さくらケーシーエスの評判・年収・選考対策|転職で押さえるべきポイント

さくらケーシーエス 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/12

有価証券報告書が示す、会社の輪郭

さくらケーシーエスについて、第58期(2026年3月期)の有価証券報告書から確認できる事実を整理します。

提出会社の従業員の状況(2026年3月31日現在)

項目数値
従業員数961人
平均年齢44.8歳
平均勤続年数20.9年
平均年間給与7,447千円
平均年間給与の対前事業年度増減率7.1%

取締役を兼務しない執行役員18人は従業員数に含めていないと注記されています。

セグメント別の従業員数

セグメント連結提出会社
金融関連部門226人[182]182人
公共関連部門271人[42]248人
産業関連部門396人[34]379人
全社共通163人[17]152人
合計1,056人[275]961人

[ ]内は臨時雇用者数(最近1年間の平均就労人数、外数)です。

金融関連部門の臨時雇用者182人

連結226人に対し、臨時雇用者は182人。他の部門とは人員構成が大きく違います。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。最新の情報は各社公式サイトおよび有価証券報告書をご確認ください。

平均勤続20.9年という定着

平均年齢44.8歳、平均勤続年数20.9年。

この2つから、平均的な社員は23.9歳で入社している計算になります。新卒で入って長く勤める人が多数派であることが読み取れます。

IT業界としてはかなり長い

会社平均年齢平均勤続年数平均入社年齢
さくらケーシーエス44.8歳20.9年23.9歳
アイエックス・ナレッジ39.2歳15.2年24.0歳
キーウェアソリューションズ41歳10ヶ月17年2ヶ月約24.7歳
アイサンテクノロジー41.0歳12.5年28.5歳

20.9年という水準

上の4社のなかで最も長く、平均年齢も最も高くなっています。

中途で入る方にとっての意味

同僚の多くが20年以上在籍している環境です。社内の蓄積は厚い一方、外から入ると分かりにくい前提もあります。

確認のしかた

「直近3年の中途採用は何名ですか」。実数で聞くと、受け入れが型になっているかが見えます。

平均年間給与7,447千円

対前事業年度増減率は7.1%。上の4社のなかで最も高い水準です。

年齢を踏まえて読む

ただし平均年齢44.8歳も最も高くなっています。年齢を揃えずに給与だけを比べると、実態を取り違えます。 詳しくはSIerのキャリアパスで整理しています。

2年連続で約5%のベースアップ

有価証券報告書には、処遇改善の内容が具体的に記載されています。

給与の構成

給与については、**「役割に応じた基本給」と「成果に応じた賞与」**で構成されております。基本給は、役割等級及びその等級に応じた期待役割の発揮状況を踏まえて決定し、組織貢献度や専門性が高く、意欲的に挑戦する社員が公正に処遇される仕組みとしております。

賞与

社員一人ひとりの業績向上への意識を高めることを目的に、会社業績及び個人の成果に応じて支給する業績連動賞与を導入しております。

処遇改善

2年連続で約5%のベースアップによる給与水準の引き上げを実施しております。

新計画での方針

年齢や経験年数に関係なく、誰もがやりがいと成長を実感できる人事評価制度へと抜本的な見直しを行うとともに、(中略)物価動向や当社の業績動向等を踏まえた適切な給与水準の確保と処遇改善を推進してまいります。

平均勤続20.9年の会社が言っていること

年齢や経験年数に関係なくという表現は、勤続が長い会社では意味を持ちます。現行制度の課題を会社自身が認識しているとも読めます。

採用の状況も明記されている

初任給を前年度比10.1%引き上げるなど採用競争力の強化を図った結果、採用目標を上回り、2025年4月入社の新卒者は前年度比28.6%増となる45名、2026年4月入社の新卒者数は50名となっております。

転職の観点

新卒採用を強化している会社では、中途採用の位置づけを確認する価値があります。 「中途と新卒で、入社後の育成に違いはありますか」。この質問が有効です。

組合員645名のユニオンショップ制

有価証券報告書の労働組合の記載は、次のとおりです。

当社の労働組合は、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会に属し、組合員は645名でユニオンショップ制となっております。 なお、労使間の問題もなく、労働協約の定めるところに従い、健全な労使関係を保っております。 連結子会社である株式会社KCSソリューションズは、労働組合が組織されておりません

