トヨタ自動車の評判|年収・働き方・選考対策まで解説
トヨタ自動車の有価証券報告書 第122期(2026年3月期)は、増収と減益が同時に起きた期です。営業収益は50兆6,849億円で過去最高、連結販売台数も959万5千台と2.5%増えました。それでも営業利益は3兆7,662億円で、前期から1兆293億円(21.5%)減っています。この記事では、その差がどこで生まれたのかと、働く側から見た意味を有報から整理します。
販売台数は増えたのに営業利益は21.5%減
| 年度 | 営業収益 | 税引前利益 | 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 親会社所有者帰属持分利益率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第118期(2022年3月) | 31,379,507百万円 | 3,990,532百万円 | 2,850,110百万円 | 11.5% | 372,817人 |
| 第119期(2023年3月) | 37,154,298百万円 | 3,668,733百万円 | 2,451,318百万円 | 9.0% | 375,235人 |
| 第120期(2024年3月) | 45,095,325百万円 | 6,965,085百万円 | 4,944,933百万円 | 15.8% | 380,793人 |
| 第121期(2025年3月) | 48,036,704百万円 | 6,414,590百万円 | 4,765,086百万円 | 13.6% | 383,853人 |
| 第122期(2026年3月) | 50,684,952百万円 | 5,152,996百万円 | 3,848,098百万円 | 10.1% | 390,927人 |
数値は有価証券報告書 第122期(2026年3月31日に終了した1年間)によります。連結財務諸表はIFRSにもとづきます。従業員数の平均臨時雇用人員は外数で、第122期は99,032人です。
営業収益は5期で約1.62倍になりました。一方で税引前利益は第120期の6,965,085百万円をピークに2期連続で減り、5,152,996百万円になっています。
有報には当期の業績が次のように記載されています。
- 営業収益 50兆6,849億円(前期比増減 2兆6,482億円・5.5%)
- 営業利益 3兆7,662億円(同 △1兆293億円・△21.5%)
- 税引前利益 5兆1,529億円(同 △1兆2,615億円・△19.7%)
- 親会社の所有者に帰属する当期利益 3兆8,480億円(同 △9,169億円・△19.2%)
減益の内訳が数字で書かれている
営業利益の主な増減要因も有報に記載されています。
| 要因 | 金額 |
|---|---|
| 営業面の努力 | 7,100億円 |
| 原価改善の努力 | △1,200億円 |
| 為替変動の影響 | △1,950億円 |
| 諸経費の増減・低減努力 | △2兆300億円 |
| その他 | 6,057億円 |
最大のマイナス要因は諸経費の増減・低減努力で△2兆300億円です。営業面の努力7,100億円を大きく上回ります。
連結販売台数は959万5千台で、前期比23万2千台(2.5%)の増加でした。日本は208万2千台で9万1千台(4.6%)増、海外は751万3千台で14万2千台(1.9%)増です。
台数は増えています。それでも利益が減ったということは、1台あたりの費用が上がったことを意味します。
有報の事業等のリスクには、2025年に自動車産業に特化した関税を含む対米輸出関税の大幅な引き上げが発表され、現在も高い関税率が継続していると記載されています。また経営環境の記述には、投資の拡大に加え米国関税の影響も重なり、足元では損益分岐台数が大きく上昇しているとあります。
開示された数値から読み取れること
以下は、有価証券報告書と公表情報から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。
年収・評価制度
提出会社の平均年間給与は10,060,464円(対前事業年度増減率2.4%)です。従業員73,133人、平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.1年。賞与および基準外賃金を含みます。臨時従業員16,689人は外数です。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
ワークライフバランス
有報に労働時間の数値の記載はありません。提出会社の男性労働者の育児休業取得率は79.0%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
キャリア・成長機会
有報には、一定の要件を満たす幹部職を対象とした従業員に対する株式交付制度を導入していると記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
