モルガン・スタンレーの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
日本でモルガン・スタンレーの証券業務を担う法人は、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社です。金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書【2026年3月期】を見ると、受入手数料143,527百万円のうち122,528百万円が「国際取引に関する日本法人等への収益分配金等」です。約85.4%にあたります。使用人は928名。この記事では、その構造を説明書から整理します。
まず「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」と別会社であることを押さえる
名前の似た2社があります。応募先を取り違えると、面接で話が噛み合いません。
説明書の沿革によると、経緯は次のとおりです。
| 年月 | 事項 |
|---|---|
| 1984年4月 | モルガン・スタンレー・インターナショナル・リミテッド東京支店開設 |
| 2006年4月 | モルガン・スタンレー証券株式会社として営業開始 |
| 2007年11月 | 持株会社制への移行に伴いモルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社の子会社となる |
| 2010年5月 | 商号をモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社へ変更。同時に会社分割により投資銀行本部の一部を三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社へ移転 |
| 2014年1月 | 本店を東京都渋谷区恵比寿から東京都千代田区大手町へ移転 |
| 2024年1月 | 事業譲受により三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社から一部事業(機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部及びリサーチ業務)を譲受 |
2010年5月に投資銀行本部の一部が三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ移り、2024年1月に機関投資家向け日本株のセールス・執行・リサーチがモルガン・スタンレーMUFG証券へ移りました。機能が2度にわたって振り分けられています。
株主構成も確認しておきます。説明書によると、モルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社が種類株式Yを51株保有して議決権の51%、MMパートナーシップが種類株式Wを88,470株(議決権0%)と種類株式Xを49株(同49%)保有しています。資本金は62,149百万円、発行済株式総数は100,000株です。
本店は東京都千代田区大手町一丁目9番7号 大手町フィナンシャルシティサウスタワー、ほかに大阪府大阪市中央区伏見町に大阪事務所があります。
受入手数料1,435億円のうち1,225億円はグローバルからの配分
説明書の経営成績等の推移です。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 178,271百万円 | 221,208百万円 | 246,008百万円 |
| 受入手数料 | 108,703百万円 | 133,455百万円 | 143,527百万円 |
| トレーディング損益 | 14,661百万円 | 14,784百万円 | 20,703百万円 |
| 純営業収益 | 135,848百万円 | 153,208百万円 | 168,281百万円 |
| 経常損益 | 46,961百万円 | 47,149百万円 | 57,083百万円 |
| 当期純利益 | 32,695百万円 | 31,951百万円 | 35,444百万円 |
受入手数料の内訳を見ると、この会社の性格がはっきりします。
| 内訳 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 委託手数料 | 1,383百万円 | 2,341百万円 | 3,920百万円 |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 549百万円 | 3,476百万円 | 2,522百万円 |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱い手数料 | 4,383百万円 | 4,412百万円 | 3,513百万円 |
| その他の受入手数料 | 102,387百万円 | 123,224百万円 | 133,570百万円 |
| (うち国際取引に関する日本法人等への収益分配金等) | 97,389百万円 | 113,963百万円 | 122,528百万円 |
| (うち受託業務) | 4,366百万円 | 6,506百万円 | 6,211百万円 |
2026年3月期の受入手数料143,527百万円のうち、「国際取引に関する日本法人等への収益分配金等」が122,528百万円です。約85.4%を占めます。
一方、引受け・売出しの手数料2,522百万円と募集・売出しの取扱い手数料3,513百万円を合わせても6,035百万円で、受入手数料の約4.2%にとどまります。
トレーディング損益は20,703百万円で、内訳は株券等9,356百万円、債券等11,307百万円、その他40百万円です。株券等は2024年3月期に1,246百万円の損失でしたが、2025年3月期に6,267百万円の利益、2026年3月期に9,356百万円の利益と積み上がっています。
自己資本規制比率は315.3%です(2024年3月期315.1%、2025年3月期290.8%)。固定化されていない自己資本360,094百万円に対し、リスク相当額は114,188百万円と記載されています。
開示された数値から読み取れること
以下は、金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、公表されている数値をもとにしています。
年収・評価制度
説明書に平均年間給与の記載はありません。販売費・一般管理費の内訳として、人件費33,084百万円(前事業年度比5%増)、取引関係費17,839百万円(同30%増)等、合計111,960百万円(同6%増)と記載されています。使用人は928名です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
説明書に労働時間の数値の記載はありません。営業所は本店(東京都千代田区大手町)と大阪事務所の2か所です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
