ファナックの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ファナックの有価証券報告書 第57期(2026年3月期)を見ると、売上高857,831百万円のうち国内は110,782百万円です。全体の約12.9%にあたります。自己資本比率は89.2%で、5期連続で86%を超えています。本社・研究開発部門・主力工場は山梨県南都留郡忍野村に集まっています。この記事では、その構造を有報から整理します。
受注高8,834億円・自己資本比率89.2%という財務の形
| 年度 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本比率 | 自己資本利益率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度(2022年3月) | 733,008百万円 | 213,395百万円 | 155,273百万円 | 86.1% | 10.5% | 8,675人 |
| 2022年度(2023年3月) | 851,956百万円 | 231,327百万円 | 170,587百万円 | 86.2% | 10.8% | 9,432人 |
| 2023年度(2024年3月) | 795,274百万円 | 181,755百万円 | 133,159百万円 | 88.6% | 8.0% | 9,970人 |
| 2024年度(2025年3月) | 797,129百万円 | 196,738百万円 | 147,557百万円 | 89.0% | 8.6% | 10,113人 |
| 2025年度(2026年3月) | 857,831百万円 | 227,485百万円 | 166,543百万円 | 89.2% | 9.3% | 10,040人 |
数値は有価証券報告書 第57期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。従業員数の外数である平均臨時雇用者数は、2025年度が1,682人です。
2025年度は売上高が前期比7.6%増、経常利益が15.6%増、親会社株主に帰属する当期純利益が12.9%増です。受注高は883,467百万円で前期比11.0%増、販売高857,831百万円を上回っています。
目を引くのは自己資本比率です。5期を通じて86.1%から89.2%の範囲にあり、総資産2,090,700百万円に対して純資産は1,882,947百万円です。負債合計は207,753百万円にとどまります。現金及び現金同等物の期末残高は615,075百万円です。
一方で自己資本利益率は9.3%です。2021年度の10.5%より低い水準にあります。自己資本を厚く持つ会社では、利益額が伸びても利益率が上がりにくくなります。
研究開発費は44,959百万円で、売上高の約5.2%です。前期の46,666百万円からは減っています。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は11,444千円です。従業員4,842人、平均年令40.0歳、平均勤続年数15.3年。賞与および基準外賃金を含みます。対前事業年度増減率は1.7%の減少です。臨時従業員1,160人は外数です。
有報には給与の決定方針として、職務内容および役割、そのもとで発揮された価値、専門性等を総合的に勘案して決定するとの記載があります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。男性労働者の育児休業取得率は94.3%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有報の従業員数は、事業の部門別に区分することが困難なため区分していないと注記されています。人材戦略では、必要な人材の採用や社員の育成の強化のための人的資本への投資を積極的に行うとしています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
労働組合について、有報には労使関係に特に記載すべき事項はないと記されています。管理職に占める女性労働者の割合は1.1%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者で81.3%と記載され、その要因として、女性労働者に占める工場契約社員の割合が6割程度と大きいこと、相対的に賃金が高水準である技術系総合職の男性比率が高いことが挙げられています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
公開されている平均年間給与11,444千円は、提出会社4,842人の平均です。この数字は、平均年令40.0歳・平均勤続年数15.3年とセットで読んでください。差し引くと入社時の年齢は約24.7歳になります。新卒で入って長く在籍している層が平均を作っている、という構造です。中途で入る方が同じ水準から始まるわけではありません。もう1つ、対前事業年度増減率が1.7%の減少である点も見ておいてください。売上高も経常利益も前期を上回った年に、平均年間給与は下がっています。平均値は人員構成が変われば動くので、増減率だけで待遇の方針を判断するのは早計です。確認すべきは、募集ポジションの等級と、そこから上がるまでの年数です。実額とレンジは選考の過程でご確認ください。
売上の44%はロボット、国内は12.9%
ファナックの有報は単一セグメントですが、顧客との契約から生じる収益は部門別・地域別に分解されています。第57期の数値です。
| 部門 | 2025年度の売上高 | 2024年度の売上高 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| ロボット | 378,610百万円 | 329,566百万円 | +14.9% |
| FA | 208,478百万円 | 194,824百万円 | +7.0% |
| サービス | 141,143百万円 | 135,151百万円 | +4.4% |
| ロボマシン | 129,600百万円 | 137,588百万円 | △5.8% |
| 合計 | 857,831百万円 | 797,129百万円 | +7.6% |
