デジタルガレージの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

デジタルガレージ 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

デジタルガレージは、決済事業とベンチャー投資・インキュベーションを組み合わせた東証上場企業です。第30期(2025年3月期)の収益は383億6百万円、一方で税引前損失は102億16百万円。5期前には税引前利益143億17百万円、4期前には453億93百万円を計上しており、業績の振れ幅が極端に大きい会社です。連結従業員数は1,321名。この記事では、IFRSにもとづく有価証券報告書の数値から、事業の構造・年収・選考の準備を整理します。

3つのセグメントと1,321名

有価証券報告書(第30期)に記載されている内容は、次のとおりです。

項目内容
会社名株式会社デジタルガレージ(Digital Garage, Inc.)
代表者代表取締役兼社長執行役員グループCEO 林 郁
本店所在地東京都渋谷区恵比寿南三丁目5番7号
事業年度第30期(2024年4月1日〜2025年3月31日)
上場区分東京証券取引所(証券コード4819)
会計基準IFRS
連結従業員数1,321名(外書95名)(2025年3月31日現在)

セグメント別の人員配置

セグメント従業員数
プラットフォームソリューション538名(外書50名)
ロングタームインキュベーション405名(外書31名)
グローバル投資インキュベーション52名
全社(共通・管理部門等)326名(外書14名)
合計1,321名(外書95名)

有価証券報告書には、次の増加要因も記載されています。

M&Aによって人員が増えている構造が、この注記から読み取れます。

投資ファンドを多数抱える

関係会社には、Open Network Lab・ESG1号投資事業有限責任組合、DG Lab1号投資事業有限責任組合、DG Lab FundⅡ E.L.P.Cayman、DGDV Fund Ⅲ E.L.P.Cayman、DGりそなベンチャーズ1号投資事業有限責任組合といったファンドが並んでいます。投資事業が組織の一部として組み込まれていることを示す構成です。

5期の推移が示す振れ幅

連結の主要な経営指標は、次のとおりです(IFRS)。

決算年月収益税引前利益又は損失(△)親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失(△)親会社所有者帰属持分比率
2021年3月404億78百万円+143億17百万円+97億86百万円34.8%
2022年3月729億55百万円+453億93百万円+303億30百万円41.3%
2023年3月300億70百万円△138億81百万円△90億51百万円37.0%
2024年3月378億53百万円+62億98百万円+58億6百万円38.6%
2025年3月383億6百万円△102億16百万円△71億90百万円33.3%

利益が年ごとに反転する

税引前損益は、+143億→+454億→△139億→+63億→△102億。5期のうち2期が損失です。収益(売上に相当)は300億〜400億円台で比較的安定しているのに対し、利益は正負を行き来しています。

投資損益が業績を左右する

この振れ幅は、事業会社としての営業成績というより、保有する投資先の評価がその期の損益に反映される構造によるものと考えられます。ベンチャー投資を事業に組み込んだ会社に共通する特徴です。

キャッシュ・フローは大きく改善

第30期の営業活動によるキャッシュ・フローは317億26百万円で、前期の△110億32百万円から大きくプラスに転じました。一方、財務活動によるキャッシュ・フローは△149億14百万円です。

評判の傾向

年収・評価制度

事業や職種によって水準の差が大きいという声が見られます。投資部門と事業部門で評価の考え方が異なるという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

ワークライフバランス

柔軟な働き方への言及が見られます。決済インフラを担う部門では、稼働に伴う対応があるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

キャリア・成長機会

決済・投資・インキュベーションと領域が広く、経験の幅が得られるという評価が中心です。一方、組織の再編が多いという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

社風・人間関係

新しい事業に関心を持つ人が集まっているという声が見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。

エージェントベストの見解

この会社の業績を、事業会社と同じ物差しで読むと判断を誤ります。第29期は税引前利益62億98百万円、第30期は税引前損失102億16百万円。1年で165億円動いています。ところが収益は378億53百万円から383億6百万円へ、ほぼ横ばいです。本業の規模はほとんど変わっていないのに、損益だけが大きく反転している。 これは投資先の評価が損益に流れ込む構造によるものと考えられます。転職を検討する方にとって重要なのは、自分が入る部門がこの振れの内側にあるのか、外側にあるのかです。決済を担うプラットフォームソリューション(538名)は、日々の取引量が収益になる事業で、振れの外側にあります。一方、インキュベーションや投資の部門は振れの内側です。賞与の原資が全社業績に連動する設計なら、外側にいても影響を受けます。面接では「賞与の算定が全社業績とセグメント業績のどちらに連動するか」を必ず確認してください。

年収の実態

有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。

項目内容
従業員数564名
平均年齢39.2歳
平均勤続年数5年6ヶ月
平均年間給与8,240,178円

連結1,321名のうち564名が提出会社に所属し、残りは子会社に配置されています。

平均年間給与824万円

上場企業のなかでは高めの水準です。平均年齢39.2歳という構成を踏まえると、経験者を中途で迎える比率が高い組織と考えられます。

確認しておきたいこと

  1. 雇用契約を結ぶ法人(提出会社か子会社か)
  2. 応募職種の給与レンジと等級の定義
  3. 賞与の算定が全社業績とセグメント業績のどちらに連動するか
  4. 配属予定セグメント(決済/インキュベーション/投資)

