社32,224人は連結99,203人の約32.5%です。サービスソリューションは連結73,100人に対し提出会社23,083人で、差の50,017人は国内外の子会社に所属しています。ハードウェアソリューションは連結15,303人に対し提出会社1,007人と、さらに差が大きい構成です。
提出会社の従業員数は前事業年度末までの1年間で2,626人減りました。有価証券報告書には、主として新設分割により1FINITY株式会社を設立したことに伴いハードウェアソリューションの従業員数が減少したことに加え、事業ポートフォリオと連動した人材ポートフォリオの変革に伴う人材の流動化によるものと記載されています。
提出会社の経営指標では、売上高1,692,618百万円(前期1,817,036百万円)、経常損益275,236百万円(同198,666百万円)です。売上が減るなかで経常損益が増えています。
グループ再編も進んでいます。2024年4月に設立したサーバ・ストレージ事業を担うエフサステクノロジーズ株式会社について、製販一体体制により事業効率が向上しハードウェアソリューションセグメントの採算性改善につながったこと、2025年7月にフォトニクスシステムおよびモバイルシステムなどのネットワークプロダクト事業を担う1FINITY株式会社が発足したことが記載されています。
向いている人/向いていない人
向いている人
職務と成果責任で処遇が決まる仕組みを求める方
ジョブ型人材マネジメントをグローバルに展開し、職務および成果責任に応じて人材を配置・評価・処遇すると記載されています。2026年度からは新卒採用も同じ考え方に移行しました。
専門領域を軸にキャリアを作りたい方
高度専門職系人材処遇制度の適用領域として、サイバーセキュリティ、AI、データサイエンティスト、SAP・Salesforce・ServiceNow、社内弁護士等が挙げられています。
国内の大規模案件に関わりたい方
リージョンズ(Japan)は売上13,668億円・調整後営業利益2,939億円で利益率21.5%。国内受注残高は1兆1,270億円です。
向いていない人
人員が増え続ける局面に加わりたい方
連結従業員数は5期で124,216人から99,203人へ25,013人減りました。提出会社も前事業年度末比2,626人減です。
配属先の法人を確認せずに応募したい方
平均年間給与10,122,665円の対象は提出会社32,224人で、連結99,203人の約32.5%です。グループ内には富士通Japan、エフサステクノロジーズ、1FINITY等の法人があります。
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与10,122,665円は、そのまま自分の想定に置き換えないでください。3つの補正が要ります。1つ目は分母で、この数値は提出会社32,224人についてのもの。連結99,203人の約32.5%にすぎません。サービスソリューションは連結73,100人に対し提出会社23,083人で、差の50,017人は子会社に所属しています。2つ目は構成で、平均年齢42.7歳・平均勤続年数17.6年ですから、新卒から長く在籍した層が中心の平均です。3つ目は制度で、この会社はジョブ型人材マネジメントを敷いており、報酬は職務・ポジションの価値に基づきマーケットベンチマークを踏まえて設定されると明記されています。つまり同じ会社のなかでも、担うジョブレベルで水準が分かれます。男女の賃金差異79.2%の理由も「ジョブ(職責)レベル毎の人数構成の差」と説明されています。平均を見るより、応募するポジションのジョブレベルを確認するほうが早いです。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
富士通株式会社は東証プライム市場に上場しており、証券コードは6702です。本店の所在地は神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号です。
グループには富士通Japan株式会社、エフサステクノロジーズ株式会社、1FINITY株式会社等があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。連結99,203人に対し提出会社は32,224人です。
セグメントを確認してください。提出会社ではサービスソリューション23,083人、消去・全社8,049人、ハードウェアソリューション1,007人、ユビキタスソリューション85人です。連結との差が大きいセグメントは、子会社に人員が多いことを意味します。
決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜITサービスか」と「なぜ富士通か」の2段で組み立てます。
前者については、コンサルティング、システム開発、モダナイゼーション、ハードウェア、運用・保守のどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。Uvanceの売上収益が4,828億円から7,093億円へ47%伸び、サービスソリューションに占める構成比が21%から30%へ拡大したこと。モダナイゼーションの売上収益が3,921億円で32%伸長したこと。リージョンズ(Japan)の調整後営業利益率が21.5%で、リージョンズ(海外)の5.9%と差があること。連結従業員数が5期で25,013人減る一方、当期利益が449,408百万円と伸びたこと。2023年4月に年収ベースの報酬額を平均7%引き上げ、2026年度から新卒採用もジョブ型へ移行したこと。
