テクマトリックスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
テクマトリックス株式会社は、中期経営計画のなかでセグメント別の営業利益率目標を公表しています。2027年3月期の目標は、グループ連結10.0%、情報基盤事業12.2%、アプリケーション・サービス事業1.8%、医療システム事業6.8%。同じ会社のなかで、目標そのものが7倍近く違います。連結従業員は1,825名、売上収益は5期で96.5%増。この記事では、有価証券報告書から事業と組織の実態を整理します。
会社概要と3つの事業セグメント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | テクマトリックス株式会社 |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード3762) |
| 決算期 | 3月 |
| 会計基準 | IFRS(国際会計基準) |
| 従業員数 | 連結1,825名〔外123名〕/提出会社666名〔外80名〕(2026年3月31日現在) |
| 報告セグメント | 情報基盤事業/アプリケーション・サービス事業/医療システム事業の3セグメント |
| グループ構成 | 当社、連結子会社12社、持分法適用関連会社2社 |
| 本店 | 東京都港区港南一丁目2番70号 |
事業は3つに分かれます。
| セグメント | 内容(有価証券報告書の記載から) |
|---|---|
| 情報基盤事業 | 独自の目利き力を活かし、北米を中心に高い技術力・競争力・成長力を持つ製品やサービスを見極め、高付加価値なフルラインのサービスを提供。仮想化ソリューション、次世代ネットワーク、サイバーセキュリティ、ストレージ等 |
| アプリケーション・サービス事業 | 特定市場・特定業務向けのアプリケーション領域における業務ノウハウを活かし、システム開発、アプリケーション・パッケージ、テスト・ソリューション、クラウドサービス(SaaS)等を提供 |
| 医療システム事業 | **“医療情報をみんなの手に。そして、未来へ。”**をテーマに、健康な社会を支えるための医療情報インフラの構築 |
アプリケーション・サービス事業はさらに分野が分かれます。
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| CRM分野 | 自社開発製品**「FastSeries」**を中心に、コンタクトセンター運営を効率化するCRMシステム、FAQシステムを提供(オンプレミス型とSaaS) |
| ソフトウェア品質保証分野 | ソフトウェア開発の全ライフサイクルを支援するツール及びエンジニアリングサービス。**機能安全(IEC61508、ISO26262、IEC62304等)**に対応する自動車、医療機器、ロボット等の組込みソフトウェアや、ミッション・クリティカルなソフトウェアが対象 |
| ビジネスソリューション分野 | システムコンサルティング、要件定義・設計から開発・テスト、保守・運用・監視まで。連結子会社のアレクシアフィンテック株式会社は金融機関向けリスク管理システムを提供 |
| 教育分野 | 私立先進校に加えて公立校への採用が進行 |
医療システム事業では、医療情報クラウドサービス**「NOBORI」**、医用画像管理システム(PACS)、線量管理システム「MINCADI」(連結子会社の株式会社A-Line)などが挙げられています。
海外展開についても記載があります。
2024年11月には、マレーシアの最大手サイバーセキュリティ事業会社である「Firmus Sdn. Bhd.」の全株式を取得し連結子会社化しております。これを契機に、ASEAN市場に対する「最先端のセキュリティテクノロジー+セキュリティサービス」の提供を開始し、同事業における海外展開を進めております。
直近期のセグメント別実績
| セグメント | 売上収益 | 前期比 | 営業利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 情報基盤事業 | 516億20百万円 | 13.2%増 | 65億79百万円 | 24.9%増 |
| アプリケーション・サービス事業 | 98億84百万円 | 7.7%増 | △1億48百万円(営業損失) | 前期は営業利益1億41百万円 |
| 医療システム事業 | 102億29百万円 | 1.1%増 | 13億29百万円 | 6.1%増 |
情報基盤事業は売上収益・営業利益ともに過去最高。有価証券報告書には「サブスクリプション型のクラウド型セキュリティ対策製品を中心に、新規案件の受注が好調に推移しました」「AIを活用してSOC(Security Operation Center)業務の自動化を行うソリューションのクロスセルが進んでいます」と記載されています。
