日産自動車の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
日産自動車の有価証券報告書 第127期(2026年3月期)は、親会社株主に帰属する当期純損失5,331億円で2期連続の赤字です。連結従業員数は1年で12,711人減りました。一方で同じ報告書には、経営再建計画「Re:Nissan」の進捗が数字で書かれています。この記事では、隠さずに現状を整理したうえで、応募を検討する際に確認すべきことをまとめます。
2期連続の当期純損失、営業利益率0.5%
まず5期の推移です。
| 回次 | 決算年月 | 売上高 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純損益 | 自己資本利益率 | 連結従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第123期 | 2022年3月 | 8,424,585百万円 | 306,117百万円 | 215,533百万円 | 5.1% | 134,111人 |
| 第124期 | 2023年3月 | 10,596,695百万円 | 515,443百万円 | 221,900百万円 | 4.6% | 131,719人 |
| 第125期 | 2024年3月 | 12,685,716百万円 | 702,161百万円 | 426,649百万円 | 7.7% | 133,580人 |
| 第126期 | 2025年3月 | 12,633,214百万円 | 210,168百万円 | △670,898百万円 | △12.3% | 132,790人 |
| 第127期 | 2026年3月 | 12,007,888百万円 | 1,081百万円 | △533,095百万円 | △10.9% | 120,079人 |
第125期の426,649百万円の利益から、第126期は670,898百万円の損失へ転じ、第127期も533,095百万円の損失です。
第127期の数字を有価証券報告書の記載で確認します。連結売上高は前年比4.9%減の12兆79億円、連結営業利益は580億円、連結売上高営業利益率は0.5%、親会社株主に帰属する当期純損失は5,331億円。自動車事業のフリーキャッシュフローは4,808億円のマイナスで、2025年度末の自動車事業におけるネットキャッシュ(手元資金から有利子負債額を差し引いた額)は1兆1,704億円と記載されています。
経常利益は1,081百万円です。前期の210,168百万円から、ほぼゼロの水準まで下がりました。
自己資本比率は30.1%(第125期)から24.2%(第127期)へ下がっています。
連結従業員数は132,790人から120,079人へ12,711人減りました。臨時雇用者数も16,031人から14,840人へ減っています。
Re:Nissanは固定費2,000億円・変動費550億円まで進んでいる
有価証券報告書には、経営再建計画「Re:Nissan」の進捗が具体的に記載されています。
2025年4月から新たなマネジメント体制に移行し、2024年度の実績比で固定費と変動費を計5,000億円削減し、2026年度までに自動車事業における営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(米国関税影響を除く)を目指すとされています。
2025年度の実績です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 固定費の削減 | 約2,000億円 |
| 変動費の削減 | 約550億円 |
| 変動費の改善案 | 5,000件を超える案が創出、想定効果額2,700億円 |
| 車両生産工場数 | 2027年度までに17から10へ削減(対象工場を公表済み) |
| 開発費 | R&Dのリソース合理化により2025年度末実績の労務費単価を18%削減 |
変動費については、各部門から集められたプロフェッショナルによる専属部署を設置し、コスト構造を見直して改善措置を機動的に講じる体制を構築したと記載されています。多くの施策がすでに実行段階へ移行しているとされています。
固定費については、生産の再編と効率化、人員体制の見直し、開発費の削減の3つが挙げられています。人員体制については、グローバル人員体制の最適化に向けた取り組みを、各ステークホルダーにも配慮した手続に則って実行しているとされています。開発費については、部品種類・プラットフォームの統合と最適化、リードモデル・後続モデルの開発期間の短縮化も進めていると記載されています。
2026年度が計画の最終年です。
あわせて2026年4月に、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンを策定したと記載されています。AIディファインドビークル(AIDV)を技術イノベーションの中核に位置づけ、AIドライブ技術を搭載するモデルをラインアップの約9割へ拡大していく方針、電動化では独自のe-POWERを中核に幅広い電動パワートレインを展開する方針が示されています。
エージェントベストの見解
業績が厳しい会社の求人を前にすると、多くの方が「受けるべきか」で止まります。この会社については、判断材料を分けて考えてください。悪い側の事実は明確です。2期連続の当期純損失(△6,709億円、△5,331億円)、連結従業員数が1年で12,711人減、提出会社の平均年間給与が前期比4.3%減の8,571,467円、自動車事業のフリーキャッシュフローが4,808億円のマイナス。一方で、手元には自動車事業のネットキャッシュが1兆1,704億円あり、Re:Nissanは2025年度に固定費約2,000億円・変動費約550億円の削減を実現、車両生産工場は2027年度までに17から10へと対象を公表済み、R&Dの労務費単価は18%削減済みです。つまり「何を減らすか」がすでに具体化されている局面です。応募を検討するなら、募集ポジションが削減の対象領域なのか、AIディファインドビークルのように投資が続く領域なのかを、面接で必ず確かめてください。ここを曖昧にしたまま入るのが、この局面で最も避けたい判断です。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は8,571,467円で、対前事業年度増減率は4.3%の減少です。従業員数23,174人(臨時従業員4,298人は外数)、平均年齢40.9歳、平均勤続年数14.9年。賞与及び基準外賃金を含みます。2026年3月31日現在の数値です。
