クックパッドの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

クックパッド 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

クックパッド株式会社は、料理レシピの投稿・検索サービス「クックパッド」を運営する東証スタンダード上場(2193)の企業です。サービスの知名度に対して、会社としての現在地はあまり知られていません。有価証券報告書によると、第29期(2025年12月期)の売上収益は53億3,673万円で、5期前の100億円から約半分。連結従業員数は101名で、5期前の487名から大きく減っています。一方で**提出会社の平均年間給与は10,071千円(約1,007万円)**と、上場企業の中でも高い水準が開示されています。この記事では、有価証券報告書に記載された数値をもとに、この会社の構造を整理します。

会社概要とミッション

項目内容
会社名クックパッド株式会社(Cookpad Inc.)
代表者代表執行役 佐野 陽光
本店所在地東京都目黒区大橋二丁目22番44号(2024年5月に移転)
設立1997年10月(神奈川県藤沢市にて有限会社コインとして設立。2004年9月にクックパッド株式会社へ組織変更)
資本金5,000万円(第29期末)
上場区分東証スタンダード市場(証券コード2193)
機関設計指名委員会等設置会社(2007年7月に移行)
連結従業員数101名[外書17名](2025年12月31日現在)
ミッション「毎日の料理を楽しみにする」

このミッションは、社内のスローガンにとどまりません。有価証券報告書には、定款に「当会社は、『毎日の料理を楽しみにする』ために存在し、これをミッションとする。」「世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する。」という記載をしていますと明記されています。目的を達成したら解散すると定款に書いてある上場企業は、他にほとんど例がありません。

3つのサービス

同社は「毎日の料理を楽しみにする事業」の単一セグメントとして開示していますが、有価証券報告書では3つのサービスが説明されています。

サービス内容
クックパッド料理レシピの投稿・検索サービス。無料利用が可能で、人気順検索や献立提案などを有料機能として提供
moment(モーメント)AIカメラによるパーソナルコーチング。自宅キッチンでの調理工程をAIカメラが分析し、課題とその原因を特定してアドバイスを提供
クックパッドマートマンション等に設置した専用の冷蔵宅配ボックスに生鮮食品を届ける仕組み

グループは当社と連結子会社5社(Cookpad Limited、Cookpad Spain, S.L.、PT COOKPAD DIGITAL INDONESIA 他2社)の計6社で構成されています。Cookpad Limited(英国ブリストル)は2016年12月に「海外事業の全てを統括する第二本社」と位置づけられ、資本金は60,495千英ポンドと記載されています。

評判の傾向

以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。

年収・評価制度

有価証券報告書によると、2025年12月31日現在の提出会社の平均年間給与は10,071千円(約1,007万円)、従業員数は87名[外書17名]、平均年齢は37.5歳、平均勤続年数は5.6年です。上場企業の平均年間給与としては高い水準ですが、母数が87名であり、組織の縮小を経た後の数値である点は押さえておく必要があります(後述)。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

有価証券報告書には、「提出会社および連結子会社は、『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律』及び『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律』の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています」と記載されています。女性管理職比率・男性育休取得率・男女賃金差異はいずれも開示されていません。労働時間の数値も確認できません。従業員規模が公表義務の基準を下回っていることの裏返しでもあります。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

優先的に対処すべき課題として「人材及び組織体制の整備」が挙げられており、「AI技術の進展等による環境変化に対応し、世界市場で価値を発揮できる強固な組織へと発展していくための人材の確保を重要な課題としています」と記載されています。また、新規事業の立ち上げについて「短期的な成果ではなく、将来にわたり社会に定着する『未来の常識』となり得る価値を生み出せるかという観点を重視」する方針が示されています。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

「労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません」と記載されています。組織の性格を読み取る材料としては、指名委員会等設置会社を2007年から採用していること、定款にミッションと解散条項を書き込んでいることが挙げられます。ガバナンスとミッションの両面で、一般的な事業会社とは異なる設計を選んでいる会社です。

※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

**公開されている平均年収1,007万円を、そのまま「待遇のよい会社」と読むのは危険です。**この数字は、従業員87名の平均です。そして有価証券報告書の5期推移を見ると、連結従業員数は487名(2021年12月期)→409名→147名→117名→101名(2025年12月期)と推移しています。5期で組織が5分の1になった後の平均年収だということです。**平均年齢37.5歳、平均勤続5.6年。**残っているのは、縮小の過程を経てなお中核に位置している層です。**この構造から言えることは3つあります。**1つ目、**採用されるポジションの水準が、この平均値と一致する保証はありません。**87名という母数では、数名の高額報酬層が平均を押し上げる影響が大きく出ます。2つ目、組織が小さいぶん、1人あたりの担当範囲が広くなります。レシピサービス、moment、クックパッドマートという3事業を101名で回している計算です。3つ目、新規採用は「不足を埋める採用」である可能性が高い。有価証券報告書は課題として「世界市場で価値を発揮できる強固な組織へと発展していくための人材の確保」を挙げています。面接で確認すべきは3点です。1つ目、「このポジションの給与レンジと、決定の根拠となる等級制度」。2つ目、「配属チームの人数と、直近1年の増減」。3つ目、「3事業のうち、自分はどこにどれだけ関わるのか」。この3つを聞かずに平均年収だけで判断すると、入社後の想定が大きくずれます。

