小林製薬の評判|年収・働き方・選考対策まで解説

小林製薬 評判・年収・選考対策 更新日 2026/8/8

小林製薬の有価証券報告書 第108期(2025年12月期)を段階で追うと、経常利益16,995百万円が税金等調整前当期純利益3,744百万円まで縮み、親会社株主に帰属する当期純利益は3,656百万円になっています。差の主因は特別損失に計上された減損損失14,645百万円です。この記事では、その内訳と、会社が示している2028年までの回復計画を整理します。

5期で当期純利益が197億円から36億円へ

まず業績の推移です。

回次決算年月売上高経常利益親会社株主に帰属する当期純利益自己資本利益率自己資本比率
第104期2021年12月155,252百万円28,015百万円19,715百万円10.4%77.4%
第105期2022年12月166,258百万円28,281百万円20,022百万円10.2%77.3%
第106期2023年12月173,455百万円27,330百万円20,338百万円10.1%76.4%
第107期2024年12月165,600百万円26,861百万円10,067百万円4.8%80.2%
第108期2025年12月165,742百万円16,995百万円3,656百万円1.7%76.3%

売上高は165,600百万円から165,742百万円へほぼ横ばいです。一方で親会社株主に帰属する当期純利益は10,067百万円から3,656百万円へ減り、自己資本利益率は4.8%から1.7%になりました。第106期の20,338百万円と比べると、2期で約82.0%減っています。

第108期の損益を段階で並べると、どこで減ったのかが分かります。

段階第107期第108期
経常利益26,861百万円16,995百万円
税金等調整前当期純利益13,914百万円3,744百万円
法人税等合計3,842百万円83百万円
当期純利益10,071百万円3,660百万円
親会社株主に帰属する当期純利益10,067百万円3,656百万円

第108期は、経常利益16,995百万円から税金等調整前当期純利益3,744百万円まで13,251百万円縮んでいます。有価証券報告書には、仙台新工場およびタイ工場において特別損失(減損損失)14,645百万円を計上したと記載されています。

もう1つの特別損失も継続しています。紅麹関連製品の回収及びその関連費用等について、前連結会計年度12,524百万円、当連結会計年度3,690百万円の製品回収関連損失を特別損失として計上したと記載があります。主な内訳は、企業向け紅麹原料の回収費用、健康被害にあわれたお客様への補償費用、製品回収関連損失引当金の繰入等とされています。

国内事業の売上は回復基調、通販だけが39.3%減

セグメント別に見ます。国内事業の売上高は122,920百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益は13,963百万円(同39.9%減)です。売上高にはセグメント間の内部売上高が含まれ、その金額は当連結会計年度4,856百万円と記載されています。

外部顧客への売上高の内訳です。

区分第107期第108期増減増減率
ヘルスケア59,194百万円58,315百万円△879百万円△1.5%
日用品50,161百万円50,815百万円654百万円1.3%
カイロ6,039百万円6,198百万円158百万円2.6%
通販4,505百万円2,735百万円△1,770百万円△39.3%
合計119,901百万円118,064百万円△1,836百万円△1.5%

日用品とカイロは増収です。減っているのは通販の△39.3%で、有価証券報告書は広告停止および定期購入解約等の影響によると説明しています。あわせて、自社通販サイト及びコールセンターを通じた製品の販売を2025年12月末をもって終了したと記載されています。

広告については、紅麹関連製品の自主回収に伴い一時停止していたものを、2025年7月に本格的なテレビ広告として再開し、下期も継続的なマーケティング活動を展開したとされています。新製品としては、局所麻酔成分を配合したのどの鎮痛薬や、無香料タイプの消臭剤が売上増加に貢献したと記載があります。訪日外国人数の増加によるインバウンド需要も売上に寄与したとされています。

国際事業については、米国で冬シーズンの気温低下等の天候要因によりカイロの販売が好調に推移したこと、東南アジアで2024年に発生していた各種出荷調整が解消されたことが挙げられています。