一方、アプリケーション・サービス事業は売上収益が過去最高となりながら営業損失です。理由も分野別に書かれています。
- CRM分野……受注高・売上収益は前期実績を上回ったが、「事業拡充に向けた増員による人件費、顧客データの保管のためのパブリッククラウドの費用の増大」により営業利益は前期を下回る
- ソフトウェア品質保証分野……「車載分野でのテストツールの需要が旺盛」で受注高・売上収益・営業利益いずれも前期実績を大きく上回る
- ビジネスソリューション分野……受注高は前期実績を上回ったが、「特定の案件の収益性が影響し、営業利益は前期実績を下回る」
- 教育分野……「第1四半期で実施したソフトウェア開発費用の全額を販売管理費(研究開発費)として計上することへの変更などにより、期初予算よりも赤字幅が拡大」
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書(第42期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,464千円、平均年齢38.0歳、平均勤続年数8.5年、対前事業年度増減率は1.7%です。報酬制度は個人の業務成果に基づく定期賞与(夏季・冬季)に加え、業績連動型賞与を導入している旨が記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
有価証券報告書には、労働組合は組織されていないが労使関係は極めて良好である旨が記載されています。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は81.8%です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
中期経営計画「Creating Customer Value in the New Era」において、「目利き力」と「業務ノウハウ」を詰め込んだソリューションで社会課題を解決する旨が記載されています。「逃げずに粘り強く対応し、常に学び続けるという企業文化」を一層浸透させる旨も記載されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の平均年齢は38.0歳、平均勤続年数は8.5年。管理職に占める女性労働者の割合は5.3%です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
中期経営計画の営業利益率目標が、セグメント別に公表されています。これは応募先を選ぶ材料になります。
| 区分 | 2027年3月期の営業利益率目標 |
|---|---|
| 全体(グループ連結) | 10.0% |
| 情報基盤事業 | 12.2% |
| アプリケーション・サービス事業 | 1.8% |
| 医療システム事業 | 6.8% |
アプリケーション・サービス事業の目標が1.8%という点に目を留めてください。当メディアはこの数か月、情報サービス業の有価証券報告書を50社以上読んできました。会社全体の目標を出す例は多いのですが、セグメント別に、しかもここまで差のある数字を出す例は限られます。そして直近期、この事業は営業損失1億48百万円を計上しています。目標が低く設定されているということは、会社がこの事業を「いま利益を出す場所」と見ていないということです。有価証券報告書の説明を読むと、その理由が具体的に書かれています。CRM分野は「事業拡充に向けた増員による人件費」、教育分野は「製品開発、マーケティング、エンジニア・営業人員の増員等の投資は計画通り」。投資フェーズにある事業です。応募者にとっての意味は2つあります。1つ目、この事業への配属なら、短期の利益ではなく成長で評価される可能性が高い。2つ目、逆に投資が見直されれば方針が変わりうる。面接では3つ聞いてください。1つ目、「配属候補はどのセグメントですか」。2つ目、「そのセグメントの評価指標は売上ですか、利益ですか、それとも別の指標ですか」。3つ目、「アプリケーション・サービス事業の投資期間は、いつまでを想定していますか」。セグメント別に目標を出す会社なら、この質問に答えられるはずです。
提出会社666名の年収846万円と連結1,825名
有価証券報告書の従業員の状況です(2026年3月31日現在)。
連結会社の状況
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| 情報基盤事業 | 800名〔66名〕 |
| アプリケーション・サービス事業 | 473名〔30名〕 |
| 医療システム事業 | 486名〔13名〕 |
| 全社(共通) | 66名〔14名〕 |
| 合計 | 1,825名〔123名〕 |
※〔 〕内は臨時従業員(派遣社員・契約社員を含む)の平均雇用人員を外数で記載
提出会社の状況
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 666名〔80名〕 |