ロボット部門が売上高の約44.1%を占めます。FA部門(CNCシステムおよびレーザ)が約24.3%、サービス部門が約16.5%、ロボマシン部門(ロボドリル・ロボショット・ロボカット)が約15.1%です。
ロボマシン部門だけが前期を下回っています。伸びたのはロボット部門で、増加額49,044百万円は全体の増加額60,702百万円の約8割にあたります。
地域別に見ると、また別の姿になります。
| 地域 | 2025年度の売上高 | 構成比 | 2024年度の売上高 |
|---|---|---|---|
| 米州 | 232,154百万円 | 約27.1% | 214,279百万円 |
| 中国 | 228,376百万円 | 約26.6% | 186,619百万円 |
| 欧州 | 152,371百万円 | 約17.8% | 142,721百万円 |
| アジア(中国以外) | 124,223百万円 | 約14.5% | 135,119百万円 |
| 国内 | 110,782百万円 | 約12.9% | 109,219百万円 |
| その他 | 9,925百万円 | 約1.2% | 9,172百万円 |
地域別の売上高は顧客の所在地を基礎としています。国内は110,782百万円で、全体の約12.9%です。裏を返すと約87.1%が海外向けということになります。
中国は前期の186,619百万円から228,376百万円へ約22.4%増え、米州232,154百万円に迫っています。主な相手先別の販売実績では、SHANGHAI-FANUC Robotics CO., LTD.が89,639百万円・総販売実績の10.4%と記載されています。
部門と地域を掛け合わせると、仕事の中身が見えてきます。FA部門は中国77,687百万円・アジア59,518百万円が中心で、米州は5,393百万円にとどまります。ロボット部門は米州161,078百万円・中国91,772百万円が二本柱です。サービス部門は米州56,509百万円が最大で、国内27,300百万円を大きく上回ります。同じ会社の中でも、部門によって向き合う市場が違います。
本社・研究開発・工場が山梨県忍野村に集まっている
本店の所在の場所は山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番地です。有報のリスクの項には、拠点の集中について踏み込んだ記載があります。
有報によれば、同社の商品はいずれも生産設備として生産現場で使われるものであり、商品の大口ユーザでもある自社工場と研究開発との密接な連携による相乗効果によって研究開発と生産技術双方を強化・効率化できる利点があることから、研究開発部門・工場等を本社地区に集中させてきたとされています。そのうえで、拠点が集中しているため大地震が発生した場合は被害が甚大になる可能性があること、本社地区の近隣に位置する富士山が噴火した場合の影響も甚大であることが、リスクとして明記されています。
対応として、本社工場(山梨県南都留郡忍野村・山中湖村)以外に壬生工場(栃木県下都賀郡壬生町)、筑波工場(茨城県筑西市)等の新設・拡充による生産拠点の複数化を進めてきたと記載されています。サービス拠点についても、日野支社(東京都日野市)の再構築と名古屋サービスセンタ(愛知県小牧市)の開設が挙げられています。
国内の従業員数の内訳は、設備の状況から読み取れます。壬生工場438人、筑波工場606人、隼人工場(鹿児島県霧島市)41人。国内子会社ではファナックパートロニクス株式会社(長野県茅野市)254人、ファナックサーボ株式会社(三重県津市)150人です。
在外子会社の従業員数は、FANUC Europe Corporation 1,852人、FANUC America Corporation 1,836人、FANUC INDIA PRIVATE LIMITED 534人、KOREA FANUC CORPORATION 273人、SHANGHAI-FANUC Robomachine CO., LTD. 165人、TAIWAN FANUC CORPORATION 134人と記載されています。
連結従業員数10,040人に対し、提出会社は4,842人です。約48.2%が提出会社に所属しています。
向いている人/向いていない人
向いている人
開発と生産現場が同じ敷地にある環境で働きたい方
有報には、自社工場と研究開発との密接な連携による相乗効果を利点として拠点を集中させてきたと記載されています。
海外市場を相手にする仕事に関心がある方
売上高857,831百万円のうち国内は110,782百万円で、約12.9%です。
財務基盤が厚い会社で長い開発サイクルに取り組みたい方
自己資本比率は89.2%、研究開発費は44,959百万円で売上高の約5.2%です。
向いていない人
勤務地を都市部に限定したい方
本社・研究開発部門・主力工場は山梨県南都留郡忍野村に集約されています。
短い在籍年数での昇給を重視する方
提出会社の平均勤続年数は15.3年、平均年令は40.0歳です。
エージェントベストの見解
この会社の選考で最後まで詰められるのは、勤務地への納得感です。有報にあるとおり、研究開発部門と工場を本社地区に集中させることが同社の設計思想そのものです。山梨県忍野村という土地は、通勤圏や家族の事情を含めて生活の設計に直結します。ここを曖昧にしたまま進めると、内定後に条件面で止まります。準備としてお伝えしているのは、応募前に配属拠点の候補を確認し、その前提で生活が成り立つかを自分の中で決めておくことです。もう1つ、ロボットの会社という印象で応募すると、部門による違いを見落とします。売上高で見るとロボット部門は約44.1%で、FA部門が約24.3%、サービス部門が約16.5%、ロボマシン部門が約15.1%です。FA部門は中国とアジアが中心、ロボット部門は米州と中国、サービス部門は米州が最大の市場です。志望部門をどこに置くかで、面接で聞かれる経験の中身が変わります。募集職種と勤務地は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