エージェントベストの見解

「業績が落ちている会社」という理由だけで見送るかどうかを決める前に、決算を段階で分けて読んでください。第108期の売上高165,742百万円は前期の165,600百万円からほぼ横ばい、経常利益は16,995百万円です。ここから税金等調整前当期純利益が3,744百万円まで縮んだ主因は、仙台新工場およびタイ工場で計上された減損損失14,645百万円。設備に関する会計上の処理であって、日々の商売がその分だけ細ったわけではありません。実際、国内事業の外部売上は日用品が1.3%増、カイロが2.6%増で、減っているのは通販の39.3%減です。その通販も、自社サイトとコールセンターでの販売を2025年12月末で終了したと記載されています。応募を検討するときに見るべきは、最終利益の数字より「どの区分が伸びていて、どの区分をたたんだか」です。自分が入る区分がどちらかで、入社後の景色が変わります。

開示された数値から読み取れること

以下は、有価証券報告書から読み取れる範囲の整理です。個別の口コミではなく、開示された数値をもとにしています。

年収・評価制度

提出会社の平均年間給与は7,554,189円です。従業員数1,737人(臨時雇用者92人は外数)、平均年令41.2才、平均勤続年数12.8年。基準外賃金及び賞与を含みます。2025年12月31日現在の数値です。

提出会社のセグメント別人員は、国内事業1,369人(71人)、国際事業15人、全社353人(21人)です。全社は特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している者と注記されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

ワークライフバランス

男性労働者の育児休業取得率は95.2%です。残業時間は開示されていません。

労働組合については、薬粧連合(医薬化粧品産業労働組合連合会)に属し、2025年12月31日現在の組合員数は1,224名(出向社員含む)と記載されています。労使関係は円満に推移しているとされています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

キャリア・成長機会

連結従業員数は5期で3,451人から3,731人へ増えています。臨時雇用者の平均人員は528人から415人へ減りました。売上が横ばいのなかで人員は増えている構成です。

平均年令41.2才から平均勤続年数12.8年を差し引くと、入社時の年齢は約28.4才になります。中途入社を含む構成と読めます。

2026年12月期から2028年12月期までを対象とする新中期経営計画が策定されており、テーマは「将来の持続的成長を実現するために、未来につながる土台を築く」と記載されています。この3年間は延長線上での成長を目指す期間ではなく、経営基盤強化と企業変革に注力する期間と位置づけられています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

社風・人間関係

管理職に占める女性労働者の割合は14.8%です。労働者の男女の賃金の差異は全労働者65.5%、正規雇用労働者68.9%、非正規雇用労働者53.2%と記載されています。

賃金差異について有価証券報告書は、能力発揮及び担う役割が同じであれば概ね同水準の賃金が支払われること、ただし管理職比率や正社員の割合が男女で異なり、その結果平均賃金にも差が生じていることを注記しています。

連結子会社では、富山小林製薬の女性管理職比率11.1%、仙台小林製薬12.5%が開示されています。

※公開されている情報から読み取れる範囲をまとめたものです

2026年は計画上も減益、2028年に営業利益220億円

有価証券報告書には、新中期経営計画の業績目標が数値で示されています。

項目2025年(実績)2026年(計画)2028年(計画)
売上高1,657億円1,730億円1,880億円
営業利益149億円125億円220億円
営業利益率9.0%7.2%11.7%
EBITDA236億円220億円315億円
ROE1.7%4.8%10.0%
国内事業売上高1,180億円1,230億円1,315億円
国際事業売上高469億円494億円560億円

EBITDAは営業利益+減価償却費+のれん償却額と注記されています。

2026年12月期は増収でありながら、営業利益は149億円から125億円へ下がる計画です。有価証券報告書は理由として、広告宣伝費の増加、仙台新工場および彩都モノづくりラボ(新研究所)の稼働に伴う減価償却費・ランニングコストの増加等を挙げ、3カ年の初年度は先行投資等により一時的な利益低下を見込むと記載しています。前提として、2025年5月まで停止していた国内の広告を2026年は通年で実施すること、インバウンド需要は前年並みを想定していること、新たなM&Aの貢献は織り込んでいないことが示されています。

補償の進捗も開示されています。2026年2月28日時点で、補償対応窓口へ問い合わせをした方1,340名、補償申請書類を受付した方890名、補償の対象となった方510名、慰謝料等の支払いが完了した方290名、治療継続中または補償内容を協議中の方220名です(人数は概数)。

