NSDの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
NSDは東証プライム市場に上場する独立系のシステムインテグレーターです。第57期(2026年3月期)の有価証券報告書を見ると、自己資本比率75.7%、自己資本利益率(ROE)18.4%。財務の安定性と収益性が両立している珍しい構成です。この記事では有報の数字をもとに、事業の中身と、中途で入る場合に確認すべき点を整理します。
連結売上高1,178億円、ROE18.4%
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社NSD(NSD CO.,LTD.) |
| 上場区分 | 東京証券取引所プライム市場(証券コード9759) |
| 本店所在地 | 東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地 |
| 連結売上高 | 117,813百万円(第57期) |
| 経常利益 | 19,326百万円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 13,009百万円 |
| 自己資本比率 | 75.7% |
| 自己資本利益率(ROE) | 18.4% |
| 連結従業員数 | 4,555名 |
| 提出会社の従業員数 | 3,305名 |
| 平均年齢 | 39.2歳 |
| 平均勤続年数 | 14.9年 |
| 平均年間給与 | 7,510千円(対前事業年度増減率4.8%) |
| 資本金 | 7,205百万円 |
数値は有価証券報告書 第57期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。
事業は5つの区分に分かれている
有価証券報告書の事業の内容によると、同社グループは当社、子会社14社および関連会社3社で構成され、システム開発事業(金融IT、産業IT、社会基盤IT、ITインフラ)とソリューション事業を主たる事業としています。
提出会社の従業員は、この区分ごとに次のように配分されています。
| 区分 | 従業員数 |
|---|---|
| システム開発事業(金融IT) | 1,090名 |
| システム開発事業(産業IT) | 897名 |
| システム開発事業(社会基盤IT) | 790名 |
| システム開発事業(ITインフラ) | 334名 |
| ソリューション事業 | 73名 |
| 全社(共通) | 121名 |
| 合計 | 3,305名 |
金融ITが最も多く、全体の約33%を占めます。有報の説明では、銀行、保険会社、証券会社等の金融機関に対してソフトウェア開発やシステムコンサルティング等のサービスを提供する区分とされています。
産業ITは製造業・商業等、社会基盤ITは通信業・運輸業・電気ガス水道業等の企業や公共団体が対象です。ITインフラはIT基盤・ネットワーク構築、システムコンサルティング、保守・運用を担います。
ソリューション事業は、システムを利用したサービスの提供やシステムプロダクトの販売により、汎用性の高いソリューションから業務特化型のソリューションまでを提供する区分です。従業員は73名と少数ですが、受託開発とは収益の性質が異なります。
5期で売上が1.66倍になっている
連結の売上高は、第53期(2022年3月期)の71,188百万円から第57期(2026年3月期)の117,813百万円へ、5期で約1.66倍になっています。
経常利益も11,654百万円から19,326百万円へ、親会社株主に帰属する当期純利益も7,823百万円から13,009百万円へ伸びています。
連結従業員数は3,560名から4,555名へ増加しました。
自己資本利益率は第53期の15.7%から第57期の18.4%へ、自己資本比率は80.9%から75.7%へ推移しています。
有報から読み取れる範囲
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
第57期の平均年間給与は7,510千円で、対前事業年度増減率は4.8%です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は提出会社の従業員3,305名、平均年齢39.2歳、平均勤続年数14.9年。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報には労働時間の数値の記載はありません。事業区分ごとに顧客の性質が異なるため、案件のフェーズによって負荷が変わる構造です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
事業区分は金融IT、産業IT、社会基盤IT、ITインフラ、ソリューション事業の5つ。グループにはNSD-DXテクノロジー、アートホールディングス、FSK、ノーザ、ステラス、NSD International、成都仁本新動科技有限公司などがあります。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