有価証券報告書には、この従業員数がすべて自動車事業の従業員であると注記されています。
平均年間給与が前期比で4.3%減っている点は、業績の状況と整合します。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
提出会社の男性労働者の育児休業取得率は75.5%です。残業時間は開示されていません。
労働組合については、当社従業員が日産自動車労働組合に加入し、同組合は全日産・一般業種労働組合連合会を上部団体として全日本自動車産業労働組合総連合会を通じ日本労働組合総連合会に加盟していると記載されています。労使関係は安定しており、2026年3月末現在の組合員総数は日産自動車九州株式会社を含め25,783名です。
国内のグループ各社では大半の企業で会社別労働組合が存在し、海外のグループ各社では各国の労働法・労働環境に即して従業員の労働組合選択の権利を尊重していると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
提出会社の平均年齢40.9歳から平均勤続年数14.9年を差し引くと、入社時の年齢は約26.0歳になります。
長期ビジョンでは、AIディファインドビークル(AIDV)を技術イノベーションの中核に位置づけ、AIドライブ技術とAIパートナー技術を組み合わせること、AIドライブ技術を搭載するモデルをラインアップの約9割へ拡大することが示されています。電動化では独自のe-POWERを中核に据えるとされています。
一方で開発プロセスの刷新も進んでおり、R&Dのリソース合理化により2025年度末実績の労務費単価を18%削減したと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は11.3%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者84.7%、正規雇用労働者83.1%、非正規雇用労働者79.2%と記載されています。
なお有価証券報告書の「対処すべき課題」には、元代表取締役が金融商品取引法違反で起訴され、元代表取締役会長は会社法違反でも起訴されたこと、会社自身も金融商品取引法違反により起訴されたことが記載されています。これを受けてガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年3月27日に報告書を受領、指名委員会等設置会社へ移行したとされています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
提出会社23,174人は連結の約19.3%
規模の関係を確認します。
| 区分 | 従業員数 | 臨時雇用者(年間平均、外数) |
|---|---|---|
| 連結 | 120,079人 | 14,840人 |
| 提出会社 | 23,174人 | 4,298人 |
提出会社23,174人は連結120,079人の約19.3%です。残る約80.7%は国内外の子会社に所属しています。
平均年間給与8,571,467円の対象は、この23,174人です。国内外の子会社に所属する場合は前提が変わります。
提出会社の売上高は3,601,971百万円で、前期の4,081,748百万円から減っています。連結売上高12,007,888百万円に対して約30.0%です。
なお労働組合の組合員総数は25,783名(日産自動車九州株式会社を含む)と記載されており、提出会社の従業員数23,174人を上回ります。組合の範囲と提出会社の範囲は一致しません。
向いている人/向いていない人
向いている人
再建の局面で成果を出したい方
Re:Nissanは2026年度が計画の最終年です。2025年度に固定費約2,000億円・変動費約550億円の削減を実現し、2026年度までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(米国関税影響を除く)を目指すとされています。
AI・電動化の領域に関わりたい方
長期ビジョンではAIディファインドビークルが技術イノベーションの中核に位置づけられ、AIドライブ技術をラインアップの約9割へ拡大する方針が示されています。電動化ではe-POWERが中核です。
コスト構造の改革に手を動かせる方
変動費の削減では、各部門から集められたプロフェッショナルによる専属部署を設置し、5,000件を超える改善案が創出されたと記載されています。
向いていない人
待遇が上がり続ける前提で考えたい方
提出会社の平均年間給与は8,571,467円で、対前事業年度増減率は4.3%の減少です。親会社株主に帰属する当期純損失は2期連続で計上されています。
組織や拠点が動かない環境を求める方
車両生産工場数は2027年度までに17から10へ削減する計画で、対象工場は公表済みです。グローバル人員体制の最適化も進んでいます。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われやすいのは、「この状況の会社に、なぜ来るのか」です。取り繕った回答はすぐ見抜かれます。数字で組み立ててください。第127期の連結売上高は12兆79億円で前年比4.9%減、連結営業利益580億円・営業利益率0.5%、親会社株主に帰属する当期純損失5,331億円。ここまでは誰でも言えます。踏み込むなら次です。Re:Nissanは2024年度実績比で5,000億円の削減を掲げ、2025年度末までに固定費約2,000億円・変動費約550億円を実現。変動費の改善案は5,000件超で想定効果額2,700億円に達し、多くが実行段階へ移っています。R&Dの労務費単価は18%削減済み。つまり計画は言いっぱなしではなく、進捗が数字で開示されている段階にあります。そのうえで「自分は削減側で効くのか、AIディファインドビークルのような投資側で効くのか」を1つ選んで語れるかどうか。ここが分かれ目です。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
日産自動車株式会社は東証プライム市場に上場しており、証券コードは7201です。決算期は3月です。
