リコージャパンの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
リコージャパンは非上場ですが、親会社である株式会社リコーの有価証券報告書に主要な損益情報が載っています。第126期(2026年3月期)の売上高は803,246百万円で、リコー連結2,608,314百万円の約30.8%にあたります。一方で当期純利益は10,611百万円、売上高に対して約1.3%です。この記事では、その構造を有報から整理します。
親会社の有報に売上高と利益が載っている
リコージャパン株式会社は、リコーの有価証券報告書で「連結売上高に占める売上高の割合が10%を超えている」子会社として、主要な損益情報等が開示されています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上高 | 803,246百万円 |
| 税引前当期純利益 | 15,710百万円 |
| 当期純利益 | 10,611百万円 |
| 純資産額 | 35,618百万円 |
| 総資産額 | 244,142百万円 |
関係会社の状況には、所在地が東京都大田区、資本金2,517百万円、議決権の所有割合100.0%、主要な事業の内容が「デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供」、関係内容が「当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務」と記載されています。特定子会社にも該当します。
非上場の子会社としては、かなり具体的な数値が読める部類です。ここから分かることが3つあります。
1つ目は規模です。売上高803,246百万円はリコー連結2,608,314百万円の約30.8%にあたります。グループの国内事業の中核と言える位置づけです。
2つ目は利益率です。当期純利益10,611百万円は売上高の約1.3%、税引前当期純利益15,710百万円でも約2.0%にとどまります。製造ではなく販売・サービスを担う会社の収益構造が数字に出ています。
3つ目は財務です。総資産244,142百万円に対して純資産は35,618百万円で、比率にすると約14.6%です。親会社の連結ベース(親会社所有者帰属持分比率45.51%)とは水準が異なります。
沿革も押さえておきます。有報によれば、リコージャパン株式会社へ国内販売関連会社を統合したのは2014年7月です。全国の販売会社を1社にまとめた組織が、いまのリコージャパンです。
デジタルサービスがグループ売上の76.2%、従業員の63.0%
親会社であるリコーの第126期のセグメント別売上高です。顧客の所在地を基礎に地域別へ分解されています。
| セグメント | 日本 | 米州 | 欧州・中東・アフリカ | その他地域 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| デジタルサービス | 862,479百万円 | 448,719百万円 | 554,933百万円 | 122,399百万円 | 1,988,530百万円 |
| グラフィックコミュニケーションズ | 24,147百万円 | 134,437百万円 | 79,270百万円 | 46,189百万円 | 284,043百万円 |
| デジタルプロダクツ | 114,630百万円 | 35,272百万円 | 11,256百万円 | 25,237百万円 | 186,395百万円 |
| インダストリアルソリューションズ | 36,132百万円 | 29,080百万円 | 20,716百万円 | 20,304百万円 | 106,232百万円 |
| その他 | 14,267百万円 | 7,169百万円 | 6,445百万円 | 15,233百万円 | 43,114百万円 |
| 合計 | 1,051,655百万円 | 654,677百万円 | 672,620百万円 | 229,362百万円 | 2,608,314百万円 |
セグメント間の内部売上高を除いた金額です。
デジタルサービスが合計1,988,530百万円で、連結売上高の約76.2%を占めます。うち日本は862,479百万円です。前期は1,930,109百万円(うち日本797,596百万円)でしたから、日本のデジタルサービスは約8.1%増えました。
リコージャパンの売上高803,246百万円は、この日本のデジタルサービス862,479百万円の大半にあたります。国内のデジタルサービス事業がほぼこの1社で回っている、という構図です。
従業員数でも同じ傾向です。2026年3月31日現在のセグメント別従業員数は次のとおりです。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| デジタルサービス | 47,620人 |
| デジタルプロダクツ | 15,503人 |
| グラフィックコミュニケーションズ | 5,556人 |
| その他 | 3,195人 |
| インダストリアルソリューションズ | 1,977人 |
