NTTドコモの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
NTTドコモは2020年に上場を廃止し、現在はNTTの完全子会社です。上場企業ではないため単独の有価証券報告書はありませんが、親会社であるNTTの有報を開くと、営業収益4兆7,587億円という数字が載っています。連結売上高の10%を超える子会社は主要な損益情報を開示する必要があるためです。この記事では、そこから読み取れる事業規模と、応募を検討する際の判断材料を整理します。
営業収益4兆7,587億円、NTTの完全子会社
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社NTTドコモ |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 資本金 | 949,680百万円 |
| 親会社 | NTT株式会社(東証プライム・証券コード9432)が議決権のすべてを保有 |
| セグメント | 総合ICT |
| 営業収益 | 4,758,722百万円 |
| 経常利益 | 694,630百万円 |
| 当期純利益 | 594,083百万円 |
| 純資産額 | 6,022,109百万円 |
| 総資産額 | 11,035,395百万円 |
数値はNTTの有価証券報告書 第41期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の「関係会社の状況」によります。
非上場でも業績が読める理由
NTTの有価証券報告書には、関係会社の状況として主要な子会社が一覧で記載されています。その注記に「売上高(連結子会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えています。当該会社の主要な損益情報等については下表のとおりです」とあり、該当する会社として株式会社NTTドコモが挙げられています。
そこに載るのが、営業収益4,758,722百万円、経常利益694,630百万円、当期純利益594,083百万円、純資産額6,022,109百万円、総資産額11,035,395百万円です。
NTTの連結営業収益は14,409,121百万円ですから、同社は連結の約33%にあたります。
上場を廃止すると業績が見えなくなる会社が多いなかで、この規模の会社は親会社の開示義務によって数字が残ります。転職の判断材料としては、この点を知っているかどうかで得られる情報量が変わります。
事業は「移動通信」と「スマートライフ領域」
関係会社の状況の関係内容欄には、「同社は移動通信サービス及びスマートライフ領域サービスの提供を主な事業としています」と記載されています。
セグメントの区分は「総合ICT」です。NTTのセグメントは、総合ICT、地域通信、グローバル・ソリューション、その他(不動産、エネルギー等)に分かれており、同社は総合ICTに属します。
同じ総合ICTには、NTTドコモビジネス株式会社(東京都千代田区、資本金230,979百万円)も含まれます。この会社は2025年7月1日にエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社から商号変更したもので、ICTサービス・ソリューション事業と国際通信事業を主な事業としています。
公開情報から読み取れる範囲
以下は、NTTの有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。同社は非上場のため、単独での有価証券報告書は提出されていません。
年収・評価制度
平均年間給与は公表されていません。非上場であり、親会社の有価証券報告書にも同社の給与水準は記載されていないためです。参考として、親会社NTTの提出会社(持株会社)の平均年間給与は10,562,434円(第41期・従業員2,606名)です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
NTTの有価証券報告書には、主なグループ会社の指標として同社の男性労働者の育児休業取得率が132.6%と開示されています(算出期間をまたいで取得した人が含まれるため、全数を上回る比率になることがあります)。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
事業は移動通信サービスとスマートライフ領域サービスの提供です。NTTのセグメント区分では総合ICTに属し、同じ区分にNTTドコモビジネス株式会社があります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
管理職に占める女性労働者の割合は15.7%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で81.9%、正規雇用労働者で81.5%、非正規雇用労働者で83.9%と開示されています(いずれもNTTドコモビジネス株式会社の数値を含む)。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
上場していない会社を検討するとき、多くの方は「情報がないから判断できない」と考えます。この会社の場合、それは正しくありません。親会社の有価証券報告書を開けば、営業収益4,758,722百万円、経常利益694,630百万円、当期純利益594,083百万円、純資産額6,022,109百万円、総資産額11,035,395百万円まで読めます。連結売上高の10%を超える子会社には、この開示義務があるためです。ここから見えるのは、経常利益率が約14.6%という収益構造です。同じ通信業界のKDDIは連結売上高6,071,915百万円に対し税引前当期利益1,117,904百万円で約18.4%。数字の作り方が違うので単純比較はできませんが、規模と利益率の位置関係はつかめます。転職の判断で大事なのは、情報がないと諦めるのではなく、どこに情報が残っているかを知っていることです。非上場の大企業を検討するときは、まず親会社の有報を開いてください。
