マネーフォワードの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
マネーフォワードは、家計簿アプリと法人向けバックオフィスSaaSを手がける東証上場企業です。第14期(2025年11月期)の連結売上高は503億4,994万円。5期前の156億円から3.2倍に伸びました。そして同期、親会社株主に帰属する当期純利益が15億8,726万円の黒字となり、赤字が続いた4期から転換しています。ただし経常損益はまだ38億7,765万円の損失です。この記事では、有価証券報告書に記載された数値をもとに、事業の構造・年収・働き方・選考の準備を整理します。
4つのセグメントと2,839人
有価証券報告書(第14期)に記載されている内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社マネーフォワード(Money Forward, Inc.) |
| 代表者 | 代表取締役社長グループCEO 辻 庸介 |
| 本店所在地 | 東京都港区芝浦三丁目1番21号 msb Tamachi 田町ステーションタワーS 21階 |
| 事業年度 | 第14期(2024年12月1日〜2025年11月30日) |
| 上場区分 | 東京証券取引所(証券コード3994) |
| 連結従業員数 | 2,839人[外書424人](2025年11月30日現在) |
| 労働組合 | 結成されていない |
セグメント別の人員配置
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| Business | 1,754人[外書196人] |
| Home | 74人[外書20人] |
| X | 106人[外書3人] |
| Finance | 10人[外書3人] |
| 全社(共通) | 895人[外書202人] |
| 合計 | 2,839人[外書424人] |
Businessが全体の6割超
法人向けのBusinessセグメントが1,754人で、全体の約61.8%を占めます。一方、家計簿アプリを含むHomeは74人。知名度の入り口となっているサービスと、人を投じている領域は違います。
全社(共通)が895人と大きいのも特徴です。特定セグメントに区分できない部門と管理部門が、ここに含まれます。
5期の推移が示す転換点
連結の主要な経営指標は、次のとおりです。
| 決算年月 | 売上高 | 経常損失(△) | 親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△) | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年11月 | 156億3,260万円 | △14億3,252万円 | △14億8,226万円 | 1,248人 |
| 2022年11月 | 214億7,719万円 | △95億8,154万円 | △94億4,980万円 | 1,894人 |
| 2023年11月 | 303億8,062万円 | △67億3,899万円 | △63億1,505万円 | 2,130人 |
| 2024年11月 | 403億6,383万円 | △53億5,340万円 | △63億3,057万円 | 2,597人 |
| 2025年11月 | 503億4,994万円 | △38億7,765万円 | +15億8,726万円 | 2,839人 |
売上は5期で3.2倍
156億円から503億円へ。毎期増収を続けています。
損失は縮小し、最終損益は黒字へ
経常損失は2022年11月期の95億8,154万円をピークに縮小を続け、第14期は38億7,765万円。親会社株主に帰属する当期純利益は15億8,726万円の黒字となりました。ただし経常段階では損失が残っており、本業の収支と最終損益は別である点に注意が必要です。
従業員は1,248人から2,839人へ
5期で1,591人の増加。2倍以上に増えています。 総資産は569億円から1,275億円へ拡大し、自己資本比率は71.1%から32.0%へ低下しました。
評判の傾向
年収・評価制度
職種ごとのレンジが整備されているという声が見られます。一方、等級が上がるまでは大幅な昇給が起きにくいという指摘もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
ワークライフバランス
リモートを含む柔軟な働き方への言及が多く見られます。プロダクトのリリース前や決算期には負荷が高まるという声もあります。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
