ダイキン工業の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ダイキン工業の有価証券報告書 第123期(2026年3月期)を見ると、売上高5,015,036百万円のうち日本は809,636百万円で、全体の16.1%にとどまります。最大の市場は米国の1,786,513百万円です。連結従業員104,095人に対し提出会社は8,212人。この記事では、日本の会社でありながら事業の大半が海外にある構造と、有報に人数まで書かれた育成の仕組みを整理します。
売上の8割超が海外という構造
| 年度 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 自己資本比率 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第119期(2022年3月) | 3,109,106百万円 | 327,496百万円 | 217,709百万円 | 51.5% | 88,698人 |
| 第120期(2023年3月) | 3,981,578百万円 | 366,245百万円 | 257,754百万円 | 51.9% | 96,337人 |
| 第121期(2024年3月) | 4,395,317百万円 | 354,492百万円 | 260,311百万円 | 54.0% | 98,162人 |
| 第122期(2025年3月) | 4,752,335百万円 | 366,446百万円 | 264,757百万円 | 54.6% | 103,544人 |
| 第123期(2026年3月) | 5,015,036百万円 | 408,171百万円 | 275,229百万円 | 55.9% | 104,095人 |
数値は有価証券報告書 第123期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。連結従業員数の平均臨時雇用人員は外数で、第123期は12,345人です。
売上高は5期で約1.61倍になりました。自己資本比率も51.5%から55.9%へ上がっています。一方で自己資本利益率は12.0%から9.1%へ下がりました。
地域別に見ると日本は4番目
第123期の地域別売上高です。
| 地域 | 売上高 | 前期 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 米国 | 1,786,513百万円 | 1,636,043百万円 | 35.6% |
| 欧州 | 857,796百万円 | 780,118百万円 | 17.1% |
| 日本 | 809,636百万円 | 785,044百万円 | 16.1% |
| アジア・オセアニア | 711,228百万円 | 723,433百万円 | 14.2% |
| 中国 | 471,917百万円 | 494,226百万円 | 9.4% |
| その他 | 377,943百万円 | 333,469百万円 | 7.5% |
米国が1,786,513百万円で、日本の約2.2倍です。前期比では米国が約9.2%増、欧州が約10.0%増。
一方で中国は494,226百万円から471,917百万円へ約4.5%減、アジア・オセアニアも723,433百万円から711,228百万円へ約1.7%減っています。伸びているのは北米と欧州で、アジア圏は前期を下回りました。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は8,964,767円(対前事業年度増減率4.9%)です。従業員8,212人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数16.6年。賞与および基準外賃金を含み、2025年4月から2026年3月分の実績によります。臨時従業員1,248人は外数です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は98.1%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有報には研修プログラムが受講人数つきで7種類記載されています。新入社員研修441人、ダイキン情報技術大学223人、海外赴任前研修71人、海外拠点実践研修33人などです。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の従業員で単一組合を結成しており、組合員は8,517人、上部団体としてJAMに加入していると記載されています。提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は9.3%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の平均年間給与8,964,767円を見るときは、増減率4.9%のほうに注目してください。同じ規模のメーカーと比べても伸びが大きい部類です。背景は有報の人的資本の項に書かれています。この会社は2001年から年齢給・勤続給といった一律的な賃金項目を廃止しており、2024年4月1日には定年年齢を60歳から65歳へ延長するとともに人事・処遇制度の見直しを進め、一律的な年齢要素をさらに極小化したと記載されています。平均年齢41.2歳・平均勤続年数16.6年という数字は、年齢で上がる設計ではないなかでのものです。中途で入る立場では、ここが判断の分かれ目になります。前職の年次や在籍年数がそのまま反映される会社ではないため、入社時の等級がどう決まり、その後どの評価で上がるのかを面接で確認してください。逆に言えば、成果が出れば年次に関係なく処遇が動く設計です。年功で待つことを前提にしている方には合いません。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は8,964,767円です。対前事業年度増減率は4.9%。従業員数8,212人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数16.6年です。
他のメーカーと並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社キーエンス | 21,783,259円 | 35.0歳 | 11.3年 | 3,306人 |
