アイリスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
会社概要は非公表、製品情報は詳細
アイリスは、AIを搭載した医療機器を開発する非上場企業です。この会社を調べると、情報の出方に偏りがあることに気づきます。
公式サイトの会社概要には、設立年月、本社所在地、資本金、従業員数のいずれも掲載されていません。 非上場のため有価証券報告書もなく、組織の規模を事前に知ることはできません。
一方で、製品については承認番号から治験データまで詳細に公開されています。医療機器は薬事承認が要る領域であり、公表される情報の性格が他の業種と異なります。
この記事では、製品側から読み取れる事実を軸に、この会社の実像を整理します。本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、公式サイトでご確認ください。
nodocaという製品が、この会社を説明している
主力製品「nodoca(ノドカ)」について、製品サイトに記載されている情報を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売名 | nodoca(ノドカ) |
| 一般的名称 | 内視鏡用テレスコープ |
| 医療機器承認番号 | 30400BZX00101000 |
| 販売開始 | 2022年12月 |
| 導入実績 | 日本全国2,000施設以上(2025年11月時点) |
| 保険点数 | 305点(保険適用) |
医療機器の承認番号が公表されているという点が、この会社の性格を端的に示しています。薬事承認を得た製品を扱う以上、性能も使用上の注意も公的に検証された形で開示されます。
保険点数305点という数字も重要です。製品サイトによれば、迅速検査キットを用いた従来の検査法は301点(抗原定性132点+免疫学的検査判断料144点+鼻腔・咽頭拭い液採取25点)で、ほぼ同じ水準です。価格面での障壁を作らずに置き換えを狙う設計だと読めます。
治験データが公開されている
製品サイトには、臨床成績が具体的な数値で記載されています。
インフルエンザ判定
国内11施設での治験において、PCR法検査に対する感度76.0%、特異度88.1%(点推定値)とされています。
咽頭画像と問診情報等をもとに判定するため、ウイルス自体ではなく症状や体の変化に着目する仕組みです。製品サイトは、治験では統計的に有意な差は認められなかったとしたうえで、発症後12時間以内においてイムノクロマト法よりも感度が高い傾向が認められたと記載しています。
患者の負担
治験時のNRS(Numerical Rating Scale)による痛みの評価は平均0.8、治験参加者の**90.6%が「今後はnodocaの検査を受けたい」**と回答したとされています。
新型コロナスクリーニング機能
一部変更承認を得た機能で、PCR法検査との比較試験において、「検出あり・検出なし」に限定した感度80.3%、特異度77.9%、**判定保留の表示率は72.8%**とされています。判定保留が出た場合は原理の異なる他の検査の追加実施を検討する、という但し書きも明記されています。
この「判定保留72.8%」を公開している点は、転職を検討する立場から見ておく価値があります。都合の悪い数字も含めて開示する姿勢が、製品情報の作り方に表れています。
ミッションと、創業の経緯
公式サイトによれば、この会社のミッションは**「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」**です。
代表挨拶には、創業に至る経緯が記されています。日本赤十字社医療センターでの勤務を経て、ドクターヘリ添乗医や離島医などおよそ8年間救急医療に従事し、100施設以上の様々な現場で医療に携わったという経歴です。
そのうえで、患者にとって大切なのは「医学的な正しさ」と「納得感のある医療」の両輪であるとし、AIは医療を標準化し、これまで属人的だった医療技術の格差を埋めることができるテクノロジーである、という趣旨が述べられています。
医師が創業した会社であることは、事業の性格を理解するうえで重要です。医療機器は、技術だけでなく臨床現場の理解がないと成立しません。
なお公式サイトは、社員構成について「医療ヘルスケア業界出身のメンバーをはじめ、省庁、コンサルティングファーム、事業会社、IT など幅広い業界の一線で活躍してきたプロフェッショナルたち」と記載しています。
評判の傾向
年収・評価制度
