ZOZOの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

ZOZO 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/11

ZOZOの有価証券報告書には、転職を検討するうえで見逃せない数値がいくつも並んでいます。平均年間給与の前年比18.6%増、正社員の3倍を超える臨時雇用者、そして男女の賃金の差異52.2%。いずれも構造を理解しないと読み違えます。この記事では、同社が提出した有価証券報告書の記載だけを使って整理します。2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の募集要項は公式サイトをご確認ください。

会社概要と、連結・提出会社の従業員数

まず基本情報を整理します。以下は同社が提出した有価証券報告書(第28期・2026年3月期)の記載です。

項目内容
会社名株式会社ZOZO
対象事業年度第28期(2025年4月1日〜2026年3月31日)

従業員数は以下のとおり記載されています。

区分従業員数(名)
連結会社1,894(5,434)
提出会社1,662(5,432)

括弧内は臨時雇用者(アルバイト及び派遣社員)の年間平均人員で、外数として記載されています。従業員数は、当社から他社への出向者を除き他社から当社への出向者を含む就業人員数と注記されています。

注目すべきは、臨時雇用者5,434名が正社員1,894名の約3倍にあたる点です。 しかもそのほぼ全数(5,432名)が提出会社に紐づいています。

ECという事業の性質上、商品の入出荷や検品といった業務に多くの人員が必要になります。この構造は、事業の実態を示しています。転職先として検討する際、自分が関わるのが正社員として担う職務であることを前提としつつ、組織全体では別の性質の業務が大きな比重を占めていることを理解しておくと、面接での会話が具体になります。

平均年間給与が前年比18.6%増

有価証券報告書に記載された提出会社の従業員データは以下のとおりです。

項目内容
従業員数1,662名(5,432)
平均年齢34.7歳
平均勤続年数7.5年
平均年間給与8,558千円
平均年間給与の対前事業年度増減率18.6%

対前事業年度増減率18.6%は、本メディアで扱ってきた企業のなかで最も大きな伸びです。参考として、他社の開示では1.2%から7.5%という水準が並びます。

1年で平均年間給与が2割近く上がっているということです。 単年の数値であるため継続するかは分かりませんが、処遇が動いている局面にあることは読み取れます。

もうひとつ重要な注記があります。同報告書には、平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含み、ストックオプション、譲渡制限付株式による株式報酬費用は含んでいない旨が記載されています。つまり株式報酬を持つ従業員がいる場合、実際の報酬総額はこの数値を上回る可能性があります。

平均勤続年数7.5年、平均年齢34.7歳という組み合わせも特徴的です。34歳台で勤続7.5年ということは、20代後半で入社して定着している層が中心にいることを示します。

男女の賃金の差異52.2%をどう読むか

同報告書には、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の規定にもとづく数値も記載されています。

項目数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合26.0%
男性の育児休業等取得率(正規雇用労働者)87.9%
同(パート・有期労働者)33.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者)52.2%
同(うち正規雇用労働者)79.0%
同(うちパート・有期労働者)89.5%

全労働者の52.2%という数値だけを見ると大きな差に見えます。しかし正規雇用労働者では79.0%、パート・有期労働者では89.5%です。

この差は、前掲の雇用構成から説明できます。 臨時雇用者が5,432名と正社員の3倍を超える構造では、全労働者を母集団にした比較に雇用形態の構成比が強く影響します。正規とパート・有期をそれぞれ見れば、数値は大きく変わります。

開示された指標を読むときは、母集団を確認する必要があります。この会社の場合、雇用構成を知らずに52.2%だけを見ると、実態を誤って捉えることになります。

男性の育児休業等取得率87.9%(正規雇用労働者)は高い水準です。管理職に占める女性労働者の割合26.0%とあわせて、制度面の状況を示す材料になります。

なお同報告書には、労働組合は結成されていないが労使関係は円満に推移している旨も記載されています。

評判の傾向

公開されている口コミの傾向を、カテゴリ別に要約します。個別の投稿を引用するものではなく、全体として見られる傾向の整理です。

年収・評価制度について。 処遇の改定や評価制度の運用に触れる投稿が見られます。前掲の18.6%という増減率と整合する動きがあると考えられます。

ワークライフバランスについて。 働き方の制度に言及する内容が見られます。一方で、繁忙期の負荷に触れる指摘もあります。ECという事業の性質上、季節性が生じます。

キャリア・成長機会について。 プロダクト開発やデータ活用に関わる機会に触れる投稿が見られます。

社風・人間関係について。 ファッションという領域への関心を共有する環境に言及する内容が見られます。

出典:OpenWork等の公開口コミの傾向

口コミを読む際は、投稿者の職種と雇用形態を意識する必要があります。前掲のとおり、この会社は雇用構成に大きな幅があります。

年収を判断するときの見方

開示されている平均年間給与8,558千円は、提出会社1,662名の平均です。臨時雇用者は外数として記載されており、この平均には含まれません。

参考として職種側の統計を挙げると、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト job tag では、システムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収が578.5万円、平均年齢37.1歳と示されています。令和7年賃金構造基本統計調査にもとづく数値です。