| 平均年齢 | 38.0歳 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 平均年間給与 | 8,464千円 |
| 対前事業年度増減率 | 1.7% |
提出会社のセグメント別内訳は、情報基盤事業266名〔47名〕、アプリケーション・サービス事業334名〔16名〕、全社(共通)66名〔17名〕です。**医療システム事業は提出会社の欄に登場しません。**同事業は連結子会社のPSP株式会社などが担っており、486名すべてが子会社側にいる計算になります。
連結1,825名のうち提出会社は666名で、約36.5%。当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業では、この比率が3.0%から98.7%まで開いていました。この会社は低い側にあたるため、応募先の法人を確認する必要があります。
注記には「平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含め、株式報酬費用は除いております」とあります。株式報酬が別にあるということです。
従業員数の推移は次のとおりです。
| 決算期 | 連結従業員数 | 提出会社 | 売上収益(千円) |
|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 1,404名 | 511名 | 36,513,619 |
| 2023年3月 | 1,439名 | 544名 | 45,950,613 |
| 2024年3月 | 1,502名 | 553名 | 53,303,317 |
| 2025年3月 | 1,738名 | 619名 | 64,882,255 |
| 2026年3月 | 1,825名 | 666名 | 71,733,770 |
5期で連結は1,404名→1,825名(+421名/+30.0%)、売上収益は+96.5%。1人あたり売上収益は約2,601万円から約3,930万円へ51.1%増えました。
男女に関する指標は次のとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 81.8% |
| 男女の賃金の差異(全労働者) | 80.1% |
| 男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.8% |
| 男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 61.2% |
報酬制度についても記載があります。
報酬制度については、個人の業務成果(「業績評価」)に基づき支給される定期賞与(夏季・冬季)に加え、業績連動型賞与を導入し、個人のパフォーマンスの発揮と会社業績を連動させた報酬体系としています。また、ストック型ビジネスの拡大に伴う安定的な利益確保スキームの確立を背景に、2026年度には従業員の月額基本給の引き上げを実施しました。
「ストック型ビジネスの拡大」を理由に基本給を引き上げたという説明です。賞与ではなく月額基本給を上げた点は、収益の安定性が前提になっています。
5期で売上収益96.5%増とROE5期連続上昇
有価証券報告書の連結経営指標等の推移(第38期〜第42期/IFRS)です。
| 決算期 | 売上収益(千円) | 税引前利益(千円) | 当期利益(千円) | 連結従業員数 | 持分利益率 | 持分比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月 | 36,513,619 | 3,718,035 | 2,371,920 | 1,404名 | 14.9% | 32.4% |
| 2023年3月 | 45,950,613 | 5,066,665 | 2,950,390 | 1,439名 | 16.4% | 28.9% |
| 2024年3月 | 53,303,317 | 5,854,695 | 3,540,323 | 1,502名 | 17.4% | 25.4% |
| 2025年3月 | 64,882,255 | 6,418,947 | 4,056,530 | 1,738名 | 17.7% | 22.9% |
| 2026年3月 | 71,733,770 | 7,861,437 | 5,178,204 | 1,825名 | 20.5% | 21.7% |
※当期利益は親会社の所有者に帰属する当期利益。持分利益率・持分比率は親会社所有者帰属分
- 売上収益……36,513,619千円→71,733,770千円(+96.5%)
- 税引前利益……3,718,035千円→7,861,437千円(+111.4%)
- 当期利益……2,371,920千円→5,178,204千円(+118.3%)