社風・人間関係
提出会社の管理職に占める女性労働者の割合は3.9%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者67.0%と記載されています。
※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです
エージェントベストの見解
平均年間給与10,060,464円という数字を見るときは、平均年齢40.5歳・平均勤続年数15.1年をセットで見てください。差は約25.4年で、多くが新卒から在籍している構成です。加えてこの73,133人には、事業別セグメントで自動車事業に属する66,018人が含まれます。工場で働く方も本社の技術職も同じ平均に入っています。中途で入る立場で参考になるのは、平均値そのものより、この会社が10兆円規模で費用を動かしている点です。第122期の営業利益は諸経費の増減・低減努力で△2兆300億円のマイナス要因を計上しました。つまりいまは費用の使い方が問われる局面にあります。面接でも「あなたはどこにコストをかけ、どこを削るのか」を聞かれる可能性があります。数字で語れる準備をしておいてください。もう1つ、グループ会社への出向や転籍が前提になる職種もあります。応募先の法人と、想定されるキャリアの動き方は確認する価値があります。
報酬について確認できること
有価証券報告書によると、提出会社の平均年間給与は10,060,464円です。対前事業年度増減率は2.4%。従業員数73,133人(臨時従業員16,689人は外数)、平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.1年です。
提出会社の事業別セグメント別の従業員数は、自動車事業66,018人、その他の事業307人、全社(共通)6,808人です。
他のメーカーと並べると、位置関係が見えます。
| 会社 | 平均年間給与 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 提出会社の従業員数 |
|---|---|---|---|---|
| ソニーグループ株式会社 | 11,550,986円 | 42.7歳 | 16.0年 | 2,166人 |
| トヨタ自動車株式会社 | 10,060,464円 | 40.5歳 | 15.1年 | 73,133人 |
| 株式会社デンソー | 9,152,532円 | 44.8歳 | 22.9年 | 43,889人 |
| ダイキン工業株式会社 | 8,964,767円 | 41.2歳 | 16.6年 | 8,212人 |
各社の有価証券報告書によります。決算期が異なる会社が含まれます。
トヨタ自動車の提出会社の従業員数73,133人は、この4社で最も多い数字です。ソニーグループの2,166人は持株会社の人員であるため、母集団の性格が異なります。
提出会社の経営指標も開示されています。第122期の売上高は18,259,979百万円、経常利益4,197,319百万円、当期純利益3,392,326百万円、自己資本比率74.8%、自己資本利益率15.0%です。
なお提出会社の労働者の男女の賃金の差異は、全労働者67.0%、正社員66.8%、パート・有期契約社員等59.7%と記載されています。
実額は選考の過程で確認してください。
総資産の半分は金融事業
報告セグメントは自動車、金融、その他の3区分です。第122期の数値です。
| セグメント | 外部顧客への営業収益 | 営業利益 | 前期の営業利益 | 資産合計 |
|---|---|---|---|---|
| 自動車 | 45,201,924百万円 | 2,777,049百万円 | 3,940,278百万円 | 33,182,372百万円 |
| 金融 | 4,819,003百万円 | 851,722百万円 | 683,519百万円 | 53,741,709百万円 |
| その他 | 664,026百万円 | 132,079百万円 | 181,194百万円 | 4,066,133百万円 |
| 消去又は全社 | - | 5,366百万円 | △9,405百万円 | 14,532,118百万円 |
| 連結 | 50,684,952百万円 | 3,766,216百万円 | 4,795,586百万円 | 105,522,331百万円 |
自動車セグメントの営業利益は3,940,278百万円から2,777,049百万円へ、約29.5%減りました。
一方、金融セグメントは683,519百万円から851,722百万円へ約24.6%増えています。営業収益4,819,003百万円は自動車の約10.7%ですが、営業利益では自動車の約30.7%にあたります。
さらに目を引くのが資産です。金融セグメントの資産合計53,741,709百万円は、連結総資産105,522,331百万円の約50.9%を占めます。自動車の33,182,372百万円を上回ります。
