日立製作所の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

日立製作所 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/8

日立製作所の有価証券報告書 第157期(2026年3月期)を5期で追うと、連結従業員数が368,247人から287,901人へ80,346人減っています。同じ期間に売上収益はほぼ横ばい、親会社株主に帰属する当期利益は583,470百万円から802,368百万円へ約1.38倍になりました。この記事では、その構造とセグメントごとの人員配置を整理します。

5期で従業員が80,346人減り、当期利益は約1.38倍

まず業績の推移です。

回次決算年月売上収益税引前当期利益親会社株主に帰属する当期利益親会社株主持分比率連結従業員数
第153期2022年3月10,264,602百万円839,333百万円583,470百万円31.3%368,247人
第154期2023年3月10,881,150百万円819,971百万円649,124百万円39.5%322,525人
第155期2024年3月9,728,716百万円825,801百万円589,896百万円46.7%268,655人
第156期2025年3月9,783,370百万円962,733百万円615,724百万円44.0%282,743人
第157期2026年3月10,586,781百万円1,273,109百万円802,368百万円43.7%287,901人

売上収益は10,264,602百万円から10,586,781百万円へ、5期でわずかな増加にとどまります。ところが税引前当期利益は839,333百万円から1,273,109百万円へ約1.52倍、親会社株主に帰属する当期利益は583,470百万円から802,368百万円へ約1.38倍になりました。

親会社株主持分比率は31.3%から43.7%へ上がっています。総資産額は13,887,502百万円から15,041,246百万円、営業活動に関するキャッシュ・フローは729,943百万円から1,668,061百万円へ増えました。

従業員数の動きが目立ちます。368,247人から第155期の268,655人まで99,592人減ったあと、第156期282,743人、第157期287,901人と増加に転じています。5期の差し引きで80,346人の減少です。

沿革を見ると、この期間に何が起きたかが分かります。ハードディスクドライブ事業の売却、中小型ディスプレイ事業の売却、火力発電システム事業の分割承継、日立物流の持分法適用会社化とその後の株式譲渡、日立金属や日立建機の再編など、事業の入れ替えが続いてきました。

4セグメントで最も損益が大きいのはデジタルシステム&サービス

第157期のセグメント情報です。当連結会計年度の期首から事業群の再編を行い、報告セグメントをデジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズ及びその他の5区分へ変更しています。

セグメント外部顧客に対する売上収益セグメント損益前期のセグメント損益のれん
エナジー3,200,844百万円416,015百万円252,005百万円659,712百万円
コネクティブインダストリーズ3,000,760百万円367,396百万円345,394百万円283,163百万円
デジタルシステム&サービス2,756,551百万円450,059百万円394,070百万円1,429,043百万円
モビリティ1,320,631百万円108,115百万円94,907百万円275,583百万円

外部売上ではエナジーが最大ですが、セグメント損益はデジタルシステム&サービスの450,059百万円が最も大きくなっています。前期の394,070百万円から約14.2%増えました。

伸び率で見るとエナジーが目立ちます。セグメント損益が252,005百万円から416,015百万円へ約1.65倍です。外部売上も2,562,363百万円から3,200,844百万円へ約24.9%増えました。

のれんの配分も特徴的です。デジタルシステム&サービスに1,429,043百万円が計上されており、4セグメント合計2,647,501百万円の約54.0%を占めます。有価証券報告書の事業等のリスクには、買収した事業の統合に成功しない可能性や、当初の目的の全部または一部を実現できない可能性が記載され、対応としてフェーズゲート管理やPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)プロセスの分析・議論を投融資戦略委員会、経営会議、取締役会及び監査委員会で実施しているとされています。

各セグメントに含まれる主な製品・サービスは次のとおりです。デジタルシステム&サービスはデジタルソリューション(システムインテグレーション、クラウドサービス、コンサルティングサービス)、ITプロダクツ(ストレージ、サーバ)、ソフトウェア、ATM。エナジーはエネルギーソリューション(パワーグリッド、原子力)。モビリティは鉄道システム。コネクティブインダストリーズはビルシステム、生活・エコシステム、産業機器・ソリューション、計測分析システム、産業・流通ソリューション、水・環境ソリューションです。

エージェントベストの見解

この会社を「日本の総合電機メーカー」という括りで見ていると、いまの姿を取り違えます。数字で確認してください。第157期のセグメント損益は、デジタルシステム&サービス450,059百万円、エナジー416,015百万円、コネクティブインダストリーズ367,396百万円、モビリティ108,115百万円。最も稼いでいるのはITの領域です。のれんも4セグメント合計2,647,501百万円のうち1,429,043百万円、約54.0%がデジタルシステム&サービスに乗っています。買収でITを厚くしてきた会社だ、ということが貸借対照表に表れています。一方で連結従業員数は5期で368,247人から287,901人へ8万人以上減りました。事業を売り、買い、入れ替えてきた結果です。応募を検討するなら、募集ポジションが「買って伸ばしている領域」なのか「これまで売却が続いてきた種類の事業」なのかを見極めてください。同じ社名でも、置かれた文脈がまったく違います。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は9,949,714円で、対前事業年度増減率は3.5%の増加です。従業員数25,934人、平均年齢42.2歳、平均勤続年数18.1年。賞与及び基準外賃金を含みます。2026年3月31日現在の数値です。

