安川電機の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

安川電機 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/8

安川電機の有価証券報告書 第110期(2026年2月期)を見ると、親会社の所有者に帰属する当期利益が56,987百万円から35,240百万円へ38.2%減っています。ところが営業利益の減少幅は50,156百万円から47,307百万円で5.7%です。この差は事業の失速ではなく、前期に計上された一過性の項目によるものです。この記事では、その読み分け方と待遇を有価証券報告書から整理します。

営業利益は5.7%減、当期利益は38.2%減

まず5期の推移です。

回次決算年月売上収益営業利益税引前当期利益親会社の所有者に帰属する当期利益親会社所有者帰属持分当期利益率
第106期2022年2月479,082百万円52,860百万円55,378百万円38,354百万円14.3%
第107期2023年2月555,955百万円68,301百万円71,134百万円51,783百万円16.2%
第108期2024年2月575,658百万円66,225百万円69,078百万円50,687百万円13.6%
第109期2025年2月537,682百万円50,156百万円78,454百万円56,987百万円13.7%
第110期2026年2月542,122百万円47,307百万円49,563百万円35,240百万円7.7%

第109期に注目してください。営業利益は50,156百万円ですが、税引前当期利益は78,454百万円です。営業利益より28,298百万円多くなっています。

理由は連結損益計算書に載っています。第109期には「関連会社投資に係る売却及び評価損益」として26,777百万円が計上されました。第110期にはこの項目の計上がありません。

項目第109期第110期
営業利益50,156百万円47,307百万円
金融収益2,516百万円4,556百万円
金融費用△3,788百万円△3,067百万円
持分法による投資損益2,792百万円766百万円
関連会社投資に係る売却及び評価損益26,777百万円
税引前当期利益78,454百万円49,563百万円
親会社の所有者に帰属する当期利益56,987百万円35,240百万円

前期に一度だけ乗った26,777百万円が抜けたことで、税引前当期利益が28,891百万円減りました。営業利益の減少2,849百万円と比べると、桁がひとつ違います。

親会社所有者帰属持分当期利益率が13.7%から7.7%へ下がったのも、この項目の有無で説明がつきます。売上収益は537,682百万円から542,122百万円へ、わずかながら増えています。

ロボットが売上でモーションコントロールを逆転した

セグメント別の状況です。外部顧客への売上収益と営業利益を並べます。

セグメント第109期 売上第110期 売上第109期 営業利益第110期 営業利益
モーションコントロール238,752百万円236,053百万円23,005百万円24,384百万円
ロボット237,413百万円247,012百万円23,751百万円20,418百万円
システムエンジニアリング38,352百万円38,744百万円4,605百万円4,989百万円
その他23,164百万円20,311百万円1,591百万円1,988百万円
調整額△2,797百万円△4,473百万円
連結計537,682百万円542,122百万円50,156百万円47,307百万円

売上と利益で順位が入れ替わっています。

第109期はモーションコントロール238,752百万円がロボット237,413百万円をわずかに上回っていました。第110期はロボットが247,012百万円で、モーションコントロール236,053百万円を上回ります。ロボットは9,599百万円(約4.0%)増、モーションコントロールは2,699百万円減です。

ところが営業利益は逆向きに動きました。ロボットは23,751百万円から20,418百万円へ約14.0%減り、モーションコントロールは23,005百万円から24,384百万円へ約6.0%増えています。第110期は、売上が大きいのはロボット、利益が大きいのはモーションコントロール、という状態です。

安川電機はサーボモータやインバータといったモーションコントロールの製品と、産業用ロボットの両方を持つ会社です。同じ「メカトロニクス」の枠のなかにあっても、売上の伸びと採算の動きは一致していません。

中期経営計画についても記載があります。「Realize25」の2025年度実績は売上収益5,421億円、営業利益473億円、営業利益率8.7%、ROE 7.7%、ROIC 6.9%、配当性向50.0%です。次の中期経営計画「Dash 35」では、2026年度から2029年度の累計で2,500億円の投資計画を立てているとされ、工場や事業所の再編、内製化や自動化および需要地生産の拡大などに充てる方針が示されています。

エージェントベストの見解

「当期利益が4割近く減った会社」という理由で応募を見送る方がいます。この会社に関しては、決算を段階で分けて読んでください。親会社の所有者に帰属する当期利益は56,987百万円から35,240百万円へ38.2%減りましたが、営業利益の減少は50,156百万円から47,307百万円で5.7%です。差の大半は、第109期に計上された「関連会社投資に係る売却及び評価損益」26,777百万円が第110期には無いことによります。売上収益はむしろ537,682百万円から542,122百万円へ増えました。つまり本業の水準は前期とほぼ同じで、一過性の項目が抜けた分だけ最終利益が落ちた期です。面接でこの点に触れられると、決算短信の見出しだけを読んできた候補者との差が出ます。あわせて、ロボットの営業利益が23,751百万円から20,418百万円へ減った一方でモーションコントロールが増えている点も確認しておくと、話が具体的になります。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は8,599,531円です。従業員数3,114人(臨時雇用者327人は外数)、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年。賞与および基準外賃金を含みます。2026年2月28日現在の数値です。

