本田技研工業の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
本田技研工業の有価証券報告書 第102期(2026年3月期)は、売上収益21兆7,966億円に対して営業損失4,143億円という決算です。ところが同じ報告書のセグメント情報を見ると、二輪事業は営業利益7,319億円で前期から10.3%の増益。全社と事業で向きが逆になっています。この記事では、その落差を整理します。
売上収益は過去最高圏、営業損益は4,143億円の損失
まず5期の推移です。
| 回次 | 決算年月 | 売上収益 | 営業損益 | 親会社の所有者に帰属する当期損益 | 持分比率 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第98期 | 2022年3月 | 14,552,696百万円 | 871,232百万円 | 707,067百万円 | 43.7% | 204,035名 |
| 第99期 | 2023年3月 | 16,907,725百万円 | 780,769百万円 | 651,416百万円 | 45.3% | 197,039名 |
| 第100期 | 2024年3月 | 20,428,802百万円 | 1,381,977百万円 | 1,107,174百万円 | 42.6% | 194,993名 |
| 第101期 | 2025年3月 | 21,688,767百万円 | 1,213,486百万円 | 835,837百万円 | 40.1% | 194,173名 |
| 第102期 | 2026年3月 | 21,796,610百万円 | △414,346百万円 | △423,941百万円 | 35.3% | 195,109名 |
売上収益は14,552,696百万円から21,796,610百万円へ、5期で約1.50倍になりました。第102期も前期から増収です。
一方、営業損益は1,213,486百万円の利益から414,346百万円の損失へ転じました。有価証券報告書は、営業損失について「売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、4,143億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,278億円の減益」と記載しています。
税引前損失は4,033億円で前期比1兆7,209億円の減益、親会社の所有者に帰属する当期損失は4,239億円で同1兆2,597億円の減益とされています。いずれもEV関連損失の影響が挙げられています。
親会社所有者帰属持分当期利益率は6.7%から△3.5%へ、親会社所有者帰属持分比率は40.1%から35.3%へ下がりました。総資産額は33,509,285百万円です。
二輪事業は営業利益7,319億円で10.3%の増益
セグメント情報を見ると、事業ごとに状況がまったく違います。
二輪事業の外部顧客への売上収益は4兆188億円で、前連結会計年度から10.8%の増収です。営業利益は7,319億円で、諸経費の増加などはあったものの販売影響や売価およびコスト影響による利益増により10.3%の増益と記載されています。
販売台数も伸びています。
| 地域 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 増減 | 増減率 |
|---|---|---|---|---|
| アジア | 17,478千台 | 18,738千台 | 1,260千台 | 7.2% |
| その他 | 1,847千台 | 2,213千台 | 366千台 | 19.8% |
| 北米 | 548千台 | 538千台 | △10千台 | △1.8% |
| 欧州 | 475千台 | 407千台 | △68千台 | △14.3% |
| 日本 | 224千台 | 205千台 | △19千台 | △8.5% |
| 二輪事業計 | 20,572千台 | 22,101千台 | 1,529千台 | 7.4% |
Hondaグループ販売台数(当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数)です。二輪事業計は22,101千台で7.4%増。うちアジアが18,738千台で、全体の約84.8%を占めます。
つまりこの会社の二輪事業は、アジアを中心に台数を伸ばし、7,319億円の営業利益を出しています。全社の営業損失4,143億円は、この二輪の利益を打ち消してなお残る損失が四輪側で発生した、という構図です。
連結従業員数の内訳も確認しておきます。
| セグメント | 従業員数 | 臨時従業員(平均人数、外数) |
|---|---|---|
| 四輪事業 | 131,856名 | 8,846名 |
| 二輪事業 | 52,013名 | 9,058名 |
| パワープロダクツ事業及びその他の事業 | 8,698名 | 1,545名 |
| 金融サービス事業 | 2,542名 | 35名 |
| 合計 | 195,109名 | 19,484名 |
2026年3月31日現在です。四輪事業が131,856名で連結の約67.6%を占めます。
エージェントベストの見解
「ホンダが赤字」というニュースだけで応募を見送るのは早いです。決算を事業で割って読んでください。第102期の全社は営業損失4,143億円ですが、二輪事業の外部売上は4兆188億円で10.8%の増収、営業利益は7,319億円で10.3%の増益。Hondaグループ販売台数は22,101千台で7.4%増、うちアジアが18,738千台と全体の約84.8%を占めます。二輪は伸びているのです。全社が損失になった理由として有価証券報告書が挙げているのはEV関連損失の影響と関税影響で、これは四輪側の話です。従業員の配置を見ると四輪事業131,856名、二輪事業52,013名。人数では四輪が約67.6%を占めますが、いま利益を出しているのは二輪。この非対称を理解したうえで、自分が入る領域を選んでください。「ホンダを受ける」ではなく「四輪か二輪か」で状況がまったく違います。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は9,326千円で、対前事業年度増減率は4.1%の増加です。従業員数32,547名(臨時従業員2,865名は外数)、平均年齢43.9歳、平均勤続年数21.0年。賞与および基準外賃金を含みます。2026年3月31日現在の数値です。