報酬について確認できること
同社は非上場であり、単独での有価証券報告書は提出されていません。したがって平均年間給与は公表されていません。
親会社であるNTTの有価証券報告書には、子会社の給与水準として「最大人員会社等の状況」が記載されていますが、対象は株式会社NTTデータ(13,189名、平均年間給与9,583,906円)とNTTビジネスソリューションズ株式会社(10,981名、平均年間給与6,919,938円)の2社です。同社の数値は含まれていません。
参考として、親会社NTTの提出会社(持株会社)の平均年間給与は10,562,434円、従業員2,606名、平均年齢41.4歳、平均勤続年数15.6年です(第41期・対前事業年度増減率△1.2%)。ただしこれは持株会社に所属する層の数字であり、同社の水準を示すものではありません。
同じ通信業界では、KDDIの提出会社ベースの平均年間給与が10,510,939円(第42期・平均年齢42.3歳、平均勤続年数16.4年)と開示されています。
また厚生労働省のjob tagでは、経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。
実額は選考の過程で確認してください。
グループ全体の人的資本指標も開示されている
NTTの有価証券報告書には、主なグループ会社の人的資本指標が会社別に開示されています。
| 会社 | 管理職に占める女性労働者の割合 | 男性労働者の育児休業取得率 | 男女の賃金の差異(全労働者) |
|---|---|---|---|
| 株式会社NTTドコモ | 15.7% | 132.6% | 81.9% |
| NTT東日本株式会社 | 15.2% | 168.9% | 78.1% |
| NTT西日本株式会社 | 14.2% | 116.5% | 82.2% |
| 株式会社NTTデータグループ | 14.0% | 103.1% | 79.7% |
なお同社の数値にはNTTドコモビジネス株式会社の数値が含まれると注記されています。
男女の賃金の差異については、有価証券報告書に説明があります。「NTTグループの人事・給与制度において、性別による賃金の差異は設けていません。正規労働者においては、より上位職に占める男性割合や育児による短時間勤務等の女性割合の差、また、非正規労働者においては、給与水準の高い専門職における男女比率の差に起因し、それぞれ男女の賃金差異が生じているものと分析しています」と記載されています。
グループ全体(NTT、NTTドコモ、NTTデータグループ、NTT東日本、NTT西日本の集計)では、管理職に占める女性労働者の割合14.7%、男性労働者の育児休業取得率125.5%、男女の賃金の差異80.3%です。
通信から経済圏へ広がる事業環境
NTTの有価証券報告書には、事業環境の変化についての記述があります。転職を検討する立場から見ても、参考になる内容です。
通信サービスについては、アフターコロナにおける人流回復や動画視聴の増加に加え、生成AIの普及に伴うデータ通信量の増加により、通信トラフィックが大幅に増加していると記載されています。クラウド利用や多拠点接続ニーズの高まりにより、固定・モバイル双方で通信量は増加を続けており、ネットワークの増強や品質維持に向けた投資負担が増大しているとのことです。
一方で市場については、テレワーク需要の一巡や競争の進展により光回線の純増拡大が鈍化していること、モバイル通信における顧客獲得競争も激化していることが挙げられています。
そして「金融やエンターテインメント等を含む経済圏全体へと競争領域が拡大しており、ネットワーク投資の増大と市場競争の激化という両面から、NTTグループを取り巻く環境は一層厳しさを増しています」と結ばれています。
同社の事業内容に「スマートライフ領域サービス」が含まれているのは、この文脈と重なります。通信そのものだけでなく、決済や金融、コンテンツを含む領域が競争の場になっているということです。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、規模の大きい事業に関われます。 営業収益4,758,722百万円、総資産額11,035,395百万円。国内でも屈指の規模です。
第二に、通信以外の領域があります。 事業内容にスマートライフ領域サービスが含まれます。決済、金融、コンテンツなど通信の外側の事業に関わる可能性があります。
第三に、育児休業の取得が定着しています。 男性労働者の育児休業取得率は132.6%と開示されています。
向いている人/向いていない人
向いている人
利用者数の規模でシステムを考えたい方
営業収益4,758,722百万円、総資産額11,035,395百万円という規模の事業を支える基盤です。
通信と非通信の両方に関心がある方
事業内容は移動通信サービスとスマートライフ領域サービスです。決済や金融を含む経済圏の競争が事業環境として挙げられています。
制度が整った環境を求める方
男性労働者の育児休業取得率132.6%、管理職に占める女性労働者の割合15.7%と、グループ内では高い水準です。
向いていない人
平均年収を確認してから決めたい方
非上場であり、親会社の有価証券報告書にも同社の給与水準は記載されていません。
少人数の組織で意思決定したい方