使用人の総数は2024年3月期908名、2025年3月期923名、2026年3月期928名と推移しています。うち外務員は391名、391名、382名です。使用人兼役員は使用人数に含めていないと注記されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
説明書に労働組合に関する記載はありません。役員は取締役10名と監査役1名で、取締役のうち7名が常勤、3名が非常勤と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
外資系証券の日本拠点を検討する方に最も多いのが、「投資銀行業務をやりたい」という志望動機のまま、セールス&トレーディングが中心の法人に応募してしまうケースです。数字を見てください。モルガン・スタンレーMUFG証券の2026年3月期の受入手数料143,527百万円のうち、引受け・売出しの手数料は2,522百万円、募集・売出しの取扱い手数料は3,513百万円で、合わせても約4.2%です。一方、国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が122,528百万円で約85.4%を占めます。しかも2010年5月の会社分割で投資銀行本部の一部は三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ移っています。逆に2024年1月には、機関投資家向け日本株のセールス業務・コーポレートアクセス・執行業務の一部・リサーチ業務がこちらへ移りました。リサーチやエクイティセールスを志望するならこちら、国内のM&Aアドバイザリーを志望するなら三菱UFJモルガン・スタンレー証券側です。応募前に法人名を確認してください。
報酬について確認できること
説明書に平均年間給与の記載はありません。判断の材料になるのは、販売費・一般管理費の人件費と使用人数です。
同じ手順で読める外資系証券を並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 使用人 | 人件費 | 使用人1名あたり | 特徴的な収益科目 |
|---|---|---|---|---|
| モルガン・スタンレーMUFG証券 | 928名 | 33,084百万円 | 約35.6百万円 | 国際取引に関する日本法人等への収益分配金等 122,528百万円 |
| JPモルガン証券 | 780名 | 30,174百万円 | 約38.7百万円 | M&A関係収益 14,249百万円 |
| BofA証券 | 665名 | 26,658百万円 | 約40.1百万円 | M&A関係収益 13,228百万円 |
| シティグループ証券 | 872人 | 22,655百万円 | 約26.0百万円 | 国際取引の収益分配金 51,313百万円 |
各社の金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
ここで注意が必要です。**人件費には役員報酬や法定福利費等が含まれるため、この金額を使用人数で割った値は平均年収そのものではありません。**水準の桁を把握するための目安として見てください。
もう1点。純営業収益168,281百万円を使用人928名で割ると、1名あたり約181.3百万円になります。ただしこの数値の大半はグローバルからの収益分配金であり、個々の使用人が獲得した収益を意味するものではありません。
実額とレンジは選考の過程でご確認ください。
2024年1月の事業譲受は、株券の委託売買高に表れている
説明書には株券の売買高が3期分載っています。
| 区分 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 自己 | 87,272,680百万円 | 130,804,369百万円 | 177,271,043百万円 |
| 委託 | 79,769,765百万円 | 105,929,675百万円 | 219,426,432百万円 |
| 計 | 167,042,445百万円 | 236,734,044百万円 | 396,697,475百万円 |
委託の売買高が105,929,675百万円から219,426,432百万円へ、約2.07倍になっています。合計でも236,734,044百万円から396,697,475百万円へ約67.6%増です。
2024年1月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券から機関投資家向け日本株のセールス業務・コーポレートアクセス・執行業務の一部を譲り受けたことが、委託売買高の伸びとして数字に出ていると読めます。委託手数料も1,383百万円から3,920百万円へ増えました。
一方で引受けの規模は限定的です。2026年3月期の引受高は株券39,807百万円、社債券12,800百万円と記載されています。
つまりこの法人は、株式・債券のセールス&トレーディングと執行、そしてリサーチが軸です。組織図の側から見ても、説明書に株式統括本部と債券統括本部の記載があります。
向いている人/向いていない人
向いている人
機関投資家向けのセールス・執行・リサーチに関わりたい方
2024年1月に機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部及びリサーチ業務を譲り受けています。
グローバル組織の日本拠点として動くことに納得できる方
受入手数料143,527百万円のうち122,528百万円が国際取引に関する日本法人等への収益分配金等です。
トレーディングの損益に向き合う仕事に向く方
トレーディング損益は20,703百万円で、株券等9,356百万円、債券等11,307百万円です。
向いていない人
国内企業のM&Aアドバイザリーを志望する方
2010年5月の会社分割で投資銀行本部の一部は三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ移っています。
リテール営業を志望する方
説明書の沿革によると、2001年1月にリテール部門の営業を別法人へ譲渡しています。営業所は本店と大阪事務所の2か所です。
エージェントベストの見解
この会社を受ける方は、同じ外資系証券の日本拠点や国内大手の投資銀行部門と並行して検討しているケースが多く見られます。判断が割れるのは「日本拠点が何で稼いでいるか」を比較したときです。M&A関係収益を独立科目で開示する会社があります。JPモルガン証券は14,249百万円、BofA証券は13,228百万円、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は513億54百万円です。一方、モルガン・スタンレーMUFG証券の説明書にM&A関係収益の独立科目はなく、その他の受入手数料133,570百万円のうち122,528百万円が国際取引に関する日本法人等への収益分配金等として計上されています。開示の粒度そのものが、日本拠点の役割の違いを表しています。比較の軸としてお伝えしているのは、使用人数・人件費・そして手数料の内訳の3点を並べることです。人件費は使用人928名に対して33,084百万円ですが、役員報酬や法定福利費等を含むため平均年収そのものではありません。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