| 株式会社アドバンテスト | 10,977千円 | 45.68歳 | 20.16年 | 2,033人 |
| ダイキン工業株式会社 | 8,964,767円 | 41.2歳 | 16.6年 | 8,212人 |
| オムロン株式会社 | 8,882千円 | 44.5歳 | 14.8年 | 3,855人 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
平均年齢41.2歳はこの4社で最も若い部類です。平均年齢と平均勤続年数の差は約24.6年で、新卒から在籍する層が中心と読み取れます。
提出会社のセグメント別従業員数は、空調・冷凍機事業5,584人、化学事業1,217人、その他事業561人、全社(共通)850人です。
なお提出会社の労働者の男女の賃金の差異は、全労働者81.6%、正規雇用労働者83.0%、パート・有期労働者69.1%と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
空調に集中した事業構成
第123期のセグメント別の数値です。
| セグメント | 外部顧客への売上高 | セグメント利益 | 前期のセグメント利益 |
|---|---|---|---|
| 空調・冷凍機事業 | 4,621,131百万円 | 376,991百万円 | 350,987百万円 |
| 化学事業 | 281,469百万円 | 33,089百万円 | 46,119百万円 |
| その他 | 112,435百万円 | 4,925百万円 | 4,543百万円 |
| 連結 | 5,015,036百万円 | 414,991百万円 | 401,669百万円 |
空調・冷凍機事業が売上高の92.1%を占めます。報告セグメントは空調・冷凍機事業と化学事業の2つで、「その他」には油機事業、特機事業、電子システム事業が含まれます。
化学事業は売上高が263,028百万円から281,469百万円へ約7.0%増えた一方、セグメント利益は46,119百万円から33,089百万円へ約28.2%減りました。売上が伸びて利益が減った唯一のセグメントです。
従業員の配置も空調に寄っています。
| セグメント | 連結従業員数 | 臨時従業員 |
|---|---|---|
| 空調・冷凍機事業 | 96,697人 | 11,658人 |
| 化学事業 | 4,341人 | 387人 |
| その他事業 | 1,930人 | 194人 |
| 全社(共通) | 1,127人 | 106人 |
| 合計 | 104,095人 | 12,345人 |
空調・冷凍機事業の96,697人は連結の92.9%です。売上構成比92.1%とほぼ一致します。
一方で提出会社の従業員は8,212人で、連結104,095人の約7.9%にとどまります。人員の大半は海外の連結子会社にあります。
研修プログラムが人数まで開示されている
有報の人的資本の項には、主な研修プログラムが対象者・期間・2025年度実績つきで記載されています。
| プログラム | 対象者・期間 | 2025年度実績 |
|---|---|---|
| 新入社員研修 | 新卒採用者(入社式以降1ヶ月半) | 441人(合宿研修はキャリア採用者87人を含む計528人) |
| ダイキン情報技術大学 | 管理職・既存社員(最長1年)/新入社員(2年) | 223人 |
| 海外赴任前研修 | 海外赴任者(2日間) | 71人 |
| 新任管理職研修 | 新任管理職(全3日間) | 上期37人・下期20人 |
| 海外拠点実践研修 | 国内若手従業員(1〜2年間) | 33人 |
| グローバル・トレーニング・プログラム | 海外若手従業員(半年〜1年間) | 9人 |
| 国内留学 | 実務経験2年以上の若手社員(2年または4年間) | 豊田工業大学8人 |
新入社員合宿研修の対象にキャリア採用者87人が含まれている点は、中途入社を検討する立場では見ておきたい情報です。新任管理職研修も「管理職でのキャリア採用者含む」と明記されています。
ダイキン情報技術大学は、数学などの基礎知識からプログラミング、機械学習やAI応用まで幅広い教育を行うと記載されています。2025年度の受講は223人です。
有報には「人は仕事の経験を通じて成長する」という考えのもとOJTを軸とした人材育成を展開し、OJTを補完するものとしてOff-JTを含む育成機会の充実を図っていると記載されています。
社内環境の整備についても記載があります。2021年に本人が希望すれば70歳まで働き続けられるよう再雇用制度を拡充し、2024年4月1日から定年年齢を60歳から65歳へ延長。あわせて人事・処遇制度の見直しを進めています。2001年から年齢給・勤続給といった一律的な賃金項目を廃止していることも明記されています。
人材データベース「DAIKIN People」は2023年10月から国内従業員を対象に利用を開始したとされています。
向いている人/向いていない人
向いている人
海外拠点で働くことを前提にできる方
売上高の83.9%は日本以外です。海外拠点実践研修33人、グローバル・トレーニング・プログラム9人、海外赴任前研修71人という実績が有報に記載されています。
空調という単一領域を深く追いたい方
空調・冷凍機事業が売上の92.1%、従業員の92.9%を占めます。
年次に依存しない処遇で働きたい方
2001年から年齢給・勤続給を廃止しており、直近の平均年間給与の増減率は4.9%です。
向いていない人
日本国内の市場を中心に仕事をしたい方
日本の売上高809,636百万円は全体の16.1%で、米国・欧州に次ぐ3番目です。
事業ポートフォリオの広さを求める方
報告セグメントは空調・冷凍機事業と化学事業の2つで、化学事業のセグメント利益は前期から約28.2%減っています。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「日本の空調メーカーとして志望していないか」です。有報の地域別売上高を見れば、この会社の姿が分かります。米国1,786,513百万円、欧州857,796百万円、日本809,636百万円。日本は3番目で、構成比は16.1%です。伸びも北米約9.2%増・欧州約10.0%増に対し、中国は約4.5%減、アジア・オセアニアは約1.7%減。市場ごとに動きが逆になっています。国内の製品や省エネのイメージだけで志望動機を組み立てると、事業の実態とずれます。準備としてお伝えしているのは、自分の経験を「異なる規制・気候・商習慣の市場に同じ技術を展開する」文脈で語れるようにしておくことです。冷媒の規制は地域ごとに違い、住宅の構造も違います。そこを埋める仕事がこの会社の中心です。もう1つ、提出会社8,212人と連結104,095人の差を理解しておいてください。日本で採用されても、関わる相手の多くは海外拠点です。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