「人員を絞りながら採算を上げてきた会社である」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
ITサービス企業の中途採用では、担当した案件と、そこで動かした数値が読まれます。
システム開発・PMの経験がある方は、担当した案件の規模と業種、要件定義から運用までのどこを担ったか、予算と期間をどう管理したかを書きます。
モダナイゼーションの経験がある方は、対象システムの規模と移行方式、期間短縮やコスト削減の幅を書きます。この領域は売上収益3,921億円まで伸びています。
コンサルティングの経験がある方は、担当した業種と論点、提案が実装まで進んだかどうかを書きます。有価証券報告書にはコンサルティング主導で経営変革のアジェンダ策定から実装までをリードする商談が生まれていると記載があります。
AI・データ活用の経験がある方は、扱ったデータの種類と規模、成果の指標を書きます。高度専門職系人材処遇制度の適用領域です。
海外拠点での勤務経験がある方は、赴任先と担当機能、現地で意思決定した内容を書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
富士通は東証プライム市場に上場するITサービス企業で、有価証券報告書 第126期(2026年3月期)の売上収益は3,502,971百万円、営業利益348,329百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益449,408百万円、連結従業員数99,203人です。当期利益は前年度の219,807百万円から約2.04倍、5期前の182,691百万円からは約2.46倍になりました。同じ5期で連結従業員数は124,216人から99,203人へ25,013人減っています。セグメント別の調整後営業利益はサービスソリューション3,614億円(利益率15.4%)、ハードウェアソリューション670億円、ユビキタスソリューション388億円で、サービスソリューションの内訳ではリージョンズ(Japan)が2,939億円・利益率21.5%、リージョンズ(海外)が341億円・5.9%です。提出会社の従業員数は32,224人(連結の約32.5%、前事業年度末比2,626人減)、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年、平均年間給与10,122,665円(対前事業年度9.0%増)です。
よくある質問
Q. 富士通の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第126期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は10,122,665円(従業員32,224人、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年、対前事業年度9.0%増)です。ただしこれは提出会社に所属する32,224人についての数値で、連結99,203人の約32.5%にあたります。有価証券報告書には、報酬は各人が担う職務・ポジションの価値に基づきマーケットベンチマークを踏まえて設定すること、2023年4月に年収ベースの報酬額を平均7%引き上げたことが記載されています。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 従業員が減っているのはなぜですか。
A. 有価証券報告書には、当連結会計年度末までの1年間で連結従業員数が13,540人減少し99,203人となったこと、その理由が主として新光電気工業株式会社および富士通オプティカルコンポーネンツ株式会社の株式を譲渡しこれら2社が連結子会社でなくなったことに加え、欧州地域およびアジアパシフィック地域における構造改革の影響等によるものと記載されています。提出会社も2,626人減で、主因は新設分割による1FINITY株式会社の設立と、事業ポートフォリオと連動した人材ポートフォリオの変革に伴う人材の流動化とされています。同じ期の営業利益は348,329百万円、当期利益は449,408百万円です。
Q. ジョブ型とは具体的にどういう仕組みですか。
A. 有価証券報告書によると、各事業戦略に基づき組織・ポジション・役割を明確化したうえで、職務および成果責任に応じて人材を配置・評価・処遇する仕組みをグローバルに展開しているとされています。報酬は労働市場を第一義とし、担う職務・ポジションの価値に基づきマーケットベンチマークを踏まえて設定すると記載されています。幹部社員向けの株式報酬制度、高度な専門性を有する従業員向けの「高度専門職系人材処遇制度」、営業成績に責任を持つ社員向けの「セールスインセンティブ制度」も挙げられています。2026年度からは新卒採用も、学歴に基づく一律の初任給からジョブや職責に基づく処遇へ移行しました。男女の賃金差異79.2%についても、同一労働の賃金に差はなくジョブレベル毎の人数構成の差によるものと注記されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。