非上場のため公式な水準は公表されていません。医療機器の開発には薬事や品質管理の専門職が要るため、職種によって設計が異なる可能性がありますが、公開情報からは確認できません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
薬事承認や治験のスケジュールに業務が連動するという指摘が見られます。感染症を扱う製品の性格上、流行期に負荷が集中するという声もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
医療機器の承認取得という経験を積める点を評価する声が見られます。前例の少ない領域であるため、仕組みを作る側に回れるという指摘もあります。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
医療への関心を共有する文化があるという声が見られます。医師をはじめ医療従事者出身のメンバーが在籍することへの言及も見られます。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
医療機器を扱う会社への転職では、「医療」と「規制産業」を分けて考えることをお勧めしています。この会社に関心を持つ方の多くは、医療への貢献を動機に挙げます。それ自体は自然です。ただし日々の仕事を規定するのは、医療そのものより薬事規制です。承認番号30400BZX00101000という番号が示すとおり、製品は国の承認を受けて初めて世に出ます。仕様を変えれば一部変更承認が要り、性能を主張するには治験データが要る。思いついたら作って出す、という進め方はできません。 この制約を面白いと感じるか、遅いと感じるかで適性が分かれます。面接では、配属予定の職種が承認プロセスにどの程度関わるかを確認しておくことをお勧めします。開発職でも、薬事の要求から逆算した設計が求められる場面が多くなります。
非上場企業の条件をどう確認するか
この会社は有価証券報告書を提出しておらず、公式サイトにも設立年月、所在地、資本金、従業員数の記載がありません。上場企業と同じ方法では調べられない点は、検討にあたっての前提になります。
確認の手順を整理します。
募集要項の提示レンジ
非上場企業では、これが最も確度の高い情報です。レンジの上限ではなく、自分の経験がどこに位置づくかを面接で確認します。
従業員数と組織構成
公式サイトに記載がないため、面接で聞くしかありません。医療機器メーカーでは、開発・薬事・品質保証・営業の構成比が働き方を左右します。 あわせて直近1年の増減を聞くと、拡大局面かどうかが分かります。
製品の次の展開
現在はnodocaが中核です。次の製品や適応拡大の計画があるかは、入社後に扱うテーマに直結します。
ストックオプションの有無
スタートアップでは報酬の一部が株式に関する権利で構成される場合がありますが、この会社に制度があるかどうかは公開情報からは確認できません。
販売体制
製品サイトには、特約店としてメディセオ、アルフレッサ、スズケン、東邦薬品の名が挙げられています。医薬品卸を通じた販売網を持つことが読み取れます。営業職で応募する場合、直販か卸経由かで仕事の性格が変わります。
2,000施設という導入実績が意味すること
販売開始から3年で2,000施設
2022年12月の販売開始から、2025年11月時点で2,000施設以上という記載です。医療機器の導入は院内の稟議と予算を伴うため、この速度は速い部類に入ります。
WEB問診システムとの連携
製品サイトには、Symview(レイヤード)、メルプWEB問診(HERO innovation)、ユビーAI問診(Ubie)、チェックオン(NOC)との連携機能が記載されています。他社サービスとの接続を進めていることが読み取れます。
一般的名称は「内視鏡用テレスコープ」
AI医療機器という言葉から想像される分類ではなく、既存のカテゴリーで承認を得ています。医療機器の承認は分類ごとに要件が異なるため、この点は実務上の意味を持ちます。
6歳未満は使用を推奨していない
製品サイトは、6歳未満の患者については有効性及び安全性が評価されておらず使用を推奨していないと明記しています。適応の範囲が限定されていることも、公開されている事実です。
向いている人/向いていない人
向いている人
規制のある領域で仕組みを作りたい方
薬事承認を要する製品を扱います。制約の中で成立させる仕事に面白さを感じる方に向きます。
臨床現場への関心がある方
顧客は医療機関です。診療の流れを理解しようとする姿勢が、製品づくりにも営業にも効きます。