ユニオンショップ制とは

採用された従業員が組合に加入することを前提とする仕組みです。組合員645名は、提出会社961人の約67%にあたります。

なぜ転職に関係するか

労働条件が交渉を経て制度として定まることを意味します。組合がない会社では、会社が定める制度に依ります。

同時期の他社と比べる

これまで見てきた会社の多くは「労働組合は結成されておりません」と記載していました。組合があり、組合員数まで開示している会社は多くありません。

子会社には組合がない

同じグループでも、法人によって仕組みが違います。 応募先がどちらかで、労働条件の決まり方が変わります。

多様性の指標も法人で分かれる

指標提出会社㈱KCSソリューションズ
管理職に占める女性労働者の割合8.8%36.4%
男性労働者の育児休業取得率88.9%100.0%
男女の賃金の差異(全労働者)72.9%72.7%
男女の賃金の差異(正規雇用労働者)77.4%89.6%
男女の賃金の差異(パート・有期労働者)45.8%58.4%

管理職に占める女性は4倍以上の差

8.8%と36.4%。同じグループでも、これだけ違います。

エージェントベストの見解

有価証券報告書に「2年連続で約5%のベースアップ」と書かれている会社は、そう多くありません。多くは「処遇改善に取り組んでおります」といった表現にとどまります。数字が入っているということは、実施した事実が確定していることを意味します。さらに同社は、初任給を前年度比10.1%引き上げたこと、新卒入社が前年度比28.6%増の45名になったことまで記載しています。ここから読み取れるのは、人材の確保に資源を投じている局面だということです。中途で入る方にとって重要なのは、この動きが中途採用にも及んでいるかです。新卒の初任給を上げると、既存社員との差が縮まることがあります。面接では「中途入社の場合、前職の年収はどの程度参照されますか」「役割等級のどこに位置づけられますか」と聞いてください。役割等級制度を公表している会社であれば、この質問に具体的な答えが返ってきます。

選考で確認しておきたいこと

  1. 雇用契約の相手方(提出会社か、㈱KCSソリューションズか)
  2. 配属される部門(金融関連/公共関連/産業関連)
  3. 役割等級のどこに位置づけられるか
  4. 中途と新卒で、入社後の育成に違いがあるか
  5. 客先常駐の有無と、その頻度
  6. 組合員になるかどうか

1つ目は、労働組合の有無と多様性の指標が法人で分かれるためです。管理職に占める女性の割合は8.8%と36.4%で4倍以上違います。

2つ目は、部門ごとに人員構成が違うためです。金融関連部門は連結226人に対し臨時雇用者182人と、他部門とは構成が異なります。

3つ目は、有価証券報告書に役割等級制度が明記されていることを踏まえた確認です。

6つ目は、提出会社がユニオンショップ制であることに関わります。

近い規模の会社はアイエックス・ナレッジの評判・年収・選考対策、転職の難易度はSIerの転職難易度もあわせてご覧ください。

エージェントベストの見解

平均勤続20.9年という会社が、新計画で「年齢や経験年数に関係なく、誰もがやりがいと成長を実感できる人事評価制度へと抜本的な見直しを行う」と書いている。この組み合わせは読み応えがあります。勤続が長い会社では、年次に応じた処遇が自然と積み上がります。それを見直すと明記したということは、現行制度に課題があると会社自身が認識しているということです。中途で入る方にとって、これは追い風になり得ます。年次で決まる部分が減れば、途中から入った人の経験が反映されやすくなるからです。ただし、見直しは「行う」と書かれた段階です。面接では「新しい人事評価制度はいつから運用されますか」「中途入社者の初期格付けはどう決まりますか」と聞いてください。制度の移行期は、入社のタイミングで扱いが変わることがあります。

まとめ

さくらケーシーエスについて、有価証券報告書から確認できる点を整理します。

本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。統計の数値は調査区分全体のものであり、特定の企業の実態を示すものではありません。詳細は有価証券報告書および各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 平均年間給与7,447千円は高いですか。

A. 同時期のアイエックス・ナレッジ(6,088,649円)やアイサンテクノロジー(6,894千円)より高い水準です。ただし平均年齢44.8歳も最も高く、年齢を揃えずに比べると実態を取り違えます。

Q. 2年連続約5%のベースアップは、中途入社にも適用されますか。

A. 有価証券報告書からは読み取れません。役割等級制度が明記されているため、面接で中途入社時の格付けと、その等級の報酬水準を確認する価値があります。

Q. 労働組合があると、何が違いますか。

A. 労働条件が交渉を経て制度として定まります。提出会社はユニオンショップ制で組合員645名ですが、連結子会社の㈱KCSソリューションズには組合がありません。

Q. 部門によって働き方は違いますか。

A. 有価証券報告書からは業務内容までは読み取れません。ただし金融関連部門は連結226人に対し臨時雇用者182人と、他部門とは人員構成が大きく異なります。

出典

本記事は 2026/8/12 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

この記事のタグ

事業会社・SIerの他の企業

事業会社・SIerの企業一覧を見る →

監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)