提出会社の経営指標では、売上高181,072百万円、経常利益30,223百万円、当期純利益30,872百万円、資本金30,562百万円と記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

男性労働者の育児休業取得率は72%です。残業時間は開示されていません。

キャッシュアロケーションの方針として、営業活動により生み出したキャッシュを投資・株主還元・従業員配分の3方向に効果的に投入することを基本方針とすると記載されています。従業員への配分が方針として明記されている点は、他社の記載と比べても具体的です。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

平均勤続年数は17.6年、平均年齢は42.7歳です。差し引くと入社時の年齢は約25.1歳になり、新卒入社が中心の構成といえます。

事業戦略として、AI・データ活用によるスマートファクトリの実現、医療・製薬品分野や食・農業分野での応用領域拡大、フィジカルAI市場の拡大が挙げられています。経営基盤の強化の項では、人材の多様化と育成強化、働きがいと組織力の向上が示されています。

米国で本社・技術開発拠点・産業用ロボットの生産工場等を集約した新キャンパスの設立を発表したこと、国内ではモータとロボットの一貫生産を行うロボット第5工場が竣工したことも記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

管理職に占める女性労働者の割合は3.1%です。提出会社の労働者に占める女性労働者の割合(臨時雇用者を除く)は13.2%と注記されています。

労働者の男女の賃金の差異は全労働者72.9%、正規雇用労働者75.6%、臨時雇用者54.9%です。有価証券報告書には、賃金制度・体系において性別による差異はなく、男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率および雇用形態の差異によるものと記載されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

連結12,483人に対し提出会社3,114人

セグメント別の従業員数です。

セグメント連結会社提出会社
モーションコントロール4,975人886人
ロボット4,728人909人
システムエンジニアリング737人
その他724人
全社(共通)1,319人1,319人
合計12,483人3,114人

2026年2月28日現在です。臨時雇用者の年間平均人員は連結1,879人、提出会社327人で、いずれも外数です。

提出会社3,114人は連結12,483人の約24.9%にあたります。残る約75.1%は国内外の子会社に所属している構成です。

提出会社のなかで最も人数が多いのは「全社(共通)」の1,319人で、提出会社3,114人の約42.4%を占めます。特定の部門に区分できない部門に所属している者と注記されています。事業セグメントに直接ひもづくのはモーションコントロール886人とロボット909人です。

従業員数の増減についても記載があります。モーションコントロールが前連結会計年度末に比べ178名減、ロボットが157名減で、主な要因はいずれも事業の効率化によるものとされています。

本店の所在地は北九州市八幡西区黒崎城石2番1号です。持分法適用関連会社として㈱YE DIGITAL(議決権37.9%)とゼネラルパッカー㈱(同15.3%)が挙げられています。

向いている人/向いていない人

向いている人

製品と応用の両方に関わりたい方

モーションコントロールとロボットに加え、システムエンジニアリングのセグメントがあります。部品としてのモータ・インバータと、それを組み合わせた自動化の両方を持つ構成です。

設備投資が続く局面に加わりたい方

中期経営計画「Dash 35」では2026年度から2029年度の累計で2,500億円の投資計画が示され、工場や事業所の再編、内製化・自動化、需要地生産の拡大に充てる方針が記載されています。

北九州を含む勤務地を受け入れられる方

本店の所在地は北九州市八幡西区です。国内ではモータとロボットの一貫生産を行うロボット第5工場が竣工しています。

向いていない人

提出会社の平均給与をグループ全体の目安と考えたい方

平均年間給与8,599,531円の対象は提出会社3,114人で、連結12,483人の約24.9%です。子会社に所属する場合は前提が変わります。

人員が増え続ける部門で働きたい方

モーションコントロールは前連結会計年度末比178名減、ロボットは157名減で、主な要因は事業の効率化によると記載されています。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われやすいのは、「モーションコントロールとロボットのどちらで何をしたいか」です。この会社は事業の柱が2本あり、その2本が別の動き方をしています。第110期は、ロボットの外部売上が247,012百万円でモーションコントロールの236,053百万円を上回りました。前期は逆でした。一方で営業利益はモーションコントロールが23,005百万円から24,384百万円へ増え、ロボットは23,751百万円から20,418百万円へ減っています。売上で勢いがあるのはロボット、採算で支えているのはモーションコントロール、という状態です。志望セグメントを1つに絞り、その事業の直近の売上と採算を踏まえて話せるようにしておいてください。あわせて、提出会社3,114人のうち事業セグメントに直接ひもづくのはモーションコントロール886人とロボット909人で、最大は全社(共通)の1,319人という配置も確認しておくと、応募先の位置づけを取り違えずに済みます。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