再発防止策は、①品質・安全に関する意識改革と体制強化、②コーポレート・ガバナンスの抜本的改革、③全員が一丸となって創り直す新小林製薬、の3本柱で構成されると記載されています。

向いている人/向いていない人

向いている人

再建の途中から関わることに納得できる方

新中期経営計画は2026年12月期から2028年12月期が対象で、初年度は先行投資等により一時的な利益低下を見込むと記載されています。目標は2028年12月期に営業利益220億円、ROE 10.0%です。

新製品の企画・開発に関わりたい方

第108期は、局所麻酔成分を配合したのどの鎮痛薬や無香料タイプの消臭剤といった新製品が売上増加に貢献したと記載されています。

海外展開に関わりたい方

国際事業の売上高は2025年の469億円から2028年に560億円を目指す計画です。米国・中国・東南アジアが主な市場として挙げられています。

向いていない人

業績が右肩上がりの局面に加わりたい方

親会社株主に帰属する当期純利益は第106期の20,338百万円から第108期の3,656百万円へ減り、2026年12月期は計画上も営業利益が149億円から125億円へ下がる想定です。

通販・ダイレクト販売の領域を志望する方

自社通販サイト及びコールセンターを通じた製品の販売は2025年12月末をもって終了したと記載されています。通販の外部売上も前期比39.3%減です。

エージェントベストの見解

面接の終盤で問われやすいのは、「いまのこの会社に、何をしに来るのか」です。過去の事案に触れずに志望動機を語ると、事情を分かっていないと受け取られます。逆に、事案の話だけをして終わっても、入社後にできることが見えません。数字で整理してください。補償は2026年2月28日時点で対象となった方510名、支払完了290名、協議中220名と進行中です。再発防止策は3本柱で示されています。そのうえで会社は2026年から2028年の中期経営計画を出し、2026年は営業利益125億円と一度下げてから2028年に220億円・ROE 10.0%へ戻す絵を描いています。準備としてお伝えしているのは、この「一度下げてから戻す」局面のどこに自分が効くのかを1つに絞って話せるようにすることです。品質・安全の体制側なのか、国内の新製品なのか、469億円から560億円を目指す国際事業なのか。領域を選ばずに「再建に貢献したい」と言うと、どの面接官にも刺さりません。

選考に向けた準備

応募の前に確かめること

小林製薬株式会社は東証プライム市場に上場しており、証券コードは4967です。本店の所在地は大阪市中央区道修町四丁目4番10号、資本金は3,450百万円、決算期は12月です。

連結従業員数は3,731人(臨時雇用者415人は外数)、提出会社は1,737人です。グループには富山小林製薬、仙台小林製薬等があり、求人がどの法人のものかで条件が変わります。

セグメントは国内事業と国際事業の2区分です。提出会社の人員は国内事業1,369人、国際事業15人、全社353人で、国際事業に関わる人員は提出会社では限られています。

募集要項の詳細は公式の採用ページでご確認ください。

志望動機で問われること

「なぜ消費財・ヘルスケアか」と「なぜ小林製薬か」の2段で組み立てます。

前者については、ヘルスケア、日用品、カイロ、国際事業のどこに関わりたいのかを具体化します。

後者の材料は有価証券報告書にあります。第108期の国内事業の外部売上が、日用品1.3%増・カイロ2.6%増と回復基調にある一方、通販は39.3%減で自社通販の販売を2025年12月末に終了したこと。2025年7月に本格的なテレビ広告を再開したこと。仙台新工場およびタイ工場で減損損失14,645百万円を計上したこと。2026年12月期は営業利益125億円と計画上も減益で、2028年12月期に220億円・ROE 10.0%を目指すこと。仙台新工場および彩都モノづくりラボ(新研究所)が稼働すること。

「一度下げてから戻す計画である」という前提に触れられると、下調べの深さが伝わります。

職務経歴書で見られるポイント

消費財メーカーの中途採用では、担当したブランドや製品と、そこで動かした数値が読まれます。

マーケティングの経験がある方は、担当ブランドの売上規模、投下した広告費と得られた効果、リニューアルや新製品でシェアをどれだけ動かしたかを書きます。

商品開発・研究の経験がある方は、担当した製品カテゴリと開発期間、上市に至った件数、処方や機能で何を実現したかを書きます。

生産・品質保証の経験がある方は、担当ラインの生産数量、品質指標をどう改善したか、監査や規格対応でどこを担ったかを書きます。再発防止策の第一の柱が品質・安全に関する意識改革と体制強化です。

