ソフトバンクの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ソフトバンクの有価証券報告書 第40期(2026年3月期)を見ると、連結従業員数58,432名に対し、提出会社の従業員は19,150名です。差の大半はLINEヤフーグループとPayPayグループにあたります。純利益7,266億円のうち1,759億円は非支配持分に帰属し、親会社の所有者に帰属する純利益は5,508億円。この記事では、この二重構造を有報から整理します。
通信会社の枠に収まらない収益構成
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 親会社の所有者に帰属する純利益 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第36期(2022年3月) | 5,690,606百万円 | 965,553百万円 | 517,075百万円 | 15.0% | 49,581名 |
| 第37期(2023年3月) | 5,911,999百万円 | 1,060,168百万円 | 531,366百万円 | 15.2% | 54,986名 |
| 第38期(2024年3月) | 6,084,002百万円 | 876,068百万円 | 489,074百万円 | 15.3% | 55,400名 |
| 第39期(2025年3月) | 6,544,349百万円 | 989,016百万円 | 526,133百万円 | 17.0% | 55,070名 |
| 第40期(2026年3月) | 7,038,680百万円 | 1,042,576百万円 | 550,759百万円 | 16.0% | 58,432名 |
数値は有価証券報告書 第40期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)によります。連結財務諸表は国際会計基準(IFRS)にもとづきます。従業員数の臨時従業員(年間平均雇用人員)は外数で、第40期は22,906名です。
売上高は5期連続で増え、第40期は7,038,680百万円と過去最高になりました。有報には前期比4,943億円(7.6%)増と記載されています。
一方で親会社所有者帰属持分純利益率は27.3%(第36期)から19.3%(第40期)へ下がっています。
純利益の約24%は非支配持分に帰属する
第40期の純利益は7,266億円で、前期比713億円(10.9%)増でした。ただしこの全額が親会社の株主のものではありません。
有報によると、親会社の所有者に帰属する純利益は5,508億円(前期比246億円・4.7%増)、非支配持分に帰属する純利益は1,759億円(前期比467億円・36.2%増)です。純利益の約24.2%が非支配持分に帰属する計算になります。
非支配持分の増加理由として、有報はPayPay株式会社を含むLINEヤフーグループの純利益が増加したことを挙げています。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は8,713千円(対前事業年度増減率2.6%)です。従業員19,150名、平均年齢42.0歳、平均勤続年数14.8年。賞与および基準外賃金を含み、休職者・休業者は含みません。臨時従業員5,250名は外数です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は総合職84.7%、一般職70.2%、アルバイト等50.0%と職種別に記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
提出会社のセグメント別従業員数は、コンシューマ5,956名、エンタープライズ6,088名、全社(共通)7,106名です。全社(共通)は当社の技術部門および管理部門の従業員と注記されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有報には、当社の労働組合にはソフトバンク労働組合および国鉄労働組合があり、連結子会社の一部にも労働組合が結成されていると記載されています。提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は10.9%(2026年4月1日時点)です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の求人を見るときに押さえておきたいのは、連結58,432名と提出会社19,150名の差です。有報のセグメント別従業員数を見ると、メディア・EC事業が25,261名で最も多く、全体の約43.2%を占めます。ここはLINEヤフーグループです。ファイナンス事業の5,299名にはPayPayが含まれます。一方で提出会社19,150名の内訳はコンシューマ5,956名、エンタープライズ6,088名、全社(共通)7,106名の3区分だけです。つまり「ソフトバンクグループで働く」と「ソフトバンク株式会社で働く」は別の話になります。平均年間給与8,713千円という数字は後者のものです。もう1つ、提出会社の従業員のうち7,106名が全社(共通)=技術部門および管理部門である点も見ておいてください。営業部門より共通部門の人数が多い構成です。応募職種がどの区分に属するかは、面接で確認する価値があります。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は8,713千円です。対前事業年度増減率は2.6%。従業員数19,150名(臨時従業員5,250名は外数)、平均年齢42.0歳、平均勤続年数14.8年です。
通信各社と並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| KDDI株式会社 | 10,510,939円 | 42.3歳 | 16.4年 | 9,891名 |
| ソフトバンク株式会社 | 8,713千円 | 42.0歳 | 14.8年 | 19,150名 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる場合があります。