| 全社(共通) | 1,784人 |
| 合計 | 75,635人 |
デジタルサービスの47,620人は連結75,635人の約63.0%です。売上でも人員でも、グループの重心はこのセグメントにあります。
有報にはデジタルサービスについて、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域で、顧客のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供していると記載されています。
開示された数値から読み取れること
以下は、親会社である株式会社リコーの有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
リコージャパン株式会社の平均年間給与は有報に記載されていません。開示があるのは提出会社である株式会社リコーの数値で、従業員4,596人、平均年齢45.4歳、平均勤続年数20.0年、平均年間給与9,061,743円(対前事業年度5.3%増)です。臨時従業員733人は外数です。リコージャパン株式会社は別法人のため、この水準がそのまま当てはまるわけではありません。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。臨時従業員には嘱託(シニアを含む)、パート・アルバイトの従業員を含み、人材派遣社員、業務委託、請負の従業員を除くと注記されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
デジタルサービスセグメントの連結従業員数は47,620人で、連結75,635人の約63.0%を占めます。有報には同セグメントについて、画像機器の販売・保守サービスに加え、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスの領域が挙げられています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有報には、提出会社および一部の連結子会社において労働組合が結成されているが、労使関係について特に記載すべき事項はないと記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社で最も多いのが、「メーカーに入るつもりで販売会社に応募していた」というズレです。リコージャパン株式会社の主要な事業の内容は、有報に「デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供」、関係内容は「当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務」と記載されています。開発や生産を担うのは株式会社リコーやリコーインダストリー株式会社などの別法人です。数字にも表れていて、売上高803,246百万円に対して当期純利益は10,611百万円、約1.3%です。販売・サービスの会社の利益率としては珍しくありませんが、「メーカーの利益率」を想定していると面接で話が噛み合いません。もう1つ、平均年間給与について。有報に載っているのは株式会社リコーの9,061,743円で、リコージャパン株式会社の数値ではありません。応募先の法人名と、その法人の等級・レンジを選考の過程で確認してください。
報酬について確認できること
リコージャパン株式会社の平均年間給与は公表されていません。有価証券報告書に記載があるのは、提出会社である株式会社リコーの数値のみです。
| 区分 | 会社 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提出会社 | 株式会社リコー | 4,596人 | 45.4歳 | 20.0年 | 9,061,743円 | 5.3%増 |
2026年3月31日現在です。臨時従業員733人は外数です。提出会社のセグメント別従業員数は、全社(共通)1,751人、グラフィックコミュニケーションズ967人、デジタルサービス792人、デジタルプロダクツ464人、その他332人、インダストリアルソリューションズ290人と記載されています。
平均年齢45.4歳から平均勤続年数20.0年を差し引くと、入社時の年齢は約25.4歳です。新卒で入って長く在籍している層が平均を作っています。ただしこれは株式会社リコーの構成であって、リコージャパン株式会社のものではありません。
判断の材料になるのは、リコージャパン株式会社自体の数値です。売上高803,246百万円、税引前当期純利益15,710百万円、当期純利益10,611百万円、純資産額35,618百万円、総資産額244,142百万円。売上の規模に対して利益の絶対額は大きくありません。
実額とレンジは選考の過程で確認してください。募集ポジションについて直接確認するのが確実な方法です。
親会社は5期で売上高が約1.48倍、従業員は2,725人減
リコージャパンの位置づけを理解するために、親会社の推移も見ておきます。