業績の推移をどう読むか

有価証券報告書に記載された連結5期の推移です(IFRSに基づく連結財務諸表)。

決算期売上収益営業利益(△損失)親会社所有者帰属当期利益(△損失)連結従業員数
2021年12月期100億425万円△26億3,258万円△23億8,022万円487名
2022年12月期90億8,698万円△35億2,052万円△34億8,808万円409名
2023年12月期76億732万円△27億9,984万円△22億2,900万円147名
2024年12月期58億7,663万円6億7,362万円13億3,245万円117名
2025年12月期53億3,673万円2億6,436万円7億4,143万円101名

**2023年12月期までは3期連続の営業損失、2024年12月期に営業黒字へ転換。**ただし売上収益は5期連続で減っています。黒字化は、売上の回復ではなくコスト構造の縮小によって達成された構図です。第29期の販売費及び一般管理費は50億2,200万円(前期比2.6%減)で、有価証券報告書には「従業員数の自然減に伴う人件費の減少や、全社的な効率化を通してコスト削減が進んだことによります」と説明されています。

減収の理由も明記されています。「レシピサービスにおけるプレミアムサービス会員が減少したことによります」。さらに事業環境について「AI技術の進展により検索体験そのものが大きく変化しつつあります」と記載され、「Search(検索)」「Save(記録)」「Share(共有)」の3つの価値向上に取り組んでいるものの「現時点では業績を反転させる成果には至っていません」と、率直な記述が置かれています。

3事業それぞれの現在地(有価証券報告書の記載)

サービス記載されている状況
クックパッド日本とグローバルの開発体制を統合。一方で「ユーザー数や利用頻度の明確な成長には至らず」
moment学習体験に「一定の再現性と高いユーザー評価」を確認。一方で「プロダクトとして十分に完成された形で安定的に提供するには至らず、開発スピードや体制面に課題が残りました」
クックパッドマート「サービスとしての意義や可能性は一定程度確認」。一方で「再現性・拡張性・収益性を同時に満たすサービスモデルの確立には至っていません」

有価証券報告書は、第29期を「各サービスにおいて将来に向けた技術的可能性や一定の手応えは確認できたものの、売上成長やサービス拡大という観点では、期待していた進捗を達成するには至らず、課題が明確となった一年でした」と総括しています。

なお、税引前当期利益10億9,847万円が営業利益2億6,436万円を大きく上回っているのは、「有価証券運用に係る金融収益が増加した」ためと説明されています。親会社所有者帰属持分比率は91.5%、資産合計は141億295万円で、財務基盤自体は厚い状態です。

沿革と海外展開

年月主な出来事
1997年10月神奈川県藤沢市にて有限会社コインを設立
1998年3月料理レシピの検索・投稿サービス「kitchen@coin」を開始
1999年6月サービス名を「クックパッド」へ変更
2004年9月有限会社コインからクックパッド株式会社へ組織変更
2007年7月指名委員会等設置会社へ移行
2009年7月東京証券取引所マザーズに株式を上場
2011年12月東京証券取引所の市場第一部に市場変更
2014年1月海外展開を本格的に開始
2016年12月英国のCookpad Limitedを海外事業の全てを統括する第二本社と位置づけ
2022年4月東京証券取引所のスタンダード市場に市場変更
2024年5月本社を東京都目黒区に移転

**海外は同社にとって撤退した領域ではなく、経営の前提として残っています。**優先的に対処すべき課題の2つ目に「世界市場への拡大」が挙げられ、「毎日の料理を楽しみにするためには、世界市場でのサービス展開が前提であると考えています」と記載されています。連結子会社はスペイン(アリカンテ)とインドネシアに開発・運営拠点があります。

働き方とキャリア形成の特徴

1. 101名で3事業を運営している

レシピサービス、moment、クックパッドマート。担当範囲は広くなります。

2. AIが事業環境の中心変数として明示されている

「AI技術の進展は料理体験に大きな変革をもたらす可能性を有しており、当社グループにとって重要な事業機会である」と課題の項に記載されています。momentはAIカメラを前提としたサービスです。

3. 目標とする経営指標を「設けていない」と明言している

有価証券報告書には「投資の時期や金額の規模については、事業を取り巻く環境等の変化に応じて機動的に判断していく想定ですので、目標とする経営指標は特に設けていません」と記載されています。同時に「市場からの評価を反映する指標の低迷については、事業の成長が市場の期待に応えられていない事実が反映されたものと認識しております」とも書かれています。

4. 利益の柱はレシピサービスの会員事業である

「現状ではレシピサービスの会員事業が利益を創出している構造となっていますが、持続的な成長のためには、他の利益」基盤の強化が必要、との課題認識が示されています。

5. 海外拠点はスペインとインドネシアにある

Cookpad Spain, S.L.(アリカンテ)とPT COOKPAD DIGITAL INDONESIA が、レシピサービスの開発及び運営を担当しています。