平均年齢はほぼ同じですが、提出会社の従業員数は約1.94倍です。KDDIの提出会社9,891名には出向社員が含まれない点も、比較のうえでは留意が要ります。
なおNTTドコモ、NTT東日本、NTT西日本は単独での有価証券報告書を提出しておらず、平均年間給与は公表されていません。参考として、親会社NTTの提出会社(持株会社)の平均年間給与は10,562,434円(第41期・従業員2,606名)です。
提出会社の労働者の男女の賃金の差異は、全労働者78.3%、正規雇用労働者78.4%、パート・有期労働者84.3%と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
5つの事業の伸び方が違う
第40期のセグメント別の数値です。単位は億円で、有報の記載にあわせています。
| セグメント | 売上高 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| コンシューマ | 30,151億円 | +2.1% | 5,508億円 | +3.8% |
| メディア・EC | 16,680億円 | +2.4% | 2,404億円 | △7.1% |
| ディストリビューション | 10,563億円 | +18.8% | 353億円 | +15.9% |
| エンタープライズ | 10,029億円 | +8.7% | 1,924億円 | +13.0% |
| ファイナンス | 4,045億円 | +24.3% | 863億円 | +107.1% |
全報告セグメントで増収でした。利益で見ると、メディア・EC事業だけが減益です。有報は理由として、2025年10月に発生したアスクル株式会社のシステム障害の影響などを挙げています。
伸びが最も大きいのはファイナンス事業で、セグメント利益が417億円から863億円へ2倍を超えました。PayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加によるものと記載されています。同時に上場に伴う費用が増加したとの記載もあります。
エンタープライズ事業の売上内訳は、モバイル3,406億円、固定1,673億円、ソリューション等4,950億円です。ソリューション等が前期比578億円(13.2%)増と最も伸びています。企業のデジタル化需要を背景に、クラウドやセキュリティソリューションの売上が増えたと記載されています。
人員はメディア・ECに集中している
2026年3月31日現在のセグメント別従業員数です。括弧内は臨時従業員の年間平均雇用人員で外数です。
| セグメント | 従業員数 |
|---|---|
| メディア・EC | 25,261名(10,913名) |
| エンタープライズ | 9,094名(2,600名) |
| 全社(共通) | 7,106名(880名) |
| コンシューマ | 7,037名(5,852名) |
| ファイナンス | 5,299名(982名) |
| ディストリビューション | 2,553名(490名) |
| その他 | 2,082名(1,189名) |
| 合計 | 58,432名(22,906名) |
メディア・EC事業の25,261名は全体の約43.2%です。この事業の売上高は16,680億円で、コンシューマ事業の30,151億円より小さいにもかかわらず、人員は3倍以上あります。
コンシューマ事業は7,037名で30,151億円の売上と5,508億円のセグメント利益を出しています。通信サービスの収益構造が、人員あたりの数字に表れています。
この会社で積める経験
キャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、売上高は5期連続で増えています。 5,690,606百万円から7,038,680百万円へ、約1.24倍になりました。
第二に、通信以外の比重が大きいです。 メディア・EC、ファイナンス、ディストリビューションの3事業で売上高31,288億円。連結70,387億円の約44.5%にあたります。
第三に、利益の一部は非支配持分に帰属します。 純利益7,266億円のうち1,759億円がそこに配分されています。
向いている人/向いていない人
向いている人
決済・金融サービスの成長局面に関わりたい方
ファイナンス事業のセグメント利益は417億円から863億円へ、前期比107.1%増えています。
法人向けソリューションに専門性がある方
エンタープライズ事業のソリューション等売上は4,950億円で、前期比13.2%増です。
通信の収益構造を理解して働きたい方
コンシューマ事業は7,037名で売上30,151億円、セグメント利益5,508億円という構成です。
向いていない人
単一の事業だけに集中したい方
報告セグメントは5つあり、グループ会社の数も多い構成です。
会社の枠組みが安定していることを重視する方
2025年6月30日に終了した3カ月間より、メディア・EC事業に区分されていたPayPay銀行株式会社がファイナンス事業へ移管されています。セグメント区分は動きます。
エージェントベストの見解
面接で最後まで詰められるのは、「通信の会社として志望しているのか、それ以外を含めて志望しているのか」です。有報の数字はこの2つを分けて示しています。コンシューマ事業は売上30,151億円・セグメント利益5,508億円で、依然として最大の柱です。ただし従業員は7,037名にとどまります。人員が最も多いのはメディア・EC事業の25,261名で、これはLINEヤフーグループです。売上の伸び率で見ると、ファイナンス24.3%、ディストリビューション18.8%、エンタープライズ8.7%に対し、コンシューマは2.1%、メディア・ECは2.4%。伸びている領域と人が多い領域は一致しません。準備としてお伝えしているのは、志望する事業を1つに絞り、その事業の売上・利益・従業員数を言えるようにしておくことです。もう1つ、応募先が提出会社なのかグループ会社なのかを確認してください。平均年間給与8,713千円は提出会社19,150名についての数字で、メディア・ECやファイナンスの各社には適用されません。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
