エバコアの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

エバコア 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/4

外資系投資銀行への転職を検討するとき、社名の知名度と日本での事業規模は別物です。エバコアは世界16か国に拠点を持ち、累計5兆ドルを超える案件に関与してきた投資銀行ですが、東京オフィスの開設は2017年であり、日本での歴史は10年に満たない組織です。この記事では、公式サイトとプレスリリースで確認できる事実を軸に、この会社の位置づけと応募時に押さえるべき点を整理します。

1995年創業・16か国の独立系アドバイザリー

項目内容
会社名Evercore Inc.(エバコア)
上場区分ニューヨーク証券取引所(ティッカー EVR)
創業1995年
本社ニューヨーク(55 East 52nd Street, New York, NY 10055)
従業員数約2,600人
拠点16か国
東京オフィス東京都千代田区丸の内一丁目6番2号 新丸の内センタービル21階
東京オフィス開設2017年
事業領域インベストメント・バンキング/エクイティ(リサーチ・セールス&トレーディング)/ウェルス・マネジメント
累計案件規模発表済み取引額5兆ドル超

数値はいずれも公式サイトの記載によります。旧社名はEvercore Partners Inc.で、2017年8月にEvercore Inc.へ変更されています。

商業銀行を持たないという構造

この会社を理解するうえで最初に押さえるべきは、事業の構成です。

公式サイトによると、事業領域はインベストメント・バンキング、エクイティ、ウェルス・マネジメントの3つです。インベストメント・バンキングの中身は、戦略アドバイザリー、リストラクチャリング、キャピタル・マーケッツ・アドバイザリー、プライベート・キャピタルとされています。

ここに融資業務は含まれません。バランスシートを使った貸出や自己勘定取引を持たず、助言そのものを収益源とする構造です。いわゆる独立系アドバイザリーと呼ばれる形態で、総合金融グループの投資銀行部門とは事業の成り立ちが異なります。

この違いは仕事の中身に直結します。融資を組み合わせた提案ができない代わりに、資金の出し手としての利害を持たない立場で助言できる、という位置づけです。

東京オフィスは2017年に開設された

日本での展開は、比較的新しい取り組みです。

2017年1月31日付のプレスリリースによると、エバコアは日本事業の責任者を迎えて東京オフィスを立ち上げ、日本企業に対するM&A助言および金融市場助言サービスを提供する体制を整えました。当時のリリースでは、香港とシンガポールの既存オフィスと合わせてアジア展開を強化する方針が示されています。

また同リリースには、2006年から続くみずほとの提携を活かし、企業の合併・買収事業で協力するという説明も含まれています。

つまり日本におけるエバコアは、グローバルで確立された名前を持ちながら、拠点としては後発です。この非対称性が、転職先として検討するうえで最も重要な特徴になります。

検討時に確認すべき4つの論点

以下は、公開されている情報から読み取れる範囲の整理です。日本法人の従業員数や報酬水準は公表されていないため、確認できる事実の範囲にとどめています。

年収・評価制度

日本における報酬水準は公表されていません。エバコアはニューヨーク証券取引所に上場していますが、日本の拠点単位の人員数や給与は開示対象ではありません。外資系投資銀行の報酬は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。実額は選考の過程で確認することになります。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

助言業務が収益の中心であるため、案件のフェーズによって負荷が変動する構造です。公式サイトの採用ページでは、経験者に対して知的な挑戦とリーダーシップの機会を提供する旨が示されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

インベストメント・バンキングの中に、戦略アドバイザリー、リストラクチャリング、キャピタル・マーケッツ・アドバイザリー、プライベート・キャピタルという領域があります。日本の拠点が扱う範囲は、公表されている情報からは特定できません。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

採用ページには、複数のマネージング・ディレクターによる文化と育成に関するコメントが掲載されており、キャリアの前進とリーダーシップの機会が強調されています。組織としての規模は約2,600人で、総合金融グループと比べると小さい部類です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