全社が営業損失を計上した期に、提出会社の平均年間給与は4.1%増えています。
提出会社のセグメント別人員は、四輪事業25,911名(1,945名)、二輪事業5,804名(894名)、パワープロダクツ事業及びその他の事業832名(26名)です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
提出会社の男性労働者の育児休業取得率は116.8%です。この数値が100を超えるのは、算出方法上、対象期間中の出生数と取得者数の対応関係によるものです。
残業時間は開示されていません。
労働組合については、提出会社・連結子会社ともに労使関係は安定しており特記すべき事項はないと記載されています。提出会社の労働組合は本田技研労働組合(全日本自動車産業労働組合総連合会に加盟)で、組合員数は28,848名です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
提出会社の平均勤続年数は21.0年、平均年齢は43.9歳です。差し引くと入社時の年齢は約22.9歳になります。新卒入社が中心で、勤続年数が長い構成といえます。
提出会社の従業員32,547名のうち四輪事業が25,911名で約79.6%、二輪事業が5,804名で約17.8%です。連結では四輪131,856名・二輪52,013名ですから、二輪の人員は海外を含む子会社側に厚く配置されていることになります。
使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度(株式付与ESOP信託)を導入していると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は3.6%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者72.8%、正規雇用労働者74.3%、パート・有期労働者96.5%と記載されています。
労働組合の組合員数28,848名は、提出会社の従業員32,547名の約88.6%にあたります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
提出会社32,547名は連結の約16.7%
規模の関係を整理します。
| 区分 | 従業員数 | 臨時従業員(外数) |
|---|---|---|
| 連結 | 195,109名 | 19,484名 |
| 提出会社 | 32,547名 | 2,865名 |
提出会社32,547名は連結195,109名の約16.7%です。残る約83.3%は国内外の子会社に所属しています。
セグメント別に見ると、配置の偏りがはっきりします。
| セグメント | 連結 | 提出会社 | 提出会社の比率 |
|---|---|---|---|
| 四輪事業 | 131,856名 | 25,911名 | 約19.7% |
| 二輪事業 | 52,013名 | 5,804名 | 約11.2% |
| パワープロダクツ事業及びその他の事業 | 8,698名 | 832名 | 約9.6% |
| 金融サービス事業 | 2,542名 | - | - |
二輪事業は連結52,013名に対し提出会社5,804名で、約88.8%が子会社側にいます。販売台数の約84.8%がアジアであることと整合します。
平均年間給与9,326千円の対象は、提出会社の32,547名です。国内外の子会社に所属する場合は前提が変わります。
向いている人/向いていない人
向いている人
二輪の領域で伸びている市場に関わりたい方
二輪事業の外部売上は4兆188億円で10.8%の増収、営業利益7,319億円で10.3%の増益です。Hondaグループ販売台数は22,101千台で7.4%増、うちアジアが18,738千台を占めます。
難しい局面の四輪事業に手を入れたい方
全社の営業損失4,143億円の理由として、EV関連損失の影響と関税影響が挙げられています。四輪事業には連結131,856名が所属しています。
長く在籍する前提でキャリアを考えたい方
提出会社の平均勤続年数は21.0年、平均年齢は43.9歳です。差し引くと入社時は約22.9歳になります。
向いていない人
業績が安定して積み上がる局面を求める方
営業損益は1,213,486百万円の利益から414,346百万円の損失へ転じ、親会社所有者帰属持分当期利益率は6.7%から△3.5%になりました。
女性管理職の比率が高い環境を重視する方
提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は3.6%です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われやすいのは、「いまのホンダで何をするか」です。ここで全社の話に終始すると弱くなります。数字を事業で分けて準備してください。二輪事業は外部売上4兆188億円・営業利益7,319億円で、いずれも増収増益。販売台数22,101千台のうちアジアが18,738千台で約84.8%を占めます。四輪側はEV関連損失と関税影響で全社を営業損失4,143億円に押し下げました。人員は四輪131,856名に対し二輪52,013名で、二輪は約88.8%が子会社側です。つまり「利益を出している事業は、人が本社の外にいる」構造でもあります。準備としてお伝えしているのは、志望する事業を1つに絞り、その事業の直近の損益と販売台数、人員配置を踏まえて話せるようにしておくことです。あわせて、提出会社の平均年間給与が営業損失の期に4.1%増えている点も押さえておくと、決算を数字で読んでいることが伝わります。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