1点目は重要です。連結1,321名のうち757名は提出会社以外に所属しています。2024年7月に子会社化された株式会社SCOREや株式会社DGフィーリストも含まれます。

働き方と、3つの異なる事業

同じ会社のなかに、性格の異なる事業が並んでいます。

**プラットフォームソリューション(538名)**は決済を中心とする事業です。取引が積み上がることで収益になる構造で、安定性と正確さが求められます。

**ロングタームインキュベーション(405名)**は、事業を育てる領域です。時間軸が長く、成果が出るまでの期間も読みにくくなります。

**グローバル投資インキュベーション(52名)**は少数精鋭で、投資判断が主な業務と考えられます。

確認しておきたいのは、次の点です。

キャリアの積み上がり方

同社で積み上がる経験は、配属先によって大きく異なります。

決済領域では、加盟店・金融機関・カードブランドをつなぐ仕組みの知識が積み上がります。規制のある領域であり、この経験は決済事業者や金融機関で評価されます。

インキュベーション・投資領域では、事業の目利きと支援の経験が積み上がります。VC、事業会社のCVC、スタートアップの経営企画などにつながります。

M&Aの経験も得られる可能性があります。2024年7月に2社を子会社化しており、統合の過程に関わる機会は存在すると考えられます。

一方で、どのセグメントに配属されるかで5年後の職務経歴書がまったく変わる構造です。入口の選択が後々に効いてくる点は、意識しておく必要があります。

向いている人/向いていない人

複数の事業領域に関心がある人

決済・インキュベーション・投資が並ぶ構成です。1つの領域に閉じたくない方に向きます。

変動を受け入れられる人

税引前損益が年ごとに正負を行き来する会社です。この振れを前提に働ける方に合います。

スタートアップと関わりたい人

複数の投資ファンドを抱え、インキュベーション事業を運営しています。若い会社と接点を持ちたい方に機会があります。

安定した収益基盤で働きたい人

第30期は税引前損失102億16百万円、親会社所有者帰属持分比率も33.3%へ低下しました。安定を前提にしたい方には、状況が異なります。

評価の軸が明確な環境を求める人

事業の性格が大きく異なるセグメントが並んでいます。統一された評価基準を期待する方には、違和感が生じる可能性があります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われるのは、「短期と長期のどちらの物差しで働きたいか」です。この会社は、決済という日々の積み上げで稼ぐ事業と、数年単位で果実を待つ投資・インキュベーションの事業を同居させています。前者は月次で結果が出て、後者は数年出ないこともある。ここで「早く成果を出したい」と答えると、投資部門では噛み合いませんし、「長期でじっくり」と答えると決済部門では物足りなく映ります。準備としては、自分がどちらの時間軸で働いてきたかを整理し、応募セグメントに合わせて語れるようにしておくことをおすすめします。あわせて、なぜその時間軸を選ぶのかを、過去の経験から説明できるようにしてください。両方できますという答えは、この会社では最も弱くなります。

選考に向けた準備

選考フローについて

公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題が課される場合があるとされますが、内容と回数は応募先のセグメント・ポジション・時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。

志望動機の組み立て

「なぜこの領域か」と「なぜこの会社か」を分けます。後者では、3つのセグメントのうちどこに関わりたいかを選んで語ることが有効です。決済・インキュベーション・投資は求められる力が異なり、全部に興味があるという説明は志望が定まっていない印象を与えます。

職務経歴書で見られる点

決済領域の経験があれば、扱った取引量、加盟店数、システムの可用性要件を数字で書きます。投資・事業開発の経験があれば、担当した案件数と、その後の推移を明記してください。M&Aや統合に関わった経験があれば、自分が担った工程を具体的に書くと、直近の動きと接点が生まれます。

まとめ

デジタルガレージについて、有価証券報告書(第30期)から確認できる点を整理します。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 業績はなぜ大きく変動するのですか。

A. 収益は5期を通じて300億〜400億円台で推移している一方、税引前損益は+453億93百万円から△138億81百万円まで大きく動いています。ベンチャー投資を事業に組み込んだ構造上、投資先の評価が損益に反映されるためと考えられます。詳細は有価証券報告書でご確認ください。

Q. 平均年収はいくらですか。

A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は8,240,178円です。対象は564名で、平均年齢39.2歳・平均勤続年数5年6ヶ月という構成です。連結1,321名のうち757名は子会社に所属しているため、雇用先の法人によって条件が異なる可能性があります。

Q. どの事業に配属されますか。

A. セグメントはプラットフォームソリューション(538名)、ロングタームインキュベーション(405名)、グローバル投資インキュベーション(52名)の3つです。事業の性格が大きく異なるため、応募ポジションがどのセグメントに属するかを確認することをおすすめします。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)