エージェントベストの見解

「エバコアに転職したい」と伺ったとき、最初に確認しているのは、グローバルの規模と日本での規模を分けて理解できているかどうかです。公式サイトの数字は、従業員約2,600人、16か国、発表済み取引額5兆ドル超。これは会社全体の話です。一方、東京オフィスの開設は2017年で、日本での歴史は10年に届いていません。プレスリリースを読めば、責任者を1人迎えて立ち上げたところから始まっていることが分かります。ここを混同したまま「グローバルの案件基盤を活かして働きたい」と話すと、面接で具体性が足りなくなります。逆に、後発拠点であることを前提に、自分が日本の案件をどう獲得しどう組成するかを語れる方は、この種の組織で評価されやすくなります。拠点の規模は、応募前に必ずご自身で確認してください。グローバルサイトの数字ではなく、日本で何人が何をしているかです。

報酬に関して公表されている範囲

エバコアは日本において、従業員数や平均年間給与を開示していません。日本法人が有価証券報告書の提出会社ではないためです。

参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)、平均年齢を39.4歳としています。外資系投資銀行のアドバイザリー職はこの職種区分とは別ですが、比較の起点にはなります。

報酬の構造について、公表情報から言えることは事業構造の側からの推測にとどまります。融資業務を持たず助言収益に依存するため、案件の獲得と完了が業績に直結する形になります。この種の会社では賞与の比重が高くなるのが業界の一般的な設計です。

実額を知る手段は、選考の過程で確認することです。求人票やエージェント経由の情報ではなく、オファー段階で基本給と賞与の考え方を確認してください。

新丸の内センタービルという勤務地

公式サイトによると、東京オフィスは東京都千代田区丸の内一丁目6番2号、新丸の内センタービル21階に所在します。

働き方については、公表されている情報がありません。ただし事業の性質として、案件のフェーズによって負荷が変わる構造であることは確かです。デューデリジェンスや条件交渉の局面と、その前後では業務量が異なります。

また、拠点が東京の1か所である点も押さえておくべきです。国内の他都市に拠点はなく、案件によっては出張が発生する形になります。

独立系アドバイザリーで積める経験

エバコアでのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。

第一に、助言に特化した経験になります。 融資や自己勘定取引を持たない構造であるため、資金の出し手としての立場からではなく、助言の質そのもので価値を出すことになります。総合金融グループの投資銀行部門で、融資やその他の商品と組み合わせた提案に慣れた方にとっては、進め方が変わります。

第二に、扱う領域が明示されています。 インベストメント・バンキングの領域として、戦略アドバイザリー、リストラクチャリング、キャピタル・マーケッツ・アドバイザリー、プライベート・キャピタルが挙げられています。リストラクチャリングを事業領域として明示している点は、案件環境が変わったときの選択肢という意味で押さえておく価値があります。

第三に、後発拠点である意味があります。 2017年開設という時点は、外資系投資銀行の日本進出としては遅い部類です。組織が固まっていない局面では、自分の役割を作れる余地がある一方、社内の仕組みが整っていない可能性もあります。どちらに転ぶかは、入る時点の組織規模によります。

向いている人/向いていない人

向いている人

助言そのもので価値を出したい方

融資や自己勘定取引を持たない構造です。商品を組み合わせた提案ではなく、助言の内容で評価される環境を求める方に接続します。

グローバル案件に関わりたい方

16か国に拠点を持ち、発表済み取引額は累計5兆ドルを超えると公表されています。クロスボーダー案件に関わる可能性がある環境です。

組織を作る側に回りたい方

東京オフィスの開設は2017年です。仕組みが完成した組織で役割を与えられるより、自分で役割を作りたい方に向いています。

向いていない人

大組織の安定を求める方

全世界で約2,600人という規模は、メガバンク系の証券会社とは桁が違います。日本の拠点はさらに小規模です。人員が限られる組織では、業務範囲が広くなります。

明確に定義された職務範囲を求める方

後発の拠点では、職務が細かく分かれていないことが一般的です。担当領域が固定されている環境を望む方には合いません。

エージェントベストの見解

エバコアの選考で最も差がつくのは、「なぜ独立系なのか」に答えられるかどうかです。この会社は融資業務も自己勘定取引も持ちません。つまり総合金融グループの投資銀行部門とは、提案できる道具立てが違います。ここを理解せずに「M&Aアドバイザリーがやりたい」とだけ話すと、証券会社でも銀行でもFASでも同じ志望動機になってしまいます。準備としては、自分が担当した案件を1件選び、「もし融資や引受を組み合わせられない立場だったら、何で勝負したか」を言語化してみてください。答えが出せる方は、独立系の価値を実感として理解しています。出せない方は、まだ商品の力で仕事をしている可能性があります。これは能力の話ではなく、環境の話です。そして面接官が知りたいのは、まさにその自覚の有無です。募集の有無と選考フローは必ず公式の採用ページでご確認ください。