キャリア・成長機会
事業の拡大に伴って新しい役割が生まれる点を評価する声が中心です。組織変更が頻繁で、担当領域が変わりやすいという指摘も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
社風・人間関係
ミッションへの共感を軸にした文化という評価が中心です。合議を重んじる分、意思決定に時間がかかるという声も見られます。※公開されている口コミの傾向をまとめたものです。
エージェントベストの見解
「黒字転換した会社」という見出しだけで判断しないほうがよいと考えます。有価証券報告書を見ると、第14期の親会社株主に帰属する当期純利益は15億8,726万円の黒字ですが、経常損益は38億7,765万円の損失です。最終損益が黒字になる要因は、本業の稼ぎ以外にもあります。転職を検討する方が見るべきは、経常損失が95億円から38億円へ4期連続で縮小してきた事実のほうです。これは、売上が3.2倍になる過程でコスト構造が改善してきたことを示します。同時に、自己資本比率は71.1%から32.0%へ下がり、総資産は倍以上に膨らんでいる。つまり投資を続けながら収支を寄せている局面です。面接では「自分が入る部門は、投資フェーズか回収フェーズか」を聞いてください。同じ会社でも、Businessと新規領域では求められる動き方がまったく違います。
年収の実態
有価証券報告書に記載された提出会社の従業員の状況は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 従業員数 | 1,707人[外書246人] |
| 平均年齢 | 34.3歳 |
| 平均勤続年数 | 2.9年 |
| 平均年間給与 | 7,233,561円(賞与および基準外賃金を含む) |
平均勤続年数2.9年という数字
5期で従業員が2倍以上に増えた組織では、当然この数値は短くなります。入社2〜3年目が組織の中心層であることを意味し、社歴の長さで序列が決まりにくい環境と読むこともできます。
提出会社のセグメント内訳
提出会社1,707人のうち、Businessが1,277人[外書152人]、全社(共通)が430人[外書94人]です。HomeやX、Financeは連結子会社側に人員が置かれています。
男女の賃金差異と育休取得率
有価証券報告書には、提出会社について次の数値が記載されています。管理職に占める女性労働者の割合21.8%、男性労働者の育児休業取得率85.4%、労働者の男女の賃金の差異は全労働者で77.5%(正規雇用労働者79.2%、非正規雇用労働者106.8%)。
確認しておきたいこと
- 応募する職種・等級の給与レンジ
- 固定給と賞与、ストックオプションの比率
- 評価サイクルと、等級が上がる標準的な期間
- 配属予定部門が、Businessか新規領域か
働き方と、拡大局面という前提
5期で従業員が1,248人から2,839人へ増えた組織です。この規模の変化は、働き方に影響します。組織図が変わる頻度が高く、上長や担当範囲が入れ替わることは起こりやすくなります。
確認しておきたいのは、次の点です。
- 直近1年の組織変更の回数と、その内容
- 配属予定チームの人数と、立ち上がりからの期間
- リモートと出社の運用ルール(部門ごとの差を含む)
- 決算期・リリース前の稼働実態
2点目は重要です。できて間もないチームと、数年運営されているチームでは、仕事の進め方も評価のされ方も違います。求人票のポジション名だけでは判断できないため、面接で確かめてください。
キャリアの積み上がり方
同社で積み上がるのは、バックオフィス領域の業務知識と、SaaSプロダクトを伸ばす経験の組み合わせです。会計・人事労務・経費といった業務は、法令改正がそのまま製品要件になります。制度を読み込み、機能に落とす経験は、他社でも評価されます。
出口としては、他のバックオフィスSaaS企業、事業会社の情報システム・経理財務部門、会計事務所系のテック企業などが挙げられます。Businessセグメントで法人顧客と向き合った経験は、法人向けSaaSの市場で通用しやすい資産です。
一方で注意したいのは、組織が大きくなるにつれて担当範囲が細分化される点です。1,754人のBusinessセグメントでは、一人が事業全体を見る場面は限られます。幅広い裁量を求める場合は、その前提で応募先の規模を選ぶ必要があります。
向いている人/向いていない人
制度と製品をつなげたい人
会計・労務は制度改正が絶えない領域です。制度を読み解いて製品に反映する作業に面白さを感じられる方に向きます。
変化の多い組織で動ける人
