KPMGジャパンの評判|年収・働き方・選考対策まで解説

KPMGジャパン 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/2

KPMGジャパンは、Big4と呼ばれる4大プロフェッショナルファームの日本組織のひとつです。単一の会社ではなく、監査・税務・アドバイザリーの各領域を担う複数の法人の集まりという構造を持っています。転職市場では「KPMG」という一語でまとめて語られやすいものの、実際には応募する法人によって日々の仕事も評価のされ方も変わります。この記事では、公開情報で確認できる組織構成と規模、口コミに表れている傾向、年収の考え方、選考で問われる論点を整理します。

組織構成と規模:10のメンバーファームで成り立つ「総称」

項目内容
名称KPMGジャパン(KPMGインターナショナルの日本におけるメンバーファームの総称)
上場区分非上場
事業内容監査(Audit)、税務(Tax)、アドバイザリー(Advisory)
構成10のプロフェッショナルファーム(公式サイト掲載)
主な法人有限責任あずさ監査法人、KPMG税理士法人、KPMGコンサルティング、KPMG FAS、KPMGあずさサステナビリティ、KPMGヘルスケアジャパン、KPMG社会保険労務士法人、KPMG Ignition Tokyo、KPMG Forensic & Risk Advisory、KPMGアドバイザリーホールディングス
人員数(あずさ監査法人)合計7,108名(公認会計士3,012名、会計士試験合格者等1,365名、監査補助職員1,949名、その他職員782名/公式採用サイト掲載値)
人員数(KPMGコンサルティング)2,370名(2026年1月1日現在)
KPMGコンサルティング設立2014年7月
KPMGコンサルティング本社東京都千代田区大手町(大阪・名古屋にも事務所)

グローバルのKPMGは、約140の国と地域に展開するネットワークです。2025年度の発表では、メンバーファーム総収入は398億米ドル、人員数は276,030名(前年比1.8%増)とされています。日本組織はそのネットワークの一員として位置づけられています。

監査を母体に、専門領域が並列で置かれている

KPMGは、監査業務だけでなく税務・アドバイザリーの専門家が協働する「Multi-disciplinary firm model」による組織運営を掲げています。監査法人が中核にあり、その周囲に税務、ディールアドバイザリー、コンサルティング、サステナビリティ、フォレンジックといった法人が並ぶ形です。収益源は、監査報酬と、案件単位・プロジェクト単位で受託するアドバイザリー報酬に大別されます。

コンサルティング法人はBig4の中で後発

KPMGコンサルティングは、2014年7月に「KPMGマネジメントコンサルティング」「KPMGビジネスアドバイザリー」「あずさITアドバイザリー部門」の合併により設立されました。数十名規模からの立ち上げで、公式採用サイトの掲載値では2026年1月1日現在2,370名。設立からの年数に対して人員の伸びが大きく、組織や制度が動きながら整っていく段階を経てきた法人といえます。サービスの柱として、ビジネストランスフォーメーション、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスが挙げられています。

FAS・税務・フォレンジックという「別の入口」

KPMG FASは2001年設立で、M&Aや事業再生を支援するディールアドバイザリー、経営戦略の策定・実行支援、グループガバナンス構築、企業内不正の調査・防止などを担っています。KPMG税理士法人は税務を、KPMG Ignition Tokyoはテクノロジー領域を担います。同じ「KPMG」への転職であっても、入口が違えば担当する案件の性質、扱う数字、繁忙の波の出方が変わります。

公開されている口コミに表れる4つの傾向

年収・評価制度

等級(ランク)ごとに報酬レンジが定まっており、昇格が年収の変化に直結するという受け止め方が多く見られます。同じ等級のなかでの上下幅は限られる一方、上位等級への昇格で水準が切り替わるという趣旨の書き込みが目立ちます。評価は年次のサイクルで行われ、プロジェクトでの評価が積み上がる形を挙げる声が見られます。 ※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

ワークライフバランス

繁忙度は配属先と案件によって大きく変わる、という点で書き込みの方向性が一致しています。監査であれば期末、ディール系であればクロージング前後に負荷が集中するという指摘が見られます。制度としては在宅勤務や休暇取得の環境を評価する声がある一方、案件次第で状況が変わるという留保も多く見られます。 ※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

キャリア・成長機会

グループ内の専門領域が広いため、社内での異動や他法人との協働を通じて経験の幅を広げやすいという評価が見られます。反面、案件の割り当てに左右され、やりたい領域に必ずしもすぐ携われないという指摘もあります。教育・研修に関しては、体系的な仕組みと現場での学習が併存しているという趣旨の書き込みが目立ちます。 ※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

社風・人間関係

他社からの転職者が多く、中途入社者が馴染みやすいという趣旨の声が複数見られます。監査法人を母体に持つ組織文化を背景に、品質や手続きを重んじる姿勢を挙げる書き込みもあります。一方で、法人ごと・部門ごとに雰囲気の差があり、全体を一括りに語りにくいという指摘も見られます。 ※公開されている口コミの傾向をまとめたものです