営業収益4兆円台の事業体です。意思決定に関わる人数と手続きが多くなります。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「通信会社で何をしたいのか」を具体的に語れるかどうかです。ここで「大規模なサービスに関わりたい」と答えると、他の候補者と区別がつきません。準備としてお伝えしているのは、有価証券報告書の事業環境の記述から論点を1つ選び、自分の経験を接続することです。たとえば「生成AIの普及に伴うデータ通信量の増加により通信トラフィックが大幅に増加」という記述。ここから読めるのは、需要予測と設備投資の判断が難しくなっているという課題です。あるいは「金融やエンターテインメント等を含む経済圏全体へと競争領域が拡大」という記述。ここからは、通信以外の事業をどう立ち上げ、既存の顧客基盤とどうつなぐかという課題が読めます。前職でトラフィック設計をした経験、新規事業を既存事業に接続した経験、決済やポイントの仕組みを扱った経験。いずれも接続します。会社の規模ではなく、会社が抱えている課題から話を始めてください。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募先の法人を確かめる
NTTグループには多数の法人があります。株式会社NTTドコモのほか、同じ総合ICTセグメントにNTTドコモビジネス株式会社(2025年7月1日にエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社から商号変更)、NTTドコモソリューションズ株式会社(同日にエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社から商号変更)があります。
2025年7月には複数の会社が同時に商号を変更しており、求人情報が旧社名で掲載されている場合があります。応募前に現在の社名で確認してください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ通信業界か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、サービスを提供する側と、それを受託して作る側の違いをどう捉えているかを説明します。SIerから移る場合、ここが最初に問われます。
後者の材料はNTTの有価証券報告書にあります。営業収益4,758,722百万円という規模。移動通信とスマートライフ領域という事業構成。通信トラフィックの増加と投資負担の増大、そして経済圏への競争拡大という事業環境。
とくに事業環境の記述は、この会社が今どこに向かっているかを示す一次情報です。
職務経歴書で見られるポイント
システムやプロジェクトの職種では、規模と制約下での判断が読まれます。
通信・金融・公共など、停止が許されない領域の経験がある方は、可用性の要件をどう満たしたかを具体的に書きます。
事業会社出身の方は、サービスの成長に合わせてシステムをどう作り替えたかを書きます。
新規事業の経験がある方は、既存の顧客基盤とどう接続したかを書きます。スマートライフ領域を持つ会社では、この経験が接続します。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
株式会社NTTドコモは東京都千代田区に所在するNTT株式会社の完全子会社で、資本金は949,680百万円、NTTのセグメント区分では総合ICTに属します。非上場のため単独の有価証券報告書はありませんが、連結売上高の10%を超える子会社として親会社の有報に主要な損益情報が記載されており、第41期(2026年3月期)の営業収益4,758,722百万円、経常利益694,630百万円、当期純利益594,083百万円、純資産額6,022,109百万円、総資産額11,035,395百万円が確認できます。事業は移動通信サービスとスマートライフ領域サービスの提供です。人的資本の指標としては、管理職に占める女性労働者の割合15.7%、男性労働者の育児休業取得率132.6%、労働者の男女の賃金の差異81.9%が開示されています(いずれもNTTドコモビジネス株式会社の数値を含む)。平均年間給与は公表されていないため、実額は選考の過程で確認する必要があります。
よくある質問
Q. NTTドコモの年収はどのくらいですか。
A. 公表されていません。非上場であり、親会社NTTの有価証券報告書にも同社の給与水準は記載されていないためです。参考として、親会社NTTの提出会社(持株会社)の平均年間給与は10,562,434円(第41期・従業員2,606名、平均年齢41.4歳、平均勤続年数15.6年)、同じ通信業界のKDDIの提出会社ベースは10,510,939円(第42期)です。いずれも同社の水準を示すものではありません。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 上場していないのに業績が分かるのですか。
A. 親会社NTTの有価証券報告書に記載されています。有報の関係会社の状況には、売上高(連結子会社相互間の内部売上高を除く)が連結売上高の10%を超える会社について主要な損益情報等を記載する旨の注記があり、株式会社NTTドコモが該当します。第41期(2026年3月期)は営業収益4,758,722百万円、経常利益694,630百万円、当期純利益594,083百万円、純資産額6,022,109百万円、総資産額11,035,395百万円です。NTTの連結営業収益14,409,121百万円の約33%にあたります。
Q. 働き方に関する開示はありますか。
A. NTTの有価証券報告書に、主なグループ会社の指標として同社の数値が開示されています。管理職に占める女性労働者の割合15.7%、男性労働者の育児休業取得率132.6%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で81.9%、正規雇用労働者で81.5%、非正規雇用労働者で83.9%です(いずれもNTTドコモビジネス株式会社の数値を含む)。なお有報には、NTTグループの人事・給与制度において性別による賃金の差異は設けておらず、上位職に占める男性割合や育児による短時間勤務等の女性割合の差に起因すると分析している旨が記載されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。