法人名を確認してください。モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社と三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社は別の会社です。前者はモルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社が議決権の51%を保有しています。
勤務地を確認してください。営業所は本店(東京都千代田区大手町)と大阪事務所の2か所です。
決算期は3月です。他社と比較するときは対象期間を揃えてください。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ証券か」と「なぜモルガン・スタンレーか」の2段で組み立てます。
前者については、志望する機能を具体化します。エクイティセールス、債券セールス、トレーディング、リサーチ、執行、そしてコーポレートファンクションでは、日々の仕事も評価の見られ方も違います。
後者の材料は説明書にあります。受入手数料143,527百万円のうち122,528百万円が国際取引に関する日本法人等への収益分配金等であること。委託の株券売買高が105,929,675百万円から219,426,432百万円へ約2.07倍になったこと。トレーディング損益の株券等が1,246百万円の損失から9,356百万円の利益へ転じたこと。自己資本規制比率が315.3%であること。使用人が908名から928名へ推移していること。
「2024年1月の事業譲受が委託売買高に表れている」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
証券の中途採用では、担当した商品と、その商品で動かした数値が読まれます。
セールスの経験がある方は、担当した顧客区分と預り資産や取引額、担当替えの前後で何が変わったかを書きます。
トレーディングの経験がある方は、扱ったプロダクトとポジション規模、リスク管理の枠組みの中で自分が持っていた裁量を書きます。
リサーチの経験がある方は、カバーしたセクターと銘柄数、レポートの発行本数や評価の位置づけを書きます。2024年1月にリサーチ業務が移管されている以上、この経験は読まれます。
執行・エレクトロニックトレーディングの経験がある方は、扱った取引量と、執行コストや約定率をどう動かしたかを書きます。
コンプライアンス・リスク管理の経験がある方は、担当した規制と、体制構築で自分が担った範囲を書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
日本でモルガン・スタンレーの証券業務を担うのはモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社で、金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書【2026年3月期】によると、営業収益246,008百万円、受入手数料143,527百万円、トレーディング損益20,703百万円、純営業収益168,281百万円、経常損益57,083百万円、当期純利益35,444百万円、使用人928名(うち外務員382名)です。受入手数料のうち122,528百万円(約85.4%)は国際取引に関する日本法人等への収益分配金等で、引受け・売出しと募集・売出しの手数料は合わせて6,035百万円(約4.2%)にとどまります。株券の委託売買高は105,929,675百万円から219,426,432百万円へ約2.07倍になりました。2010年5月の会社分割で投資銀行本部の一部が三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ移り、2024年1月に機関投資家向け日本株のセールス・コーポレートアクセス・執行の一部・リサーチが同社から譲り受けられています。人件費は33,084百万円、自己資本規制比率は315.3%です。
よくある質問
Q. モルガン・スタンレーの年収はどのくらいですか。
A. 金融商品取引法第46条の4にもとづく説明書に平均年間給与の記載はありません。参考になるのは販売費・一般管理費の人件費33,084百万円(前事業年度比5%増)と使用人928名です。ただし人件費には役員報酬や法定福利費等が含まれるため、これを使用人数で割った約35.6百万円は平均年収そのものではありません。同じ手順で読める会社ではJPモルガン証券が780名・30,174百万円、BofA証券が665名・26,658百万円、シティグループ証券が872人・22,655百万円です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 三菱UFJモルガン・スタンレー証券とはどう違いますか。
A. 別の法人です。モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社は、モルガン・スタンレー・ホールディングス株式会社が種類株式Yにより議決権の51%を保有しています。説明書の沿革によると、2010年5月に商号をモルガン・スタンレー証券株式会社から変更するとともに、会社分割により投資銀行本部の一部を三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社へ移転しました。逆に2024年1月には、同社から機関投資家向け日本株のセールス業務、コーポレートアクセス、執行業務の一部及びリサーチ業務を譲り受けています。志望する機能がどちらの法人にあるかを、応募前にご確認ください。
Q. 日本拠点は何で稼いでいるのですか。
A. 2026年3月期の受入手数料143,527百万円のうち、その他の受入手数料が133,570百万円を占め、そのうち国際取引に関する日本法人等への収益分配金等が122,528百万円です。受入手数料全体の約85.4%にあたります。引受け・売出しの手数料は2,522百万円、募集・売出しの取扱い手数料は3,513百万円で、合わせて約4.2%です。加えてトレーディング損益が20,703百万円(株券等9,356百万円、債券等11,307百万円)あります。国内での引受けやアドバイザリーの手数料より、グローバル取引の日本側への配分が収益の中心という構造です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。