エージェントベストの見解

「KPMGに行きたい」という言い方で相談に来る方は少なくありません。ただ、面談で掘っていくと、頭にあるイメージが監査法人のアドバイザリー、コンサルティング法人、FASのどれなのか整理されていないケースが目立ちます。ここが曖昧なまま応募すると、入社後に「思っていた仕事と違う」となりやすい。ディールの現場を想像していた方が業務変革プロジェクトの推進に時間の大半を使う、あるいは戦略立案を期待していた方が制度・規程の整備や検証作業に軸足を置くことになる、という順序のズレです。応募前に確認しておきたいのは、そのポジションが1年間で扱う案件の型と、成果物の形式です。求人票の職種名ではなく、直近で走っている案件の中身を聞くこと。これで防げるミスマッチが相当あります。

年収と評価制度をどう見るか

KPMGジャパンの各法人は非上場であり、有価証券報告書による平均年収の開示はありません。そのため、この記事では企業固有の金額は示しません。転職サイトや口コミサイトに並ぶ金額は、投稿者の等級・部門・在籍時期が揃っていない数値の集まりであり、そのまま自分の提示額の目安にはなりません。

この業界では一般的に、Big4系ファームの報酬はアナリスト/コンサルタント/シニア/マネージャー/シニアマネージャー/パートナーといった等級ごとのレンジで設計されます。同一等級内の幅は限定的で、レンジをまたぐには昇格が前提になるのが通例です。賞与の比重や評価反映の仕組みは法人・時期によって異なり、制度改定もあるため、条件は選考の過程で個別に確認する必要があります。

福利厚生についても、休暇制度や研修制度、資格取得支援などの内容は法人ごとに整備されています。詳細は各法人の採用ページで確認するのが確実です。

働き方:制度と案件負荷は分けて考える

働き方を判断するときは、制度面と案件負荷を分けて見ると誤差が小さくなります。制度面では、在宅勤務やフレックス、休暇取得の枠組みが各法人で用意されています。一方で実際の稼働は、担当案件のフェーズに強く依存します。

監査・保証業務は決算期に負荷が集中する構造があります。ディールアドバイザリーはデューデリジェンスやクロージング前に山が来ます。コンサルティングはプロジェクトの立ち上げ期と納品前に負荷が寄りやすい。つまり「平均的な残業時間」を尋ねても、自分が入る部門の実態を表さない可能性があります。面接では、直近半年のプロジェクト体制と、繁忙期の入り方を具体的に聞いておくと精度が上がります。

拠点については、KPMGコンサルティングは東京本社に加えて大阪・名古屋に事務所を置いています。あずさ監査法人は全国主要都市に拠点を持ちます。地方拠点勤務を希望する場合は、担当できる案件の種類が東京と異なることも確認しておくとよいでしょう。

キャリア形成:専門を絞る道と、横に広げる道

KPMGジャパンの特徴は、監査・税務・ディール・コンサルティング・フォレンジック・サステナビリティが同一ネットワーク内に並んでいることです。案件によっては法人をまたいだチームが組まれるため、隣接領域の仕事に触れる機会があります。専門を一本に絞って深めるか、複数領域を経験して広げるかを、在籍しながら選べる余地があるといえます。

グローバルでは、AI関連のプラットフォーム整備や、AIの信頼性に関する保証サービスの拡充が進められていると発表されています。テクノロジー・データ領域の需要が続く前提で見ると、この領域の経験は社内でも市場でも評価されやすい状況が続くと考えられます。

この業界では一般的に、Big4のアドバイザリー・コンサルティング出身者の転職先は、事業会社の経営企画やDX推進部門、他ファーム、PEファンドの投資後支援などに分かれます。どの出口を想定するかで、在籍中に取るべき案件の選び方が変わります。入社時点で「3年後にどの領域の実績を持っていたいか」を決めておくと、案件のアサイン交渉に一貫性が出ます。

向いている人/向いていない人

向いている人1:専門領域を言語化して積み上げたい人

業界知見や機能軸の専門性を、案件を通じて積み上げる働き方が合う人には環境が整っています。自分の強みを説明できる状態を保ちながら、隣の領域にも手を伸ばせる人が動きやすい構造です。

向いている人2:品質と手続きを軽視しない人

監査法人を母体とするグループのため、成果物の品質管理や手続きの整合性が重んじられる傾向があります。速度だけでなく、根拠を残しながら進める仕事に納得感を持てる人は馴染みやすいでしょう。