連結従業員数58,432名に対し、提出会社は19,150名です。求人がどの法人のものかで、待遇の基準も業務の内容も変わります。
提出会社のセグメント別従業員数はコンシューマ5,956名、エンタープライズ6,088名、全社(共通)7,106名の3区分です。メディア・EC、ファイナンス、ディストリビューションの各事業は、提出会社の区分には現れません。
セグメント区分は動いています。2025年6月30日に終了した3カ月間より、PayPay銀行株式会社がメディア・EC事業からファイナンス事業へ移管され、前期の数値も遡及修正されています。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの事業領域か」と「なぜこの会社か」の2段で組み立てます。
前者については、5つのセグメントのどれを志望するのかを明確にします。通信、広告・コマース、法人ソリューション、ICT商材の流通、決済・金融では、必要な経験がまったく異なります。
後者の材料は有報にあります。売上高が7,038,680百万円と過去最高になったこと。営業利益が1,042,576百万円で前期比5.4%増、調整後EBITDAが18,196億円であること。ファイナンス事業のセグメント利益が2倍を超えたこと。メディア・EC事業がアスクル株式会社のシステム障害の影響などで減益になったこと。純利益7,266億円のうち1,759億円が非支配持分に帰属すること。
「グループ全体と提出会社を区別して理解している」ことが伝わると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
通信・ITの中途採用では、扱った規模と、そこで何を動かしたかが読まれます。
法人営業の経験がある方は、担当した業界、年間の予算額と達成率、提案から導入までの期間を書きます。エンタープライズ事業のソリューション等売上は4,950億円で、前期比13.2%増の領域です。
ネットワーク・インフラの経験がある方は、担当した設備の規模と、可用性やコストの改善に関わった内容を書きます。
決済・金融の経験がある方は、扱った取扱高の桁と、不正対策や与信でどこを担ったかを書きます。ファイナンス事業は前期比24.3%増の領域です。
データ・広告の経験がある方は、扱ったユーザー規模と、指標をどう動かしたかを書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ソフトバンクは東証プライム市場に上場する通信会社で、有価証券報告書 第40期(2026年3月期)の売上高は7,038,680百万円(前期比7.6%増・過去最高)、営業利益1,042,576百万円(同5.4%増)、税引前利益930,022百万円、親会社の所有者に帰属する純利益550,759百万円です。純利益7,266億円のうち1,759億円は非支配持分に帰属し、PayPay株式会社を含むLINEヤフーグループの利益増加が理由と記載されています。セグメント別の売上高はコンシューマ30,151億円、メディア・EC16,680億円、ディストリビューション10,563億円、エンタープライズ10,029億円、ファイナンス4,045億円。セグメント利益はコンシューマ5,508億円、メディア・EC2,404億円(前期比7.1%減)、エンタープライズ1,924億円、ファイナンス863億円(同107.1%増)、ディストリビューション353億円です。連結従業員数は58,432名(臨時22,906名は外数)で、うちメディア・EC事業が25,261名。提出会社の従業員数は19,150名、平均年齢42.0歳、平均勤続年数14.8年、平均年間給与8,713千円(増減率2.6%)です。
よくある質問
Q. ソフトバンクの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第40期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,713千円(対前事業年度増減率2.6%、従業員19,150名、平均年齢42.0歳、平均勤続年数14.8年)です。賞与および基準外賃金を含み、休職者・休業者は含みません。同じ通信のKDDIは10,510,939円(提出会社9,891名、平均年齢42.3歳)です。なおこの数字は提出会社のもので、LINEヤフーグループやPayPayなどのグループ会社には適用されません。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. どの事業が中心ですか。
A. 売上高ではコンシューマ事業が30,151億円で最大、セグメント利益も5,508億円で最大です。ただし従業員数は7,037名にとどまります。人員が最も多いのはメディア・EC事業の25,261名(全体の約43.2%)で、売上高は16,680億円。伸び率で見るとファイナンス事業が売上24.3%増・セグメント利益107.1%増、ディストリビューション事業が売上18.8%増と大きく、コンシューマ事業は売上2.1%増です。
Q. グループ会社が多いようですが、応募先はどう見分ければよいですか。
A. 有報のセグメント別従業員数を見ると、提出会社の区分はコンシューマ5,956名、エンタープライズ6,088名、全社(共通)7,106名の3つだけです。合計19,150名で、連結58,432名との差はLINEヤフーグループ(メディア・EC)やPayPayを含むファイナンス事業などのグループ会社にあたります。平均年間給与8,713千円は提出会社についての数字なので、応募先がどの法人かを確認したうえで、その法人の待遇を選考の過程でご確認ください。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。