平均勤続年数は14.9年、平均年齢は39.2歳です。労働組合について有報は「労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております」としています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社を検討する方が並べて見ているのは、同じ独立系SIerです。判断が割れるのは、どの業界の顧客を持ちたいかという点です。同じ2026年3月期で3社を並べると、事業区分の違いがはっきり出ます。NSDは提出会社3,305名のうち金融IT1,090名、産業IT897名、社会基盤IT790名、ITインフラ334名。DTSは3,199名を業務&ソリューション1,243名、テクノロジー&ソリューション1,106名、プラットフォーム&サービス850名に分けています。BIPROGYは職群別にセールス789人、システム・エンジニア2,305人、スタッフ1,265人。区分の切り方そのものが、その会社の売り方を表しています。NSDは顧客業界で切っている。つまり業界知識を積み上げる設計です。金融ITに配属されれば、銀行・保険・証券のシステムを長く見ることになります。この専門性は転職市場で評価されますが、業界を変えづらくもなります。応募前に、自分がどの業界の知識を10年積みたいのかを決めてください。
財務の安定性が示すもの
有価証券報告書の主要な経営指標から、財務の状態を確認します。
第57期の自己資本比率は75.7%、自己資本利益率(ROE)は18.4%です。総資産97,442百万円に対して純資産74,799百万円。現金及び現金同等物の期末残高は32,491百万円です。
自己資本比率が高い会社は、財務の安定性が高い一方で、資本効率が下がりやすい傾向があります。同社はROE18.4%を維持しており、この2つが両立している構成です。
営業活動によるキャッシュ・フローは16,156百万円、財務活動によるキャッシュ・フローは△10,517百万円。株主還元と自己資本の積み上げが並行しています。
第55期(2024年3月期)には投資活動によるキャッシュ・フローが△17,849百万円と大きく、売上高も101,263百万円へ跳ねています。この期に何らかの投資が行われたことが読み取れます。
なお提出会社単体では、第57期の売上高91,575百万円、経常利益17,675百万円、当期純利益12,711百万円です。連結売上高117,813百万円との差は、子会社14社の事業によるものです。
顧客業界で区切る事業構成
同社の事業区分は、顧客の業界で切られています。
金融IT(銀行、保険会社、証券会社等)、産業IT(製造業、商業等)、社会基盤IT(通信業、運輸業、電気・ガス・水道業等の企業や公共団体)、ITインフラ(IT基盤・ネットワーク構築、コンサルティング、保守・運用)。
有報には、各区分に関わる主な関係会社も記載されています。金融ITにはNSD-DXテクノロジー、アートホールディングス、NSD International、成都仁本新動科技有限公司。産業ITと社会基盤ITにはNSD-DXテクノロジー、アートホールディングス、FSK。ITインフラにはアートホールディングス、FSK、NSD International。
ソリューション事業には、アートホールディングス、ノーザ、ステラス、シェアホルダーズ・リレーションサービスが挙げられています。
海外拠点として、NSD International, Inc.と成都仁本新動科技有限公司の名前が並びます。
この環境で積める経験
この会社でのキャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、業界知識が積み上がります。 事業区分が顧客業界で切られているため、配属先の業界を継続して担当することになります。
第二に、伸びている局面です。 連結売上高は5期で約1.66倍、経常利益も11,654百万円から19,326百万円へ伸びています。案件量が増えている環境です。
第三に、財務の余裕があります。 自己資本比率75.7%、現金及び現金同等物の期末残高32,491百万円。投資や採用に充てられる余力がある状態です。
向いている人/向いていない人
向いている人
特定業界のシステムを深く理解したい方
事業区分が金融IT、産業IT、社会基盤ITと顧客業界で分かれています。業界知識を積み上げる設計です。
成長局面で案件の幅を広げたい方
連結売上高は5期で約1.66倍、連結従業員数も3,560名から4,555名へ増えています。
安定した財務基盤を重視する方
自己資本比率75.7%、ROE18.4%。財務の安定性と収益性が両立している構成です。
向いていない人
業界を横断して経験したい方
事業区分が顧客業界で切られているため、配属された区分の顧客を担当し続ける構造になりやすい設計です。
自社プロダクトを主軸にしたい方
ソリューション事業の従業員は73名で、提出会社3,305名の約2%です。受託開発が事業の中心です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「どの業界で価値を出したいか」です。ここで「どこでも構いません」と答えると、この会社の設計と噛み合いません。事業区分が顧客業界で切られている会社では、配属は業界の選択とほぼ同義になります。準備としてお伝えしているのは、志望する区分を1つ決め、その業界のシステムがいま何に直面しているかを自分の言葉で説明できるようにしておくことです。金融ITなら、勘定系の更改サイクル、規制対応、決済の高度化。社会基盤ITなら、社会インフラの老朽化と更新、公共調達の仕組み。産業ITなら、生産と供給網のデータ連携。前職の経験がその業界と直接つながっていなくても構いません。なぜその業界を選ぶのか、自分の経験のどこが活きるのかが説明できていれば十分です。逆に、技術スタックの話だけで面接を終えると、他の候補者と区別がつきません。募集の有無と職種は、必ず公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募する区分を先に決める