株式会社安川電機は東証プライム市場に上場しており、証券コードは6506です。本店の所在地は北九州市八幡西区黒崎城石2番1号、資本金は30,562百万円です。

連結12,483人に対し提出会社は3,114人です。求人がどの法人のものかで条件が変わります。持分法適用関連会社として㈱YE DIGITALやゼネラルパッカー㈱があります。

決算期は2月です。3月決算の会社と業績を比較するときは対象期間を揃えてください。ここを揃えないと、一過性項目の有無まで含めて見誤ります。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ産業機械・自動化か」と「なぜ安川電機か」の2段で組み立てます。

前者については、モーションコントロール、産業用ロボット、システムエンジニアリングのどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有価証券報告書にあります。第110期の売上収益が542,122百万円で前期から増えたこと。営業利益は47,307百万円で5.7%減にとどまる一方、当期利益は前期の一過性項目の反動で38.2%減となったこと。ロボットの外部売上が247,012百万円でモーションコントロールを上回った一方、営業利益ではモーションコントロールが上回ったこと。中期経営計画「Dash 35」で2026年度から2029年度の累計2,500億円の投資計画があること。米国での新キャンパス設立とロボット第5工場の竣工。

「売上の伸びと採算の動きが柱ごとに違う」という点に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

産業機械メーカーの中途採用では、担当した製品や工程と、そこで動かした数値が読まれます。

開発・設計の経験がある方は、担当した製品と開発規模、量産までの期間、性能やコストをどれだけ動かしたかを書きます。モータ・ドライブ・制御の領域はこの会社の中核です。

生産技術・製造の経験がある方は、担当ラインの生産数量と、歩留まりやタクトタイムの改善幅を書きます。中期経営計画では内製化・自動化・需要地生産の拡大が挙げられています。

システムエンジニアリングの経験がある方は、担当した案件の規模と業種、構想から立ち上げまでのどこを担ったかを書きます。

ソフトウェア・データ活用の経験がある方は、扱ったデータの種類と規模、現場のどの指標を改善したかを書きます。事業戦略にAI・データ活用が挙げられています。

海外拠点での勤務経験がある方は、赴任先と担当機能、現地で意思決定した内容を書きます。米国では拠点の集約が進んでいます。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

安川電機は東証プライム市場に上場する産業機械メーカーで、有価証券報告書 第110期(2026年2月期)の売上収益は542,122百万円、営業利益47,307百万円、税引前当期利益49,563百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益35,240百万円、連結従業員数12,483人です。当期利益は前期の56,987百万円から38.2%減りましたが、営業利益の減少は5.7%にとどまります。差の大半は、第109期に計上された「関連会社投資に係る売却及び評価損益」26,777百万円が第110期には無いことによります。セグメント別の外部売上はロボット247,012百万円、モーションコントロール236,053百万円、システムエンジニアリング38,744百万円、その他20,311百万円で、ロボットが売上でモーションコントロールを上回った一方、営業利益はモーションコントロール24,384百万円がロボット20,418百万円を上回りました。提出会社の従業員数は3,114人(連結の約24.9%)、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年、平均年間給与8,599,531円です。

よくある質問

Q. 安川電機の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第110期(2026年2月期)によると、提出会社の平均年間給与は8,599,531円です。従業員数3,114人(臨時雇用者327人は外数)、平均年齢42.7歳、平均勤続年数17.6年で、賞与および基準外賃金を含みます。ただしこれは提出会社に所属する3,114人についての数値で、連結12,483人の約24.9%にあたります。国内外の子会社に所属する場合は水準が異なります。提出会社のセグメント別の人員はモーションコントロール886人、ロボット909人、全社(共通)1,319人です。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 業績が落ちているのですか。

A. 有価証券報告書 第110期(2026年2月期)では、親会社の所有者に帰属する当期利益が前期の56,987百万円から35,240百万円へ38.2%減りました。一方で売上収益は537,682百万円から542,122百万円へ増え、営業利益は50,156百万円から47,307百万円で5.7%の減少にとどまります。差の主因は、第109期に計上された「関連会社投資に係る売却及び評価損益」26,777百万円が第110期には計上されていないことです。段階を分けて読むと、本業の水準は前期とほぼ同じ期だったと分かります。

Q. 勤務地はどこになりますか。

A. 有価証券報告書によると、本店の所在地は北九州市八幡西区黒崎城石2番1号です。国内ではモータとロボットの一貫生産を行うロボット第5工場が竣工したこと、米国では本社・技術開発拠点・産業用ロボットの生産工場等を集約した新キャンパスの設立を発表したことが記載されています。連結従業員12,483人のうち提出会社は3,114人で、残りは国内外の子会社に所属しています。実際の勤務地は募集ポジションによって変わりますので、公式の採用ページでご確認ください。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)