5期連続で増収増益。しかも親会社所有者帰属持分当期利益率(ROEに相当)は14.9%→16.4%→17.4%→17.7%→20.5%と5期連続で上昇しています。当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ情報サービス企業では、この指標が5期連続で上がり続ける例は多くありません。
一方で、注意して読むべき数字もあります。
親会社所有者帰属持分比率は32.4%→28.9%→25.4%→22.9%→21.7%と5期連続で低下しています。当メディアが同じ時期に扱った情報サービス企業の多くは50〜87%でしたので、明らかに低い側です。
理由は総資産の伸びにあります。
| 決算期 | 総資産額(千円) | 親会社所有者帰属持分(千円) |
|---|---|---|
| 2022年3月 | 52,503,713 | 17,018,771 |
| 2026年3月 | 121,531,414 | 26,327,327 |
**総資産は2.31倍、持分は1.55倍。**資産の伸びに自己資本が追いついていない構造です。売上収益が96.5%増えていることを踏まえると、事業の拡大に伴って運転資本が膨らんだ面と、M&A(2024年11月のFirmus Sdn. Bhd.買収など)の面の両方があると読めます。
キャッシュ・フローは直近期に大きく改善しています。
| 決算期 | 営業CF(千円) | 投資CF(千円) | 財務CF(千円) | 現金及び現金同等物 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月 | 8,982,557 | △1,938,176 | +147,559 | 27,265,398 |
| 2025年3月 | 6,836,640 | △5,955,263 | △799,026 | 27,325,233 |
| 2026年3月 | 13,144,650 | △1,129,995 | △3,626,202 | 35,801,807 |
営業CFは6,836,640千円から13,144,650千円へ、ほぼ倍増しました。現金及び現金同等物も27,325,233千円から35,801,807千円へ増加しています。
なお、提出会社ベースでは自己資本比率20.7%、自己資本利益率19.3%。1株当たり配当額は34円から52円へ引き上げられ、配当性向は57.0%(前期45.2%)となっています。
「目利き力」と海外ベンダー依存
この会社の情報基盤事業は、海外メーカーの製品を見極めて国内に持ち込む構造です。有価証券報告書は、それを「目利き力」と呼んでいます。
「目利き力」とは、最先端のテクノロジーと解決すべき社会課題を発見することであり、発見した社会課題を「業務ノウハウ」で解決していきます。
同時に、この構造がリスクとしても明記されています。
当社グループの取扱い製品には、Palo Alto Networks, Inc.(米国)をはじめ、最先端の技術や製品・サービスを有する海外のネットワーク機器メーカーやソフト開発ベンダー等の製品が当連結会計年度において仕入金額の6割程度を構成しております。また、新規性の高い技術を扱うという当社グループの事業戦略上、当社グループの仕入先には小規模な海外ベンチャー企業も含まれております。こうした仕入先が買収された場合、日本法人を設立して販売網の見直しを行う場合、或いは倒産した場合等には、当社グループが従来同様の販売代理権を継続できる保証はなく、場合によっては製品の調達が困難となる可能性もあります。
**仕入金額の6割が海外ベンダー。**当メディアが同じ時期に有価証券報告書から読んだ企業のなかにも、代理店として扱う米国メーカーが次々と買収されてきた経緯を詳細に書いている会社がありました。海外製品を扱うモデルには、この種の構造的な不確実性がついてまわります。
一方で、自社製品も持っています。アプリケーション・サービス事業のCRM分野における**「FastSeries」、医療システム事業の「NOBORI」**(医療情報クラウドサービス)などです。医療システム事業については「医療情報クラウドサービス『NOBORI』の受注が堅調に推移し、累積の契約施設数が増加しています」「医用画像診断支援AIプラットフォーム事業において大型案件を受注」と記載されています。
中期経営計画**「Creating Customer Value in the New Era」**(2024年5月9日発表)では、目指す姿が次のように書かれています。
テクマトリックスグループは「目利き力」と「業務ノウハウ」を詰め込んだソリューションで社会課題を解決し、より良い未来を創造する会社であり続け「顧客価値」を向上させることを目指します。(中略)逃げずに粘り強く対応し、常に学び続けるという企業文化を一層浸透させ、持続的な価値創造の輪の拡大を目指していきます。
働き方とキャリア形成の特徴
有価証券報告書から読み取れる特徴は、次の4点です。
