ソニーグループの評判|年収・働き方・選考対策まで解説
ソニーグループの有価証券報告書 第109期(2026年3月期)は、読み方に注意が要ります。営業利益1,447,507百万円は5期で最も高い一方、当社株主に帰属する当期純損益は△326,865百万円の損失です。総資産額も35,293,173百万円から15,683,490百万円へ減っています。原因は金融事業のパーシャル・スピンオフです。この記事では、その中身と働く側への影響を有報から整理します。
営業利益は最高、純損益は赤字
| 年度 | 売上高及び金融ビジネス収入 | 営業利益 | 当社株主に帰属する当期純利益(損失) | 株主資本比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度(2022年3月) | 9,921,513百万円 | 1,202,339百万円 | 882,178百万円 | 23.4% | 108,900人 |
| 2022年度(2023年3月) | 10,974,373百万円 | 1,302,389百万円 | 1,005,277百万円 | 21.2% | 113,000人 |
| 2023年度(2024年3月) | 11,260,037百万円 | 1,035,255百万円 | 970,573百万円 | 22.2% | 113,000人 |
| 2024年度(2025年3月) | 12,034,917百万円 | 1,276,635百万円 | 1,141,600百万円 | 23.2% | 112,300人 |
| 2025年度(2026年3月) | 12,479,620百万円 | 1,447,507百万円 | △326,865百万円 | 51.8% | 94,900人 |
数値は有価証券報告書 第109期(2025年4月1日~2026年3月31日)によります。連結財務諸表はIFRSにもとづいて作成されています。
営業利益は1,276,635百万円から1,447,507百万円へ増えています。それでも当社株主に帰属する当期純損益がマイナスになったのは、金融事業の扱いが変わったためです。
有報の注記には、2025年5月14日の取締役会決議にともない2025年度第1四半期より金融事業を非継続事業に分類し、2025年10月1日付で金融事業のパーシャル・スピンオフを実行したと記載されています。ソニーフィナンシャルグループ株式会社(SFGI)の株式を現物配当し、同日付でソニーグループが保有するSFGI株式の持分比率は16.40%になりました。
連結損益計算書では、この扱いが数字にそのまま出ています。
| 項目 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 継続事業からの当期純利益 | 1,085,718百万円 | 1,055,266百万円 |
| 非継続事業からの当期純利益(損失) | 74,169百万円 | △1,357,758百万円 |
| 当期純利益(損失) | 1,159,887百万円 | △302,492百万円 |
継続事業だけを見れば1,055,266百万円の利益です。有報にも、継続事業の親会社株主に帰属する当期純利益を用いて算定した2025年度の株主資本利益率は12.6%と注記されています。
総資産が半分以下になった
総資産額は35,293,173百万円から15,683,490百万円へ、19,609,683百万円減りました。金融事業が連結から外れたためです。
同時に株主資本比率は23.2%から51.8%へ上がっています。銀行・保険を含むグループから、その部分を切り離した結果です。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社(ソニーグループ株式会社)の平均年間給与は11,550,986円(対前事業年度増減率3.3%)です。従業員2,166人、平均年齢42.7歳、平均勤続年数16.0年。賞与および基準外賃金を含みます。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は84%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有報の人材戦略には「越境経験」として、専門性・組織・国境を越える経験機会の提供が挙げられています。また全社員の約半数が日本国外での事業活動に従事し、そのうちの9割以上が現地採用社員であると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
有報には、ソニーの労働組合員数は全従業員数の約8%であり労使関係は良好と記載されています。提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は20.5%、グループ全体の管理職に占める女性の割合は33.0%です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
この会社の平均年収を調べると11,550,986円という数字が出てきますが、これは持株会社であるソニーグループ株式会社の2,166人についてのものです。連結の従業員は94,900人ですから、全体の約2.3%にあたります。有報にはグループ内で従業員数が多い2社の数字も並んでおり、ここを見ると実態が分かります。ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社は9,265人で7,619,488円、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は7,420人で10,044,992円。同じグループでも約393万円の差があります。持株会社と、半導体の設計を担う会社と、製造を担う会社では、仕事の中身も報酬の水準も違うということです。応募を検討する立場では、まず「どの法人の求人か」を確定させてください。そのうえで、その法人の平均年齢と平均勤続年数を見ると、自分が入る等級の見当がつきます。3社の平均年齢は42.7歳、43.6歳、42.8歳とほぼ同じで、差は職務の内容から来ています。
報酬について確認できること
有価証券報告書には、提出会社に加えてグループ内で従業員数が多い2社の数値も記載されています。
| 会社 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 | 対前事業年度増減率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソニーグループ株式会社 | 2,166人 | 42.7歳 | 16.0年 | 11,550,986円 | 3.3% |
| ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 7,420人 | 43.6歳 | 15.9年 | 10,044,992円 | 3.2% |
| ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 | 9,265人 | 42.8歳 | 15.5年 | 7,619,488円 | 2.9% |
いずれも2026年3月31日現在。賞与および基準外賃金を含みます。
他のメーカーと並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|
| 株式会社キーエンス | 21,783,259円 | 35.0歳 | 3,306人 |
| ソニーグループ株式会社 | 11,550,986円 | 42.7歳 | 2,166人 |
| TDK株式会社 | 9,211,552円 | 43.0歳 | 6,573人 |
| セイコーエプソン株式会社 | 8,087千円 | 42.9歳 | 12,311人 |
| シャープ株式会社 | 7,818千円 | 44.5歳 | 5,553人 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
なお提出会社の労働者の男女の賃金の差異は、全労働者82.8%、正規雇用労働者83.4%、パート・有期労働者66.9%と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
5つの分野の稼ぎ方が違う
2025年度のセグメント別の数値です。
| 分野 | セグメント売上高 | セグメント営業利益 | 前年度の営業利益 |
|---|---|---|---|
| ゲーム&ネットワークサービス | 4,685,651百万円 | 463,258百万円 | 414,819百万円 |
| 音楽 | 2,120,110百万円 | 446,986百万円 | 357,255百万円 |
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス | 2,260,532百万円 | 158,584百万円 | 190,926百万円 |
| イメージング&センシング・ソリューション | 2,151,533百万円 | 357,318百万円 | 261,147百万円 |
| 映画 | 1,499,290百万円 | 104,872百万円 | 117,284百万円 |
| その他 | 89,072百万円 | △74,646百万円 | △17,996百万円 |
売上規模ではゲーム&ネットワークサービスが4,685,651百万円と突出しています。ただし営業利益で見ると、音楽が446,986百万円でほぼ並びます。
音楽は売上2,120,110百万円で利益446,986百万円ですから、利益率は約21.1%。ゲーム&ネットワークサービスは約9.9%です。売上の規模と利益の出やすさは一致しません。
イメージング&センシング・ソリューションは261,147百万円から357,318百万円へ、約36.8%増えています。
エンタテインメント・テクノロジー&サービスは190,926百万円から158,584百万円へ減りました。
人員はどこに厚いか
2026年3月31日現在のセグメント別従業員数です。
| 分野 | 従業員数 |
|---|---|
| エンタテインメント・テクノロジー&サービス | 33,100人 |
| イメージング&センシング・ソリューション | 18,800人 |
| ゲーム&ネットワークサービス | 12,300人 |
| 音楽 | 11,400人 |
| 映画 | 11,300人 |
| その他 | 1,600人 |
| 全社(共通) | 6,400人 |
| 合計 | 94,900人 |
従業員数はエンタテインメント・テクノロジー&サービスが33,100人で最多です。この分野の営業利益は158,584百万円で、5分野のなかでは映画に次いで小さい部類にあたります。
一方、音楽は11,400人で446,986百万円の営業利益を出しています。
有報によると、2025年度末の従業員数は前事業年度末から約17,400名減りました。理由として、金融事業のパーシャル・スピンオフにともなうSFGIの連結除外、エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(国内)における構造改革、イメージング&センシング・ソリューション分野(海外)における子会社持分の売却等が挙げられています。
この会社で積める経験
キャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、事業構成が変わりました。 金融事業が2025年10月1日付で外れ、総資産額は35,293,173百万円から15,683,490百万円になりました。
第二に、利益の柱が複数あります。 ゲーム&ネットワークサービス463,258百万円、音楽446,986百万円、イメージング&センシング・ソリューション357,318百万円。この3つで営業利益の大半を占めます。
第三に、人員は減っています。 従業員数は112,300人から94,900人へ、約17,400名減りました。
向いている人/向いていない人
向いている人
知的財産から継続的に収益を得る仕組みに関心がある方
音楽は売上2,120,110百万円に対し営業利益446,986百万円で、利益率は約21.1%です。
イメージセンサーなど半導体の領域に専門性がある方
イメージング&センシング・ソリューションの営業利益は261,147百万円から357,318百万円へ約36.8%増えています。
国境を越えて働きたい方
有報には、全社員の約半数が日本国外での事業活動に従事し、そのうちの9割以上が現地採用社員と記載されています。
向いていない人
単一の事業に長く関わりたい方
ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体と分野が分かれ、この5年で金融事業が切り離されています。
組織の規模が安定していることを重視する方
従業員数は約17,400名減りました。エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(国内)では構造改革が進行しています。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「どの分野の会社として志望しているか」です。この会社は5つの分野が別々の事業として動いており、志望動機が漠然としていると最初の質問で止まります。数字で違いを押さえておいてください。売上ではゲーム&ネットワークサービスが4,685,651百万円で最大、営業利益では同463,258百万円と音楽446,986百万円がほぼ並びます。人員はエンタテインメント・テクノロジー&サービスが33,100人で最多ですが、営業利益は158,584百万円で前年度から減っています。音楽は11,400人で446,986百万円。1人あたりで見ると、分野ごとの事業の性格がはっきり分かれます。準備としてお伝えしているのは、自分の経験がどの分野の収益構造に効くのかを一文で言えるようにしておくことです。作品や製品への思い入れは前提として、そのうえで「自分は何を増やせるのか」を語れる人が通ります。もう1つ、金融事業が2025年10月1日付で外れている点は押さえておいてください。過去の記事や資料に載っているグループ構成は、いまと違います。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
