博報堂DYホールディングスの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
有価証券報告書によると、株式会社博報堂DYホールディングスの直近期(第23期・2026年3月期)は、自主開示の売上高が1兆5,804億60百万円(前期比2.0%減収)、親会社株主に帰属する当期純利益は167億75百万円(前期から60億6百万円の増加)。連結従業員数は28,921名です。同じ有価証券報告書には、(株)博報堂の平均年間給与10,990千円と、(株)Hakuhodo DY ONEの平均年間給与5,829千円が並記されています。**同じグループでも、会社が違えば数字が違う。**この記事では、その構造を有価証券報告書から整理します。
子会社385社を束ねる持株会社
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社博報堂DYホールディングス(HAKUHODO DY HOLDINGS INCORPORATED) |
| 代表者 | 代表取締役社長 西山 泰央 |
| 本店所在地 | 東京都港区赤坂五丁目3番1号 |
| 上場区分 | 東証プライム(2005年2月 東証第一部上場、2022年4月プライム移行) |
| 決算期 | 3月期(第23期は2025年4月1日〜2026年3月31日) |
| 設立 | 2003年10月(博報堂・大広・読売広告社の株式移転による共同持株会社) |
| グローバルパーパス | 「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」 |
| 連結従業員数 | 28,921名〔ほか臨時従業員11,878名〕 |
| グループ構成 | 子会社385社、関連会社66社 |
この記事で扱う数値は、すべて有価証券報告書に記載されたものです。
5期分の連結業績
| 期 | 決算年月 | 収益(百万円) | 経常利益(百万円) | 当期純利益(百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 第19期 | 2022年3月 | 895,080 | 75,740 | 55,179 |
| 第20期 | 2023年3月 | 991,137 | 60,378 | 31,010 |
| 第21期 | 2024年3月 | 946,776 | 37,815 | 24,923 |
| 第22期 | 2025年3月 | 953,316 | 42,660 | 10,768 |
| 第23期 | 2026年3月 | 861,003 | 46,061 | 16,775 |
※「当期純利益」は親会社株主に帰属する当期純利益
注意したいのは「収益」と「売上高」が別物であることです。有価証券報告書は、会計基準に基づく収益861,003百万円とは別に、「財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから」自主的に売上高1兆5,804億60百万円を開示しています。広告会社は媒体費を含む取扱高と、自社の収益とで金額が大きく変わるため、どちらの数字を見ているかで印象が変わります。
2025年に起きた3つのグループ再編
有価証券報告書の沿革には、直近1年の再編が明記されています。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年4月 | (株)博報堂を承継会社、(株)博報堂DYメディアパートナーズを分割会社とする吸収分割を実施 |
| 2025年4月 | デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(株)と(株)アイレップが、(株)Hakuhodo DY ONEを存続会社とする吸収合併により消滅 |
| 2025年12月 | (株)デジタルホールディングスの株式を公開買付け等により取得し、子会社化 |
メディア部門を博報堂本体へ寄せ、デジタル部門をHakuhodo DY ONEへ統合し、さらにデジタルホールディングス(傘下に(株)オプト)を迎え入れた——という1年です。有価証券報告書は「Hakuhodo DY ONEにおける事業統合効果によって持続的な収益改善の体制が整いました」「連結子会社となった(株)デジタルホールディングスとの連携により、クロスセル提案を加速」と記載しています。
評判の傾向
以下は公開されている口コミの傾向を要約したものです。個別の投稿は引用していません。
年収・評価制度
有価証券報告書は、提出会社と主要子会社の給与を並記しています。
| 会社 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前期増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 提出会社(持株会社) | 144名 | 42.5歳 | 13.0年 | 11,683千円 | +7.0% |
| (株)博報堂 | 4,580名 | 40.1歳 | 12.4年 | 10,990千円 | +3.2% |
| (株)Hakuhodo DY ONE | 2,690名 | 32.4歳 | 5.9年 | 5,829千円 | +2.5% |
提出会社の従業員は、博報堂・大広・読売広告社・大広WEDOからの出向者であると注記されています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
ワークライフバランス
労働時間の数値の記載はありません。従業員組合は国内外の連結子会社11社に組織され、組合員数は2,436人、「労使関係は良好」と記載されています。提出会社の従業員は出向者であるため、従業員組合は組織されていません。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