本田技研工業株式会社は東証プライム市場に上場しており、証券コードは7267です。決算期は3月で、連結財務諸表はIFRSにもとづいて作成されています。
連結195,109名に対し提出会社は32,547名(約16.7%)です。求人がどの法人のものかで条件が変わります。
セグメントは二輪事業、四輪事業、金融サービス事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業の4区分です。損益の状況が事業ごとに大きく異なるため、募集ポジションがどの事業かを確認してください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜモビリティか」と「なぜ本田技研工業か」の2段で組み立てます。
前者については、二輪、四輪、パワープロダクツ、金融サービスのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。売上収益が5期で約1.50倍の21,796,610百万円になったこと。第102期は営業損失4,143億円で、理由としてEV関連損失の影響と関税影響が挙げられていること。一方で二輪事業は外部売上4兆188億円・営業利益7,319億円といずれも増加し、Hondaグループ販売台数が22,101千台で7.4%増えたこと。二輪の販売はアジアが18,738千台で約84.8%を占めること。提出会社の平均勤続年数が21.0年であること。
「事業ごとに向きが逆になっている」という理解を示せると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
自動車・二輪メーカーの中途採用では、担当した領域と、そこで動かした数値が読まれます。
開発・設計の経験がある方は、担当したユニットや車種と開発期間、コストや性能をどれだけ動かしたかを書きます。
電動化・電池の経験がある方は、扱った技術領域と規模、量産までのどこを担ったかを書きます。EV関連は損失の要因に挙げられている一方、投資が続く領域でもあります。
生産技術・製造の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりやタクトタイムの改善幅を書きます。
購買・調達の経験がある方は、扱った品目と取引規模、単価をどれだけ動かしたかを書きます。営業損失の説明に売価およびコスト影響による利益増が挙げられています。
海外事業の経験がある方は、担当した国と機能、現地で意思決定した内容を書きます。二輪の販売はアジアが中心です。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
本田技研工業は東証プライム市場に上場する輸送用機器メーカーで、有価証券報告書 第102期(2026年3月期)の連結売上収益は21,796,610百万円、営業損失414,346百万円、税引前損失403,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失423,941百万円、連結従業員数195,109名です。有価証券報告書は営業損失の理由として、EV関連損失の影響や関税影響などを挙げています。一方で二輪事業の外部顧客への売上収益は4兆188億円(前期比10.8%増)、営業利益は7,319億円(同10.3%増)で、Hondaグループ販売台数は22,101千台(同7.4%増)、うちアジアが18,738千台です。連結従業員数の内訳は四輪事業131,856名、二輪事業52,013名、パワープロダクツ事業及びその他の事業8,698名、金融サービス事業2,542名。提出会社は32,547名(連結の約16.7%)、平均年齢43.9歳、平均勤続年数21.0年、平均年間給与9,326千円(対前事業年度4.1%増)です。
よくある質問
Q. 本田技研工業の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第102期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は9,326千円です。従業員数32,547名(臨時従業員2,865名は外数)、平均年齢43.9歳、平均勤続年数21.0年で、賞与および基準外賃金を含みます。対前事業年度増減率は4.1%の増加で、全社が営業損失を計上した期に平均給与は増えています。この32,547名は連結195,109名の約16.7%にあたり、国内外の子会社に所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 赤字なのに大丈夫なのですか。
A. 第102期の連結売上収益は21,796,610百万円で前期から増収ですが、営業損益は前期の1,213,486百万円の利益から414,346百万円の損失へ転じました。有価証券報告書は理由として、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより前連結会計年度にくらべ1兆6,278億円の減益となったと記載しています。一方でセグメント別に見ると、二輪事業は外部売上4兆188億円(10.8%増)・営業利益7,319億円(10.3%増)と増収増益です。親会社所有者帰属持分比率は35.3%、総資産額は33,509,285百万円です。
Q. 二輪と四輪のどちらに人が多いのですか。
A. 2026年3月31日現在の連結従業員数は四輪事業131,856名、二輪事業52,013名、パワープロダクツ事業及びその他の事業8,698名、金融サービス事業2,542名で、合計195,109名です。四輪事業が約67.6%を占めます。ただし提出会社では四輪事業25,911名、二輪事業5,804名、パワープロダクツ事業及びその他の事業832名で、二輪は連結52,013名に対し提出会社5,804名(約11.2%)にとどまります。二輪の販売台数はアジアが18,738千台で全体の約84.8%を占めており、人員も海外を含む子会社側に厚く配置されている構成です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。