グループの法人が複数あります。提出会社の従業員は2,166人で、連結94,900人の約2.3%です。求人がどの法人のものかで、報酬水準も仕事の内容も変わります。
金融事業は2025年10月1日付でパーシャル・スピンオフを実行し、ソニーグループが保有するSFGI株式の持分比率は16.40%になりました。金融領域の求人は、この関係を確認してから応募したほうがよいです。
エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(国内)では構造改革が進んでいると有報に記載されています。配属予定の分野がどの局面にあるかは確認したい項目です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜこの分野か」と「なぜソニーグループか」の2段で組み立てます。
前者については、5分野のどれを志望するのかを明確にします。ゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス、半導体では、必要な経験も評価される実績も違います。
後者の材料は有報にあります。営業利益が1,276,635百万円から1,447,507百万円へ増えたこと。一方で当社株主に帰属する当期純損益が△326,865百万円になったのは、非継続事業からの当期純損失△1,357,758百万円によること。継続事業だけなら1,055,266百万円の利益であること。総資産額が半分以下になり、株主資本比率が23.2%から51.8%へ上がったこと。
「損失の中身を理解している」ことが伝わると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
この会社の中途採用では、担当した領域の専門性と、事業の数字への関与が読まれます。
ゲーム・ネットワークサービスの経験がある方は、担当したタイトルまたはサービスと、課金・継続率をどう動かしたかを書きます。この分野の売上内訳はデジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ2,415,305百万円、ハードウェア・その他1,391,622百万円、ネットワーク763,126百万円です。
音楽・映画の経験がある方は、扱ったアーティストや作品の区分と、権利をどう収益化したかを書きます。
半導体の経験がある方は、担当したデバイスと、歩留まりや生産性の改善に関わった内容を書きます。イメージング&センシング・ソリューションの営業利益は約36.8%増えています。
エレクトロニクスの経験がある方は、担当した製品と、企画から量産までのどこを担ったかを書きます。ただしこの分野は国内で構造改革が進んでいる点を踏まえてください。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
ソニーグループは東証プライム市場に上場する企業で、有価証券報告書 第109期(2026年3月期)の売上高及び金融ビジネス収入は12,479,620百万円、営業利益1,447,507百万円、税引前利益1,422,374百万円です。当社株主に帰属する当期純損益は△326,865百万円ですが、これは2025年10月1日付で実行した金融事業のパーシャル・スピンオフにともない金融事業を非継続事業に分類したためで、継続事業からの当期純利益は1,055,266百万円、非継続事業からの当期純損失は△1,357,758百万円です。総資産額は35,293,173百万円から15,683,490百万円へ減り、株主資本比率は23.2%から51.8%へ上がりました。セグメント別営業利益はゲーム&ネットワークサービス463,258百万円、音楽446,986百万円、イメージング&センシング・ソリューション357,318百万円、エンタテインメント・テクノロジー&サービス158,584百万円、映画104,872百万円です。従業員数は94,900人で前年度から約17,400名減。提出会社の従業員数は2,166人、平均年齢42.7歳、平均勤続年数16.0年、平均年間給与11,550,986円(増減率3.3%)です。
よくある質問
Q. ソニーグループの年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第109期(2026年3月期)によると、提出会社であるソニーグループ株式会社の平均年間給与は11,550,986円(対前事業年度増減率3.3%、従業員2,166人、平均年齢42.7歳、平均勤続年数16.0年)です。ただしこの2,166人は持株会社の人員で、連結94,900人の約2.3%にあたります。有報にはグループ内で従業員数が多い2社も記載されており、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社が7,420人で10,044,992円、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社が9,265人で7,619,488円です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. 赤字なのですか。
A. 営業利益は1,447,507百万円で、5期のなかで最も高い水準です。当社株主に帰属する当期純損益が△326,865百万円になったのは、2025年10月1日付で実行した金融事業のパーシャル・スピンオフにともない金融事業を非継続事業に分類し、非継続事業からの当期純損失△1,357,758百万円を計上したためです。継続事業からの当期純利益は1,055,266百万円で、有報には継続事業ベースの株主資本利益率が12.6%と注記されています。
Q. どの事業が中心ですか。
A. 2025年度のセグメント売上高はゲーム&ネットワークサービス4,685,651百万円、エンタテインメント・テクノロジー&サービス2,260,532百万円、イメージング&センシング・ソリューション2,151,533百万円、音楽2,120,110百万円、映画1,499,290百万円です。営業利益ではゲーム&ネットワークサービス463,258百万円と音楽446,986百万円がほぼ並び、イメージング&センシング・ソリューションが357,318百万円で続きます。従業員数はエンタテインメント・テクノロジー&サービスが33,100人で最多です。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。