前例の少ない領域に挑みたい方
AIを用いた医療機器は確立された市場ではありません。基準を作る側に回れる環境です。
向いていない人
公開情報の多さを重視する方
非上場で、会社概要も公表されていません。入社判断に必要な情報を面接で集める必要があります。
速い開発サイクルを求める方
仕様変更に承認が必要になる場面があります。短期間で作って出す進め方を求める場合、想定と異なります。
エージェントベストの見解
面接で効くのは、公開されている数字に自分から触れることです。この会社は製品サイトで、感度76.0%、特異度88.1%、新型コロナ機能の判定保留率72.8%まで開示しています。都合の良い数字だけを並べていません。だからこそ、応募者がこれらを読んだうえで質問できると、姿勢が伝わります。たとえば「判定保留が出た場合の運用を、医療機関にどう説明していますか」と聞く。これは製品の弱点を突く質問ではなく、現場に届けるうえでの実務課題を尋ねる質問です。医療機器は性能だけでは普及しません。使う側の運用に落ちて初めて価値が出ます。そこに関心があることを示せる応募者は、多くありません。準備としては、製品サイトのFAQを一通り読んでおくだけで十分です。
選考に向けた準備
選考フローの概要
公開されている情報の範囲では、書類選考、複数回の面接という流れが一般的とされています。職種によっては専門性を確認する面談が加わる場合があります。回数や内容は時期により変動します。詳細は公式の募集要項でご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの業界か」では、医療という領域に関心を持った理由を整理します。個人的な体験から入る応募者は多いため、そこから踏み込んで、なぜ医療機器という手段なのかまで話せると差が出ます。医療への貢献は、製薬でも、医療ITでも、医療機関そのものでも可能です。
「なぜこの会社か」では、nodocaの具体的な仕様や治験データに触れます。承認番号を持つ製品を1つ持ち、2,000施設以上に導入されているという事実は、公開資料から確認できます。
職務経歴書で見られるポイント
規制のある製品に関わった経験があれば、具体的に書きます。医療機器に限らず、医薬品、食品、自動車部品など、認証や承認を要する領域の経験は接続します。
医療機関を顧客とした経験がある場合は、扱った診療科と施設の規模を明示します。開業医と病院では、意思決定の構造が違います。
まとめ
アイリスは、AIを搭載した医療機器を開発する非上場企業です。ミッションに「みんなで共創できる、ひらかれた医療をつくる。」を掲げ、救急医療に約8年間従事した医師が創業しています。
主力製品のnodocaは、医療機器承認番号30400BZX00101000を持ち、2022年12月に販売を開始、2025年11月時点で全国2,000施設以上に導入されています。保険点数は305点で、従来の迅速検査キット法(301点)とほぼ同水準です。
臨床成績は、国内11施設での治験でPCR法検査に対する感度76.0%、特異度88.1%。治験時の痛みの評価はNRS平均0.8、参加者の90.6%が今後もこの検査を受けたいと回答したとされています。
公式サイトに設立年月、所在地、資本金、従業員数の記載はありません。 組織の規模は面接で確認する項目になります。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
A. 非上場企業のため有価証券報告書がなく、平均年収は公表されていません。公式サイトの会社概要にも従業員数の記載がないため、組織の規模も事前には分かりません。募集要項に提示されるレンジと、面接での確認が判断材料になります。
Q. 医療の知識がなくても転職できますか。
A. 職種によります。公式サイトは、社員が医療ヘルスケア業界出身者のほか、省庁、コンサルティングファーム、事業会社、ITなど幅広い業界の出身者で構成されていると記載しています。医療知識より、規制のある製品に関わった経験や、医療機関を顧客とした経験が接点になりやすいと考えられます。
Q. どのような製品を扱っていますか。
A. AI搭載インフルエンザ検査医療機器「nodoca」が主力です。専用カメラで撮影した咽頭画像と問診情報等をもとにAIが判定する仕組みで、医療機器承認番号は30400BZX00101000、一般的名称は「内視鏡用テレスコープ」です。新型コロナのスクリーニング機能も一部変更承認を得ています。
本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。