報酬の考え方も明記されています。グローバル共通に適用される「グローバル報酬フィロソフィー」を定め、3つの原則にもとづき事業方針・人財戦略と連動させた報酬設計としているとされています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

残業時間は開示されていません。

労働組合については、日立製作所労働組合と称し全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に属していること、当社及び連結子会社における労使関係は安定しており円滑に推移していることが記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

平均年齢42.2歳から平均勤続年数18.1年を差し引くと、入社時の年齢は約24.1歳になります。新卒入社が中心の構成といえます。

人材戦略については、「人こそが価値の源泉である」との考えのもと、経営計画の方針と連動した人財戦略を推進していると記載されています。

親会社は「デジタルをコアにした真のOne Hitachiへの変革を実現し、デジタルセントリックな企業として社会イノベーション事業の成長を持続的に加速させる」ため、事業体制の見直しと事業群の再編を行ったとしています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

多様性に関する指標について、有価証券報告書は連結会社に関する指標を開示しています。男女の賃金の額の差異が生じる理由として、適用する人事処遇制度において性別による差異はないこと、当社及び連結子会社各社の人員構成を背景に管理職を含む上位の等級における男性の割合が高いこと、短時間勤務を行う従業員の割合が男性に比べ女性の方が高いこと等により男女一人あたりの賃金に差が生じていることが記載されています。

引き続き、女性従業員の管理職登用促進を含む多様な視点の推進に取り組むとされています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

提出会社25,934人はどのセグメントにいるか

セグメント別の従業員数です。カッコ内は提出会社の従業員数で内数と注記されています。

セグメント連結従業員数うち提出会社提出会社の比率
デジタルシステム&サービス104,835人14,664人約14.0%
コネクティブインダストリーズ86,063人2,763人約3.2%
エナジー58,547人522人約0.9%
モビリティ23,912人2,392人約10.0%
その他11,343人2,392人約21.1%
全社(本社他)3,201人3,201人100.0%
合計287,901人25,934人約9.0%

2026年3月31日現在です。

提出会社25,934人は連結287,901人の約9.0%にすぎません。しかも配置には大きな偏りがあります。

デジタルシステム&サービスは提出会社に14,664人おり、提出会社全体の約56.5%を占めます。一方エナジーは連結58,547人に対し提出会社はわずか522人。連結の約0.9%です。コネクティブインダストリーズも連結86,063人に対し提出会社2,763人にとどまります。

つまり平均年間給与9,949,714円という数字は、主にデジタルシステム&サービスと本社機能に所属する層についての数値だと読めます。

提出会社の売上収益は1,843,173百万円で、連結10,586,781百万円の約17.4%です。

向いている人/向いていない人

向いている人

ITと社会インフラの両方に関わりたい方

デジタルシステム&サービスのセグメント損益は450,059百万円で4セグメント中最大、エナジーは416,015百万円で前期から約1.65倍です。

職務と成果で処遇が決まる仕組みを求める方

グローバル報酬フィロソフィーで、職務における役割・責任に対して成果を反映させて報酬を決定すると明記されています。評価結果に加えてその理由を本人にフィードバックするとされています。

買収した事業の統合に関わりたい方

のれんは4セグメント合計2,647,501百万円で、うちデジタルシステム&サービスが1,429,043百万円です。PMIプロセスの分析・議論が経営会議や取締役会で実施されています。

向いていない人

事業構成が動かない環境を求める方

連結従業員数は5期で368,247人から287,901人へ80,346人減りました。沿革には事業の売却・分割・再編が並びます。

提出会社の平均給与をグループ全体の目安と考えたい方

9,949,714円の対象は提出会社25,934人で、連結287,901人の約9.0%です。エナジーは連結58,547人に対し提出会社522人にとどまります。

エージェントベストの見解

公開されている平均年間給与9,949,714円は、対象範囲を確認してから使ってください。この数値は提出会社25,934人についてのもので、連結287,901人の約9.0%にあたります。さらにセグメント別の配置を見ると偏りがはっきりします。提出会社25,934人のうちデジタルシステム&サービスが14,664人で約56.5%、全社(本社他)が3,201人。一方エナジーは連結58,547人に対し提出会社522人、コネクティブインダストリーズは連結86,063人に対し2,763人です。つまり「日立製作所の平均年収」として流通している数字は、実質的にIT領域と本社機能の層を映したものに近い。エナジーやコネクティブインダストリーズの現場を志望するなら、応募先の法人がどこかで前提が変わります。グループには日立ハイテク、日立ビルシステム、日立グローバルライフソリューションズ、日立産機システムなど多数の法人があり、求人票の会社名を最初に確認してください。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