応募前に確認すべきこと

募集の状況を先に確かめる

エバコアの採用は、公式サイトのCareersセクションから確認できます。学生・卒業生向けと経験者向けが分かれており、事業領域としてInvestment Banking、Equities、Wealth Managementが示されています。

ただし日本の拠点でどの領域の募集があるかは、時期によって変わります。グローバルの採用ページに掲載があっても、日本での募集とは限りません。応募前に、東京オフィスのポジションが実際に開いているかを確認することが出発点になります。

志望動機で問われること

「なぜ投資銀行か」ではなく、「なぜ独立系アドバイザリーか」「なぜエバコアか」まで踏み込む必要があります。

前者については、融資や引受を持たない構造をどう評価するかを説明します。後者については、1995年創業という歴史、16か国という拠点網、2017年開設という日本での立ち位置が材料になります。とくに日本拠点が後発である点をどう捉えるかは、率直に語ったほうが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

助言業務に特化した会社である以上、書類では案件経験の中身が読まれます。

証券会社や銀行の投資銀行部門出身の方は、担当した案件の役割を具体的に書きます。ピッチから関与したのか、実行フェーズからか。売り手側か買い手側か。案件規模と業種。これらが揃っていると読み手が判断できます。

FASやコンサルティング出身の方は、財務モデリングやバリュエーションの実務に加えて、当事者と直接やり取りした経験を示します。助言の現場では、分析だけでなく相手を動かす力が問われます。

事業会社の経営企画や財務出身の方は、当事者としてM&Aを推進した経験を前面に出します。買い手の立場を内側から知っていることは、助言側に回るときの資産になります。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

エバコアは1995年創業、ニューヨークに本社を置く独立系の投資銀行です。公式サイトによると、従業員は約2,600人、拠点は16か国、発表済み取引額は累計5兆ドルを超えます。事業はインベストメント・バンキング、エクイティ、ウェルス・マネジメントの3領域で構成され、融資業務や自己勘定取引を持たない点が総合金融グループとの違いです。日本では2017年に東京オフィスを開設し、新丸の内センタービルに拠点を置いています。日本法人の従業員数や報酬は公表されていないため、応募にあたっては、東京オフィスの規模と募集領域を先に確認することが出発点になります。

よくある質問

Q. エバコアの年収はどのくらいですか。

A. 日本における報酬水準は公表されていません。エバコアはニューヨーク証券取引所に上場していますが、日本の拠点単位の人員数や給与は開示対象ではないためです。外資系投資銀行のアドバイザリー職は基本給と賞与で構成され、賞与の比重が大きいのが業界の一般的な設計です。参考として、厚生労働省のjob tagでは経営コンサルタントの平均年収を1,134.6万円(令和7年賃金構造基本統計調査ほか)としています。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 日本でどのくらいの規模なのですか。

A. 東京オフィスの人員数は公表されていません。確認できるのは、2017年1月31日付のプレスリリースで日本事業の責任者を迎えて東京オフィスを立ち上げたこと、拠点が東京都千代田区丸の内の新丸の内センタービル21階にあること、香港とシンガポールの既存オフィスと合わせてアジア展開を強化する方針が示されたことです。会社全体では従業員約2,600人、16か国に拠点があります。日本の規模は、応募の過程でご確認ください。

Q. 総合系の証券会社と何が違いますか。

A. 事業の構成が違います。公式サイトによると、エバコアの事業領域はインベストメント・バンキング、エクイティ、ウェルス・マネジメントの3つで、融資業務は含まれません。バランスシートを使った貸出や自己勘定取引を持たず、助言を収益源とする独立系アドバイザリーという形態です。融資や引受を組み合わせた提案ができない代わりに、資金の出し手としての利害を持たない立場で助言できる、という位置づけになります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/4 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)