提出会社の事業区分は、金融IT(1,090名)、産業IT(897名)、社会基盤IT(790名)、ITインフラ(334名)、ソリューション事業(73名)、全社共通(121名)です。
配属される区分によって、顧客業界も扱う技術も変わります。またグループには子会社14社と関連会社3社があり、区分ごとに関わる会社が異なります。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜSIerか」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、事業会社の情報システム部門やコンサルティングファームとの違いをどう捉えているかを説明します。
後者の材料は有報にあります。連結売上高117,813百万円と5期で約1.66倍という成長。自己資本比率75.7%とROE18.4%。顧客業界で切られた4つのシステム開発区分。海外拠点(NSD International, 成都仁本新動科技有限公司)の存在。
とくに事業区分の切り方をどう評価するかは、志望動機に具体性を与えます。
職務経歴書で見られるポイント
プロジェクトマネジメントの職種では、規模と業界知識の両方が読まれます。
SIer出身の方は、担当したプロジェクトの規模に加えて、顧客業界の業務知識をどこまで持っているかを書きます。同社の事業区分が業界で切られている以上、この部分が接続点になります。
金融機関の情報システム部門出身の方は、発注側として何を判断したかを書きます。金融ITが最大の区分である同社では、直接評価される経験です。
インフラやネットワークの経験がある方は、基盤構築から運用までの関与範囲を書きます。ITインフラの区分に接続します。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
NSDは東証プライム市場に上場する独立系のシステムインテグレーターで、本店は東京都千代田区神田淡路町にあります。第57期(2026年3月期)の連結売上高は117,813百万円、経常利益19,326百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13,009百万円。自己資本比率75.7%、自己資本利益率(ROE)18.4%と、財務の安定性と収益性が両立しています。連結従業員数は4,555名、提出会社は3,305名で、平均年齢39.2歳、平均勤続年数14.9年、平均年間給与7,510千円(前年比4.8%増)。事業はシステム開発事業(金融IT 1,090名、産業IT 897名、社会基盤IT 790名、ITインフラ 334名)とソリューション事業(73名)に分かれ、顧客業界で区分されている点が特徴です。配属される区分が担当業界とほぼ同義になるため、応募前に志望する区分を決めておく必要があります。
よくある質問
Q. NSDの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第57期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,510千円で、対前事業年度増減率は4.8%です。賞与および基準外賃金を含みます。対象は従業員3,305名、平均年齢39.2歳、平均勤続年数14.9年。平均値であるため、年齢や等級によって実額は異なります。参考として、同じ2026年3月期でDTSは6,587千円(平均年齢39.7歳)、BIPROGYは8,846,208円(平均年齢46.3歳)です。中途入社時の格付けは選考の過程でご確認ください。
Q. どんな案件を扱っていますか。
A. 有価証券報告書によると、システム開発事業は4つの区分に分かれています。金融IT(銀行、保険会社、証券会社等の金融機関向けのソフトウェア開発やシステムコンサルティング)、産業IT(製造業、商業等)、社会基盤IT(通信業、運輸業、電気・ガス・水道業等の企業や公共団体)、ITインフラ(IT基盤・ネットワーク構築、システムコンサルティング、保守・運用)です。このほかシステムを利用したサービス提供やプロダクト販売を行うソリューション事業があります。
Q. 財務は安定していますか。
A. 有価証券報告書によると、第57期の自己資本比率は75.7%、自己資本利益率(ROE)は18.4%です。連結の純資産は74,799百万円、総資産97,442百万円、現金及び現金同等物の期末残高32,491百万円。売上高は第53期(2022年3月期)の71,188百万円から第57期の117,813百万円へ5期で約1.66倍、経常利益も11,654百万円から19,326百万円へ伸びています。自己資本比率の高さと収益性が両立している構成です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/5 時点の公開情報にもとづいて作成しています。