キャリア・成長機会
同社は中期基本戦略として、「マーケティング」「コンサルティング」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」「グローバル」の6つの事業領域を設定しています。2032年3月期をターゲットに、これら6領域の確立と相互連携を完成させると記載されており、広告以外の領域が拡張されている局面です。連結従業員数は前期29,386名から28,921名へ465名減少しています。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
社風・人間関係
管理職に占める女性従業員の割合は、(株)博報堂9.5%、(株)大広10.0%、(株)読売広告社9.9%、(株)Hakuhodo DY ONE 27.2%。グループとしては「2030年度までに管理職の女性比率30%の達成を目指しています」と明記されています。**男性従業員の育児休業取得率は(株)博報堂100.0%、(株)読売広告社100.0%、(株)Hakuhodo DY ONE 81.8%**です。
※公開されている口コミの傾向をまとめたものです
エージェントベストの見解
「博報堂DYグループの年収」という言い方は、この会社に関しては成立しません。有価証券報告書に並んでいる3つの数字を見てください。提出会社11,683千円、(株)博報堂10,990千円、(株)Hakuhodo DY ONE 5,829千円。博報堂とHakuhodo DY ONEの差は5,161千円。当メディアが読んだ有価証券報告書のなかでも、同一グループ内でこれだけ開く例は多くありません。ただし、この差を「格差」と読むのは早い。理由は3つあります。1つ目、年齢構成が違う。博報堂は平均40.1歳・勤続12.4年、Hakuhodo DY ONEは平均32.4歳・勤続5.9年。8歳の差、6.5年の勤続差があります。年功的な積み上がりが残る業界では、この差が給与に反映されます。2つ目、成り立ちが違う。Hakuhodo DY ONEは2025年4月にデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムとアイレップが合併して生まれた会社です。デジタル広告の運用を担う組織であり、人員構成も職種構成も博報堂とは別です。3つ目、増減率が違う。提出会社+7.0%、博報堂+3.2%、Hakuhodo DY ONE**+2.5%。伸び率でも差がついています。****応募者にとっての結論はシンプルです。「グループのどの会社に入るか」で、年収の絶対額も、上がり方も変わる。そして、その会社は選考の入口で決まっていることがほとんどです。面接では2つ確認してください。1つ目、「雇用契約はどの法人と結びますか」。2つ目、「その法人の等級制度と、昇給の考え方を教えてください」**。
減収でも増益になった理由
当期は売上高(自主開示)が2.0%減でしたが、利益は改善しました。有価証券報告書は次のように説明しています。
減収の理由……「ユナイテッド株式会社の連結除外や官公庁業務の反動減の影響など」。ただし「下期(2025年10月〜2026年3月)においては、前期比0.9%増加と増収を確保しており、回復の兆しが現れております」と記載されています。
増益の理由……「国内外で進めた収益性向上策が奏功して、調整後売上総利益は、通期で前年同期比2.4%増加となり、調整後売上総利益率についても1.1ポイント上昇」。
| 指標 | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 国内の調整後のれん償却前営業利益 | 881億47百万円 | +8.8%(70億98百万円の増加) |
| 海外ののれん償却前営業利益 | 85億47百万円 | +47.9%(27億69百万円の増加) |
| 営業利益 | - | +18.9% |
| 特別損失 | 105億59百万円 | 国内外の構造改革関連費用を含む |
構造改革の費用を計上しながら、営業利益の増加がそれを補ったという決算です。財務面では、総資産1兆811億32百万円、純資産4,025億16百万円、自己資本比率36.0%。自己株式の取得に100億円を支出しています。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「広告会社をどう定義しているか」です。この会社は、有価証券報告書で自らの方向をこう宣言しています。「『広告会社』というオリジン(原点)を超え、より広範な価値を提供する企業体へと事業構造を転換する」「広告会社グループから『クリエイティビティ・プラットフォーム』となることを目指します」。言葉だけではありません。設定された事業領域はマーケティング/コンサルティング/テクノロジー/コンテンツ/インキュベーション/グローバルの6つ。当期には音楽領域で(株)Chapter-Iを設立、スポーツ領域でマネジメント会社を取得してHAKUHODO Athlete Solution Inc.として稼働、**数万人規模の生活者データを学習させた独自AI「バーチャル生活者」**の実装も進めていると記載されています。一方で、事業の現実も同じ報告書に書かれています。「新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスメディア広告の国内売上高は、2026年3月期においても、30%程度と大きなシェアを占めております」。つまり、変革の途上にある会社です。ここが準備の分かれ目になります。「テレビCMを作りたい」だけでも、「デジタル運用しかやりません」だけでも、この会社の現在地とはずれる。用意しておくべきは、3つの接続です。1つ目、自分の職能が6領域のどこに効くか。2つ目、マス30%とデジタルの両方が存在する現実の中で、自分は何を橋渡しできるか。3つ目、グループ再編(博報堂へのメディア機能承継、Hakuhodo DY ONEの統合、デジタルホールディングスの子会社化)を踏まえた志望理由。**この3つ目に触れられる応募者は多くありません。**有価証券報告書を読んでいることが、そのまま差になります。