**1つ目は、事業ごとに性格が大きく違うこと。**情報基盤事業は海外製品の目利きと構築・運用、アプリケーション・サービス事業は自社製品と受託開発、医療システム事業は医療情報インフラ。営業利益率の目標も12.2%、1.8%、6.8%と分かれています。
**2つ目は、医療システム事業が子会社側にあること。**提出会社666名のセグメント別内訳に医療システム事業は含まれず、連結486名は主にPSP株式会社などが担っています。
**3つ目は、報酬に業績連動型賞与があること。**定期賞与(夏季・冬季)に加えて業績連動型賞与が導入されており、2026年度には月額基本給の引き上げも実施されました。
**4つ目は、ストック型ビジネスへの移行が進んでいること。**有価証券報告書には情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業について「当社単体の数字」、医療システム事業について「連結子会社であるPSP株式会社の数値」でストック比率を表示する旨が記載されています。基本給引き上げの理由も「ストック型ビジネスの拡大に伴う安定的な利益確保スキームの確立」でした。
向いている人/向いていない人
有価証券報告書の記載から読み取れる範囲で整理します。ここに書いたことは相性の目安であり、選考の合否を決めるものではありません。
向いていると考えられる人
- 海外の最新製品を扱いたい人。情報基盤事業では仕入金額の6割程度が海外ベンダーの製品です
- サイバーセキュリティを専門にしたい人。情報基盤事業は売上収益516億20百万円、営業利益65億79百万円でいずれも過去最高です
- 医療領域に関心がある人。医療システム事業は連結486名、売上収益102億29百万円です
- 成長する組織で働きたい人。5期で売上収益+96.5%、連結従業員+421名です
向いていない可能性がある人
- 厚い自己資本のもとで働きたい人。親会社所有者帰属持分比率は21.7%で5期連続低下しています
- 単一の事業に集中したい人。3セグメントで性格が大きく異なります
- 短期の利益で評価されたい人。アプリケーション・サービス事業は直近期に営業損失で、2027年3月期の営業利益率目標も1.8%です
- 自社製品の開発だけに携わりたい人。情報基盤事業は海外製品の販売・構築・運用が中心です
エージェントベストの見解
**「ROEが5期連続で上がり、自己資本比率が5期連続で下がっている」。この組み合わせは、必ず分解して読んでください。**この会社の親会社所有者帰属持分当期利益率は14.9%→20.5%、持分比率は32.4%→21.7%。**ROEの分母は自己資本ですから、自己資本比率が下がればROEは上がりやすくなります。**当メディアは同じ時期に、ROEが31.4%まで跳ねた会社の背景に純資産の5,651百万円減と財務CF △14,024百万円(自己資本の圧縮)があった例を読みました。そちらは「利益は増えたが、自己資本を減らしたことも効いていた」ケースです。この会社は違います。分子(当期利益)が2,371,920千円から5,178,204千円へ118.3%増えており、利益そのものが2.18倍になっています。自己資本も17,018,771千円から26,327,327千円へ1.55倍に増えている。下がっているのは比率であって、絶対額ではありません。では何が起きているのか。総資産が52,503,713千円から121,531,414千円へ2.31倍になっています。売上収益が96.5%増えていること、2024年11月にマレーシアのFirmus Sdn. Bhd.を買収していることを踏まえると、事業の拡大に伴って資産が膨らんだという読み方が妥当です。応募者にとっての意味は、この会社が拡大局面にあるということ。直近期の営業CFは13,144,650千円と前期のほぼ倍で、現金も35,801,807千円まで増えています。成長は続いているが、資本の厚みは薄くなっている。面接では2つ聞いてください。1つ目、「今後3年の成長は、M&Aと既存事業のどちらが中心ですか」。2つ目、「配属候補のセグメントは、いま人を増やす局面ですか」。
選考に向けた準備
事業の理解
有価証券報告書から確認しておきたいのは、次の点です。
- 3セグメントの規模……情報基盤516億20百万円(営業利益65億79百万円)、アプリケーション・サービス98億84百万円(同△1億48百万円)、医療システム102億29百万円(同13億29百万円)
- 人員の配置……情報基盤800名、アプリケーション・サービス473名、医療システム486名、全社共通66名(いずれも連結)
- 自社製品……FastSeries(CRM)、NOBORI(医療情報クラウド)、MINCADI(線量管理システム)
- 海外展開……2024年11月にマレーシアのFirmus Sdn. Bhd.の全株式を取得し、ASEAN市場へ
- 主な子会社……クロス・ヘッド株式会社、OCH株式会社(情報基盤)、アレクシアフィンテック株式会社、株式会社カサレアル(アプリケーション・サービス)、PSP株式会社、合同会社医知悟、株式会社A-Line(医療システム)