| 回次 | 決算年月 | 売上高 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 第122期 | 2022年3月 | 1,758,587百万円 | 44,388百万円 | 30,371百万円 | 48.67% | 78,360人 |
| 第123期 | 2023年3月 | 2,134,180百万円 | 81,308百万円 | 54,367百万円 | 43.33% | 81,017人 |
| 第124期 | 2024年3月 | 2,348,987百万円 | 68,202百万円 | 44,176百万円 | 45.43% | 79,544人 |
| 第125期 | 2025年3月 | 2,527,876百万円 | 70,067百万円 | 45,709百万円 | 43.70% | 78,665人 |
| 第126期 | 2026年3月 | 2,608,314百万円 | 92,273百万円 | 55,669百万円 | 45.51% | 75,635人 |
国際会計基準にもとづく数値です。
売上高は5期で約1.48倍になりました。一方で従業員数は78,360人から75,635人へ2,725人減っています。第123期の81,017人からは5,382人の減少です。
親会社所有者帰属持分当期利益率は5.09%で、5期のレンジは3.33%から5.93%です。
事業の組み替えも続いています。有報の沿革によれば、2022年9月に株式会社PFUを買収(発行済株式の80%を取得し連結子会社化)、2024年7月に東芝テック株式会社と複合機等の開発・生産に関する合弁会社エトリア株式会社を組成、2025年3月に株式会社PFU株式の20%を追加取得し完全子会社化、2025年10月にエトリア株式会社へ沖電気工業株式会社が参画しています。
複合機の開発・生産は合弁会社へ、スキャナーやドキュメント関連は買収した会社へ、という形で機能が動いています。国内の販売・サービスを担うリコージャパンの立ち位置も、この動きと無関係ではありません。
向いている人/向いていない人
向いている人
顧客の業務課題に入り込む提案をしたい方
有報にはデジタルサービスの領域として、画像機器の販売・保守に加え、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスが挙げられています。
全国規模の顧客基盤を前提に働きたい方
リコージャパン株式会社は2014年7月に国内販売関連会社を統合して発足し、売上高803,246百万円はリコー連結の約30.8%を占めます。
大きな組織で役割が細かく分かれた環境に向く方
デジタルサービスセグメントの連結従業員数は47,620人で、連結75,635人の約63.0%です。
向いていない人
製品の開発や生産に携わりたい方
リコージャパン株式会社の主要な事業の内容は販売業務です。開発・生産は株式会社リコーや別の子会社が担っています。
高い利益率の事業に関わりたい方
リコージャパン株式会社の当期純利益10,611百万円は、売上高803,246百万円の約1.3%です。
エージェントベストの見解
面接の終盤で問われるのは、「複合機を売る会社」から先に何を語れるか、です。数字を見ると論点がはっきりします。リコー連結の売上高2,608,314百万円のうちデジタルサービスは1,988,530百万円(約76.2%)、従業員も47,620人(約63.0%)。この巨大なセグメントの日本部分をリコージャパン株式会社が担っています。一方で当期純利益率は約1.3%です。機器の販売と保守だけで利益率を上げるのは難しく、だからこそ有報にプロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスという領域が並んでいます。準備としてお伝えしているのは、自分の経験を「単価を上げた話」か「継続収益を作った話」に組み替えておくことです。台数を売った実績より、導入後にどれだけ関与を広げたかが読まれます。あわせて、親会社が2024年7月に東芝テックとエトリア株式会社を組成し、2025年10月に沖電気工業が参画した事実にも触れられると、業界構造への理解が伝わります。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
応募先の法人を確認してください。リコージャパン株式会社(販売・サービス)、株式会社リコー(提出会社・従業員4,596人)、リコーITソリューションズ株式会社、リコーインダストリー株式会社などは別法人です。有報に平均年間給与が記載されているのは株式会社リコーのみです。
職種を確認してください。営業、システムエンジニア、カスタマーエンジニア、コンサルティング、コーポレートでは、評価の見られ方も日々の仕事も違います。
非上場のため業績の開示は限られます。会社の状態を知る手がかりは、親会社である株式会社リコーの有報にある主要な損益情報等です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの領域か」と「なぜリコージャパンか」の2段で組み立てます。