株式会社日立製作所は東証プライム市場に上場しています。決算期は3月で、連結財務諸表はIFRSにもとづいて作成されています。

連結287,901人に対し提出会社は25,934人(約9.0%)です。グループには日立システムズ、日立ソリューションズ、日立ヴァンタラ、日立ハイテク、日立ビルシステム、日立グローバルライフソリューションズ、日立産機システム、Hitachi Energy、Hitachi Rail、GlobalLogic など多数の法人があります。求人がどの法人のものかを確認してください。

セグメントはデジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズ及びその他の5区分です。当連結会計年度の期首から区分が変更されているため、過去の資料と見比べるときは注意してください。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜこの領域か」と「なぜ日立製作所か」の2段で組み立てます。

前者については、ITソリューション、エネルギー、鉄道、ビル・家電・産業機器・計測分析のどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有価証券報告書にあります。売上収益がほぼ横ばいのなか、親会社株主に帰属する当期利益が5期で約1.38倍の802,368百万円になったこと。セグメント損益ではデジタルシステム&サービス450,059百万円が最大で、エナジーが前期から約1.65倍の416,015百万円へ伸びたこと。のれん2,647,501百万円のうち約54.0%がデジタルシステム&サービスに配分されていること。連結従業員数が5期で80,346人減ったこと。グローバル報酬フィロソフィーの3原則。

「事業を入れ替えながら採算を上げてきた会社である」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

総合電機・ITの中途採用では、担当した領域と、そこで動かした数値が読まれます。

システム開発・PMの経験がある方は、担当した案件の規模と業種、要件定義から運用までのどこを担ったかを書きます。デジタルシステム&サービスは損益が最大のセグメントです。

エネルギー・電力領域の経験がある方は、担当した設備や系統の規模と、プロジェクトのどの工程を担ったかを書きます。

鉄道・モビリティの経験がある方は、担当した案件の国と規模、車両か信号かなどの領域を書きます。

制御・産業機器の経験がある方は、担当した製品と適用先の業種、性能やコストをどれだけ動かしたかを書きます。

M&A・事業企画の経験がある方は、担当した案件の規模と、統合後にどの指標を動かしたかを書きます。PMIプロセスが経営の重要テーマに置かれています。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

日立製作所は東証プライム市場に上場する電機メーカーで、有価証券報告書 第157期(2026年3月期)の連結売上収益は10,586,781百万円、税引前当期利益1,273,109百万円、親会社株主に帰属する当期利益802,368百万円、総資産額15,041,246百万円、連結従業員数287,901人です。当期利益は5期で583,470百万円から約1.38倍になった一方、連結従業員数は368,247人から287,901人へ80,346人減りました。セグメント別の外部売上はエナジー3,200,844百万円、コネクティブインダストリーズ3,000,760百万円、デジタルシステム&サービス2,756,551百万円、モビリティ1,320,631百万円で、セグメント損益はデジタルシステム&サービス450,059百万円が最大です。提出会社の従業員数は25,934人(連結の約9.0%)、平均年齢42.2歳、平均勤続年数18.1年、平均年間給与9,949,714円(対前事業年度3.5%増)です。

よくある質問

Q. 日立製作所の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第157期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,949,714円(従業員25,934人、平均年齢42.2歳、平均勤続年数18.1年、対前事業年度3.5%増)です。ただしこれは提出会社に所属する25,934人についての数値で、連結287,901人の約9.0%にあたります。セグメント別では提出会社25,934人のうちデジタルシステム&サービスが14,664人(約56.5%)、全社(本社他)が3,201人で、エナジーは522人にとどまります。グループ会社に所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. どの事業が中心ですか。

A. 第157期の外部顧客に対する売上収益はエナジー3,200,844百万円、コネクティブインダストリーズ3,000,760百万円、デジタルシステム&サービス2,756,551百万円、モビリティ1,320,631百万円です。セグメント損益ではデジタルシステム&サービスの450,059百万円が最大で、前期の394,070百万円から約14.2%増えました。伸び率ではエナジーが252,005百万円から416,015百万円へ約1.65倍と最も大きくなっています。のれんは4セグメント合計2,647,501百万円で、うちデジタルシステム&サービスが1,429,043百万円(約54.0%)を占めます。

Q. 従業員が減っているのはなぜですか。

A. 有価証券報告書によると、連結従業員数は第153期(2022年3月期)の368,247人から第157期(2026年3月期)の287,901人へ、5期で80,346人減りました。ただし第155期の268,655人を底に、第156期282,743人、第157期287,901人と増加に転じています。沿革には、ハードディスクドライブ事業や中小型ディスプレイ事業の売却、火力発電システム事業の分割承継、日立物流の持分法適用会社化とその後の株式譲渡など、事業の入れ替えが並んでいます。同じ期間に親会社株主に帰属する当期利益は583,470百万円から802,368百万円へ約1.38倍になりました。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事のタグ

事業会社・SIerの他の企業

事業会社・SIerの企業一覧を見る →

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)