向いている人/向いていない人

向いている可能性がある人

向いていない可能性がある人

エージェントベストの見解

**この会社で起こりやすいミスマッチは、「知名度のあるサービス=安定した大きな組織」という前提で入社してしまうことです。**クックパッドというサービスを知らない人はほとんどいません。だからこそ、連結101名・提出会社87名という実際の規模と、面接で受ける印象が食い違いにくいのです。求人票にも組織図は載りません。**入社後に「思っていたより一人ひとりの守備範囲が広い」と感じる方が出るのは、この落差が理由です。****もう一つ、入社前に確認しておくべきことがあります。**有価証券報告書は、3つのサービスすべてについて「手応えはあったが、期待していた進捗には至らなかった」という趣旨の記述を置いています。momentは「開発スピードや体制面に課題」、クックパッドマートは「再現性・拡張性・収益性を同時に満たすサービスモデルの確立には至っていません」。**これは、事業の優先順位が今後変わり得ることを示唆します。****入社前に確認したいのは、「自分が採用されるサービスが、来期も同じ位置づけで続くのか」です。**聞き方は難しくありません。「配属予定のサービスについて、今期の重点テーマと投資判断のタイミングを教えてください」。この一問で、そのサービスが拡大フェーズなのか、検証フェーズなのかがかなり見えます。**答えにくい質問ではなく、有価証券報告書に書かれていることを踏まえた当然の確認事項です。**むしろ、ここを聞ける応募者は事業を読んでいると受け取られます。**知名度で判断せず、いま何を検証している会社なのかを掴んだうえで応募する。**この会社に関しては、その一手間が入社後の納得度を大きく左右します。

選考に向けた準備

公開情報の範囲で整理します。選考プロセスは時期や職種により変動しますので、最新の内容は公式採用サイトでご確認ください。

1. 「AI時代のレシピ検索」について自分の見解を持つ

有価証券報告書には「AI技術の進展により検索体験そのものが大きく変化しつつあります」と明記されています。**生成AIに献立を聞ける時代に、レシピサービスの価値はどこにあるのか。**この問いに自分なりの答えを用意しておくと、事業理解が伝わります。同社が挙げる「Search」「Save」「Share」の3つの軸は、議論の出発点として使えます。

2. 3サービスのどれに関わりたいのかを明確にする

クックパッド(レシピ)、moment(AIコーチング)、クックパッドマート(食材流通)。**求められる経験がそれぞれ違います。**レシピはWebプロダクト、momentはAI・機械学習、マートは物流とオペレーション。志望理由は、サービス単位で組み立てるほうが具体的になります。

3. 職務経歴書は「少人数で回した経験」を前に出す

101名の組織では、役割分担が細かく決まっていない場面が多くなります。チーム人数、自分が担当した工程の範囲、他職種と直接やり取りした経験を書けると、フィットが伝わりやすくなります。大きな組織で分業の一部を担っていた場合は、その中でも自分が越境した場面を1つ切り出しておきましょう。

まとめ

よくある質問

Q. クックパッドの平均年収はいくらですか?

A. 有価証券報告書(第29期)によると、2025年12月31日現在の提出会社の平均年間給与は10,071千円(約1,007万円)、従業員数は87名、平均年齢は37.5歳、平均勤続年数は5.6年です。上場企業として高い水準ですが、母数が87名と小さく、連結従業員数が5期で487名から101名へ推移した後の数値である点は考慮が必要です。応募ポジションの給与レンジは求人票と面接で個別に確認することをおすすめします。

Q. 業績は今どうなっていますか?

A. 有価証券報告書によると、売上収益は2021年12月期の100億425万円から2025年12月期の53億3,673万円まで5期連続で減少しています。営業損益は2023年12月期まで3期連続の損失でしたが、2024年12月期に6億7,362万円の営業利益へ転換し、2025年12月期は2億6,436万円でした。黒字化の要因として「従業員数の自然減に伴う人件費の減少や、全社的な効率化を通してコスト削減が進んだこと」が記載されています。減収の主因は「レシピサービスにおけるプレミアムサービス会員が減少したこと」と説明されています。

Q. レシピサービス以外にどんな事業がありますか?

A. 有価証券報告書によると、moment(モーメント)とクックパッドマートの2つが記載されています。momentは自宅キッチンでの調理工程をAIカメラが分析し、料理における課題と原因を特定してアドバイスを提供するパーソナルコーチングサービスです。クックパッドマートは、マンション等に設置した専用の冷蔵宅配ボックスに生鮮食品を届ける仕組みです。いずれも第29期時点では収益化・拡張性の面で課題が残ると同報告書に記載されています。


※本記事は、クックパッド株式会社が提出した有価証券報告書(第29期・2025年1月1日~2025年12月31日)に記載された公開情報をもとに構成しています。数値はいずれも同報告書に記載された時点のものです。募集要項・選考プロセス・各種制度は変更される場合がありますので、応募前に公式採用ページを必ずご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)