前者については、オフィス機器の販売・保守、ITインフラの構築・運用、業務プロセスの改善、クラウドサービスのどこに関わりたいのかを具体化します。
後者の材料は親会社の有報にあります。リコージャパン株式会社の売上高803,246百万円がリコー連結の約30.8%を占めること。当期純利益が10,611百万円で売上高の約1.3%であること。デジタルサービスセグメントが連結売上の約76.2%、連結従業員の約63.0%を占めること。日本のデジタルサービスが797,596百万円から862,479百万円へ約8.1%増えたこと。2014年7月に国内販売関連会社を統合して発足した会社であること。
「グループ売上の3割を担いながら、利益率は約1.3%」という構造に触れられると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
法人向けの販売・サービスの中途採用では、担当した顧客と、そこで動かした数値が読まれます。
法人営業の経験がある方は、担当した業種と顧客数、年間の取引規模、単価や継続率をどう動かしたかを書きます。
システムエンジニアの経験がある方は、担当した案件の規模と技術領域、要件定義から運用までのどこを担ったかを書きます。
カスタマーエンジニア・保守の経験がある方は、担当した機器の台数規模と、稼働率や一次解決率をどう改善したかを書きます。
ITインフラ・ネットワークの経験がある方は、扱った拠点数やユーザー数と、移行や更改で担った範囲を書きます。
提案・企画の経験がある方は、扱ったソリューションの領域と、導入後にどこまで関与を広げたかを書きます。継続収益を作った経験は特に読まれます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
リコージャパンは株式会社リコーの子会社(議決権の所有割合100.0%)で、所在地は東京都大田区、資本金2,517百万円、主要な事業の内容は「デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供」です。非上場ですが、親会社の有価証券報告書 第126期(2026年3月期)に主要な損益情報等が記載されており、売上高803,246百万円、税引前当期純利益15,710百万円、当期純利益10,611百万円、純資産額35,618百万円、総資産額244,142百万円です。売上高はリコー連結2,608,314百万円の約30.8%を占める一方、当期純利益は売上高の約1.3%にとどまります。リコー連結ではデジタルサービスが売上高1,988,530百万円(約76.2%)・従業員47,620人(約63.0%)を占め、うち日本は862,479百万円です。同社は2014年7月に国内販売関連会社を統合して発足しました。平均年間給与は公表されていません。
よくある質問
Q. リコージャパンの年収はどのくらいですか。
A. リコージャパン株式会社の平均年間給与は公表されていません。親会社である株式会社リコーの有価証券報告書に記載があるのは提出会社の数値で、従業員4,596人、平均年齢45.4歳、平均勤続年数20.0年、平均年間給与9,061,743円(対前事業年度5.3%増)です。リコージャパン株式会社は別法人のため、この水準がそのまま当てはまるわけではありません。判断の材料になるのは同社自体の数値で、売上高803,246百万円に対し当期純利益10,611百万円(約1.3%)です。応募ポジションの等級とレンジは、選考の過程で直接ご確認ください。
Q. 株式会社リコーとはどう違いますか。
A. 別の法人です。株式会社リコーの有価証券報告書によると、リコージャパン株式会社は議決権の所有割合100.0%の子会社で、特定子会社に該当します。主要な事業の内容は「デバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの提供」、関係内容は「当社のデバイス・アプリケーション・保守等を組み合わせたデジタルサービスの販売業務」と記載されています。開発は主として株式会社リコーが担当し、生産は同社と国内外の生産関係会社が行うと有報に記載されています。国内の販売・サービスを担うのがリコージャパン株式会社、という役割分担です。
Q. 事業の中身はどう変わっていますか。
A. 親会社の有価証券報告書によると、リコー連結の売上高は第122期(2022年3月期)の1,758,587百万円から第126期(2026年3月期)の2,608,314百万円へ約1.48倍になった一方、従業員数は78,360人から75,635人へ2,725人減りました。事業の組み替えも続いており、2022年9月に株式会社PFUを買収(80%取得)、2024年7月に東芝テック株式会社と複合機等の開発・生産に関する合弁会社エトリア株式会社を組成、2025年3月に株式会社PFUを完全子会社化、2025年10月にエトリア株式会社へ沖電気工業株式会社が参画しています。デジタルサービスセグメントの日本の売上高は797,596百万円から862,479百万円へ約8.1%増えました。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。