同社の開示856万円は、統計値を280万円ほど上回ります。しかも平均年齢は34.7歳と統計の37.1歳より若くなっています。年齢構成では説明のつかない差です。

さらに、この数値には株式報酬が含まれていません。株式報酬を含めた総額は、開示されている数値より上になる可能性があります。

エージェントベストの見解

平均年間給与の対前事業年度増減率18.6%という数字は、開示資料を見慣れた方でも目を引くはずです。多くの企業は数%の範囲で動きます。ただし単年の数値なので、来期も同じ伸びが続くとは限りません。転職の判断に使うなら、この数値を「処遇が動いている局面にある」という状態の証拠として扱い、面談で背景を確認するのが実務的です。あわせて確認すべきは株式報酬の扱いです。同社の開示は、平均年間給与にストックオプションと譲渡制限付株式による株式報酬費用を含まないと明記しています。現金部分と株式部分を分けて把握しないと、提示条件の比較ができません。

働き方とキャリア形成の特徴

正社員1,662名に対して臨時雇用者5,432名という構成は、事業の運営方法を示しています。ECの物流や運用には多くの人手が必要であり、その部分を臨時雇用で担う体制です。

正社員として入社する場合、担当する職務はプロダクト開発、データ活用、企画、マーケティング、コーポレートといった領域が中心になると考えられます。ただし、事業の実態として大規模な物流や運用が存在することを理解しているかどうかは、面接での会話に表れます。

平均勤続年数7.5年という数値は、IT・EC領域のなかでは長い部類です。34.7歳という平均年齢と合わせると、定着している層が中心にいる組織像が読み取れます。

キャリア形成という観点では、大規模な利用者基盤とデータを扱える点が特徴になります。この規模のサービスを運用する経験は、他社では得にくいものです。

向いている人・向いていない人

向いている人

第一に、大規模なサービスの運用に関心がある人です。利用者基盤の規模は、この会社の特徴です。

第二に、ファッションという領域に関心がある人です。事業の対象がこの領域である以上、関心は日々の仕事に直結します。

第三に、処遇が動く局面を前向きに捉えられる人です。前掲の18.6%という増減率は、制度が動いていることを示します。

向いていない人

第一に、開示されている平均年間給与をそのまま提示額と考える人です。平均勤続7.5年の集団の平均であり、株式報酬も含まれていません。

第二に、物流や運用の実態から目を背けたい人です。臨時雇用者が正社員の3倍を超える構造は、この事業の一部です。

選考に向けた準備

事業の全体像を把握する。 正社員1,662名と臨時雇用者5,432名という構成を知っているかどうかで、事業理解の深さが伝わります。

扱った規模を数値で書く。 この会社のサービス規模を踏まえると、職務経歴書には利用者数の桁や取扱データの規模を記載することが有効です。

株式報酬の扱いを確認する。 開示に明記されているとおり、平均年間給与には株式報酬が含まれません。オファーの段階で内訳を確認します。

エージェントベストの見解

この会社を検討する方は、他の大手EC、ファッション系の事業会社、そして消費者向けサービスを持つSaaS企業を並行して比較しているケースが多く見られます。判断が割れるのは、扱う規模と領域の関心のどちらを優先するかという点です。規模の大きいサービスは、技術的にも運用的にも他では得にくい経験になります。一方、ファッションという領域そのものへの関心が薄いと、日々の意思決定に共感しにくい場面が出てきます。両方を満たすのが理想ですが、どちらを優先するかは選考前に決めておいたほうが、志望動機に一貫性が出ます。

まとめ

ZOZOは、有価証券報告書によれば連結の従業員数1,894名、提出会社1,662名です。臨時雇用者は5,434名(提出会社5,432名)で、正社員の3倍を超えます。

提出会社の平均年齢は34.7歳、平均勤続年数は7.5年、平均年間給与は8,558千円で、対前事業年度増減率は18.6%です。この平均年間給与にはストックオプションと譲渡制限付株式による株式報酬費用が含まれていません。

労働者の男女の賃金の差異は全労働者で52.2%ですが、正規雇用労働者では79.0%、パート・有期労働者では89.5%です。雇用構成を踏まえずに全労働者の数値だけを見ると、実態を誤って捉えることになります。

よくある質問

Q. 平均年収850万円程度と考えてよいですか。

開示されている8,558千円は提出会社1,662名の平均で、平均勤続7.5年の集団の数値です。中途入社時の提示額は個別に決まります。また株式報酬が含まれていないため、報酬の総額は別途確認が必要です。

Q. 男女の賃金差異が大きいのはなぜですか。

全労働者では52.2%ですが、正規雇用労働者では79.0%、パート・有期労働者では89.5%です。臨時雇用者が正社員の3倍を超える雇用構成が、全労働者の数値に影響しています。母集団を確認して読む必要があります。

Q. 平均年間給与が18.6%増えたのはなぜですか。

有価証券報告書には増減率のみが記載され、理由は示されていません。単年の数値であるため、継続するかどうかも分かりません。処遇が動いている局面にあることの証拠として扱い、背景は面談で確認することをおすすめします。

出典

本記事は 2026/8/11 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)