数字の押さえ方
面接で使える数字を挙げます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結売上収益(2026年3月期) | 71,733,770千円(前期比10.6%増) |
| 税引前利益 | 7,861,437千円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 5,178,204千円 |
| 親会社所有者帰属持分当期利益率 | 20.5%(5期連続上昇) |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 21.7%(5期連続低下) |
| 営業CF | 13,144,650千円(前期6,836,640千円) |
| 連結従業員数 | 1,825名〔外123名〕 |
| 提出会社の平均年間給与 | 8,464千円(666名・38.0歳・勤続8.5年・+1.7%) |
| 2027年3月期の営業利益率目標 | 全体10.0%/情報基盤12.2%/アプリケーション・サービス1.8%/医療システム6.8% |
質問の準備
- 「配属候補はどのセグメントですか。そのセグメントの評価指標は売上ですか、利益ですか」
- 「アプリケーション・サービス事業の投資期間は、いつまでを想定していますか」
- 「今後3年の成長は、M&Aと既存事業のどちらが中心ですか」
- 「医療システム事業に応募する場合、雇用契約はどの法人と結ぶことになりますか」
- 「仕入金額の6割が海外ベンダーとのことですが、特定ベンダーへの依存度はどのくらいですか」
まとめ
テクマトリックス株式会社は、情報基盤・アプリケーション・サービス・医療システムの3セグメントで事業を展開する会社です。連結従業員1,825名で売上収益71,733,770千円、親会社の所有者に帰属する当期利益5,178,204千円という規模にあります。
有価証券報告書から読み取れる特徴を整理します。
- 5期で売上収益+96.5%、当期利益+118.3%。親会社所有者帰属持分当期利益率は14.9%→20.5%と5期連続上昇
- 一方で親会社所有者帰属持分比率は32.4%→21.7%と5期連続低下(総資産は2.31倍)
- 中期経営計画でセグメント別の営業利益率目標を公表(情報基盤12.2%/アプリケーション・サービス1.8%/医療システム6.8%)
- 直近期は情報基盤事業が売上収益・営業利益とも過去最高、アプリケーション・サービス事業は営業損失1億48百万円
- 仕入金額の6割程度が海外ベンダー(Palo Alto Networks等)の製品。販売代理権の継続がリスクとして明記
- 提出会社666名・平均年間給与8,464千円。連結1,825名に対する提出会社比率は約36.5%(医療システム事業は子会社側)
- 2026年度に月額基本給の引き上げを実施(理由は「ストック型ビジネスの拡大に伴う安定的な利益確保スキームの確立」)
**利益は伸び続け、資本の厚みは薄くなりながら拡大している会社。**これが有価証券報告書から読み取れる姿です。
よくある質問
Q. 平均年収はどのくらいですか。
有価証券報告書(第42期・2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,464千円、対前事業年度増減率は1.7%です。平均年齢38.0歳、平均勤続年数8.5年という条件つきの数字で、賞与および基準外賃金を含む一方、株式報酬費用は除いて算出されています。あわせて2026年度には月額基本給の引き上げが実施された旨も記載されています。
Q. どのセグメントに配属されますか。
有価証券報告書によると、提出会社666名の内訳は情報基盤事業266名、アプリケーション・サービス事業334名、全社(共通)66名です。医療システム事業は提出会社の欄になく、連結486名は主にPSP株式会社などの連結子会社が担っています。医療領域を志望する場合は、雇用契約の相手方が子会社になる可能性がありますので、応募時にご確認ください。
Q. 海外製品を扱う比率はどのくらいですか。
有価証券報告書の戦略リスクに「当社グループの取扱い製品には、Palo Alto Networks, Inc.(米国)をはじめ、最先端の技術や製品・サービスを有する海外のネットワーク機器メーカーやソフト開発ベンダー等の製品が当連結会計年度において仕入金額の6割程度を構成しております」と記載されています。あわせて、仕入先の買収・販売網見直し・倒産等により「従来同様の販売代理権を継続できる保証はなく」という記載もあります。
※本記事は、掲載時点で公開されている有価証券報告書および公式サイトの情報をもとに作成しています。制度・数値は変更される場合がありますので、応募前に企業の公式情報を必ずご確認ください。
本記事は 2026/8/18 時点の公開情報にもとづいて作成しています。