営業の経験がある方は、担当した販路と取引先の規模、店頭での配荷や売場をどう動かしたかを書きます。

海外事業の経験がある方は、担当した国と製品、現地での販売体制をどう作ったかを書きます。国際事業は2028年に560億円を目指す区分です。

いずれの場合も、案件ごとに、置かれていた状況、自分が選んだ打ち手、動いた数値を短く添えます。

まとめ

小林製薬は東証プライム市場に上場する消費財・ヘルスケア企業で、有価証券報告書 第108期(2025年12月期)の連結売上高は165,742百万円、経常利益16,995百万円、税金等調整前当期純利益3,744百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,656百万円、自己資本利益率1.7%、連結従業員数3,731人です。経常利益から税金等調整前当期純利益までの差の主因は、仙台新工場およびタイ工場で計上した減損損失14,645百万円です。紅麹関連製品の製品回収関連損失も、前連結会計年度12,524百万円、当連結会計年度3,690百万円が特別損失に計上されています。国内事業の外部売上はヘルスケア58,315百万円(△1.5%)、日用品50,815百万円(1.3%増)、カイロ6,198百万円(2.6%増)、通販2,735百万円(△39.3%)です。提出会社の従業員数は1,737人、平均年令41.2才、平均勤続年数12.8年、平均年間給与7,554,189円。新中期経営計画では2026年12月期の営業利益を125億円、2028年12月期を220億円・ROE 10.0%としています。

よくある質問

Q. 小林製薬の年収はどのくらいですか。

A. 有価証券報告書 第108期(2025年12月期)によると、提出会社の平均年間給与は7,554,189円です。従業員数1,737人(臨時雇用者92人は外数)、平均年令41.2才、平均勤続年数12.8年で、基準外賃金及び賞与を含みます。提出会社のセグメント別人員は国内事業1,369人、国際事業15人、全社353人です。連結従業員数3,731人のうち提出会社は1,737人で、子会社に所属する場合は水準が異なります。実額は選考の過程でご確認ください。

Q. 業績はどうなっていますか。

A. 第108期の連結売上高は165,742百万円で前期の165,600百万円からほぼ横ばい、経常利益は16,995百万円です。税金等調整前当期純利益は3,744百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3,656百万円で、差の主因は仙台新工場およびタイ工場で計上した減損損失14,645百万円です。国内事業の外部売上は日用品が1.3%増、カイロが2.6%増と回復基調で、通販は39.3%減。新中期経営計画では2026年12月期に売上高1,730億円・営業利益125億円、2028年12月期に売上高1,880億円・営業利益220億円・ROE 10.0%を目指すとされています。

Q. 紅麹の件はどこまで進んでいますか。

A. 有価証券報告書には、健康被害(入通院)補償の進捗状況として2026年2月28日時点の人数(概数)が記載されています。補償対応窓口へ問い合わせをした方1,340名、補償申請書類を受付した方890名、補償の対象となった方510名、慰謝料等の支払いが完了した方290名、治療継続中または補償内容を協議中の方220名です。製品回収関連損失は前連結会計年度12,524百万円、当連結会計年度3,690百万円が特別損失に計上されています。再発防止策は、品質・安全に関する意識改革と体制強化、コーポレート・ガバナンスの抜本的改革、全員が一丸となって創り直す新小林製薬、の3本柱で構成されると記載されています。

本記事は2026年8月時点で公開されている情報にもとづいています。最新の募集要項や選考プロセスは、各社の公式サイトでご確認ください。

出典

本記事は 2026/8/8 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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監修

松岡 良次

株式会社エージェントベスト代表。大手人材会社およびスタートアップ人材企業にて、IT・スタートアップ・メガベンチャー企業の採用支援に従事。独立後はIT・スタートアップ・コンサル領域に特化し、20〜30代のキャリア支援を行う。(厚生労働大臣許可 13-ユ-316964)