向いている人3:組織が変化していく状況を許容できる人

コンサルティング法人は設立から10年強で人員が大きく増えています。組織や役割が固定化していない状況を、機会と捉えられるかどうかが分かれ目になります。

向いていない人1:業務範囲が明確に区切られていないと動けない人

プロジェクト単位で役割が変わり、想定外の作業が発生することもあります。定義された業務だけを担当したい志向とは相性がよくありません。

向いていない人2:短期で年収を大きく引き上げたい人

等級ベースの報酬設計では、レンジを超える上がり方は起こりにくい構造です。入社直後の大幅な増額を主目的にすると、期待と実際がずれやすくなります。

エージェントベストの見解

面接の終盤で高い確率で問われるのが、「なぜBig4の中でKPMGなのか」です。ここで規模やブランド、グローバルネットワークの話に終始すると、他の3社にも当てはまる回答として処理されます。実際に通っている方の答え方は共通していて、応募する法人の立ち位置と自分の経験の接点を、案件レベルで語っています。後発として立ち上がったコンサルティング法人の組織状況、監査法人を母体に持つ体制、自分が入る部門の直近のテーマ、この3つを踏まえた上で、自分が最初の1年で何を担えるかを述べる形です。準備として言語化しておきたいのは、前職で意思決定に関与した場面と、そこで扱った数字。役割説明ではなく、判断の記述に落とすことです。

選考対策:公開情報の範囲で押さえておくこと

公開されている情報では、中途採用の流れは書類選考、Webでの適性検査、複数回の面接を経て内定に至るとされています。面接回数は3回程度とする情報が多く見られますが、応募ポジションや経歴によって回数が変わるという記述もあります。KPMGコンサルティングのキャリア採用に関する公式のFAQでは、コンサルティング業界の経験は必須としていない旨が示されています。応募区分としては、社会人経験の浅い層を対象とした枠が設けられている場合もあります。

志望動機は、二段に分けて準備するのが実務的です。前段は「なぜコンサルティング/アドバイザリーなのか」。現職で扱えなかった論点、関与したかった意思決定の階層を、具体的な業務の場面から説明します。後段は「なぜKPMGのこの法人なのか」。監査法人を母体とするグループ構造、法人ごとのサービス領域、自分の業界知見が接続する部分を挙げます。

職務経歴書では、担当した業務の羅列よりも、関与範囲と成果の記述が見られます。プロジェクトの規模、自分の役割、意思決定に関わった場面、定量的な結果。この4点が読み取れる書き方になっているかを確認してください。未経験領域への応募であれば、業界知識や社内調整の実績が転用できる資産になります。

なお、選考プロセスは時期により変更されます。最新の募集要項は各社公式サイトでご確認ください。

まとめ

KPMGジャパンは、監査・税務・アドバイザリーにまたがる10のプロフェッショナルファームの総称です。あずさ監査法人は公式採用サイトの掲載値で人員合計7,108名、KPMGコンサルティングは2026年1月1日現在2,370名と、それぞれ相当の規模を持ちます。非上場であるため平均年収の公的な開示はなく、報酬は等級ごとのレンジで設計されるのが一般的です。働き方は制度と案件負荷を分けて確認するのが現実的で、繁忙の出方は部門により異なります。選考では、Big4の中でKPMGを選ぶ理由を、法人単位の具体性をもって説明できるかが問われます。応募前に、自分が受けるポジションが扱う案件の型を確認しておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. 年収はどのくらいですか。

A. KPMGジャパンの各法人は非上場で、有価証券報告書による平均年収の開示がないため、確認できる企業固有の数値はありません。この業界では一般的に、Big4系ファームの報酬は等級ごとのレンジで設計され、同一等級内の幅は限定的です。レンジが切り替わるのは昇格時が中心になります。転職サイトに掲載されている金額は投稿者の等級や在籍時期が揃っていないため、目安としての精度は高くありません。実際の提示額は、応募ポジションと入社時等級によって決まります。

Q. コンサルティング業界未経験でも応募できますか。

A. KPMGコンサルティングのキャリア採用に関する公式のFAQでは、コンサルティング業界の経験を必須としていない旨が示されています。実際に金融、メーカー、IT、商社など多様な業界出身者が在籍しているとされています。評価されやすいのは、業界固有の知見、社内での調整・推進の実績、数字を扱った経験です。未経験からの応募では、これらを職務経歴書で構造的に示せるかが分かれ目になります。募集職種によって求める要件は異なるため、公式の募集要項を確認してください。

Q. 働き方は選べますか。残業は多いですか。

A. 在宅勤務やフレックスなどの制度は各法人で整備されていますが、実際の稼働はプロジェクトのフェーズに左右されます。監査は決算期、ディールアドバイザリーはクロージング前後、コンサルティングは立ち上げ期と納品前に負荷が寄る傾向があります。公開されている口コミでも、配属や案件によって状況が変わるという指摘が多く見られます。「全社平均」を聞くより、面接で配属予定部門の直近の体制と繁忙期の入り方を確認するほうが、判断材料になります。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/2 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)