金融セグメントは、有報の説明によると「主として当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業」です。バランスシートの半分がここにある会社だという点は、押さえておく価値があります。
生産と販売の地域構成
外部顧客への営業収益の地域別内訳です。
| 地域 | 第121期 | 第122期 |
|---|---|---|
| 日本 | 10,719,120百万円 | 10,985,614百万円 |
| 米国 | 16,981,710百万円 | 18,493,969百万円 |
| その他 | 20,335,874百万円 | 21,205,369百万円 |
米国が18,493,969百万円で、日本の約1.68倍です。連結の36.5%にあたります。
自動車事業の生産実績も地域別に開示されています。
| 地域 | 生産台数 | 前期比 |
|---|---|---|
| 日本 | 4,148,936台 | +3.7% |
| 北米 | 2,049,572台 | +4.7% |
| アジア | 1,802,323台 | +0.7% |
| 欧州 | 815,009台 | +0.5% |
| その他 | 476,733台 | △2.9% |
| 合計 | 9,292,573台 | +2.7% |
日本での生産が4,148,936台で全体の約44.6%です。売上では米国が最大の市場でありながら、生産は国内の比重が高い構造になっています。対米輸出関税の影響を受けやすい理由がここにあります。
この規模で積める経験
キャリアを考えるうえで、押さえるべき点が3つあります。
第一に、増収と減益が同時に起きています。 営業収益は5.5%増、営業利益は21.5%減です。
第二に、金融事業が利益と資産の柱の1つです。 営業利益851,722百万円、資産合計は連結総資産の約50.9%を占めます。
第三に、従業員数は増えています。 372,817人から390,927人へ、5期で18,110人増えました。
向いている人/向いていない人
向いている人
大量生産の現場で費用構造に踏み込みたい方
第122期の営業利益は諸経費の増減・低減努力で△2兆300億円のマイナス要因を計上しています。
金融・リースの領域に関心がある方
金融セグメントの資産合計53,741,709百万円は連結総資産の約50.9%です。
海外市場を前提に働きたい方
外部顧客への営業収益は米国18,493,969百万円が日本10,985,614百万円の約1.68倍です。
向いていない人
短期で成果が数字に出る仕事を求める方
生産台数9,292,573台の規模では、施策が損益に表れるまでに時間がかかります。
少人数の組織で幅広く動きたい方
連結従業員数は390,927人、提出会社だけでも73,133人です。
エージェントベストの見解
面接で問われるのは、「いまが良い時期だと思っているか」です。この期は営業収益が過去最高の50兆6,849億円で、連結販売台数も959万5千台と2.5%増えました。それでも営業利益は21.5%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は19.2%減です。台数が増えて利益が減るのは、1台あたりの費用が上がったからです。有報は減益要因を数字で示しており、諸経費の増減・低減努力が△2兆300億円。さらに事業等のリスクには、2025年の対米輸出関税の大幅な引き上げと高い関税率の継続が記載され、損益分岐台数が大きく上昇しているとも書かれています。志望動機を「世界一の自動車メーカーだから」で組み立てると、この局面の認識がないと受け取られます。準備としてお伝えしているのは、生産が日本4,148,936台(全体の約44.6%)である一方、売上は米国18,493,969百万円が最大という構造を押さえたうえで、自分の経験がどちらの側に効くのかを言えるようにしておくことです。募集の有無と職種は、公式の採用ページでご確認ください。
選考に向けた準備
応募の前に確かめること
連結従業員数は390,927人、提出会社は73,133人です。求人がどの法人のものかで、待遇の基準も業務の内容も変わります。
提出会社の事業別セグメント別の従業員数は自動車事業66,018人、その他の事業307人、全社(共通)6,808人です。金融事業の16,222人は連結ベースの数字で、提出会社の区分には現れません。
有報の事業等のリスクに、対米輸出関税と貿易政策の変更が記載されています。生産と販売の地域配置は今後動く可能性があるため、勤務地の前提は確認しておきたい点です。
募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。
志望動機で問われること
「なぜ自動車か」と「なぜトヨタ自動車か」の2段で組み立てます。
前者については、志望する領域を明確にします。車両開発、生産技術、ソフトウェア、金融、購買では、必要な経験も評価される実績も違います。