5期で従業員が2倍以上になった会社です。組織や役割の変更を前提に働ける方に合います。
法人向けSaaSで専門性を作りたい人
Businessセグメントに1,754人を配置しています。法人顧客に向き合う経験を積みたい方に機会があります。
安定した組織構造を求める人
投資と拡大を続ける局面です。組織や方針が固定された環境で腰を据えたい方には、変化が負担になり得ます。
個人向けサービスに専念したい人
Homeセグメントの従業員数は74人です。家計簿アプリに関わる仕事だけを望む方には、枠が限られます。
エージェントベストの見解
この会社を受ける方は、freeeをはじめとするバックオフィスSaaS各社や、事業会社の経理DX部門と並べて比較しているケースが多く見られます。判断が割れるのは、「業務を作る側」と「業務を回す側」のどちらに立ちたいかという点です。SaaS側にいれば、多数の企業の業務を標準化する仕事になります。一つの会社に深く入り込むのではなく、共通解を設計する。事業会社側に行けば逆で、自社の事情に最適化する仕事です。もう一つの比較軸は、収益フェーズです。マネーフォワードは経常損失を4期かけて縮小してきた段階にあり、コスト意識が組織に浸透していく局面と考えられます。「成長のためなら投資を惜しまない」時期とは、意思決定の基準が変わります。面接では「直近1年で、投資を絞った意思決定の例」を聞いてみてください。答えられる会社は、フェーズの説明が自分たちでできています。
選考に向けた準備
選考フローについて
公開情報では、書類選考ののち複数回の面接という構成がとられているとされています。職種によっては課題や技術面談が含まれる場合があるとされますが、内容と回数はポジションと時期によって変動します。最新の募集要項は公式サイトでご確認ください。
志望動機の組み立て
「なぜSaaSか」「なぜバックオフィス領域か」「なぜこの会社か」の3つに分けます。3つ目では、セグメント構成を踏まえた説明ができると理解の深さが伝わります。Businessが人員の6割超を占める構造を知ったうえで応募していることは、それ自体が伝わる材料になります。
職務経歴書で見られる点
SaaSの経験があれば、担当プロダクト、担当社数、解約率やアップセルの実績を数字で書きます。会計・労務の実務経験がある方は、扱った制度改正への対応と、その規模を明記してください。エンジニアであれば、扱ったトラフィック・データ量・可用性の要件を具体的に書くと伝わります。
まとめ
マネーフォワードについて、有価証券報告書(第14期)から確認できる点を整理します。
- 東証上場(証券コード3994)。第14期の連結売上高は503億4,994万円で、5期前の156億3,260万円から3.2倍
- 第14期の経常損失は38億7,765万円。親会社株主に帰属する当期純利益は15億8,726万円の黒字
- 経常損失は2022年11月期の95億8,154万円をピークに4期連続で縮小
- 連結従業員数は2,839人[外書424人]。5期前の1,248人から2倍以上に増加
- セグメント別ではBusinessが1,754人と最大。Homeは74人
- 提出会社は1,707人、平均年齢34.3歳、平均勤続年数2.9年、平均年間給与7,233,561円
- 管理職に占める女性労働者の割合21.8%、男性労働者の育児休業取得率85.4%
- 自己資本比率は5期前の71.1%から32.0%へ低下、総資産は569億円から1,275億円へ拡大
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 黒字になったということは、業績は安定していますか。
A. 第14期の親会社株主に帰属する当期純利益は15億8,726万円の黒字ですが、経常損益は38億7,765万円の損失です。経常損失は4期連続で縮小しており改善は続いていますが、本業の収支と最終損益は別に見る必要があります。
Q. 平均年収はいくらですか。
A. 有価証券報告書に記載された提出会社の平均年間給与は7,233,561円です。対象は1,707人で、平均年齢34.3歳・平均勤続年数2.9年という構成です。職種と等級によって幅があるため、応募ポジションのレンジを面接で確認することをおすすめします。
Q. 家計簿アプリの開発に関われますか。
A. 家計簿アプリを含むHomeセグメントの連結従業員数は74人で、法人向けのBusinessセグメント1,754人と比べると規模が小さくなっています。応募ポジションがどのセグメントに属するかを確認することをおすすめします。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。