向いている可能性がある人/慎重に検討したい人
向いている可能性がある人
- 統合マーケティングの大型案件に関わりたい人……子会社385社・関連会社66社を擁するグループです
- 広告以外の領域に染み出したい人……コンサルティング・テクノロジー・コンテンツ等の6領域を掲げています
- デジタル運用の専門性を高めたい人……Hakuhodo DY ONEとデジタルホールディングスの連携が進んでいます
- グローバル案件に関心がある人……海外ののれん償却前営業利益は前期比47.9%増です
- 長く勤める前提でキャリアを設計したい人……(株)博報堂の平均勤続年数は12.4年です
慎重に検討したい人
- 短期での高い成長率を求める人……当期の売上高(自主開示)は前期比2.0%減です
- 組織の安定を最優先する人……2025年4月に複数の再編が実施され、連結従業員は465名減少しました
- 早期の管理職登用を望む人……管理職に占める女性従業員の割合は主要3社で約9〜10%です
- 単一の事業に集中したい人……6つの事業領域と多数のグループ会社があります
- 給与水準だけで判断したい人……グループ会社によって平均年間給与は5,829千円〜11,683千円と幅があります
選考に向けた準備の3点
1. 「収益」と「売上高」の違いを説明できるようにする
会計基準上の収益861,003百万円と、自主開示の売上高1兆5,804億60百万円。なぜ2つの数字が並ぶのかを理解していると、業界構造への理解が伝わります。
2. 応募先の法人を特定しておく
博報堂/大広/読売広告社/Hakuhodo DY ONE/オプト/ソウルドアウト——グループ内で職種も文化も異なります。**「どの会社の、どの職種か」**を明確にしたうえで志望動機を作ることをおすすめします。
3. 中期経営目標の指標を押さえる
2027年3月期の目標は、調整後のれん償却前営業利益 年平均成長率+10%以上、調整後売上総利益 年平均成長率+5%以上、調整後のれん償却前オペレーティング・マージン13%以上、のれん償却前ROE 10%以上。独自指標で経営している会社なので、指標の意味を理解しておくと会話が噛み合います。
まとめ
- 株式会社博報堂DYホールディングスは東証プライム上場、3月決算の持株会社。2003年10月に博報堂・大広・読売広告社の共同持株会社として設立され、代表取締役社長は西山泰央氏です
- 第23期は収益861,003百万円、経常利益46,061百万円、親会社株主に帰属する当期純利益16,775百万円。自主開示の売上高は1兆5,804億60百万円(前期比2.0%減)、営業利益は前年同期比18.9%増です
- 連結従業員数28,921名〔臨時11,878名〕。(株)博報堂は4,580名・平均年間給与10,990千円、(株)Hakuhodo DY ONEは2,690名・同5,829千円、提出会社は144名・同11,683千円です
- 2025年4月に博報堂DYメディアパートナーズの事業を博報堂へ承継、同月にDAC・アイレップがHakuhodo DY ONEへ吸収合併、2025年12月にデジタルホールディングスを子会社化しました
- 中期基本戦略としてマーケティング/コンサルティング/テクノロジー/コンテンツ/インキュベーション/グローバルの6事業領域を掲げ、2032年3月期をターゲットに利益構造の変革を進めています
よくある質問
Q. 博報堂DYホールディングスの平均年収はいくらですか?
A. 有価証券報告書によると、提出会社(持株会社)の平均年間給与は11,683千円、平均年齢42.5歳、平均勤続年数13.0年です。ただし提出会社の従業員144名は博報堂・大広・読売広告社・大広WEDOからの出向者です。主要子会社では**(株)博報堂が10,990千円(4,580名・平均40.1歳)、(株)Hakuhodo DY ONEが5,829千円(2,690名・平均32.4歳)**と記載されています。応募先の法人によって水準が異なります。
Q. どんなグループ構成になっていますか?
A. 持株会社のもとに子会社385社、関連会社66社があります。広告事業会社として**(株)博報堂、(株)大広、(株)読売広告社、(株)Hakuhodo DY ONE、ソウルドアウト(株)、(株)オプト**、戦略事業組織kyuを中核とし、海外にもDAC ASIA PTE.LTD.、Hakuhodo(Bangkok) Co., Ltd.、SYPartners LLC、IDEO LLC、Kepler Group LLCなどの拠点があります。
Q. 働き方や女性活躍の状況はどうですか?
A. 有価証券報告書によると、管理職に占める女性従業員の割合は(株)博報堂9.5%、(株)大広10.0%、(株)読売広告社9.9%、(株)Hakuhodo DY ONE 27.2%。グループとして**2030年度までに管理職の女性比率30%**を目標に掲げています。男性従業員の育児休業取得率は(株)博報堂100.0%などと開示されています。従業員組合は国内外の連結子会社11社に組織され、組合員数は2,436人です。
※本記事は、株式会社博報堂DYホールディングスの有価証券報告書(第23期)および公式サイトをもとに構成しています。数値は当該報告書に記載された時点のものです。募集要項や制度は変更される場合がありますので、応募前に公式採用ページを必ずご確認ください。口コミに関する記述は、公開されている投稿の傾向を要約したものであり、個別の投稿を引用したものではありません。
本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。