後者の材料は有報にあります。営業収益が50,684,952百万円と過去最高になった一方、営業利益が21.5%減ったこと。減益要因の内訳が示され、諸経費の増減・低減努力が△2兆300億円であること。連結販売台数が959万5千台で2.5%増えたこと。金融セグメントの資産合計が連結総資産の約50.9%を占めること。生産の約44.6%が日本であること。
「増収減益の中身を理解している」ことが伝わると、下調べの深さが伝わります。
職務経歴書で見られるポイント
この会社の中途採用では、扱った規模と、費用や品質にどう関与したかが読まれます。
車両・部品開発の経験がある方は、担当した領域と、性能・コスト・法規のどれを主に担ったかを書きます。
生産技術・製造の経験がある方は、担当したラインの規模と、サイクルタイムや不良率をどう動かしたかを書きます。日本での生産は4,148,936台です。
ソフトウェア・電子の経験がある方は、扱った制御対象やシステムの規模と、車載要件への対応でどこを担ったかを書きます。
購買・原価の経験がある方は、担当した品目の金額規模と、単価をどう動かしたかを書きます。諸経費が最大の減益要因になっている局面では、この経験の価値が上がります。
金融・リースの経験がある方は、扱った債権の規模と、与信や回収の指標を書きます。
いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。
まとめ
トヨタ自動車は東証プライム市場に上場する自動車メーカーで、有価証券報告書 第122期(2026年3月期)の営業収益は50,684,952百万円(前期比5.5%増・過去最高)、営業利益3,766,216百万円(同21.5%減)、税引前利益5,152,996百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益3,848,098百万円(同19.2%減)、親会社所有者帰属持分利益率10.1%、連結従業員数390,927人(平均臨時雇用人員99,032人は外数)です。連結販売台数は959万5千台で2.5%増、日本208万2千台・海外751万3千台。営業利益の減益要因は諸経費の増減・低減努力△2兆300億円、為替変動の影響△1,950億円などで、営業面の努力は7,100億円のプラスでした。セグメント別の営業利益は自動車2,777,049百万円(前期比約29.5%減)、金融851,722百万円(同約24.6%増)で、金融の資産合計53,741,709百万円は連結総資産の約50.9%を占めます。提出会社の従業員数は73,133人、平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.1年、平均年間給与10,060,464円(増減率2.4%)です。
よくある質問
Q. トヨタ自動車の年収はどのくらいですか。
A. 有価証券報告書 第122期(2026年3月期)によると、提出会社の平均年間給与は10,060,464円(対前事業年度増減率2.4%、従業員73,133人、平均年齢40.5歳、平均勤続年数15.1年)です。賞与および基準外賃金を含み、臨時従業員16,689人は外数です。この73,133人には自動車事業66,018人が含まれ、製造から本社機能までが同じ平均に入っています。同じ自動車業界のデンソーは9,152,532円(平均年齢44.8歳、平均勤続年数22.9年)です。実額は選考の過程でご確認ください。
Q. なぜ増収なのに減益なのですか。
A. 有報は営業利益の主な増減要因を数値で示しています。営業面の努力7,100億円、原価改善の努力△1,200億円、為替変動の影響△1,950億円、諸経費の増減・低減努力△2兆300億円、その他6,057億円。最大のマイナス要因は諸経費です。連結販売台数は959万5千台と2.5%増えており、台数が増えて利益が減ったのは1台あたりの費用が上がったためです。事業等のリスクには、2025年の対米輸出関税の大幅な引き上げと高い関税率の継続が記載され、損益分岐台数が大きく上昇しているとも書かれています。
Q. 金融事業はどのくらいの規模ですか。
A. 第122期の外部顧客への営業収益は4,819,003百万円で、自動車セグメントの45,201,924百万円の約10.7%です。一方で営業利益は851,722百万円と自動車2,777,049百万円の約30.7%にあたり、前期の683,519百万円から約24.6%増えました。資産合計は53,741,709百万円で、連結総資産105,522,331百万円の約50.9%を占めます。有報の説明では、グループが製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業とされています。
本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。
本記事は 2026/8/6 時点の公開情報にもとづいて作成しています。