連結従業員数は10,040人、提出会社は4,842人です。国内子会社にはファナックパートロニクス株式会社(254人)とファナックサーボ株式会社(150人)があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。
配属拠点の候補を確認してください。本社地区(忍野村・山中湖村)のほか、壬生工場、筑波工場、隼人工場、日野支社、名古屋サービスセンタが有報に挙げられています。
決算期は3月です。他社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜFAか」と「なぜファナックか」の2段で組み立てます。
前者は、志望する領域を具体化することです。CNCシステムとサーボモータ、産業用ロボット、ロボマシン、そして保守サービスでは、顧客も納期も求められる知識も違います。
後者の材料は有報にあります。受注高883,467百万円が販売高857,831百万円を上回っていること。国内売上が全体の約12.9%であること。中国向けが前期比約22.4%増で米州に迫っていること。ロボマシン部門だけが前期を下回っていること。研究開発費が売上高の約5.2%であること。自己資本比率が89.2%であること。
「ロボットが伸びた分だけロボマシンが減っている」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
製造業の中途採用では、担当した製品と、その製品で何を動かしたかが読まれます。
制御・ソフトウェア開発の経験がある方は、扱った制御対象と、開発規模・リアルタイム性の要件・量産までの期間を書きます。
機構・電気設計の経験がある方は、設計した機種と、コスト・重量・精度のどれをどれだけ動かしたかを書きます。
生産技術の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりやタクトタイムの改善幅を書きます。
フィールドサービス・技術営業の経験がある方は、担当した顧客の業種と台数規模、立ち上げやトラブル対応で短縮した時間を書きます。同社のサービス部門は売上高141,143百万円で全体の約16.5%を占めます。
海外拠点との協業経験がある方は、相手拠点と自分の役割を書きます。売上の約87.1%が海外である以上、この経験は読まれます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ファナックは東証プライム市場に上場するFAメーカーで、有価証券報告書 第57期(2026年3月期)の売上高は857,831百万円、経常利益227,485百万円、親会社株主に帰属する当期純利益166,543百万円、自己資本比率89.2%、自己資本利益率9.3%、連結従業員数10,040人(平均臨時雇用者数1,682人は外数)です。受注高は883,467百万円で販売高を上回りました。部門別ではロボット378,610百万円(約44.1%)、FA 208,478百万円(約24.3%)、サービス141,143百万円(約16.5%)、ロボマシン129,600百万円(約15.1%)。地域別では米州232,154百万円、中国228,376百万円、欧州152,371百万円、アジア(中国以外)124,223百万円、国内110,782百万円で、国内は全体の約12.9%です。提出会社の従業員数は4,842人、平均年令40.0歳、平均勤続年数15.3年、平均年間給与11,444千円(対前事業年度1.7%減)。本社は山梨県南都留郡忍野村にあり、有報には研究開発部門・工場等を本社地区に集中させてきたことと、それに伴う災害リスクが明記されています。
よくある質問
Q. ファナックの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第57期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は11,444千円(従業員4,842人、平均年令40.0歳、平均勤続年数15.3年)です。賞与および基準外賃金を含み、臨時従業員1,160人は外数です。対前事業年度増減率は1.7%の減少と記載されています。平均年令から平均勤続年数を差し引くと入社時の年齢は約24.7歳となり、新卒入社で長く在籍している層が平均を構成していると読めます。なおこの数値は提出会社のもので、国内子会社や在外子会社には適用されません。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 勤務地はどこになりますか。
A. 有価証券報告書によると、本店の所在の場所は山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番地です。有報のリスクの項には、自社工場と研究開発の連携による相乗効果を理由に研究開発部門・工場等を本社地区に集中させてきたと記載されています。生産拠点の複数化として本社工場(忍野村・山中湖村)のほか壬生工場(栃木県下都賀郡壬生町)、筑波工場(茨城県筑西市)、隼人工場(鹿児島県霧島市)が、サービス拠点として日野支社(東京都日野市)と名古屋サービスセンタ(愛知県小牧市)が挙げられています。実際の配属先は募集ポジションによって異なるため、公式の採用ページと選考の過程でご確認ください。
Q. 海外に関わる仕事はどのくらいありますか。
A. 第57期の売上高857,831百万円のうち、地域別では米州232,154百万円、中国228,376百万円、欧州152,371百万円、アジア(中国以外)124,223百万円、その他9,925百万円で、国内は110,782百万円(約12.9%)です。在外子会社の従業員数はFANUC Europe Corporation 1,852人、FANUC America Corporation 1,836人、FANUC INDIA PRIVATE LIMITED 534人などと記載されています。主な相手先別の販売実績では、SHANGHAI-FANUC Robotics CO., LTD.が89,639百万円・総販売実績の10.4%と記載されています。ただし個々の職種で海外業務がどの程度あるかは募集ポジションによるため、公式の採用ページでご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。