提出会社の従業員は8,212人で、連結104,095人の約7.9%です。求人がどの法人のものか、勤務地がどこかは応募前に確認しておきたい項目です。
提出会社のセグメント別従業員数は空調・冷凍機事業5,584人、化学事業1,217人、その他事業561人、全社(共通)850人です。化学事業はセグメント利益が約28.2%減っている点を踏まえて検討してください。
定年年齢は2024年4月1日から65歳になり、人事・処遇制度の見直しが進んでいます。入社時の等級決定の考え方は確認する価値があります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ空調か」と「なぜダイキン工業か」の2段で組み立てます。
前者については、志望する領域を明確にします。機器の開発、冷媒などの化学、生産技術、海外市場の営業では、必要な経験が異なります。
後者の材料は有報にあります。売上高が5期で約1.61倍になったこと。日本の構成比が16.1%で、米国35.6%・欧州17.1%に次ぐこと。中国とアジア・オセアニアが前期を下回った一方、北米と欧州が伸びたこと。空調・冷凍機事業が売上の92.1%・従業員の92.9%を占めること。化学事業は増収でも減益であること。
地域ごとに逆方向の動きが出ていることに触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
メーカーの中途採用では、技術の深さと、市場に合わせて形にした経験が読まれます。
機器開発の経験がある方は、担当した製品と、性能・コスト・法規のどれを主に担ったかを書きます。空調・冷凍機事業は売上高4,621,131百万円で、この会社の中心です。
化学・材料の経験がある方は、扱った物質と、用途開発または量産化のどこに関わったかを書きます。
生産技術の経験がある方は、担当した工程と、歩留まりやリードタイムをどう動かしたかを書きます。海外拠点への展開経験があれば前に出してください。
海外営業・マーケティングの経験がある方は、担当した国と、チャネルやシェアをどう動かしたかを書きます。米国・欧州・中国では市場の動きが分かれています。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ダイキン工業は東証プライム市場に上場するメーカーで、有価証券報告書 第123期(2026年3月期)の売上高は5,015,036百万円、経常利益408,171百万円、親会社株主に帰属する当期純利益275,229百万円、自己資本比率55.9%、自己資本利益率9.1%、連結従業員数104,095人(平均臨時雇用人員12,345人は外数)です。地域別売上高は米国1,786,513百万円(35.6%)、欧州857,796百万円(17.1%)、日本809,636百万円(16.1%)、アジア・オセアニア711,228百万円、中国471,917百万円で、日本以外が83.9%を占めます。セグメント別では空調・冷凍機事業が売上高4,621,131百万円・セグメント利益376,991百万円、化学事業が281,469百万円・33,089百万円で、化学事業は増収ながら利益は前期比約28.2%減です。従業員も空調・冷凍機事業が96,697人と連結の92.9%を占めます。提出会社の従業員数は8,212人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数16.6年、平均年間給与8,964,767円(増減率4.9%)です。
よくある質問
Q. ダイキン工業の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第123期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,964,767円(対前事業年度増減率4.9%、従業員8,212人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数16.6年)です。賞与および基準外賃金を含み、2025年4月から2026年3月分の実績によります。同じメーカーではオムロン8,882千円(44.5歳)と近い水準で、アドバンテスト10,977千円(45.68歳)より低く、平均年齢は最も若い部類です。なお同社は2001年から年齢給・勤続給を廃止しています。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 海外で働くことになりますか。
A. 配属によります。ただし事業の構成は海外中心です。売上高5,015,036百万円のうち日本は809,636百万円で16.1%、米国が1,786,513百万円で35.6%を占めます。連結従業員104,095人に対し提出会社は8,212人(約7.9%)で、人員の大半は海外の連結子会社にあります。有報には海外赴任前研修71人、海外拠点実践研修(国内若手従業員・1〜2年間)33人、グローバル・トレーニング・プログラム(海外若手従業員)9人という2025年度の実績が記載されています。
Q. 中途入社の育成はどうなっていますか。
A. 有報には主な研修プログラムが人数つきで記載されています。新入社員合宿研修(5泊6日)はキャリア採用者も対象で、2025年度は新卒441人にキャリア採用者87人を加えた計528人が受講しました。新任管理職研修も「管理職でのキャリア採用者含む」と明記され、上期37人・下期20人が受講しています。このほかダイキン情報技術大学223人、国内留学(豊田工業大学)8人などがあります。基本方針は「人は仕事の経験を通じて成長する」という考えのもとOJTを軸に据え、Off-JTで補完する形と記載されています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。