連結120,079人に対し提出会社は23,174人(約19.3%)です。求人がどの法人のものかで条件が変わります。国内のグループ各社には日産自動車九州株式会社などがあります。
募集ポジションが、Re:Nissanで削減の対象となっている領域か、投資が続く領域かを確認してください。車両生産工場は2027年度までに17から10へ削減され、対象工場は公表済みです。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ自動車か」と「なぜ日産自動車か」の2段で組み立てます。
前者については、開発、生産、購買、営業・マーケティング、コーポレートのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は有価証券報告書にあります。Re:Nissanが2024年度実績比で5,000億円の削減を掲げ、2025年度に固定費約2,000億円・変動費約550億円を実現したこと。車両生産工場を2027年度までに17から10へ削減する計画で対象工場を公表済みであること。R&Dの労務費単価を18%削減したこと。自動車事業のネットキャッシュが1兆1,704億円であること。2026年4月に長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」を策定し、AIドライブ技術をラインアップの約9割へ拡大する方針であること。
「計画の進捗が数字で開示されている段階にある」という理解を示せると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
自動車メーカーの中途採用では、担当した領域と、そこで動かした数値が読まれます。
開発・設計の経験がある方は、担当したユニットや車種と開発期間、コストや性能をどれだけ動かしたかを書きます。開発期間の短縮とプラットフォーム統合が進んでいる領域です。
生産技術・製造の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりやタクトタイムの改善幅を書きます。生産の再編と効率化が計画の柱です。
購買・調達の経験がある方は、扱った品目と取引規模、単価や部品種類をどれだけ削減したかを書きます。変動費削減は5,000件超の改善案が動いている領域です。
ソフトウェア・AIの経験がある方は、扱った技術領域と規模、車載や運転支援での実装経験を書きます。AIディファインドビークルが技術の中核に置かれています。
営業・マーケティングの経験がある方は、担当した市場と販売台数、商品ポートフォリオをどう組み替えたかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
日産自動車は東証プライム市場に上場する自動車メーカーで、有価証券報告書 第127期(2026年3月期)の連結売上高は12,007,888百万円(前年比4.9%減)、連結営業利益580億円(営業利益率0.5%)、経常利益1,081百万円、親会社株主に帰属する当期純損失533,095百万円で2期連続の赤字です。連結従業員数は120,079人で、前期の132,790人から12,711人減りました。提出会社は23,174人(連結の約19.3%)、平均年齢40.9歳、平均勤続年数14.9年、平均年間給与8,571,467円(対前事業年度4.3%減)です。経営再建計画「Re:Nissan」では2024年度実績比で固定費と変動費を計5,000億円削減し、2026年度までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(米国関税影響を除く)を目指すとされ、2025年度には固定費約2,000億円・変動費約550億円の削減を実現。車両生産工場数は2027年度までに17から10へ削減する計画です。自動車事業のネットキャッシュは1兆1,704億円です。
よくある質問
Q. 日産自動車の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第127期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,571,467円です。従業員数23,174人(臨時従業員4,298人は外数)、平均年齢40.9歳、平均勤続年数14.9年で、賞与及び基準外賃金を含みます。対前事業年度増減率は4.3%の減少です。この23,174人はすべて自動車事業の従業員と注記されており、連結120,079人の約19.3%にあたります。国内外の子会社に所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 業績はどうなっていますか。
A. 第127期の連結売上高は12,007,888百万円で前年比4.9%減、連結営業利益は580億円で連結売上高営業利益率は0.5%、経常利益は1,081百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は533,095百万円です。前期の670,898百万円の損失に続き2期連続の赤字となります。自動車事業のフリーキャッシュフローは4,808億円のマイナスで、2025年度末の自動車事業におけるネットキャッシュは1兆1,704億円と記載されています。自己資本比率は24.2%です。経営再建計画「Re:Nissan」により2026年度までに自動車事業の営業利益とフリーキャッシュフローの黒字化(米国関税影響を除く)を目指すとされています。
Q. 人員削減は続くのですか。
A. 有価証券報告書には、Re:Nissanの固定費削減策として「生産の再編と効率化」「人員体制の見直し」「開発費の削減」が挙げられています。車両生産工場数は2027年度までに17から10に削減し、対象となる工場は公表済みとされています。人員体制については、グローバル人員体制の最適化に向けた取り組みを、規律正しく各ステークホルダーにも配慮した手続に則って実行していると記載されています。連結従業員数は第126期の132,790人から第127期の120,079人へ12,711人減りました。今後の見通しについては公表されている範囲を超える記載がないため、募集ポジションの位置づけは選考の過程でご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。